ボーイングは23日「F/A-18E/Fの生産ラインを2025年に閉鎖する」と発表、米海軍がF/A-18E/Fの新規調達打ち切りを訴えて議会が阻止するという「約10年間の戦い」が意外な形で決着した。
参考:Boeing Sets F/A-18 Production Completion Date as Defense Business Pivots to Future Work
約10年間に及ぶ議会(正確に言えば選挙区にボーイングの工場やサプライヤーを抱える議員)との戦いが唐突に終わりを迎えた
米海軍は国防予算の削減を受けて2014年にF/A-18E/Fの調達を打ち切る予定だったのだが、議会が国防権限法(毎年の国防予算の大枠を決める法律)に同機の調達を盛り込んで海軍の動きを阻止、以降も調達打ち切りを議会に何度も阻止され、2022年6月にギルディ作戦部長は「海軍が必要としていない航空機調達を議会に働きかけるを止めてほしい=中国海軍とのギャップを埋めるための予算が限られているので本当に邪魔しないでくれ」と訴え注目を集めていた。
しかし議会は2023年度の国防権限法に8機の調達(約6億ドル)を盛り込んだため、海軍が「もういらない(F/A-18E/Fの新規調達に割り当てる資金をF/A-XXに投資したいという意味で、BlockII→BlockIIIへのアップグレードは継続予定)」と訴えるF/A-18E/Fの調達打ち切りは2024会計年度に持ち越された格好だった。
米海軍は6月頃から始まる予算審議で同機の調達打ち切りを再び持ち出してくるのは見えに見えていたが、ボーイングは23日「F/A-18E/Fの生産ラインを2025年に閉鎖する。同機の生産から解放される人員(約900人)を設備でT-7A、F-15EX、777Xの主翼部品、MQ-25の増産が可能になる」と発表したため注目を集めている。
ボーイングは2023年度予算の受注分が最後になり「これ以降の米軍発注は受け付けない」と述べ、インド海軍がF/A-18E/Fを採用した場合のみ「新規製造を継続して生産ラインを2027年に閉鎖する」と説明しているが、BlockIIからBlockIIIへのアップグレード作業やEA-18Gの近代化プログラムは2030年代まで継続するらしい。
この発表で米海軍はF/A-18E/Fの新規調達に割いていた資金を解放することができ、約10年間に及ぶ議会(正確に言えば選挙区にボーイングの工場やサプライヤーを抱える議員)との戦いが意外な形で決着した。
関連記事:今年こそ実現するか? 米海軍が再びF/A-18E/Fの新規調達中止を提案
関連記事:必要ないと米海軍が訴えていたF/A-18E/F新規調達、継続決定でボーイング大勝利
関連記事:米海軍のギルディ作戦部長が防衛産業界を批判、ロビー活動で必要ない航空機を売りつけるな
※アイキャッチ画像の出典:Boeing
議員「選挙区で雇用を守るアピールするやでー。ボーイングだって嬉しいやろwww」
海軍「ホントやめろ」
ボーイング「ホントやめろ」
議員「えっ」
ボーイング「えっ」
現代寓話として面白い
議員とボーイングがダチョウ俱楽部化してますね
ボーイングがスーパーホーネットの製造メーカーだと聞くと、未だに違和感を覚える。
でもマクダネル・ダグラスが吸収されたのはもう20年以上前なんだよなあ。まさかATF計画(YF-22と23)もJSF計画(F-35と32)も落選するとは思わなんだ
一応ATFは下請けだから
奴は四天王の中でも最弱…
EA18Gも造れなくなるのかね?
後継機種どうするんだろう。単座や無人機で代替出来るのかな?
EA-18Gはアメリカ空軍も海軍からレンタルしているので、需要はあるんだと思いますが、機密性が高くてアメリカ海軍とオーストラリアしか採用できてないですからね。
日本も採用する噂は流れましたが、この時期に導入発表は厳しいものになりそうです。
F-35ブロック4以降の電子戦装備の充実か、次世代機でのリプレースになりそうです。
正直F-15EXに対応しろって割と本音が
2020年には有人状態のグラウラーの遠隔操作と、グラウラーの自律無人飛行実験をして成功したとのことなので、素人予想だと既存のスーパーホーネットを改修したり、同様の機器を載せた無人機を作るとかするんじゃないですかね。
いやあああ私のスーパーホーネットがああ
仕方ないことだし納得もするけど、好きな航空機の生産ラインが閉じるのはやっぱりちょっとショック
しかし議会が引き伸ばしてたらメーカーから生産打ち切り出されるって、現場的にはキツかったんだろうな…
スパホ用エンジンF414はKF-21やデジャスMK2用とかまだまだ発展の余地はあるようですね。
しかしレガシーホーネット採用国は豪州しか売れずと輸出は伸びませんでしたね…