バイデン政権は海外への武器販売見直しに着手、トランプ政権によって承認された武器販売への動きを一時的に停止した。
参考:Biden admin hits pause on Trump foreign weapon sales, launches review
トランプ政権が承認した武器販売の動きを一時的に停止したということは「何かを変更する」という意思の現れ
新しくバイデン大統領に指名され国務長官に就任したアンソニー・ブリンケン氏は「新しい指導者に決定の見直しの機会を与えるため対外有償軍事援助(FMS)と直接商業売却(DCS)を通じて行われる武器販売を一時的に停止する」と明らかにしたが、一時的な停止の期間がどれぐらいになるのか停止される対象の範囲については明かしていない。
ただ米メディアによれば2020年後半にトランプ政権の下で国務省が承認した対外有償軍事援助が見直しの対象になると報じており、特に問題となるのがトランプ大統領の任期が切れる1時間前に駆け足で承認したアラブ首長国連邦へのF-35Aを含む推定233.7億ドルの武器販売パッケージと、サウジアラビア向けに承認した精密誘導爆弾GBU-39やサウジ軍に対する技術支援や訓練を含む推定6億4,000万ドルのパッケージだ。
アラブ首長国連邦に対するF-35Aの輸出に関してバイデン陣営は大統領選挙中から「イスラエルの質的軍事優位性(Qualitative Military Edge:QME)維持するため慎重な検討が必要だ」と繰り返し述べきたのでトランプ政権による承認を取り消す可能性も否定できないが、トランプ大統領が何からの見返りを提示して説得したことでイスラエル自体が「UAEへの武器販売に関して反対しない」と表明しているため、UAEに対するF-35A輸出を取り消せばイスラエルに約束した見返りについても取り消す必要があるので、政治的な混乱を招く可能性も否定できない。
補足:米国のフォーブスによれば米国はUAEにF-35Aを輸出する見返りとしてイスラエルに米軍の宇宙配備赤外線システム(SBIRS)やF-35に搭載されているコンピュータシステムへのアクセス権等を認めたらしい。
特にイスラエルは「イランに対する軍事的選択肢を手放すべきではない」と言ってイラン核合意への米国復帰に強く反対しており、UAEへのF-35A輸出を取り消してイラン核合意への復帰を決めれば中東情勢は相当荒れることになるだろう。
あと大統領選挙中にバイデン氏は「石油購入や武器販売のためにサウジアラビアの問題(イエメン内戦関与やジャマル・カショギ氏殺害事など)から目を背けることを止めて支援を終了させる」と言及しているため、米国のサウジアラビアに対する武器販売は大きな転換点を迎える可能性が高く、レイセオンはサウジ向けの武器販売がキャンセルされてしまうのではないかと恐れている。
どちらにしてもバイデン政権による見直し結果が公表されてみないと何と言えないが、わざわざトランプ政権が承認した武器販売の動きを一時的に停止したということは「何かを変更する」という意思の現れであり、バイデン政権が目の敵にしているアラブ首長国連邦やサウジアラビアが無事で済むわけがない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Peter Thompson
極端な話、断られたアラブ諸国がスホーイに切り替えてもアメリカは認めるのかね
イスラエル優遇って、それもアメリカが意図的な分断を増やしてることだけど
イスラエルが大反対してるイラン核合意をバイデンは進めようとしてるんだが、UAEにF-35売却一時停止が、なぜイスラエルへの忖度だとおもった?
むしろ、イスラエルの国益に反することをバイデンは勧めようとしてるぞ。
もともと低下してたけど中東でのアメリカのプレゼンスはこれで決定的に失われる
話がミリタリじゃなくなるがアメリカ政府としては中東のゴタゴタに巻き込まれずに済むからEV推進の立場なのかも
非産油国が安くて燃料の要らない再エネを使いたがる->EVが流行る->市場を獲得するために産油国もEV製造したがる
脱石油は世界的な流れでしょうね
乗るしかないこのビッグウェーブに
米国ならずとも好き好んで中東なんかに誰も関わりたくねえんだわ
中等のゴタゴタの大半がアメリカがやらかした結果ですし、EV推進しても製造と発電にまた石油使いますし・・・
アメリカはシェールオイルのおかげでエネルギー自給、どころか輸出もOKなことがわかっちゃったんで、
もう中東と関わりたくないでしょ。
むしろアメリカとしては石油価格下落の影響で国内のシェールオイル企業が破綻してるから、
中東が情勢は多少荒れてくれたほうが、とか腹の底で思ってそう。
シェールオイルもやめさせようとしてるんですがw
まぁ、現実的にはEV推進すれば今以上に電気がとんでもなく必要になるんで、石油燃やして発電になりますよ
原発増やすのは色々きついですからね
核融合炉完成させて、全世界にアホみたいに普及させるしか手はないです
自然エネルギーじゃただの自己満
核融合を今世紀中に作れるかで人類の未来決まりそうだよな。
自然エネルギーは悪いけど、昔からある水車の延長戦上みたいなもんだし。
核融合出来たら、文明のステージが本当の意味で引き上がるわ。
それやったら日本みたいなマジモンの属国を除いてもうどこもアメ製兵器買わなくなんぞ
つうか日本だって、F-15JSIの大幅予算増大の件で決定的にアメ製兵器を見限って、もう完全に国産化する勢いだけれども
流石に独自の衛星コンステレーションの早期構築までは無理だから、宇宙やイージスBMDやらは米を嚙ます必要が有るけれども
でも、それ以外はほぼ全分野で国産化可能なレベルまで到達しているし。F-35が最後の米製主力戦闘機になるかもしれん
> F-35が最後の米製主力戦闘機になるかもしれん
私は逆にF-3が最後の国産戦闘機になるんじゃないかなと思ってるな。戦闘機の高度化·開発費高騰と、将来の日米·日中の国力の差を考えると、むしろ米国依存は高まるのではないかな。
中国に配慮して売らなくなるかもしれないよ。
正直イスラエルも困惑してそう
イスラエルが気にしないって言ってるのに何が不満なんだ、
それはバイデンがイランの顔色を見ているからかな。
アラブとイスラエルが融和したらイランだけが孤立するもんな
困惑てレベルじゃなくてキレるレベルじゃないかな?
政権が変わったら国家間の約束もちゃぶ台返しってどこの韓国ですか?
トランプがイレギュラー過ぎるんだよ
国民が選んだ大統領の判断なんだしイレギュラーかどいうかは関係ありませんがな。
でも最後の方は特に酷かったような。
そこは戦略的忍耐じゃないんだ。
戦略的忍耐は問題のある国に対し具体的行動はしないけど、消極的な嫌がらせはする。オバマ政権の対北朝鮮政策でも形ばかりの制裁は継続していた。
政権交代はまず前政権の成果(新政権はそれを成果でなく失政と考える)の否定から入る
サウジに関してはかなり問題が多いだから人道問題重視を掲げる新政権としては見て見ぬ振りし続けられない
多いから
ああゆう独裁的な王族がのうのうと石油利権を独占できる体制を支えてきたのが米英なんだけどね、ではアメリカは本気でサウジの体質改善がやれるのかって考えたら、過去の経緯からして王制の倒れたサウジなら反米になり中国にでも傾くよ
そこまでやれないだろ
でもアメはサウジにブラック・サイト置いてるよね?
暴露合戦の潰し合いでもする気かな?
それを言うとイスラエルがパレスチナに入植地作ってる問題は?ってなる。
この問題に目を背けずにイスラエルへの武器輸出も見直すならいいけど、絶対にやらないだろうし。
バイデン政権というより、米民主党の掲げる”人道”なんてその程度のもんなんだよ。
>イスラエルへの武器輸出も見直すならいいけど
やるかもよ?
せっかくアラブとペルシャで綺麗に分けようとしてたのに
またぐしゃぐしゃにしようとしてるバカイデン
しれっと台湾の方見直したら乾いた笑いが出そう
B政権では、誰が中東政策のトップなのだろうか?
これは、爺ちゃんのイニチアチブではないだろうし….
まぁ、誰がトップでもイニシアチブは中・・・
おっとw
日本も他人事じゃない。
F-35の調達見込みが削減される結果、調達価格が上がり、維持コストも上がるだろう。
結果として現在の調達予定が減り、予定されている機能向上も中止され、そしてF-22と同じ末路をたどるだろう
サウジアラビアは人口増えすぎて、産油国の割りに国民はあまり豊かじゃないっていう。
500万人くらいなら今の体制でよかったけど、5000万人くらいに将来増えるから皇太子とかが必死に改革やってるな。
太陽光発電とかは世界有数の適地だし、生産設備が完全自動化とかされたら、割りと中東で一番の工業国になってもおかしくないよな。
あの国は国民の労働意欲がなぁ…
レイバー雇えば済むって考えですからねぇ
国民をそういう豊かめの飼い殺しにしておいて、王族がずっと大きな利権を握る構造なんですよ、
やる気のある人間ならサウジなんか出ていく
まさか自分の支持母体のEV関係会社に甘い汁吸わせる為に中東情勢引っ掻き回してEV化促進とか考えてんじゃないだろうな…?