米空軍のブラウン参謀総長は有人戦闘機に随伴する無人戦闘機について「協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)」と呼んでおり、これをKC-46やE-7のオペレーターが遠隔操作できないか検討中らしい。
参考:Air Force mulls remote control of drone wingmen
米空軍が求める無人戦闘機は「空中戦で有人戦闘機を追い回す役割り」は求められていない
米空軍のケンドール長官は昨年9月「スカイボーグ・プログラムは無人戦闘機に要求される技術要素の検証に過ぎず、この結果に基いてF-35Aや第4世代戦闘機とエアチーミングが可能な無人戦闘機のコンペ=競争試作を2024年に開始する可能性があり、有人機1機に対して5機の無人機が並走し、パイロットの限られた指示に従い攻撃、偵察・監視、電子戦、囮といった任務を担当できる機体を想定している」と明かしていたが、この無人戦闘機についてブラウン参謀総長は「協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)」と呼び始めた。
ブルッキングス研究所の討論会に登場したブラウン参謀総長の話を要約すると「米空軍はCCA構想に必要な予算確保に向け、機体や自律飛行に関する要求要件を検討している最中」「このコンセプトが上手く機能するかは取得コストの抑制がカギ」「CCAのサブシステムは必要最低限」「CCAの制御は戦闘機のパイロットだけでなくKC-46AやE-7A(導入予定)のオペレーターによっても遠隔操作できないか検討中」と説明しているのが興味深い。
有人戦闘機に随伴する無人戦闘機については開発に取り組む国で考え方が異なり、まだ無人戦闘機のコンセプトはふわふわしたものでしかないが、米空軍が考えているCCAは「自律飛行が可能で最小限の指示で有人機との共同任務もしくは単独任務を実施でき、この制御を随伴する有人機に限定するのではなくABMSを活用して戦場に展開するKC-46やE-7といった航空支援機にも分散させたい」と考えているという意味で、CCAは高度な有人戦闘機からパイロットを降ろしたものではなく「サブシステムの機能を絞ることでシンプルかつ安価なものになる」という話だ。
米空軍は戦場空域で活動するF-22やF-35のセンサーが収集した情報を戦力全体で共有するため「アドバンスバトル・マネージメントシステム(Advanced Battle Management System:ABMS)」の開発を進めており、基本的には戦場空域の後方に位置するKC-46A(もしくは地上の通信中継機)を経由して司令部とのデータ共有を実現する予定で、見通し通信内に存在するKC-46AやE-7AのオペレーターにCCAの制御を行わせるということはMQ-9などに搭載されている走行追尾型衛星端末(SATCOM On-The-Move:SOTM)すら不要なのかもしれない。
米空軍が考えているCCAは有人戦闘機の攻撃手段や弾薬の運搬量を拡張するための弾薬庫であり、自律的な飛行能力とペイロードを活かして偵察・監視、電子戦、囮の役割りを果たすことが求められているため、SF映画に出てくるような「無人戦闘機が有人戦闘機を空中戦で追い回す」という熱いシーンの需要はないのだろう。
因みにABMSのデータ転送機能を実装する計画からF-22Aは除外されており、米空軍は「将来の戦力構造においてF-22Aの役割を縮小する可能性があり計画から除外した(将来的にF-22の接続を再検討する可能性がある)」と述べている。
関連記事:米空軍はF-35Aを重視、将来戦力として期待されなくなってきたF-22A
関連記事:米空軍、チーミングが可能な無人戦闘機の競争試作を2024年に開始か
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force/A Skyborg conceptual design for a low cost attritable Unmanned Combat Aerial Vehicle
これは、AWACSの復活(?)/継続(?)を意味するのでしょうか。
普通に考えて、作戦規模が大きくなれば、専門の操作員が必要に思えます。
今だってそうなわけですから。パイロットには操縦に専念してもらう形で。
単座のF35×1機だけでは対応しきれないのでしょうか。
複数無人機でチームを組んで、囮役の機体は攻撃される確率が高くなると思うんだが、囮の機体は敵地に堕ちて技術漏洩しても悔しくない程度の作りにするんかな?
あるいは同じ機能の機体でチーム組んで出たとこ勝負で役割を割り当てられるのかな?
意味しないでしょう。
E-6の方が立ち位置としては近い。
そもそもとして、AWACSは「管制機」ではなく、「管制機能を持った哨戒機」であって、意味合いが似ているようで全然違う。
センサー情報は管制機以外のレーダー等を統合することになるので、管制機能を持った航空機は残っても、AWACSのようなデカくて目立つレーダーを、管制機が背負う必要がない。
むしろ、無人機をコントロールできるようになればなるほど、AWACSの意義が失われていくことになる。
WIKIで確認すると。
AWACS:一定空域を監視し、敵性・友軍の航空機などの空中目標等を探知・追跡し、
なおかつ友軍への航空管制や指揮・統制を行う機体。
E-6:E-6Bアメリカ戦略軍空中指揮機のことと思います。
ちょっと、レベルの違う機体かもですね。集まる情報も桁違いでしょうから。
F35とAWACSのレーダーの能力の差は、運用高度と出力の差でしょうね。
当然、AWACSの方が上回ります。
あと、現在AWACSでは16名のオペレーターで行う指揮管制業務を、
AIがいつ代替できるようになるか、でしょうか。
であれば、AWACS機が”空飛ぶイージス艦”化する行き方もありそうな気がします。。
この記事の内容は、その辺りを含んでいそうな気もします。
だから、AWACSは名前の通り「管制機能を持った哨戒機」だって。
成り立ちを調べてみると良いよ。
さらに言うと、管制機が自らレーダーを持つ必要が今後薄まっていくから、
AWACSみたいにレーダーを背負う必要がなくなる。
レーダーを廃したら、もうそれはAWACSじゃなくてただの管制機
なるほどですね。
そうなると、レーダーを背負ってなくても、
狙われることに変わりはなさそうですね。
対レーダー誘導ではない別の方法で狙われるのでしょう。
自軍の無人機を200kmくらい先行させて、
そして長射程のAAMで、先に敵を撃墜しないとですね。
無人戦闘機に関連して、日本の防衛装備庁が「第2回 空戦AIチャレンジ」というコンペを現在開催しています。
賞金総額が200万円で、締切は2023年2月13日です。
1位の人は ¥1,200,000 の賞金がもらえ、2位の人は ¥600,000 の賞金がもらえ、3位の人は ¥200,000 の賞金がもらえます。
参加すれば、日本の防衛力の向上にも貢献できるので、AIに自信のある人は是非とも参加してみてください!
以下、コンペサイトより引用です。
防衛装備庁では戦闘機を対象とした人工知能(AI)技術の研究を進めています。
本コンペは、この研究の一環として防衛装備庁が検討課題を設定し、広く一般に募って実施するコンテスト形式として実施するものです。
本コンペは、公刊文献から得られる諸外国の機体情報等に基づいて簡易的に表現したシミュレータを用いて、空対空目視外戦闘における行動判断モデル(エージェント)を構築して頂きます。
本コンペの参加者には、4機編隊(複数の機能を持つハイエンド機×2機、特定の機能のみに制限したローエンド機×2機)の戦闘機の行動判断を行う行動判断モデルを投稿していただき、その優劣を競っていただきます。
ここでいう空対空目視外戦闘とは、戦闘機編隊どうしがお互いに目視できない遠方においてレーダで相手を追尾しつつ、中距離空対空誘導弾を射撃しあうことにより行われる戦闘を指します。
なお、シミュレーション中に登場する各種設定値は、あくまで本コンペにおける空戦ゲームとして成立させるために難易度等を考慮して設定されたものであり、公刊文献から設定された値を除いて、特定の装備品やその運用方法を示すものではありません。
本コンペの問題設定は、例えば以下のような点において、深層強化学習タスクの中でも比較的難易度が高いものとなっています。
①観測に対する制約の強さ・・・レーダで捉えるまで相手が一切見えない等、観測不可能な状態量が多く存在する環境下での行動判断となります。
②行動から結果の判明までの時間差・・・誘導弾の射撃から命中まで数十秒かかる等、特定の行動がもたらす結果が明らかになるまでに長い時間がかかります。
皆様からの多数のご応募をお待ちしております。
なお、学生・大学院生が参加すると以後研究者としての道は断たれる模様
日本学術会議エ…
いや断たれないでしょ。
金沢工大や千葉工大は装備庁と共同研究してるし、京大や理研の人が防衛技術シンポジウムでも話している。
コンペに参加する位で後のキャリアに影響はしない。
日本学術会議にそんな権限ないんだが
あんまりにもネットの一部に毒されすぎている
あの騒動自体が政治家のタゲそらしでしかないよ
これ
リンク
これ見る限りでは、「 空戦AIチャレンジ」コンペはアウト判定ですな
安い無人機を早期警戒機や空中給油機の護衛に使って高価な有人機は高度な判断を求められる任務にまわしたいって事かな?
空にもまだまだ前線指揮は必要って事なんですね。
まあ一人乗り、或いはタンデムの航空機に随伴無人機を任せるより、基地並みの設備と居住性のある航空管制機に任せる方が全体的に余裕が出来ますわな。
そのKC-46AやE-7Aが落とされても、瞬時に無人機制御は他の端末が引き継げるんでしょうね。そうでなかったら出撃した無人機全滅・・・
帰還させるとか、あらかじめ取り決めたリーダー機と通信するとか、予定のミッションを遂行するとか、
憎き財務省を爆撃するとかいろんなことが想定できるかと。
この分野がまだまだ手探り段階だけど、素人でも色々思いつく以上、専門家たちは状況に合わせてどう動かすか、もっと深く考えてるよ。
最重要目標は財務省爆撃任務()
簡単に言うと、現在研究開発が行われているエアチーミングUAVの主流は有人戦闘機の機能拡張システムです。
目指しているのは、戦闘機パイロットが行う単純な行動命令(警戒探知、対空戦闘、地上目標攻撃等)を受け、無人アセットが高度な自律性をもって最適連携行動を行うというもので、安価な機能分散型システムでも目的は同じです。
中露が開発中と見られる専任オペレーターを必要とする複座有人機型システムは、現状のAIレベルで無人機のエアチーミング運用を達成しようとする過渡的なものかと。
早期警戒機や空中給油機は航空作戦の最後方に位置します。米空軍が検討中なのは、これらの機体から同じ無人機システムの連携運用を可能とすることにより、エアチーミングシステムを未装備の在来有人戦闘機にも同様の支援効果を与えられないか、ということかと推測します。
中露が当面やろうとしていることを後方支援機でやろうとしているのでは。
敵機を追い回す役割こそ危険ですから無人機に任せるべきでは?
耐G性能も機体の限界まで耐えられるようになりますし、射出座席も不要、パイロットの育成も負担が減ります。
誘導ミサイルの延長で考えれば高度なAIなどを使用して制御する必要も無いので現有技術でも達成可能だと思います。
シンプル&安価に割り切って作れば使い勝手は良いはずです。
だからミサイルプラットフォームにするんでしょ?
敵機を追い回すのはミサイルで母機は有人機でも無人機でも撃ったら退避するだけ
敵機を追いかけ回すのが長距離ミサイルのみであれば、そもそも有人・無人を問わず戦闘機ではなくミサイル母艦のような輸送機ベースの航空機で充分ではないでしょうか。
戦闘機より大型かつ大容量のミサイルを搭載可能です。
現在ロシアがロシア領からウクライナ領を飛行するウクライナ空軍機を上空から長距離空対空ミサイルで撃墜しているイメージです。
あれだとミサイルを発射する母機は戦闘機である必要はありません。
しかし、実戦ではサイドワインダーや機銃でのドッグファイトもあり、アメリカは考えていないようですがその役割を有人機ではなく無人機にすべきでは?という意味です。
空中給油機とMQ-25スティングレイの組み合わせで、部隊纏めて空中給油して手間を省くとかも出来そう。
「ガンダム世界のビット」ですよね。まあ大勢同じことを思いついたのでしょうけど。「雪風世界のジャム」にはならないことを祈りますが。
ゴーストX-9のほうが・・・
雪風ならむしろフリップナイト、それもOVA版の核を搭載したハマーヘッドなどいかがでしょうか?
非ステルスの航空支援機が戦場の見通し圏内に居て落とされないのだろうか…
まとめてステルス化が必要では?
将来的にはB-21やそれに近しい航空機に、空中給油、管制機は集約されていくと思う
アメリカとしてはAWACSや空中給油機をできるだけ戦線から下げて無人機で代替したい、という方針なので暫定的にAWACSや空中給油機を無人機の操縦プラットフォームとして使う、ということでしょうね。
最終的には自律飛行するセンサーノードと無人給油機に置き換わるものと見られますが、空中給油機の機体規模か大きいと高コストになるので、この辺の兼ね合いが難しそうです。
着々と開発は進んでるようで
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米軍当局者の無人機との連携に対する理解や範囲の揺れっぷりは、あらゆる種類の航空作戦を網羅的に所管している米空軍の宿痾なんですかね。人と全く同じ事ができる無人機とAIは当面存在しない以上、何をどこまで「何から」彼らに担わせるかというのはモメて当然です。
対する航空自衛隊が本懐として求められているのは今のところ要撃と海上航空阻止とCASくらいです。米空軍とのインターオペラビリティ確保も結構ですが、米国側の議論は何だかモメそうな気配があるし、それらを待たずに単機能のユニットくらいは作ってしまっても問題にならないのではという気もします。
米軍は2017年にマルチドメイン・バトル(全領域において優勢の糸口を創出するための能力修練)構想をまとめ、2020年にはモザイク戦(意思決定中心の作戦を遂行するためのAI・自律システム活用)構想が公表されました。
現在は米軍当局が揺れているというより、中露に対する優位性を回復するため、将来を見据えた新たな戦い方の実現について検討・検証中てところじゃないでしょうか。