バイデン政権は23日、多連装ロケットシステムの追加提供や沿岸海域を保護する艦艇が含まれる新しいウクライナ支援パッケージを発表した。
参考:Ukraine Situation Report: Patrol Boats, More HIMARS In New U.S. Aid Package
4.5億ドルの内容にしては提供リストが寂しいので非公開の部分が多いのかもしれない
バイデン政権が発表した総額4.5億ドルに含まれるウクライナ支援パッケージについて国防総省は詳細なリストを提供、それによる以下の装備が米軍備蓄からウクライナに引き渡される。
6月23日発表のウクライナ支援パッケージ | |
HIMARS | 4輌 |
榴弾砲牽引車輌 | 18輌 |
105mm砲弾 | 36,000発 |
グレネードランチャー | 1,200個 |
機関銃 | 2,000丁 |
沿岸・河川巡視船 | 18隻 |
各種スペアパーツ | 不明 |
ここで注目すべきは105mm砲弾と沿岸・河川巡視船だろう。
複数の英メディアが「政府はウクライナに4万5,000発の砲弾と共にAS90を提供する予定だ」と今年4月に報じた後、ウォレス国防相は「ウクライナの戦場では安価な商用ドローンによって大型の装備は直ぐに発見される。AS90のような大型の装備ではなく陸軍が保有する105mm榴弾砲L118を提供するか検討中だ」と明かしている。

出典:U.S. Army photo by Spc. Jessica Scott
今のところ英国はL118の提供を正式に発表していないが、ニュージーランドのアーダーン首相は「要請を受けて105mm榴弾砲L119の操作方法をウクライナ軍の兵士に教えるため30人の国防軍兵士を英国に派遣する」と5月に発表しており、恐らくウクライナ軍兵士の訓練が完了してL119の引き渡しが迫っているため米国が105mm砲弾の提供に踏み切ったのだろう。
さらに今回のパッケージで初めて登場した沿岸・河川巡視船について国防総省は詳細を伏せているものの「米軍備蓄からウクライナに引き渡される」と明かしているため、米メディアはウクライナ侵攻前に同国への売却承認が行われていたMk.V特殊任務艇(米海軍が導入したものの方針転換によって処分された装備)を引き渡すのではないかと予想しており、ドニエプル川や蛇島周辺海域での作戦に役立つだろうと指摘している。

出典:Public Domain Mark V SOC
4.5億ドルの内容にしては提供リストが寂しいので「今回のパッケージは非公開の部分が多いのではないか」と管理人は予想しているが、果たして、、、
関連記事:英国防相がウクライナへのAS90提供を否定、105mm榴弾砲を検討中
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Jennifer E. Reyes
>ここで注目すべきは105mm砲弾と沿岸・河川巡視船だろう。
両方とも今ウクライナに必要なものだから、あとはどれだけのスピードで提供できるかだろうなぁ。
巡視船をどうやって運ぶのかも気になる。
沿岸・河川巡視船(Mark V SOC )ならそこまで大きくもないので、高さに注意すれば輸送機に乗るのではないだろうか
あとはトラックに載せて陸送可能だろう
米海軍の設備みたいなので、ドック型揚陸艦で黒海まで運んで欲しいなぁ…
前に売却が決まってたものなら、もう今頃にはウクライナに届いていて欲しいなぁ…
>沿岸・河川巡視船
蛇島にコマンド部隊を輸送したり、ドニエプル河口南側の砂嘴の先端(いい加減オデーサも近い地点)までロシア軍が進出してるのでそれの攻撃・駆逐狙いですかね。河川といってもザポリージャ人工湖の沿岸では航空脅威で危険か?