どうやらボーイングのF/A-18E/F BlockIIIは深刻な欠陥が発覚して、主要なアップグレード項目だったコンフォーマル・フューエル・タンクを諦める必要がでてきたと報じられている。
参考:New Concerns Prompt U.S. Navy Review Of Key F/A-18E/F Upgrade
BlockIIIの主要機能だったコンフォーマル・フューエル・タンクに欠陥、米海軍が採用見送りを検討中
ボーイングは昨年4月、米海軍によるF/A-18E/F BlockII調達プログラム(単座型322機+複座型286機)が終了したことを明かしたが、これでF/A-18E/Fの製造が終了したという意味ではない。現在、BlockIIの後継モデル「BlockIII」の開発が進んでおり、既にプロトタイプが引き渡され海軍のパイロットによってテストが繰り返されている。
The first #FA18 Block III #SuperHornet test jet has rolled out of final assembly. Two of these test jets will head to the @USNavy, where they’ll help pilots familiarize themselves with the updated jets and be used in carrier flight tests. pic.twitter.com/ojmn7Uy4Z0
— Boeing Defense (@BoeingDefense) May 8, 2020
F/A-18E/F BlockIIIはBlockIIと比べて機体寿命の延長(計9,000飛行時間以上)、大型コックピットディスプレー搭載やネットワーク機能を強化、LO塗装による低認識性の向上、推力向上型のF414-GE-EPE(26,400ポンド)搭載、IRST(赤外線捜索追尾システム)を組み込んだ増槽やコンフォーマル・フューエル・タンクが採用されており、特に中国やロシアなどが開発を進めている長射程のミサイルから空母を守るため作戦半径の拡張=つまり胴体中央の左右に搭載されるコンフォーマル・フューエル・タンクに米海軍は期待していたのだが深刻な欠陥が見つかったらしい。
米海軍はコンフォーマル・フューエル・タンクの欠陥について「空母での運用テスト中に発覚した」とだけしか明かしていないため詳細は不明だが、この欠陥の影響で米海軍はBlockIIIからコンフォーマル・フューエル・タンクを除外することを検討しているとAviation Weekが報じており、F/A-18E/Fの運用や米海軍の航空戦術に大きな影響を及ぼすかもしれないと報じている。
F/A-18E/F BlockIIはAIM-9×2発、AIM-120×2発、2,000ポンド爆弾×2発、胴体下部に480ガロン入りの増槽を携行することで594海里(1,100km)の作戦半径を確保していたが、BlockIIIは515ガロン入りのコンフォーマル・フューエル・タンクを胴体中央の左右に追加することで作戦半径が714海里(1,322km)まで拡張できるとボーイングはアピールしていた。
特にBlockIIIが採用するIRSTを組み込んだ増槽は330ガロンしか燃料が入らないため、コンフォーマル・フューエル・タンクの採用はBlockIIIにとって非常に重要な意味をもっているのだが、これが採用見送りになればBlockIIIの作戦半径はBlockIIよりも小さくなるため、IRSTを組み込んだ増槽も採用されるのか怪しくなってくる。
とにかくボーイングにとって何よりも恐ろしいのは米海軍がF/A-18E/F BlockIIIの新規調達(BlockIIからアップグレードは継続)を中止することを検討している点で、今のところは議会がBlockIIIの新規調達を支持しているため大きな問題になっていないが、コンフォーマル・フューエル・タンク採用が見送りになりBlockIIIの性能が米海軍の期待を裏切るものになれば議会も新規調達の打ち切りに同意せざるを得ないだろう。
さらにボーイングはコンフォーマル・フューエル・タンクを備えたF/A-18E/F BlockIIIをカナダ、スイス、フィンランド、インドに提案しているため、今さらBlockIIIからコンフォーマル・フューエル・タンクを削除することになれば採用レースからの脱落が確定してしまい、BlockIII採用が内定しているドイツも決定を白紙化するかもしれない。
果たしてコンフォーマル・フューエル・タンクの欠陥が空母での運用に限定した欠陥なのか陸上運用にも影響がある欠陥なのかは不明だが、恐らくボーイングは青ざめていることだろう。
関連記事:ボーイングの未来が掛かったF/A-18E/F BlockⅢのプロトタイプ初公開
※アイキャッチ画像の出典:ボーイング F/A-18E/F BlockIII
何がどうしてこうまでなるのか、
もう軍というよりは企業の問題としてボーイングの転落劇を本にまとめたら、売れるね
正直、なんで燃料タンク如きに躓いてるのか理解不能。
プロジェクトマネージャーが酷過ぎんのか?
コンフォーマルっていうのは外形にフィットして表面の滑らかさを損なわないみたいな意味で普通の燃料タンクよりは遥かに高度
F/A-18E/Fについては、CFTなしでBlockⅢ、ではダメなのだろうか?
記事を見るに、搭載予定の装備もCFTがあること前提の装備だから外したら全体的な見直しが要求され、採用はかなり厳しいのではなかろうか
F/A-18EFは増槽の投下時に他の兵装と干渉するからという理由でパイロンごとハの字に捻じ曲げるというクソ設計をしたことで有名な機体だぞ
ホント、あのガニ股はイヤだ!
いっその事本体再設計した方がいいのではないかと思う。
コストが上がり過ぎる。
元々の機体の成り立ちが空軍のハイローミックスのローから始まって、直線翼に近い翼と巨大なストレーキで着艦時の安定性が良い、しかも洋上運用で有利な双発ということで艦上機として採用されたが、素性としてはあまり良くはないのでは?
E/FでF-15と同じようなサイズになったが、胴体まわりのハードポイントが少なく、各種センサーの取り付けも厳しそう。
F-15のような胴体まわりのユーティリティーが欲しいですね。
アメリカ海軍がグダグダなのが空にまで及ぶとはね
喜ぶのはどこの中国共産党かな?
ボーイング一社の問題というより、もう国として末期なのよ
物作りを捨てて安易に国外アウトソーシングに走った国の末路
株だの投資だのCO2取り引きだのは私企業を富ましこそすれ国家を成長させる事はない
国家にとって大切な企業であっても遠慮なくボロボロにするのが新自由主義だし、
此処から更に様々な方法で美味しくいただくのが新自由主義なんだよね。
まあそれらとボーイングがどこまで関係しているのかは知らんけど。碌でもねえ思想だわ。
人材が金融やITに取られすぎて重工業に人が行かないんだろうな
日本も優秀な学生はまず医者になりたがるから優秀なエンジニアが全然足りない
江戸はるみか
的外れもいいとこ
その不都合に対しては沈黙しとけの姿勢こそ中国共産党まんまだよ
ボーイングもなかなか問題を抱え込んでるなぁ。
その一つ一つがあまりにもでか過ぎるけど。
発端は787のリチウムバッテリー問題でいいのかな、その後737MAXと立て続けに民間部門の信用失くすし、軍事部門はこの通り
組織として見ると、問題が表面化する以前に原因が存在するはずだが、
これはボーイング単独の問題なのか、あるいはアメリカという社会の抱える病根の一端なのかは気になるとこ
何のかんのいっても日本にとっても重要な企業なんだし、しっかりしろよw
ボーイングだけじゃ、もう再建は無理かもしれませんね
遂にボーイング、止めを刺された感じだな!
空母の運用テスト中に問題が発覚したらしいが、もしかすると着艦時の衝撃でコンフォーマルタンクが破損したか、空力上の問題でコンフォーマルタンクを装着していると上手く着艦出来ないとかかもね
どっちにしても、ボーイングは軍事部門の売却待ったなしになるかも知れないので、今後の情報を待ちたい所だ
前後に長いタンク内で、燃料が揺れるのかな?
そんなんならタンク内に「仕切り」を付けたりして過剰な揺動を抑制すれば済む話なので、
「延期」になる事はあっても「除外」なんて話にはならないかと。
もう戦闘機作れる技術者自体がもう残ってないのではと勘ぐってしまう。
マクドネル・ダグラスの技術が失われたのでしょうね。
泣きっ面にホーネット
すき
座布団好きなだけどうぞ!
本当にそうだから草
一番泣きたいのはホーネットさんやけどな。
F-18>もう、ライフがゼロよ。
F-35C>後はお任せ💛
巧すぎるw
F-やけっ8だし
ボーイング君さぁ…本気出して、どうぞ。
本気出してコレなんだと思うぞ(無慈悲)
悲しいなぁ…。
お願い、死なないでボーイング! 貴方が倒れたら、アメリカさんやドイツとの約束はどうなっちゃうの?
資金はまだ残ってる。ここを耐えれば、ロッキード・マーティンに勝てるんだから!
次回、「ボーイング死す」。デュエルスタンバイ!
逆転の切り札はありますか(震え声)
公金投入
ものを作ってなんぼの会社に、資金だけ投入しても、延命処置にしかならないのが、現実でしょう。
技術力と資本力のある会社に、無理やり押し付けるのが、定石なんでしょうが、そんな会社があるかどうか?
思い余って、中国系企業になんてことも、あながちないとはいえないのが、あの国の実情ではないでしょうか。
F-35のライセンス生産。
昔は中島も零戦作ってたし。
希望は無いんですか(泣)
いや、もうボーイングは737maxの後継でも作れ、軍用機売れる見込みないんだから。
壊れる外れる程度だったら改修すればいいだけだから装備を諦めるとなるともっと根本的問題・・・例えばCFT装着によって胴体部分にダウンフォースが発生してしまい着艦侵入速度が上がってしまって甲板上で止まれるか怪しくなった、とかかな。
これなら陸上運用で滑走距離が少し伸びてもたいした問題じゃないが空母だと致命的だしCFTの装着そのものが発生原因だから構造云々では改善出来ない。
この問題を解決できないとボーイングは本当に終わるかもね。
タンクの丸みを考えると逆に揚力過多じゃないですかね。
あるいは着艦時に接続ボルトが破損とかかな
揚力の過大や過少、失速特性みたいな空力面なら、
形状変更やスポイラー・ベーン・デヒューザー・ボルテックスジェネレーターみたいな各種空力デバイスの追加で解決する可能性が高いから
「開発延長」とか「容量縮小」とかになるんじゃないかなぁ。
そのときは、元親会社だったユナイテッドテクノロジー(現レセイオンテクノロジー)に引き取ってもらいましょう。
低速時にCFTが渦巻いて垂尾の効きが悪くなるとか?
ボーちゃんをこれ以上いじめんといて
MADLとの接続能力が無くコンフォーマルタンクも絶望的となるとBlock3になんの価値があるのやら。
もはやボーイングにはかつてのGMのように一旦国有化するしか生き残る道はないんじゃないだろうか
もう米軍はイスラエルに開発費渡してオーダーした方が良い装備品採用出来るんじゃねえの?
日本がイスラエルのを採用するよりハードル低いでしょうし、それは良い案かも。
確かF-2の増槽タンクがイスラエル製だったような
前世代機にもリストラが必要。
F-15系、F-16系、F-18系を全部新規製造しつつ、F-22、F-35ABCも調達しつつ、さらに次世代機の開発も順調とか、米帝でも背骨がヤバくなる案件。
F-22はもう調達終わって生産ラインを閉じてなかったか
新規調達には製造ライン再構築に数兆円かかる
とかの話しでしたからね
F22専用の補修パーツは まだ調達している という意味でなら…
またバカウヨの妄想か
YouTubeのコメント欄かヤフコメでやれよ。
ボーイングの経営陣は多額の退職金と共に沈む船からドンズラする準備をしてそうだな
たしかその経営陣の中に2018年から取締役に就任してたキャロライン=ケネディがいたような・・・w
F/A-18のCFTといったら、前後に長いタンクの中で、燃料を前後に移送して空力中心の移動に重心を上手く合わせてやるのがキモだったはずだが、それが未だに上手くいってないのだろうな。
最近のボーイングからするとコンフォーマルタンクつけると空中での重量バランスが崩れて無理やり飛ばすと飛行中にそのまま墜落するぐらいのやらかしはやってそう
アドバンスド(当初)→ブロック3
ウェポンポッド → なし
ノーズ下IRST → 中央増槽IRST
エンジン強化 → なし (管理人さんはエンジン強化されると思ってるみたいだけど実はこれも中止になってる)
MAWS → なし
CFT → なし ←New!
ずいぶんしょぼくなりもうしたなぁ…(遠い目)
中央増槽IRSTはなんとも場当たり的ですね。
エアインテイクがかなり後方にあるから、その前方に付けるのは空力的に難しいのでしょうかね?
落下増槽にするわけにはいかないから、空戦時も付けたままにするしかないな。
それこそ、CFTに付ければいいのに。
>ノーズ下IRST → 中央増槽IRST
→ 容量不足で採用中止。旧型の増槽での運用に変更。
の可能性も高いですねぇ。
拡張性持たせるためにE/Fで機体再設計したはずなのに拡張性ゼロとか訳がわからなすぎて頭おかしくなりそう
あっ一応エンジン強化のEPE中止というか未搭載で今までのF/A-18Eと同じエンジンというソース貼っときます。
GE公式ブログです。(訳は翻訳サイトで翻訳しました)
リンク
>>F414を搭載したブロックIII型スーパーホーネットが初飛行
>>ボーイング社の次世代F/A-18スーパーホーネットが登場しました。6月4日、GE社のF414-GE-400を搭載したブロックIIIテストジェットが初飛行しました。
でもこれってすべての設計者にとって、玉ヒュンな話だよね。
設計段階では大丈夫と思ってて実際やってみたら致命的な見落としありましたーって。
いえ、自分のことではないですよ。
日本のF-15J改修もキャンセルされてたけど食い扶持残ってるのけ?(´・ω・`)
これでバイデン大統領がF-15EXが追加発注中止になったら危機勃発ですかねぇ、中距離核ミサイル運搬用戦闘機はそんなに必要ないのでは?その後日本側がボーイングの足元見る所まで妄想中・・
足元見ても、米国側に見透かされてババを押しつけされるのがオチじゃないか?
東芝だってウェスティングハウス買収して経営傾いたし
三菱「助かったわ」
???「ボーイング引き受けてくれたらMRJ改めSJの型式証明取得が劇的に捗るで?(ゲス顔」
もしかしたら企業連合で新会社設立して引き受けるかも?その名もトヨタ航空機??
現在米空軍がF-16Vの調達をLM社と協議中らしいですが、もしかするとF-16V調達の替わりにF-15EXの発注が中止になるかも知れないですね
冗談抜きに1回倒産しそう
膿を出しきったほうが良い気がする。
日航、東芝のようにのうのうと再建してるようで、本当のとこはどうなのか怪しい企業じゃ困るし
三菱自動車やオリンパスなんかうわべだけで反省していないみたいだし
しばらくボーイングには関わらない方がいいと思う!
これが止めになってもおかしくないですよね。
民間部門も軍事部門もそれぞれにリストラが必要そうだし。
少なくとも、これからどの商品に経営資源割いていくのかの判断は迫られそう。
いっその事、ノースロップ・グラマンに開発投げてしまえ
ノースロップ「丸投げもなにも、それ、もともと俺らが開発したもんなんですがねえ。。。」