米海軍は今月22日、米空母ジェラルド・R・フォードの不具合の中で最も致命的でどう直せば治るのかよく分からなかった「先進型兵器用エレベーター(AWE)」が遂に使用できるようになったと明らかにした。
参考:Fifth Advanced Weapons Elevator certified aboard USS Gerald R. Ford (CVN 78)
東海岸近海とノーフォーク海軍基地を往復する生活からいつ抜け出せる?
この先進型兵器用エレベーター(AWE)とは艦の奥深くに設置された弾薬庫から航空機が搭載する弾薬を格納庫や飛行甲板に運ぶための運搬装置で空母ジェラルド・R・フォードには計11基が設置されているのだが、つい先日まで11基中4基しか正常に作動していなかった。特にこの問題が致命的なのは弾薬庫から飛行甲板まで直通可能なAWEが1基もなかったため乗組員は弾薬庫からAWEで運んだ弾薬を一旦格納庫で降ろし、飛行甲板に通じる別のAWEに弾薬を載せ替えなければならない点だ。
要するに米海軍は、この無駄な作業を解消する待望のAWE(弾薬庫から飛行甲板まで直通)がようやく正常に作動するようになったと公式ホームページで発表したという話なのだが勘違いしてはいけない。
空母ジェラルド・R・フォードに設置された計11基のAWEが全て作動するようになったのではなく4基作動していたAWEが5基作動するようになっただけで、11基全てが作動するようになるのは2021年いっぱい掛かると言っており、正規な引き渡しから計算するとAWEの問題を解決するのに約4年かかる計算になる。
因みに空母ジェラルド・R・フォードにかけられたエレベーターの呪いはこれだけではない。
関連記事:トイレが詰まって使えない? 空母「ジェラルド・R・フォード」に新たな欠陥が見つかる
米国の政府説明責任局(日本の会計検査院に相当)が発表した3月24日の報告書によれば、空母ジェラルド・R・フォードには先進型兵器用エレベーターとは別に階層の異なるデッキ間で物資を移動させるための貨物用エレベーターがあるのだが、この貨物用エレベーターの入り口が狭すぎてパレットジャッキやフォークリフトが入ることが出来ないため乗組員が手作業で物資を貨物用エレベーターに積み込んでいるという。
勿論、貨物用エレベーターから物資を下ろす際も乗組員による手作業が必要になる。
政府説明責任局によれば、貨物用エレベーターの問題は本艦固有の問題ではなくジェラルド・R・フォード級空母の設計自体に問題があったため、現在艤装中の2番艦「ジョン・F・ケネディ」でも同じ問題が発生するだろうと指摘しており、これを解決するには設計自体をやり直す必要があるらしい。
結局、130億ドル(約1兆4000億円)もの建造費を投じた空母ジェラルド・R・フォードの艦内物流を支えているのは最新の電磁力で作動する先進型兵器用エレベーター(AWE)でもなく、汎用型の貨物用エレベーターでもなく、乗組員の手作業による荷降ろしだったでは本当に笑えない。
本当に何時になれば東海岸近海とノーフォーク海軍基地との往復から脱出するが出来るのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:public domain 空母ジェラルド・R・フォード
民生規格で特注のリフトとパレット調達してやれよ…
本当に。リフトとパレットの方を小さくすれば良いだけの話。
軍共通の規格があるのでは? おそらくは、空母も護衛艦艇も補給艦に輸送機にも共通するモノが
本来ならそれで軍の殆どの補給作業が完結し、効率化できたのだろうが、余りにもアホすぎる設計ミスでフォード級にしか使えない規格が出来るとか、もう言葉も出ない
どんだけ不抜けて腐ってるんだ? 最近のアメリカ軍とアメリカ製造業は。まあデトロイトを廃墟にした我々が言う事では無いのかもしれんが
完全に設計ミスで草も生えない
英国海軍もそうだが、此の手のミスが頻発してる様だ。向こうは何か有ったのかな?
全体的に軍事予算が削減傾向にある
→新技術試したいからという名目で何とか予算をつけてもらうのパターン連発
→けど同時に数多くの新技術をじっくり試す時間も金も余裕ないからほとんど段階踏まず一気にぶっつけ本番
→本来は各新技術の実験機や試験段階で洗い出されるはずだった問題点が全部本命に降り注ぐ
という感じらしい
枯れた技術使っとけば良かったのに。
覇権を握り続けるには先進的な技術を開発する必要があるのは分かるが、新兵器には欠点が付き物とはいえフォード級は酷すぎる 。
これで中共に対抗できるのか不安になってしまう。
三菱か日立に頼めばよかったのに。
こういうのって陸上で模型作って動作確認してから建造しないのか
それを端折って、費用をケチったから、この有様。
初期費用をケチった結果、却って費用が膨らむ悪循環。
クック・クレイギー計画って成功したことあるのかな
それを作らずにコンピューターシミュレーションで行って
手間省いて経費削減てのが謳い文句だったんだけどねぇ……
机上の空論ならぬコンピュータ内の仮想論だったと
間取りミスってドアがきちんと開かない家は見たことあります
施工の時に気付けよ
参考までに、3D CADなどの導入でフロントローディング等が上手く機能しないケースの記事です。
「だからITで失敗する」
リンク
例えば、生技や購買が担当した業務の一部が、フロントローディングで設計者の仕事になり﹙設計者の仕事が増え﹚、
そのしわ寄せで検証に十分な時間を確保出来ず、ミスの流出を招くといった図式。
日本が新空母建造するときはこのへんしっかりやりたいもんだな
日本はアメリカの中古を購入させられるのかも。
いわゆるすでにこなれたものなので心配はないと・・・いいけどね。
日本は出来上がったもので絶対に失敗が許されない風土なんで
しつこいぐらいに試作品作って実験するからこの手のミスは多分無い
だからこそ無駄が多いとかスピード感が無いとか批判されるんだけどね
え?
強度不足で試作機の胴体丸ごと交換したC-2がなんだって?
主翼にクラック入ったりレーダーが計画の1/3しか届かなかったF-2がなんだって??
強度不足はアメリカ製リベットのせい。カタログスペックにだまされた官僚が悪いといえばそれまでだが。
引用元のは要素開発とか単体評価の話しだろうから、XC-2とXF-2の話しは筋違いかと。
あと、それらの問題は試作機で潰し混んだ開発中でのデバッグな普通の話しで、そのミスを量産機に流出させていないのだから無問題。
ついでに、設計検証が試作機の主な役目なので、立派に役目を果たしたとも言えます。
引用元への反論として、カスッているのはレーダーの話しかな。
ただし、あれはレーダー自体の問題ではなく、C-1FTBでの試験した際に使用したのがF-15用レドームだった事から起きた問題。
レーダーのビームは、レドームを通過する際に多少なりとも歪むから、ある意味起きるべくして起きた問題でもあるけど。
﹙その手の歪みを積極的に利用した、レンズアンテナという代物も世の中にはあります﹚
レーダーの単体評価の際に本チャンのレドームが間に合わなかったのだろうから、スケジュール的には仕方ないとしても、システム評価で潰し切れず現場に流出させたのは問題でしょうね。
﹙単体評価で代用環境になるのは、これまたよくある話しだし﹚
言い換えると、どちらかと言えば単体評価ではなく、システム評価での不備になると思います。
その文脈だと、引用元の「試作品作って実験」は単体評価の話しなので、少し外した指摘になるかなと﹙故にカスッてると﹚。
なるほど、
あなたのドヤ顔批判を見て納得しましたw
>絶対に失敗が許されない風土
今さらエレベーターの何をミスるんだ……
根本的にそれが一番不思議だ。
エレベーターにどんなすごい先進技術使っているのかと思い埋め込み動画を見ると、これまた普通の工事現場にあるようなエレベーター。
そしてそのエレベーターの不具合修正に4年かかる聞いてさらに草。
ほぼ特注になるからじゃないかな?
いきなり空母に乗せるよりは輸送船あたりで運用実績重ねてからやれよとは思うが・・・
アドバンスとかなんとかの名前がついてて本当に進化してたのゲームボーイアドバンスくらいしか思い付かない……
なんでもかんでも先進的にすればいいってものじゃないというか、M2ブローニング重機関銃がなぜ今でも使われてるかというのを改めて考えるべきだよな
先進技術実証機 (Advanced Technological Demonstrator-X, ATD-X) さんは頑張ったでしょ!
アドバンス大戦略(古ッ
頼むから3番艦は設計やり直してくれよ‥
先進型兵器用エレベーターの事が今一つ判らないのですが、「電磁力で作動する」と何故か目新しそうに記している辺り、リニアモーターでも使っているのですかね?
「ケーブル+電動モーター」の一般的な組み合わせでも、「電磁力で作動する」事に変わりはないですけど。
油圧じゃないだけだったら笑う
上の動画を見た印象だと、正にそんな感じですね。
電磁力で作動するとメリットはなんなんでしょうね。メンテかな
電磁力だと、いわゆる「フレミングの左手の法」なので、マブチモーター的なものも含め、モーター全般が「電磁力で作動」しちゃいます。
そう言えば、空母の場合、エレベーター駆動用のモーターなどを飛行甲板に設置出来ないから、﹙「ケーブル+電動モーター」な形態の﹚ロープ式は使えないかも?
その場合、油圧とか水圧とか蒸気圧が代替え手段として利用されていても可笑しくないですね。
そもそも論で、従来空母で生じたしているエレベーターは、どの駆動方式なのかな?
そこなんですよ。
先進なんたらっていうからすごいものを想像していたのに・・・。
単なるサイズ間違いってほんとかな。
設計のチェックをすべて現場猫がやったとしか思えない。
リンク1
国民性の違いだろ
ゲームでも洋ゲーはバグだらけで発売して数年かけてパッチあてるから
それでいいのだ~
がアメリカン
始めから100点の芸術品なんか目指してない
本邦でもアダルトゲーム関係はそういうの一時期本当に多かったっぽいですよ
何このゲスイ奴?キモイわ。
安上がりに済まそうと、シミュレーションで設計するとこれだ(笑)
そもそも事前にすべての必要な情報を揃えていないからこうなるし、まだ数値化できてない領域がいくらでもあるのだよ
IT信者、AI信者はまだ子供レベルでしかない
この宇宙を構成する情報量は人間の想像を上回る
なんともスピード感の無い動きのエレベーターだな
鎖をかけてフラップが立ち上がり…… ノロノロと本体が動いて…
これで 先進型 なら現行品は? と訊きたくなる…
それにしてもパレット運搬用具と間口の齟齬、図面を引いてから出来上がるまでの間に誰ひとり気付かない か 気付いても俺の責任じゃないしで黙っていた…
とすれば、どれだけ士気の低い現場なのか……
Advanced Cost Elevator
ごめん言ってみたかっただけ
きわめて重要で巨大なプロジェクトで、
こんな齟齬が最近どの国でも(日本ふくめ)
なぜか目立つようなのは気のせいだろうか。
要求のハードルが(低コスト等)上がったのか?
優秀な人材がIT産業に取られていったのか?
そもそもモノをちゃんと造れる人材が枯渇を始めてはいないか?
理由が知りたい。