ロシア関連

ロシアのペスコフ大統領報道官、ウクライナで相当な兵力を失ったと認める

ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、英メディアの番組に出演して「ウクライナでロシア軍は相当な兵力を失った」と認めたため注目を集めている。

参考:Ukraine news live: Putin’s spokesman admits ‘we have had significant losses’ and it’s a ‘tragedy’

公式発表の数字より多くの兵士が失われていることをロシアは暗に認めた格好だ

43日目に突入した戦いでロシア軍は18,900人の兵士が戦死したとウクライナ軍は主張、国防総省もロシア軍の戦死者数を最大1万5,000人と推定しているが、ロシアは「1,351人の兵士が戦死した」としか認めておらず全体的な損害についても「軽微だ」と繰り返し説明してきた。

出典:Минобороны России

しかしSky Newsに出演したロシアのペスコフ大統領報道官は「ロシア軍が大きな損失に直面している」と初めて認めたため注目を集めている。

番組の司会者が「失われた兵士の数やキーウ周辺からの撤退を考えると今回の戦争はロシアにとって屈辱的なものか?」と質問、これにペスコフ報道官は「間違った理解だ、キーウ周辺からのロシア軍撤退は和平交渉を進める意思を態度で示した善意のジェスチャーだ」と反論したが、失われた兵士の数については「ウクライナでロシア軍は相当な兵力を失った、これは我々にとって大きな悲劇だ」と述べており、公式発表の数字より多くの兵士が失われていることを暗に認めた格好だ。

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0

因みにウクライナで負傷した兵士については興味深い噂がある。

キーウやチェルニーヒウで負傷したロシア軍兵士はベラルーシのホメリやマズィルなどの病院に運ばれ治療を受けていたが、病院の医師や関係者が戦死者や負傷者の情報を外部に漏らすことを懸念してロシア人医師に入れ替えたと言われており、手当が終わったロシア軍兵士も駐屯地や家族の元に戻すのではなく「比較的人口が少ない地域」に移送して隔離=負傷者が国民の目に触れないよう苦心しているらしい。

どこまで本当の話なのは不明だが、、、

関連記事:半端な数ではない、ベラルーシの死体安置所はロシア軍兵士の遺体で満杯
関連記事:ロシア、初めて「ウクライナ侵攻が予定通り進んでいない」と認める

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0 ロシア空挺軍

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ロシア空挺軍所属の兵士60名、ウクライナでの作戦参加を拒否して解雇?前のページ

ショルツ独首相、ウクライナが要請したマルダー歩兵戦闘車の提供に難色次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    バフムートに関する噂レベルの情報

    ロシア側の情報源は「バフムート周辺の天候が悪化して野外の移動が困難にな…

  2. ロシア関連

    プーチンは自身の権威が傷つかないよう戦争を止める方法が見つからない

    ロシアの独立系メディアのМедуза(メドゥーサ)は31日、ウクライナ…

  3. ロシア関連

    ロシア、海外デビューを飾ったチェックメイトと能力的に対等なのはF-35のみ

    ロステックのCEOを務めるセルゲイ・チェメゾフ氏はドバイ航空ショーで海…

  4. ロシア関連

    バフムートを巡る戦い、露ワグネルがバフムート北東のブラホダットネを制圧

    バフムート北東に位置するブラホダットネを露ワグネルに制圧されたことが視…

  5. ロシア関連

    メドヴェージェフ元大統領、ウクライナのNATO入りにはキーウ放棄が必要

    ロシアのメドヴェージェフ元大統領は15日、NATO補佐官が言及した「領…

  6. ロシア関連

    ロシア軍機とって最も厄介なのはBukとОса、NATOが光学センサーを追加?

    NATOがウクライナ軍のBukとОсаに光学センサーを追加したため、ロ…

コメント

    • zerotester
    • 2022年 4月 08日

    負傷した兵士がそのまま家族の元に帰ると、同じ部隊の家族がうちの息子はどうしてるかと聞きに来るでしょうし、それによって大量の戦死者が出ていることがバレます。兵士の母の会も目を光らせてますし。だからその噂はありそうな話です。

    32
      • けい2020
      • 2022年 4月 08日

      家族も約束した略奪品すら持ってこないし、それで負傷しても政府からは雀の涙
      これが一番の反政府要因になりそうな気がしてる

      2
    • あっぽぽい
    • 2022年 4月 08日

    戦艦武蔵が沈んだ時、数少ない生存者は、生きてアレコレ証言されると面倒なので、敢えて生きて帰ることが難しい激戦地に再配属されることが多かったと聞いたことがある。

    14
      • 無無
      • 2022年 4月 08日

      いまそれがここで語られているのは、
      ウソは最終的にはばれるということ、単に時間がどれほどかかるか、その長短のみ
      スパイと政治というウソの世界で生きてきたプーチンに、真実の伝わる怖さを教えてやるのは東西の壁を乗り越えて、我々一般の庶民の役目ですよ
      本当のことを知りたいのはロシア国民も西側民も変わりない

      17
      • ミリオタの猫
      • 2022年 4月 08日

      ミッドウェー海戦でも敗北後帰還した沈没空母の乗員や艦上機搭乗員等は同じ理由で一時病院等に隔離された話が有りますよ。

      8
        • 2022年 4月 08日

        軍港には「彼女」がいることが多いようで、ミッドウェー海戦後、芸者が「赤城は沈んだんでしょ。だって艦隊が入港したら必ず来ていた彼が会いに来てくれないし」と言っていたとか。

        18
      • 名無し
      • 2022年 4月 08日

      なんでやたらと80年も前の話にもっていきたがるのか知らないが
      あの海戦で沈んだのは武蔵だけじゃないでしょう
      喪失艦艇多すぎで隠しようもない
      当時の話なんか読むと、そこらの市井の人々が「こりゃ全滅も同然だな」
      なんて話してたっていうんだから。

      19
        • 無無
        • 2022年 4月 08日

        一連の伝説のポイントは、政府による情報隠蔽で国民は本当のことを知らなかったから、国民に戦争責任はないという論理が目的ですから。
        知らなかったのでなく、気がつかないふりをしていただけなんですけどね
        今ロシヤ人が同じ轍を踏むなよって願うばかり

        25
          • 匿名
          • 2022年 4月 08日

          目的は兎も角、都市伝説を元に話しを展開するのは感心しません。
          肝心の本筋の方まで都市伝説と同類的な扱いを受けかねないから。

          9
      • 2022年 4月 08日

      それ、吉村昭「戦艦武蔵」に書いてありましたね。激戦地というより、第三者と接触させないよう隔離していたみたいです

      3
    • AAA
    • 2022年 4月 08日

    独裁国家では国家指導者が認めた情報しか公式からは出てこない
    弱気な情報が出てくるということはプーチンも弱気になっているのかも

    4
      • tofu
      • 2022年 4月 08日

      公式の声明じゃなくて番組での会話だからうっかり漏らしただけじゃないすかね

      18
    • 匿名
    • 2022年 4月 08日

    これ、士気が地の底まで落ちるんじゃないかと
    隔離されるのは負傷兵だけでなく、恐らくは、満了した兵士も家に戻れなくなるのでは…?

    4
    • 匿名
    • 2022年 4月 08日

    >「比較的人口が少ない地域」に移送して隔離

    つまり、シベリア送りですな。

    26
      • や、やめろー
      • 2022年 4月 08日

      強制労働…?

      3
      • ナニガシ
      • 2022年 4月 08日

      全員行方不明だろう。

      2
    • や、やめろー
    • 2022年 4月 08日

    隔離とかいつの時代の話だよ…

    3
    • 黒騎士
    • 2022年 4月 08日

    似たような話ですが、山本五十六大将が戦死したときも、長官機の護衛任務についたゼロ戦パイロットは口外させぬ処置から、矢継ぎ早に激戦区に回されて次々と非業の戦死をしたそうです。6名中生き残ったのは結局一人だけで、それも片手を切断の重症とか聞いています。

    4
      • hiroさん
      • 2022年 4月 08日

      これは違うでしょう。
      山本元帥戦死はニュース映画でも報じられて、大々的な葬儀が行われています。
      護衛戦闘機搭乗員が冷遇されたのは、海軍のシステムとしての不備を個人の責任に転嫁したスケープゴート。
      戦意高揚のためとはいえ、最前線に連合艦隊司令長官が出ていったことが大間違い。

      29
      • tofu
      • 2022年 4月 08日

      それは俗説と聞いたけど
      山本五十六の死亡が秘匿されたと言っても精々1ヶ月程度だし、ラバウルの航空隊自体が消耗激しかったし

      8
      • 匿名
      • 2022年 4月 08日

      山本五十六の戦死その他は、次のような経過です。

      1943年4月18日:戦死
      1943年5月21日:遺骨での帰国と、戦死に関する公表
      1943年6月5日:国葬

      9
    • 匿名
    • 2022年 4月 08日

    あれは陽動だったのだ!とほざき逃げ帰るだけが善意のジェスチャーとはね
    そして報復対象は露軍に従わず敵勢的で思想調査の必要な市民とかいうの
    敵国首都への侵攻なのに何をアホやってんのだしこの勢いなら根室来れそう
    威力偵察で来てみました的にバルトやフィンランド国境で問題起こすとそっちの報道で時間割かれて情報戦で戦果出せそうとかマジで考えてそうなレベル

    4
    • 折口
    • 2022年 4月 08日

    死傷者数をどう偽ってもいつかは戦争は終わる訳ですし、その後に手足を失った息子や父親が家に帰る、あるいは契約期間終了後にも帰らない事で事実は明るみに出る訳で、ほんとどうすんですかね。キーウ周辺を占領して自治共和国を作った体裁にして、死傷した兵士はみんなそこに駐留して帰れないって嘘つくのかな。

    ロシア人の主張する栄光も勝利も強さも嘘で塗り固められたものだった訳ですが、一つの嘘を隠し通すためにはさらに別の嘘をいくつもつき続けねばなりません。FSB職員の手紙ではゴルディアスの結び目作戦という(国民や国際社会の目をそらすための)他戦域での開戦工作が既に進行中であることが指摘されています。現にバクーでは爆破テロが発生し南オセチアも不穏な雰囲気になっています。ロシア政府やSVRではなくいち下院議員の言ではありますが千島列島から北海道にかけても何か起こしたいであろう意図が伝わってきます。
    これらも長い目で見ればソビエト、あるいはスラブの守護者だったロシア帝国の崩壊と没落の過程で起きた/起きる戦いなのでしょうが、衰退するにしても他人に迷惑をかけずに滅んでほしいところです。

    7
      • STIH
      • 2022年 4月 08日

      >FSB職員の手紙ではゴルディアスの結び目作戦という(国民や国際社会の目をそらすための)他戦域での開戦工作が既に進行中であることが指摘されています。
      ああやっぱり、別なところに放火するつもりなんですね。自己中と言われても日本じゃないことを願いますが。北方領土が攻撃されたとか言い出しかねない所がありますから。
      しかし、ウクライナですら手一杯に見えるとはいえ他のところに手を出すとは、いよいよ根こそぎ動員でもするつもりなんですかね。ウクライナじゃないからセーフとか言い出すとか?

      10
    • 通りすがり
    • 2022年 4月 08日

    同時にジェノサイドを否定しているから
    そちらを少しでも信じさせるための話術として、損害を認めただけだと思う
    不利なことを告白すると、本当のことを言っているという先入観が発生する
    それを利用するテクニックに過ぎない
    もっとも、これだけ映像が残る時代では無意味だが
    逆に言えば、画像が残らない時代であれば、それなりに有効だったろう

    8
    • ナニガシ
    • 2022年 4月 08日

    プーチンから現場の兵士まで、統制が取れてない。
    なんと言うか、プーチンがなんとしろ!と丸投げして、個々で対応しているような感じ。
    このタイミングで北海道の領有権を主張とか、訳が分から
    ん。

    5
      • 匿名
      • 2022年 4月 08日

      意味があろうがなかろうが関係なしで敵勢国家側に報復したという実績出さないと上にシバかれるからマジ超絶どうでもいい報復とかしまくってる
      交換留学廃止!姉妹都市宣言破棄!と実効性皆無も点数稼ぎになるが行政機関でなく日本と取引する民間企業は商売やめろでないと潰すぞ的な感

      1
      • NATTO
      • 2022年 4月 08日

      プーチンと取り巻きがポッケにナイナイしたお金をきちんと軍隊に回していればここまで無様な事にはならなかったでしょ。

      4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  5. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
PAGE TOP