米国関連

米国、積極的に同盟国の次世代戦闘機開発に協力して相互運用性を確保すべき

米国の安全保障問題を専門に取り扱うシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」で上級研究員を務めていたブライアン・バートン氏は「同盟国が次世代戦闘機の開発に取り組む中で米国は決断を迫られている」と主張して注目を集めている。

参考:AS ALLIES DESIGN FIGHTER AIRCRAFT, THE UNITED STATES FACES A DECISION

米国から見た同盟国の戦闘機プログラムが抱える問題と米国自身の悪弊

米上院の防衛・国家安全保障スタッフとして働きワシントンD.C.に拠点を置く新アメリカ安全保障センター(CNAS)」で上級研究員を務めた後、ボーイングで国際事業のスペシャリストとして働くブライアン・バートン氏(イスラエル、日本、シンガポール、韓国、欧州で数十億ドル規模の戦闘機プログラムを主導してきた実績をもつ)は外交政策と国家安全保障の問題について議論するフォーラム「War on the Rocks」に寄稿した記事の中で「同盟国が次世代戦闘機の開発に取り組む中で米国は決断を迫られている」と主張して注目を集めている。

バートン氏の主張を要約すると以下の通りだ。

米国の要請に応えて英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、日本、韓国といった親密な同盟国は国防費の増額に応じ始めているのだが、問題は増額された資金が米軍を補完するための戦力調達ではなく独自の戦闘機開発プログラムに振り向けられている点だ。

出典:BAE Systems 第6世代戦闘機「テンペスト」

バートン氏が指摘している独自の戦闘機開発プログラムとは今後4年間で20億ポンド/約3,000億円の投資を約束している英国のテンペストプログラム、1,000億ユーロ/13兆円以上と見込まれているフランス・ドイツ・スペインのFCASプログラム、4兆~5兆円規模の投資になると見込まれる日本の次期戦闘機F-Xプログラム、約80億ドルもの資金を投じて開発が進められている韓国のKF-21プログラムのことを指しており、このような投資が報われれば各同盟国は「米軍と肩を並べて(もしくは肩代わり)戦える適切な軍事的能力を確保できるかもしれない」と評価している。

しかし各同盟国の戦闘機プログラムは競合関係に晒されているため積極的な連携が不十分で「同盟国の限られた資金が米軍との相互運用性に欠ける重複したプログラムに費やされれば他のプログラム(ISRや防空・ミサイル防衛といった分野)への投資が小規模なものになり同盟全体における利益を損なう危険性がある」と懸念しているのだ。

出典:エアバス Future Combat Air System

要するに各同盟国の戦闘機プログラムは将来の脅威や戦場環境の設定が異なるため次世代戦闘機へ要求要件(通信やデータ共有、速度やステルス性能、無給油での作戦半径、兵器搭載量、エアチーミングに対する考え方など)がバラバラで資金の投資効率が悪いと心配しているのだが、これを回避するため政治的な圧力を駆使するのは「止めておいた方が良い」と指摘しているのが興味深い。

バートン氏は相互運用性を確保して同盟国の限られた資金を有効活用するため「政治的な圧力を駆使してプログラム自体を中止に追い込み米国のプログラムへ統合する」という手法は恨みや抵抗を招くだけで上手く行かないと指摘、さらに同盟国の戦闘機プログラムは雇用や産業基盤の維持という国内の産業政策にリンクしているので「このような取り組みを米国が軽々しく否定したり軽視するのは慎まなければならない」と言っている。

さらにバートン氏はロシアや中国の台頭によって単独では対処できない安全保障上にリスクに米国は晒されているのに「同盟国との協調機会を妨げる悪癖に足を取られている」と指摘、同盟国との議論や共同作業の妨げになっている役所仕事を何とかしろと強く批判している。

出典:ロッキード・マーティン NGAD

具体的に説明すると政府の複雑で制約の多いの輸出管理プロセスの下では機密性が高く高度なテクノロジーを多様する次世代戦闘機を同盟国と共同で開発するのは事実上不可能で、米空軍や米海軍が開発を進めている次世代戦闘機は同盟国への輸出を一切考慮しておらず、このような米国の事情が同盟国に独自の戦闘機開発を踏み切らせたのだと主張して「無意味なプロセスばかりを重視する役所仕事と決別して同盟国との協調機会を取り戻す必要がある」と言っているのだ。

つまりロシアや中国の脅威に対抗するため同盟国が進めている戦闘機プログラムと相互運用性を確保したり、可能な限り重複する技術への投資を避けるため米国政府は雁字搦めの政策やプロセスと決別しなければならないという意味で、バートン氏は日本とロッキード・マーティンのような商業ベースによる支援ではなく政府間ベースの新しいアプローチで同盟国が次世代戦闘機の開発に必要とする技術(次世代の戦闘管理ネットワーク技術、デジタル・エンジニアリング技術、アジャイル・ソフトウェア開発技術、有人無人チーミングに不可欠なデータ統合アルゴリズムなど)を提供もしくは共同開発することで「同盟国間の連携を確保するべきだ」と提案している。

このような考えはボーイングで担当している国際事業での経験に基づいたバートン氏の見解なので米国政府や軍の考えを反映したものではないが、国防総省は欧州の次世代戦闘機と相互運用性を確保するための協議が必要だという認識を表明しているため全くの見当違いではない。

ただ米国が開発した次世代戦闘機を構成する技術を同盟国間で共有するというアイデアが実現するかどうかは国益の番人である米議会の許可が必要なので実現の可能性は低いだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:財務省 令和2年度防衛関係予算のポイント

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    言ってる事は頷ける部分が多いんだけどもしそれが可能だったとしても碌でもない結果になりそうで嫌だ…
    途中で掌返し食らいそうだし

    32
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      言っていることは正論なんだけど理想論でもあるのよね

      アメリカとしても自国機密情報が敵対国に流れるリスクが高まるわけだし
      ぶっちゃけ自分がアメリカの立場だったら、スパイ対策や情報漏洩防止策がちゃんと機能しているとは思いにくい日本相手に自国の最高機密を見せたいとは……

      37
        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        相互運用性ってのはデータリンク層の共通化や各種誘導弾のインストール対応とかでいいわけで、
        ここは従来からやっていることだし、それを次世代機でも維持・深化させようねってのがこの主張の主旨では?

        理想論とか機密情報とかそういう話ではないと思われ。

        2
          • 匿名
          • 2021年 7月 11日

          とりあえず本文を最後まで読もう
          あとデータリンク層の共通化も暗号化パターンが、各種誘導弾の対応もその兵器の射程距離やロック可能範囲、飛行速度、フレアなど敵欺瞞装置への対処能力などといった詳細スペックというように、軍事関係はどれも機密情報の塊だよ

          10
        • 匿名
        • 2021年 7月 13日

        そういう話なのかな? 各国の独自開発を支援・誘導しようというハード面の話が中心に思えるけど。。

        ハードについても、機密を明かし合うと言ってるのではなく、各国が独自のハードを独自の機密で開発しつつ、統合性を確保しておくことで、武器統合や運用のハードルを下げようという程度の話に読んだんだけどな。
        機密のレイヤー分けをキッチリして、統合にかかる部分を共通化しようという程度なので、進むべき方向だとおもったんだけど。

        1
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      >>政治的な圧力を駆使するのは「止めておいた方が良い」と指摘
      これを鵜呑みにすれば、また縛られることに繋がるの皮肉だ・・・

      1
        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        鵜呑みもクソも、米国の公式見解ですらない訳だが。

        19
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    iOSよりもAndroidを押しておけって感じ話?

    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    ロッキード・マーティンの支援って商業ベースなの?
    ステルス技術とか、支援してくれへんのかな?

    2
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      どこの国が商売抜きの善意だけで最先端の軍事機密をくれるもんか
      結局は同盟国が食い物にされるストーリー
      そのチャンスを逃すなっていうビジネス指南書くらいに読まないと
      だからこそ、各国はアメリカの意思に拘わらず独自開発を始めてるんだし

      29
        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        「商売抜きの善意」なんて求める方がおかしいだろ。
        求められてるのは「真っ当な商売」だ。
        実際やってるのは求めてる物は売らん、余計な物は押し付ける、値段は自国の事情で平気で跳ね上げ納期は遅らす、共同開発の体を取れば技術は出し渋るくせに相手の技術は残らず持っていく、ほとんど山賊じみた行為だからな。
        求められてる技術や装備を真っ当な価格で売って真っ当にアフターケアする、だけで良い。対価を金銭だけでなく相応の技術で持ってくのもまあありだろう。
        「商売中の善意」なんてのは同盟国もバートン氏も求めていない。
        求めてるとすれば韓国やインドネシアみたいな価値観おかしい国だけだろう。

        13
          • 匿名
          • 2021年 7月 11日

          商売中(なか)→商売抜き

          変な誤字補正候補出すのやめてくれ…

      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      商業ベース=一民間企業による支援
      支援の技術的な内容とは関係ありませんよ

      6
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      ステルス技術そのものの移転は米政府・議会の承認が必要なんで、有るとしても今後の話です。
      機体開発の海外企業支援は開発リスクの低減が目的で、ステルス関連で求められた支援業務は「運動性能とステルス性の両立」です。
      リンク
      これらを担当させるということではなく、日本側が主体的に行う作業を支援(=サポート)してくれという意味かと。

      8
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    理想論だけを言えば正しくその通りという意見ではありますが、しかしバートン氏の主張をよく見れば全体主義的であり、とても自由主義陣営の発想ではありませんね。この主張が受け入れられるとすれば、明らかな敗戦を目の前にした開戦前夜ぐらいではないでしょうか。

    それにこれ以上アメリカが核心技術を手放せば、逆にそれは遠心力となってむしろ同盟は瓦解するはずです。完全な占領下に置いた日本や韓国ですら、経済力を付けるほどにコントロールを外れアメリカの経済すら毀損し始めた事実は忘れてはいないでしょう。

    14
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    要約:米国製品を買え

    15
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      本文見ろよ
      最新機材は売るつもりがないとあるだろ

      37
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    建前:効率悪いから自由主義陣営で基幹技術一本化しよ? 
    本音:これ以上同盟国が自律的な安全保障政策取れるようになったらマジでアメリカの覇権が終わる、ネオコン連中どうにかしろよマジで

    ……議会や軍産複合体の連中誰一人自覚してないだろうけど、実際の所は本能的に、日英仏独韓あたりのユーラシアの端っこ抑えてる同盟国がランドパワーとの間でコウモリ、もしくは独自の海洋国家連合組んでアメリカと対等の立場を取り出すことを本格的に危惧しだしてるんだと思う。

    なんだかんだ言ってアメリカはユーラシアから常に包囲されてる島国なわけでね?

    22
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      いやネオコンこそ覇権の終わりを感じてるから焦ってるのさw
      日本は孤立した島国だっていうけれども、北米大陸もユーラシア大陸もスケールが異なるだけで、実は島に過ぎないんだよ、だからこそかつてはアメリカにも孤立主義がはびこっていた
      肝心なことは、他者多民族の存在をどう意識して関係していくかだね。

      16
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    某イング社は呼んでないかな…

    9
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    米国内でこのような意見が出てくることに興味を覚えます。
    対中戦略を真面目に考えればありうる結論とも思いますが、根が深い話なのでなかなか難しい気がします。

    少し陰謀論的ですが、米国の軍需企業も、国防系の閣僚も(軍需企業への天下り・出戻りあり)、米政府や軍需企業の胸先三寸で友好国から金をむしり取れる今の環境はおいしすぎると思います。
    これを抑える話になってしまうと、陰に陽に抵抗するんじゃないですかね。多数意見になるかなぁ。

    ここはアメリカの対中シフトの覚悟への疑念の要素でもあります。

    5
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      アメリカの時代の終わりに向けて、各国はそれぞれ生き残りを模索し始めた、こんな印象よ。
      アメリカが同盟国を市場と見なしてコントロールする時代は、F35プログラムの破綻?で墓穴を招いたね

      31
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    まあ議会は通さないだろうなぁ
    先端技術を独占して言い値で売りつけるやり方を変えようって話だろ?
    いくら対中、対露のためとは言え自国の取り分が減るなんて絶対許容できるはずがない
    覇権国家の舵取りも大変やな

    15
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    タイトルを読んだ段階では「米国兵器買え。軍事費もっと出せ」っていつもの主張かと思ったけど、思いのほか冷静な意見を持った人だった

    18
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      相互運用は米国の影響力(輸出不許可、供給停止リスク等)が自国プロジェクトに入り込むので、現状とセールストークが変わっただけで本質は何も変わってないように見える

      12
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      FS-Xの際に日本側が抱え込んだ不満とか見てきたのかな?
      更に日本の防衛装備業界の弱体化のようなケースもあり、下記コメントに繋がったとか?

      >恨みや抵抗を招くだけで上手く行かないと指摘
      >さらに同盟国の戦闘機プログラムは雇用や産業基盤の維持という国内の産業政策にリンクしているので「このような取り組みを米国が軽々しく否定したり軽視するのは慎まなければならない」と言っている。

      12
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    西側諸国でよーいどん!はF-35じゃなかったのかと。
    良い感じでアメリカの致命的な戦力にならず、ロシアや中国には嫌がらせ出来る。

    ただ、維持費の高騰とサプライチェーンは何とかならんものか。
    当のアメリカが調達に二の足踏むようじゃ、同盟国が買えない。

    12
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      買われまくってんだよなぁ…
      どうしても失敗した事にしたいお国の方々がいらっしゃるだけで
      あと数字間違い等校正しない・情報の更新しないまま記事書くような人達ね

      6
        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        維持費の正確な数字出さないと、調達数減らすぞ!?ってなってんじゃん。

        9
        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        都合の悪いとこは見ない人間は使わない、それ前向きのようで実は弱いだけだから

        3
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    同盟国の次世代戦闘機開発に協力して相互運用性を確保すべき…って、F-35で大失敗したお前がそんな事を言う?
    当の米国が次の戦闘機(NGADやMR-X、F/A-XX等)は輸出を考慮しないとしているのに、今更何を言っているんだとしか思えない
    それでも相互運用性を重視したいのなら、いっその事米国は次期戦闘機の開発は諦めて、現在同盟各国が進めている新型戦闘機でコンペをやって、それをF-35の後継機にしろよって言いたくなるわ
    みんな、テンペストとFCAS・そして我が国の次期戦闘機が米軍の次期戦闘機の座を目指して争うのを見たくは無いか?(※妄想です)

    8
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      >「政治的な圧力を駆使してプログラム自体を中止に追い込み米国のプログラムへ統合する」という手法は恨みや抵抗を招くだけで上手く行かないと指摘、
       
      この辺の記述を無視しているような。

        • 匿名
        • 2021年 7月 11日

        その様な米国の圧力は、1980年代にF-2の国産開発を日米共同開発へ追いやったり、イスラエルのラビを開発中止に追い込んだ頃からあったからな
        何もF-35で表面化した訳では無いんよ
        F-2やラビの問題の頃は、相互運用性なんて今程考えられてはいなかったし
        その辺りを勘案して、上の書き込みを書いていたんでその辺の書き込みは敢えて無視したのは確か

        5
          • 匿名
          • 2021年 7月 11日

          その手の加古の過ちに対する反省から来た提言だろうに。
          骨子の一つを無視してなら、提言ではなくベツノ何かへのコメントになってしまう。

          1
            • 匿名
            • 2021年 7月 11日

            だから、「今更何を言っているんだ」と書いたんだけどね

            2
              • 匿名
              • 2021年 7月 11日

              過去の過ちは忘れない質か。
              それでも、相手の言い分は聞く努力はした方が良いかと。
              相手の言い分の骨子を無視して解釈するのは、聞いていないのと同じ。

              3
              • 匿名
              • 2021年 7月 12日

              開発サイドの記事見てると、折り合い付けているというか、米国への敬意とかも見えるし、むしろ蟠りの矛先は空幕とか政治の方な気がする。

              FS-Xの仕様策定迷走時期に可変翼案が出た際、F-14の設計情報の開示支援をしたと言われる程協力的な国防総省が敵に回ったのは、空幕の仕様策定能力の低さから、
              改造ベース機としてメーカーサイドはF/A-18を推していたのに空幕の嗜好で旨味の少ないF-16ベースになった﹙国産FS-X検討の知見が一部活きる上に、次期米海軍戦闘機生産のワークシェアも狙っていたとか﹚、
              出来上がったF-2は、発展性が無いとの意味不明な理由で生産数が減少し、
              第4次F-Xでは、産業保護も兼ねてF-2要撃型で根回ししてたのに、ステルス推しの空幕にひっくり返された、
              と色々と煮え湯を飲まされてたから。

              1
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    まあ、今後、アメリカが日本の戦闘機開発事業を黙って見ているだけじゃないだろうな
    何かしらのタイミングで協力はしてくるだろうが
    このご時世でさすがにまた妨害はしてこないはず

    2
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      新鋭機がF-16XLの焼き直しって軍事ドクトリンについて行くのはこのご時世、自殺行為です。

      2
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    このバートン氏という人は、なかなかよくできた人物ですな。

    3
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      個々人は善意そのものでも、集団になると悪意に変貌するのはロシア人も中国人も変わらないよ、我々もね
      あまり誉めると誉め殺しになりかねん(笑)

      2
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    半端な協力で国産戦闘機にブラックボックスを作られても困る

    15
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      「あなたのためよ」といいながら、宗教だの健康食品だのを押しつける善意の人とかわらない
      あなたのためという人はほぼ、実は自分のためにやってますから

      この記事をそう読みました、もっと丁寧に親切に騙しなさいって話

      2
      • 匿名
      • 2021年 7月 12日

      バートン氏の主張は「同盟国間の連携を確保するべき」の方法として
      >同盟国が次世代戦闘機の開発に必要とする技術(次世代の戦闘管理ネットワーク技術、デジタル・エンジニアリング技術、アジャイル・ソフトウェア開発技術、有人無人チーミングに不可欠なデータ統合アルゴリズムなど)を提供もしくは共同開発する
      てことなんで逆に米側ブラックボックス押し付けを避ける提案だと解釈しました。
      この提案が米議会承認を得られないだろうことは管理人さんと同意見ですが。

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    ここでいう相互運用性の定義が不明。
    弾薬や通信プロトコルレベルなのか、今流行りのニフカのシステム解放レベルなのか、それ以外なのか?、よく分からない。

    3
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    ぶっちゃけ各国が別々に戦闘機を開発するのはセキュリティリスクを分散するため。一か国の軍需企業が中国に情報抜かれても多国間でリスク分散してればより安心って考え。F-35の一件で出てきた当然の国防上の考え方。

    8
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    各国がデータリンク戦やUAVとの協働を含むGEN5.5~6の戦闘機を独自開発することで、肝心の米国軍とのデータリンクを含む相互運用性が顧みられてないことが、米国や米国に国防を委託してるアジアや欧州の国々にとって憂慮すべき事態なのは同意。
    でもそれは米国がF22を輸出しなかったり、そのことで米国以外の国で次世代戦闘機の要求が早まったことと無関係ではないし、今更規格を主導出来ないからどうにかしようってのは無理筋。同盟国が独自開発始める前に自前で次世代機を形にしなかった米国が悪い。
    政治的圧力で他国のプログラムに介入するなとは言うけど、後発の米国がそれ以外の方法で他国と互換性を取らせる方法ないでしょう。独立志向の強い欧州はもとより、F2の経緯がある日本もそこらの圧力には相当警戒しているし、今更言っても始まらないよなぁ。

    8
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      上の方で「それでも相互運用性を重視したいのなら、いっその事米国は次期戦闘機の開発は諦めて、現在同盟各国が進めている新型戦闘機でコンペをやって、それをF-35の後継機にしろよって言いたくなるわ」と書いた者ですが、同感です
      そもそも米国がこの様な状況に陥ったのは、冷戦終結後に「自国に挑戦する大国は出る筈が無い」と言う、歴史的に見ると間違った国家戦略を抱いた結果、冷戦後の軍事戦略・戦術の策定を誤ってしまい、中国の台頭への対応が後手に回ったからですので、ハッキリ言ってこの状況は米国の自業自得ですね

      8
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    国防総省の言う「欧州の次世代戦闘機と相互運用性を確保」とは主に共同交戦能力のことでしょ。
    次世代戦闘機の要件としてデータ共有によるチーミングが言われているわけで、それを同盟国次世代戦闘機との間で確立することが将来的に不可欠になるて認識なのかと。
    バートン氏の主張はその実現のために米政府が同盟国と開発手法の技術基盤共通化を図れということかと理解しました。
    勿論その前提条件として機密情報保護等の万全な信頼関係構築が必須で理想論なわけですが。

    8
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    最終的にUAVの物量がものをいう時代になるのだから各国に分散させた方が勝てるんじゃね。総力戦が目前なのにアメリカに生産設備集めても意味ないだろうに。

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 11日

      元記事の本当の狙いは、各国が自己負担で苦労して自主開発した技術をアメリカが横取りできる構造を作りなさいって話ではないかな
      私は斜に構えてひねくれてますかね?

      1
        • 匿名
        • 2021年 7月 12日

        >同盟国が次世代戦闘機の開発に必要とする技術(…略…)を提供もしくは共同開発
        なんでバートン氏の提案に相手国の独自技術を横取する意図は無さげに見えます。
        挙げられた提供或いは共同開発技術は主に同盟国間の連携運用に係わる共通技術基盤かと。
        文脈からして眼目は「次世代の戦闘管理ネットワーク技術」の共通化なんでしょう。
        あくまで個人提案の形ですが、万一採用された場合には米の利益を最優先し歪められる可能性が大とは思います。

        1
          • 匿名
          • 2021年 7月 12日

          >あくまで個人提案の形ですが、万一採用された場合には米の利益を最優先し歪められる可能性が大とは思います。

          同意します。
          あと予想される未来像の方を優先して、提案を無視する人が一定数いそうなのも残念です。

          1
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    日本の戦闘機はダメだな(棒

    1
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    まだ構想段階であるように見せたいのかな?

    1
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    アメリカ側と同盟国側とでは期待される相互運用性の認識のギャップが絶対あるんだから
    望まれる相互運用性の判りやすい具体例を提示した上での発言なら
    定義がはっきりしていて議論もしやすいのにね

    とりあえず同盟国側的にはP-1とP-8みたいな相互運用性が理想になるんだろうか?
    データと規格、戦術システムは共有で構わんが、自分等で使う現物は自分等で開発するし造らせろと

    3
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    恨みってのは確かにあるな、相当前のF2でのことを未だに日本は引きずってるし警戒してる。
    んでこのせいで、軍事費出してもアメリカの横槍でアメリカに金を貢ぐだけになるくらいなら、自国が危なくなっても軽武装のままでいたほうがアメリカへの意趣返しになるし良いだろう。って感情は間違いなくある。
    勿論そういう論理は自国が危なくなることのトレードオフとしては間違ってるのは確かだけれど、感情としてはあるし、意思決定にも影響はあっただろう。

    13
    • 匿名
    • 2021年 7月 11日

    確かに35年遅せーわ、と言いたい気持ちもないではないけどね。

    その轍を踏むかどうかの瀬戸際に立っている、今その時に
    それとは違う道を提示してくれてる人間がいるんだから
    真意がどこにあるにせよ、最大限利用したいとこだけどなぁ。

    まあ「ボーイングの国際事業スペシャリスト」が
    「日本がLMの支援を受ける」上でどこまで影響力があるか怪しいもんだけど。

    2
      • 匿名
      • 2021年 7月 13日

      F-X開発事業と現状では無関係かもですね。
      日本単独で解決できないのは将来ネットワークによる日米共同交戦能力の確保ですが、既に両国間で研究事業を始めています。共同研究にしてブラックボックス化を避けたいのかもしれません。
      デジタル・エンジニアリング、アジャイル・ソフトウェア開発についてはLMの支援を受けリスク低減を図る計画です。
      有人無人チーミングに不可欠なデータ統合アルゴリズムについては今後の研究開発課題なので米英どちらかと共同研究/開発の可能性があります。この件でLMがプログラム・テンペストへの協力を申し出ているので、F-Xへも協力の申し出があるかもしれません。

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 12日

    軍産複合体がある以上、圧力と米国の金儲けの道はないと思うがなあ

      • 匿名
      • 2021年 8月 10日

      その三郡共同体も最近はズタボロに見えるんだが。

    • 匿名
    • 2021年 7月 12日

    バートン氏は、ボーイングで苦労してきたようだな。
    現場の証言として、米国の一強いてまえ時代が終了しているということは確認した。

    1
    •  
    • 2021年 7月 12日

    この提言が米国に実行されるにしても、実際にはアドバイザーとして振る舞いつつ自国に援用できる技術を体よく吸い上げ、
    開発プログラム自体も誘導性を帯びるものになるだろう
    各国もそこは警戒してるので、提言が現実味を帯びるのは各国の開発計画が具体的に支障をきたし始める頃合いかな

    2
    • 匿名
    • 2021年 7月 12日

    もはや米国には新型の戦闘機を開発する能力は無くなってしまっててこと、F-35のような各国で共同開発しようとしても乗ってくる国はない。
    だからF-3とテンペストとFCAS、その中から一番アメリカにあった機体を選んで次の米空軍機にするってことだろ。
    そして多分F-3を採用することになる。

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