在欧米空軍のヘッカー大将は「もはやNATOに冷戦時代のような航空戦力は存在せず、さらに多くの軍事物資がウクライナに提供されたため兵器備蓄は危険なほど少なくなっている」と指摘、さらに同問題を短期的に解決する見通しはないと付け加えた。
参考:US, NATO weapons stockpile ‘dangerously low’: USAF General
参考:Raytheon Calls in Retirees to Help Restart Stinger Missile Production
産業界が生産設備への投資に踏み切るには『軍関係者の言葉』ではなく『文書化された書類上の正式な要求』が必要
ロンドンで開催されたシンポジウムで在欧米空軍のヘッカー大将は「多くの軍事物資がウクライナに提供されたため兵器の備蓄は危険なほど少なくなっている。全てのNATO加盟国は自国の備蓄状況を正確に把握するべきだ。我々もウクライナに多くの弾薬を提供したが、空軍の戦闘機戦力の規模は砂漠の嵐作戦頃と比較して約半分の規模まで縮小(4,556機→2,176機)しており、英国も同様に戦闘機の数が減少している。つまり冷戦時代のような戦力規模は既に失われてしまっている。この状況を打開するには産業界の協力が必要不可欠だ」と述べた。
米空軍の戦闘機戦力が冷戦終結後に縮小してしまったのは予算削減の影響が大きいものの、2,176機の中身も非常に深刻な問題を抱えている。
ミッチェル航空宇宙研究所は6月末に発表したレポート(Accelerating 5th Generation Airpower)の中で「現在の戦闘機戦力は老朽化(A-10、F-15C/D、F-16C/D、F-15Eの平均機齢は41年、38年、32年、30年)が進んでいる」と指摘、レポートを執筆したジョセフ・グアステラ元空軍中将は「計画された耐用年数を過ぎている。機体が古くなればなるほど必要な整備と部品交換が増加し、その影響でパイロットの飛行時間も減少している。パイロットの年間飛行時間で中国空軍は初めて米空軍を上回った」と指摘。
さらに「冷戦終結後の予算削減で空軍は戦闘機の在庫を4,556機から2,176機に減らし、不足する能力を戦闘効率が高い第5世代戦闘機でカバーしようとしたが、F-22の調達数は750機から187機に削減され、F-35の調達ペースも予定していた水準を大幅に下回る。新造機の調達ペースが急減したため戦闘機戦力に押し寄せるニーズは既存機をより早いペースで消耗させたが、この問題を解決する資金を空軍は持っていない」とも指摘し、グアステラ元中将は「この深刻さを国民に理解させるには大きな戦争で負ける必要があるのかもしれない」と述べていた。
要するに2,176機の大部分が30年以上前の機体で占められ、これを更新するためのF-35A取得もプログラムコストの高騰と遅延で停滞、耐用年数を越えた第4世代戦闘機の能力は相対的にどんどん劣化していくのに運用・維持コストは毎年増加、さらに次期戦闘機プログラムへの資金供給も始まったため空軍予算にはもはや余裕がなく、30年以上前の機体を処分することで何とかF-35Aの取得と次期戦闘機開発に資金を供給しているものの、このアプローチは戦闘機戦力のさらなる減少を意味し、2028年までに米空軍の戦闘機戦力は2,000機を下回る可能性が高い。
ウクライナに提供された軍事物資の埋戻しも簡単な話ではなく、例えばスティンガーの生産ラインは受注減を理由に2020年12月に閉鎖され、2021年7月に海外顧客(恐らく台湾)から発注があったため生産ラインの再稼働が決まったものの、最大の顧客=米軍は18年間もスティンガーの新規発注を行っておらず、RTX(旧レイセオン)は生産ラインを最小規模=月産40発で再稼働させていた。
しかし米陸軍は2022年5月、ウクライナ提供分(2,000発以上)を埋め戻すため1,700発を発注、これだけの量を捌くには生産ラインの稼働規模を拡張する必要があり、これに30ヶ月間かかるためRTXは「発注分のスティンガー納品は2026年からになる」と述べている。
なぜ生産ラインの再稼働に30ヶ月間もかかるのか疑問に思うかもしれないが、シーカー部分を除くスティンガー本体の製造方法は40年以上前とほぼ同じで、RTXは生産ライン閉鎖に伴い蜘蛛の巣が張っていた製造機器を再び引っ張り出す必要があり、この機器の使用方法を学ぶため退職した70代の元従業員を呼び戻さなければならず、時代遅れの回路カードも再設計が必要なため大規模な生産ラインの再開準備に時間がかかるのだ。
この問題についてRTXのヘイズCEOは「製造プロセスのスピードアップのため3Dプリンターの活用と生産ラインの自動化を採用する方法もあるが、これを行うにはスティンガー自体の再設計が必要になるため、国防総省の認証プロセスを再び受け直さなければならない」と指摘、つまりスティンガー全体を再設計すると新たな認証獲得まで何年もかかるため、手作業で組み立てる40年以上前の製造方法でスティンガーを製造するしかないという意味で、このような問題はウクライナに供給されている装備や弾薬に共通した悩みと言えるだろう。
ヘッカー大将が「危険なほど少なくなっている兵器備蓄を短期的に解決する見通しはない」と述べたのも産業界や制度上の問題に起因しており、ボーイングの関係者も「産業界は需要に対する強いシグナルを受け取っているものの、我々が投資に踏み切るのに必要なのは『軍関係者の言葉』ではなく『文書化された書類上の正式な要求』で、本当に必要だと確信が持てない限り投資を行うことが出来ない」と述べている。
要するに予算を確保するまで軍は正式な発注を約束できないため「スティンガーが沢山必要になる」というメッセージを産業界に向けて発信するのだが、産業界は予算折衝の段階で発注量が増減したり、発注自体が無くなることを知っているため「軍関係者のメッセージだけで需要に対応した生産設備への投資に踏み切れない」と言いたいのだ。
関連記事:米シンクタンク、大規模な投資がなければ老朽化した戦闘機戦力は破綻する
関連記事:ウクライナ提供で激減したスティンガー、生産量を2025年までに50%増
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Alexander Cook
ウクライナを助けることは専制主義に対する牽制になって対中国の役に立つ、とかいってこんな状況に陥らせた連中は無責任な発言に責任を感じて欲しいところだね
対ロシアで消耗することが対中国で役に立つわけねえだろと
今すぐに台湾有事が起こるとは思いませんが西側の武器生産能力の低下が露呈した今
中国は更なる軍備増強と仕掛けるタイミングの前倒しは考慮しているかも知れませんね…
問題ない、最悪台湾には自衛隊の兵器供与すればいい
日本に台湾を援助できるだけの余裕があると本気で思っているんですか?
中国が暴れる時にはロシアも暴れるからどうせ必要な投資や。しかし対中で必要な戦闘機やミサイルはウクライナ戦で供給してないから、こんなもん消耗した内には入らなくね?
予算や生産力が無限だとでも思っているのか
対露軍拡も対中軍拡もどの道必要な投資。元の在庫の何倍も必要なんだから在庫放出した分なんて誤差の範囲内。無限の予算にはなり得ない。
誰も気付かなかった生産ラインの貧弱さに気付けた訳ですし、これで生産ラインはリフレッシュされるでしょうからむしろ都合が良かったのでは無いでしょうか
むしろ今の段階でよかったですね。
どうせ今回のウクライナの戦争がなければ西側の弾薬・兵器生産能力は更に縮小していたでしょうしね
西側が一斉に軍備に投資するようになって、更にはイデオロギー的にも団結は深まり、中国に呼応するだろうロシアの軍事力を先に各個撃破出来る形になったのは行幸でしょう
短期的な武器弾薬の減少と言う点で言えば抑止力が低下している状況と言えるかもしれませんが
ウクライナ戦争で西側が何ら動かなければ中国に誤ったメッセージを送る結果となっていた事も間違いないでしょう
(我が国にとっては)幸いなことに、ウクライナ戦争を契機に西側諸国は防衛への再投資・正規戦への回帰へ向かっています
短期で済む話ではない
ただでさえ中国の軍拡スピードとのギャップが存在する中で埋め戻しに十数年かかるような在庫の減少まである現状の認識が甘いんじゃないか
中長期の視野にたてば尚更の話では?
独力で対抗できないのならば友好国を増やして対中包囲を形成する必要がある
砲弾工場ひとつ新設できない烏合の衆に何を期待できるのかと
NATO諸国は防衛予算額をGDP比最低2%以上とする方針ですし現実に軍備増強を開始しています
また155mm砲弾の製造能力増強も既に進行中です
米・欧の6社で年250万発の製造能力を概ね2年以内に確保する計画である、と言う情報も出て来ています
ロシアの侵略で西側が動かなかった場合に、中国がそれに連動して
台湾侵攻をする予定だったという話も出ていましたし、やらざるを得なかったという側面が強いと思います。
見過ごした場合のデメリットが、弾薬備蓄の減少などよりも遥かに政治的に重かった。
短慮なアチソンライン宣言で朝鮮戦争を誘発したのと同じ。
弾薬が足りないという問題点も洗い出されて良かったじゃない?
少なくとも対中では西側は良い方向に軌道修正してると思うよ。
戦後ロシアにはNATO加盟国が増えて1800kmに伸びた国境線に、残った通常戦力を張り付けてもらいましょうや。
馬鹿馬鹿しい対中目的でウクライナ支援をしたとして、それが支援のどのくらいの割合なのか、提示しない事には話にならんでしょ。
なんでNATOが対中で助けてくれると思ってんの?
北京政府がほくそ笑んでいそうな展開
逆でしょう。
ウクライナ戦争がなかったら、もっともっと油断していてくれていたのに寝た子を起こしたのですから。
4年以内に起きると言われている台湾有事に対応できるのか不安ですね。
予測通りならあまりにも時間が足りません。
バイデン大統領も弾薬不足をポロリとこぼしてましたし、その時に台湾に支援できる十分な量があるのかどうか……。
台湾有事において最も必要なのはASMです
幸いな事にそちらは消耗していない、必要な数量があるかと言えば微妙な所ですが
そうですね。空海の兵器弾薬はほとんど手つかずなのは幸いです。
ただ、海に囲まれている台湾に兵役があるのは上陸を完全に防げない事が想定されているのだと思うのです。
ウクライナへの支援をしないわけにもいきませんし、あまり気を揉みすぎても仕方のない事なんですけども。
中国有事の際にロシアも動くでしょうからそれを先に叩けたと考えれば意味がある、ロシアの抑えの分も中国に投入出来るわけですし
弾薬生産にしてもこの一年でアメリカだけで月産生産能力が一万発増加してるって話があります
それにどうせ中国との戦争でも弾薬不足が問題になってた筈なので土壇場でそれが判明するよりも良かったでしょう
西側の軍需生産能力の貧弱さはウクライナ支援に影響を及ぼし、制裁を回避し産業の戦時動員に成功しつつあるロシアと差を開けられている。この差は消耗戦となって久しいこの戦争の最終的な結果を左右する決定的要因となる。
冷戦後の軍縮と非対称戦への適応は経済的合理性から多数の生産ラインを保持するメリットを軍事産業から失わせた。サプライチェーンのグローバル化も多くの部品や原材料を中国や非西側に依存する結果も招いた。
この状況を改善するには途方もない資金と時間がかかるが、ウクライナだけでなく対中国を見据えた場合必ずやり遂げなければならない優先度の高い事業だろう。
果たしてそんな時間も資金もあるのかどうか
流されるままそんな勝算のない戦いに身を投じることになるくらいならいっそ屈してしまった方がいいのでは
馬鹿げた国の馬鹿げた外交の尻拭いに付き合わされて結局割を食ったのは日本、残念でならない
はあ…ではあなただけ屈されてはどうかと
香港やウイグルロシアのような息苦しい社会で生きるぐらいなら増税地獄の方がまだマシだ
最近、その「屈してしまった方が良い」論法が時より見られますが、チベットのように弾圧され、ブチャのように虐殺されても良いというのは理解出来ないですね。
反米を拗らせて親中親露になっても決して望む結果にはならないことを肝に銘じるべきでしょう。
究極のドMなんだよ
察してあげて
東京新聞んみたいなこといってんな
中国に屈して今まで通りの権利自由経済が保証されると思っているなら
それこそ現実が見えてない
一理あります
ウクライナを例に出すなら、あの国は少なくとも2014年から軍備強化に着手していました。
しかるに、戦争を断念さすこと能わず、国土の2割を占領され、日々国民国富を失い続けています。
もちろんジョージアのようにあっという間に負けて、方針変更を余儀なくさせられるよりはマシではある、と言う指摘はもっともですが。
翻って我が国の現状を見ますに、人口は減少、経済は停滞。中国の侵略がいつになるかは分かりませんが、これで間に合うのか? と言う疑問は、一理あるとは思います。
とは言うものの、世の中、やせ我慢と言うものが必要ではあると思うのです。
この国は少なくとも私には、害より利をもたらしている。であるなら、忠誠と言うものを持たねばならない。歯を食いしばって戦わねばならないと私は思います
政治が長期的視点で戦争を理解しているか、が各国の現状に強く表れていると感じますが
我が国の軽い神輿を頂点とした頭の軽い系において、有事の際、個々人の国家への忠誠などというものが期待出来るのかどうか・・・
貴族政治、カルト、返す当てのない国家の借金・・・
戦争の準備運動中でしょうに復興支援とか算盤弾くアホども・・・
ごめんなさい、あなたのおっしゃることがよく分からないです。
忠誠を誓う相手は日本政府なのか?そのために痩せ我慢?
ジョージアみたいに蹂躙されたらお終いなのに、同じように2014年に
クリミアやドンバスを好き勝手されたウクライナが、それを教訓に防衛力強化を計った途端に
国富を失うようになってしまった??
多分あなたは日本と中国の国力差を比較してのことをおっしゃりたいのかと思うのですが
そもそも単独で戦争できる国は地球上には存在しないので、仮に台湾で有事が起きたとして
それを日本と台湾だけで相手するという事態になるのはまずないと思います。
(もちろん、相手も中国単体だけで襲ってくる、ということはないでしょう)
あと、国に忠誠を尽くす、国難において動員に協力することが「やせ我慢」であると
捉えてるのであれば、あなたはとにかく今まで幸せで何一つ不自由ない
無難な人生を送って来れた方なのだな、と思います。
株価が大暴落してリストラされる、地震が起きて、自宅や友達が
津波にさらわれる、コロナに両親がかかる、・・・などなど
他国が襲ってくる以外にも有事と言えるシーンは確実に人生で何回かは体験するはず。
有事とは、結局日常の生活、備え、政治の先の話であって、決して別ではないでしょう。
そして、その結果、歯を食いしばってでも頑張らなければいけないことになったとして、心の中に
忠誠を誓う(?)対象として思い浮かぶのは、結局は日本政府や自由という信念とかではないでしょう。
なんでしたら、人によっては自分の家族ですらないかもしれません。
その時が来ても自分は助かると思っている浅はかさよ。まあ匿名制を利用しているだけで『元からそっち側』なのかもしれないが。
まあこのように敵に頭を垂れれば全て失う論で戦争に突っ走っていった結果本当に全てを失ったのが先の大戦の我が国なんだけど
この国の国民は80年経って何も成長しなかったようだ
頭を垂れることを学びましたし、その後のウイグルや香港、南シナ海を見て相手を間違えないようにすることも学んでますね。
むしろアメリカに頭を垂れている現状が気に入らないんですよね?でも中露に頭を垂れるより遥かにマシなんですよね。
世界情勢を勉強してアップデートしていきましょう。
まだ言ってんのかコイツ
そもそもWW2は日本から仕掛けなきゃよかった話であって、日本が攻められそうになったら降伏しろとかいうのは全く筋違いの話。この前の批判から何も成長してないようだね。
当時の日本と中国とは攻守が逆なんですが。
というか侵略者に従って受け入れろとか、侵攻を受けた国に同じこと言えんの? 従わずに抗って勝った結果が今の常任理事国でしょうが。
この前同じこと言ってどれだけツッコミをもらったのか覚えていないのか?
中国に屈するだと?そうするとどうなるかも知らずよく言えるな。
元海自三佐:「防衛費2倍になるなら中国に屈した方が良い」
確かに侵攻を躊躇させるだけの軍事力を維持していた方が安くついたろうな。
平和の配当を享受していると思っていたら蛸配当だったと言うことか。
皆ウクライナが汚職の多い国だった事忘れてるだろう
金使っても有効に使われるとは限らん
でもロシアには金がない、人もいない、物もない。
全力の全面戦争なっててもやるから。
侵略なんて片手間でできるぐらいでないと割が合わない。
ロシアのように大損して国が傾く。
これで何度目だ?
スティンガーなんて最近は使い道が殆どありませんでしたからね
アメリカは事前攻撃で敵の航空機やヘリを破壊して航空優勢を確保してから進撃しているので、航空機やヘリが脅威になる事は少なかったですし。
航空機はともかく、他の軍事物資なんてウクライナが短期で勝てるように支援せずダラダラ戦わせた結果の不足何だから自業自得では???
スティンガーはテロリストの手に渡ると大変なことになるからアメリカもそう簡単には渡せなかったと思う
アフガンの時もその辺を危惧してたみたいだし
武器兵器はただ渡せば良いと言うものでは無いと思いますよ?
使い方や整備方法を教えなければいけませんし、弾薬に関してもウクライナは基本東側装備ですから渡せば使えると言うものではありませんし。
ぶっちゃけロシアの得意な戦法に付き合ってロシアが気持ちよく戦えるようにアシストしてるようなもんだからな
そりゃ終わるわけねぇ
中国とドンパチする前に改善すべき欠点がわかってむしろラッキーだったと思わないと
授業料を払ってると思えば安いもんだろ
問題なのはその授業料で破産しそうな事だ
ミサイルの賞味期限ってどのくらいが相場なんだろう
スティンガーはシーカー冷却用のガスとバッテリーが必要なため、10年ぐらいで使えなくなる。実際アメリカがアフガニスタンに侵攻した時、タリバンが保有しているスティンガーは使用不可能になっていた。赤外線誘導方式のミサイルではシーカー冷却用ガスを定期交換する必要がある。
他の誘導方式のミサイルで経年劣化が問題になる部分は固体燃料と電子機器で、例えばパトリオットミサイルは発射装置に詰め込んで10年間はメンテナンス不要となっている。保存状態が良ければ(低温・乾燥)固体燃料も電子機器も劣化しないので、ロシア軍は50年前に製造された対船舶ミサイルを今回の戦争で使用している。
クリアになりました
わざわざありがとう
勝手なことを言いますが。
現在もラインが動いているもの(例:ハイドラ70)
をベースにMANPADSを再設計/制式化した方が早かったりして。
つまりスティンガーの代替機を作ることですが。
もちろんそうなんですが。メーカーが本腰を入れるとして、それにはやはり1年くらい時間がかかってしまいます。1台2台のプロトタイプの設計開発なら1-2ヶ月で出来るでしょうが、そこからテストして問題点を洗い出して改良して、同時にサプライチェーンに部品の大量生産を手配して、と。
そのあたりにどうしても固定コストがかかりますから、メーカーとしては最初に一定額の支払いを約束してもらわないと手が付けられないですよ。
じゃあ小回りの効くベンチャーに、となると。
対空ミサイル開発ノウハウと能力を持つ制御不能の中小企業が多数乱立するというのは治安に関する一種の悪夢ですので、なかなか一般企業に広く開発を、とはなりにくいですね。
昔聞いた話なのですが。
米国には、”年月までNASAでロケット飛ばしてました”
みたいな人がたくさんいるのだとか。
そうした世界(?)で”治安に対する悪夢”と言っても
始まらないと思います。
むしろ、そうした人たちに活躍してもらわないといけないのでは。
制式化された後の生産のマネジメントは、非常時(?)には、
国防省がやるべきでしょう。パテントの管理も含めて。
実際、WW2の時にはそうして大成功していましたし。
今資金が集中してるだろうドローン界隈から、スティンガーに代わる新型対空兵器が生まれる可能性は無いかな…
>時代遅れの回路カードも再設計
時代遅れのままでもええやんって、割り切ってバカスカ作れるところがロシアの強みか
実際、一番の差、NATO軍とロシア軍の決定的な差は結局そこかもしれません。特にアメリカは無意味な科学技術信仰が社会の隅々にまで浸透していて、常に最先端、最新鋭であらねばならぬ、という先入観や、強迫観念のようなものに支配されている気がします。
デジタル庁のマイナンバーカードの普及も似たような失敗で、紙の健康保険証で問題ないと多くの人が言っているものを、無理に電子化しようとして、結局失敗し、混乱しているのです。無理やりなEVシフトなどもそうかもしれません。
と言うか、冷戦後期から急速に発達したコンピュータ技術に基盤を置いたIT産業の振興へ軸足を置いた西欧と情報の自由を認めなかった上に産業インフラの更新に失敗した事でそれが出来なかった旧ソ連/ロシアの長所と短所が今回の戦争で極端に出ていると思います
米国で無意味な科学技術信仰が有るのは事実ですが、もしもそれが無かったらiPhoneを始めとする情報通信の革命や先日のNATO首脳会議で英国防省が皮肉のネタにしたAmazonが生まれる事も無く、多分技術レベルではロシアとあまり変わらない世の中になっていたかもしれません
それに最先端・最新鋭の物が旧式の物に負けるのは戦史上幾らでもあります(良い例がベトナム戦争)
それよりも西欧が反省すべきは、冷戦終結後30年以上に渡り軍事力の整備を怠った事に有るでしょう
今回のNATOの苦境はその積み重ねによる「平和の配当」がウクライナでの戦争で丸ごと「負債」に変わった結果だからです
後、デジタル庁のマイナンバーカードが現在やり玉に挙がっていますが、ITの世界ではこの手の不具合は宿命で、ついこの間まではみずほ銀行のシステム障害が大問題になっていた他、小規模な物ならほぼ毎日日本のどこかで起きていますが、IT化で得られるメリットを考えると今更紙に戻れと言う訳にも行かないのです
仰るようにその部分は大きな差ですね。
使えれば良い、新しいものは怖い、と旧態依然を良しとしていたからこそロシアとNATOには現状のような圧倒的な差が生まれてしまいました。
変化を恐れていてはこの先の世界で生きていくのは大変です。常に革新的でありたいものです。
「無意味な科学技術信仰」とは思いません。進歩がなければロシアのように停滞して前時代的な仕組みのまま経済も成長せず戦争しても泥沼。
アメリカはその科学技術への信仰があるからこそ世界をリードし続ける超大国になれたと思うのだが。アメリカがソ連/ロシアみたいな思考だったら、インターネットも無くテレビはまだブラウン管だった可能性すらある。
なぜかマイナンバーカードにも関して言及されているが、行政のコストを考えたら紙ではなく全てを紐づけたデジタルな証明書を発行した方が格段に事務コストが低くなるので最終的には税金の節約にもなる。もっと言えば通貨だって可能な限り全てデジタルにした方が輸送や製造コストを含めたら数兆円が節約出来る。
EVに関しても国家が思い切ったEVシフトを決めたからこそ全個体電池の開発だったりCASEの技術革新が急速に進むようになったから長期的に見たらプラスな側面も多い。
多分40年前の回路カードを生産する設備もノウハウも残っていないかと
西側諸国を全部探せばあるかもってレベルでしょうし
「アメリカ政府の書類地獄は時間と金の無駄。少し仕様を変更するにも何十枚もの書類と審査が必要になる」みたいな話は90年代にはあったけど、直さなかった結果がこれか。田中角栄を信奉してなんかいないが「官僚栄えて国滅ぶ」というのはこういう琴なんかね。
この手の問題はドイツでもありましたよね
ドイツの官僚主義のせいでドイツ軍が大変という記事をこのサイトで取り上げてましたし
ロシアの強みって飛びさえすれば認証なんか一瞬なところなのかもねミサイルもRPGも戦闘機も 割とフランクに開発だけにリソースや資金投入しやすそう 劣化は早く使用する兵士は命で代償を払わされるけど
そんなことはない
ロシアはむしろ官僚主義が強い
違いがあるとしたら当局側の立場の強さ
イラク戦争なんてするからや
生産のしやすさを語られることはあると思うけど、再生産や増産のしやすさを論じられることって中々ない気がする。WW2では民生自動車工場の航空機生産への転用なんてことをしてたが、現代にもそういう知恵が必要なのかもしれない。
今回は航空機頼みの西側が航空機を除いて支援しなければいけないという例外的な事情があるけど、例外は必ず起きるものとも言えるので・・・
WW2の米国の場合、民生自動車産業を航空機や戦闘車輌の生産に振り向けたのですが、その結果米国の民生自動車の生産はWW2中の期間は零になっています
流石に現在では、自国が戦争に突入してもそんな荒業は出来ないでしょう
第二次世界大戦のアメリカ、イギリスでは、自動車工場を兵器工場に転用し、兵器の大量生産を実行できました。
自動車エンジンはそのまま戦車や、戦闘機のエンジンとなり、デトロイトにあるGMゼネラルモータースの工場ではグラマンF4Fの改良型であるFM-2を生産し、フォードではB-24を生産し、クライスラーもいろいろ生産するという具合です。
しかし、今はアメリカの三大自動車会社はどこもいったん国有化し、工場の多くはメキシコのような海外に移転し、あるいはマツダでフォードの自動車を作ったりして、その代わりにアメリカ国内に増えたのは、日本の自動車会社であるトヨタや、ホンダ、日産、スバルなどの工場です。テスラはドイツと中国に工場があります。
ドイツや日本の自動車会社でも、今は中国に多くの工場を作り、イギリスの自動車工場に至っては、全てが外国企業の所有です。
下手すると、中国にある日本やドイツ、テスラの自動車工場で作った部品や半導体が、中国軍や、ロシア軍向けに転用されるかもしれない、あるいはすでにされているかもしれないのです。そもそもロシア軍のドローンのエンジンはすでに日本製、サイト―です。今も日本は大量の自動車をロシアに輸出しています。
> 生産のしやすさを語られることはあると思うけど、再生産や増産のしやすさを論じられることって中々ない気がする。
反革命分子さんの仰る通りですが、兵器に使用が増えている電子部品の製品サイクルが大凡5年、需要なければ3年でディスコンという事もあるため、その視点がない形で設計されている兵器はやはり難しいのだと推察しています。
戦闘機等で搭載されているMCUは軍事規格に適合した製造方法や仕様があり、メーカーも一旦生産が終わったのを再度構築するのは非常に諸々のコストが掛かってしまう…というのを今後は考慮した調達や生産管理が政府担当者には必要になりそうです。
同盟国の類似品を多分採用した方がいい気がしなくもない
1年以上戦闘していると言っても、いわゆる大規模な戦争ではないし自国戦闘ではないから兵器をウクライナに供給するだけ。
それでラインが作れないとか、「兵器備蓄量は危険なほど少なくなっている」というのは、単に”政府が無能”と言ってるようなものだよな。
そりゃちょっと言いがかりが酷いと思うんよ。だって、ウクライナがロシアの侵略に500日以上持ち堪えるとか、世界中の誰が予想してた??????
ここまでウクライナが善戦するなんて予想してたら、それは逆に素人か、当のロシア軍だけだと思うよw
(開戦直後にロシアの退役高級軍人がこの戦争は無理だとか言ってたね)
2022年2月の時点で、ホワイトハウスは、CIAの「72時間でキエフ陥落するわ」っていう分析ベースで動いてただろうし、日本の軍オタ勢だって、まさかここまでウクライナが粘るなんて思ってなかったと思うんよ。バイデンの開戦予報は実際に的中したし。
この件じゃ日本有数の識者だあろうイズムィコ先生の当時のTweet見たって、「閣僚全員キエフに残ってるのか…」「一国の大統領が首都を枕に討ち死にとか何世紀の話なんだ」とか言ってるんだぜ。当時の世界の関心は、「キエフは早晩落ちるだろうが、それはいつか?」だったと思うんよ。
ところがフタを開けてみたら、日本ではお見せできない下ネタをテレビで披露してた元芸人の大統領が、チャーチルもビックリの超武闘派で、ここまで戦争継続するなんて考えられないやん…
こんなに様々な備蓄の供与が必要になるって予想できた奴だけが「政府が無能」って言って良いと思う。少なくとも俺は無能だ。
パイロットの練度を測る指標として使われる飛行時間で抜かれるって大変なことよな
今まで中国は数は多いが質は劣るかのように言われてきたが質的にもアメリカすら上回る可能性すら出て来た訳だ
MANPADSに関しては取り敢えず韓国の天弓大量導入して凌ごうぜ
いや、そもそももう有人機の出番が終わるのが確定なので、カネのかかる有人機パイロットの養成を縮小してるだけですよ。
あの国のドライさを舐めてはいけませんよ。新しい戦術に移行するとなれば,戦艦だろうがF15だろうがバンバン捨てる国ですから。
確かに、F-35のパイロット訓練はシミュレーターを活用する事で飛行時間が削減出来る側面が有り、それを重視し過ぎたせいで今になって「日常の訓練にF-35を使うのは勿体無いから、それ用の練習機を調達しよう」等と言うエゲつない事になっていますが、その一方で米軍も航空機の稼働率が落ちているせいでパイロットの訓練が出来ていないと言う側面が有るので、そこは何とも……
にしては時期早々じゃない? 無人機が有人機に勝るという確かなデータがあるなら別ですが。しかしそれほど高性能な無人機を大量に配備するのはパイロット育成よりもお金かかりそうですが…
取捨選択の迅速さは日本以上に厳しいですが、予算規模大きい分の既存権益の強さも日本以上ですよ。官庁だけでなく民間も同じです。
有人機の出番が終わるというのは確定に近いですが、今日ではないでしょう。
>シーカー部分を除くスティンガー本体の製造方法は40年以上前とほぼ同じで、
生産効率がわるい消耗弾薬が多いのは、ほとんど同じような事が原因になってるのでは?
1980年代の生産方法のままって、つまり省力化・自動化部分すらなくて
手作業の生産ラインを再構築って事だろう、想像するだけで頭がクラクラする話しだ
生産工程において手作業は生産台数によりますが、非効率なことではありません。生産技術への投資がなければ自動化も出来ない部分です。
率直に言って軍事関係は継続的な製造や改良をサボってるとしか言いようがありません。
NATOの最大の仮想敵のロシアがさらに消耗してる上に西側の旧式兵器で武装したウクライナすら抜けてないんだからええやん。
ロシアが万全の時と同じ軍備にする必要はない。
そりゃまあ何年も止めていたラインを再開するとなれば時間かかるでしょうよ
手っ取り早くロシアの対地ミサイル火力を落とそうと思ったら、ロシアの対地ミサイル生産リソースを対空ミサイルに振り向かせるように、レーダーに引っかかるぐらい大型の民生用ドローンに爆弾でも付けて、ロシアの都市にめがけて大量に投射することぐらいでしょうな
ロシアがイランのローテクドローンでやっている都市攻撃の発想を更に徹底的にやりかえせばいいんです