米陸軍は過去3度、歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」の後継車輌開発に失敗した教訓を生かして新たな次期歩兵戦闘車に関する提案依頼書(RFP)を今月18日に発表した。
参考:Army Will Let Makers Decide How Many Soldiers to Fit Inside New Fighting Vehicle
参考:Drone tank: Army seeks final proposals for its ‘optionally manned fighting vehicle’
M2ブラッドレーの後継車輌開発に奇抜なアイデアを求めている米陸軍
米陸軍は1980年代に運用を開始した歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」の後継車輌開発に3度チャレンジしたが1度目は国防予算削減の影響を受けて中止、2度目は議会が調達コスト高騰を問題視して開発予算の確保が難しくなり中止、3度目は陸軍の過剰要求や不明瞭な選定プロセスの影響でプロトタイプ提出期限に1社しか間に合わず競争開発の枠組みが崩壊、これを受けて陸軍は一度計画を白紙に戻して次期歩兵戦闘車の開発をやり直すことになった。
今回発表された次期歩兵戦闘車に関する提案依頼書(RFP)は3度の失敗を受けて細かい仕様や技術的な機能を指定するのではなく「大まかなコンセプトのみ」を提示して、これを実現するためのアイデアや技術については企業に任せる内容となっているのが特徴で、陸軍は次期歩兵戦闘車のコンセプトに自律的な無人運用能力(オプションで有人運用も可能)、十分な生存性、M1エイブラムスと並走できるだけの機動性、敵の歩兵戦闘車を打ち破るのに必要な火力、欧州の主要兵站ルートを走行可能な重量などを挙げており主要火器や車輌サイズ、輸送可能な兵員数などは提案企業のアイデアに任せる方針だ。
陸軍の次期歩兵戦闘車開発を主導している米陸軍将来コマンド(AFC)のロス・コフマン准将は「企業が提案するアイデアさえ優れていれば15輌で編成された歩兵戦闘車小隊を検討してもいい」と言っており、要するに現在の歩兵戦闘車小隊は4輌編成で約30名の兵員輸送が可能だが提案されたアイデアさえ優れていれば「1輌あたりの兵員輸送能力が2名でも30名で構わない」ということを意味している。

出典:Photo by Sgt. 1st Class Russell Klika 歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」
勿論、これは極端な例だが陸軍はそれだけ「奇抜なアイデア」を求めていると言いたいのだろう。
今回発表されたRFPによれば米陸軍の次期歩兵戦闘車開発プログラムに参加したい企業は120日以内に提案書を提出する必要があり、2025年までにプロトタイプ製造に進む企業を3社選定して2027年までに評価テストを行い最終的な勝者を決定、2028年までに量産型が引き渡されることを期待しているらしく、米メディアは今回のRFPについて「米陸軍は無人戦闘車を求めている」と報じている。
余談だが今回発表されたRFPに対する企業の反応は上々で米国企業以外にもイスラエル、ドイツ、韓国、シンガポールの企業が次期歩兵戦闘車開発プログラムに関心を示しているとAFCが明かしており、恐らくエルビットシステムズ(イスラエル)、 ラインメタル(ドイツ)、ハンファディフェンス(韓国)、STエンジニアリング(シンガポール)辺りが関心を示しているのではないだろうか?
丁度、数日前に韓国の防衛産業企業ハンファが将来の兵器共同開発に必要な情報や技術などを交換、主要な防衛装備や関連技術の開発研究や分析・試験評価を米陸軍と共同で進めるための協定(CRADA)を米陸軍将来コマンド(AFC)傘下の米陸軍戦闘能力開発コマンド(United States Army Combat Capabilities Development Command:DEVCOM)と締結したというニュースをあったが、これは米陸軍の次期歩兵戦闘車開発プログラム参加を見越した布石だったのかもしれない。
関連企業:米陸軍、韓国企業ハンファと共同で兵器の開発研究を行う協定に署名
もしそうなら韓国のハンファは用意周到に米陸軍のブラッドレー更新需要を狙っているのだろう。
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Sgt. Eric M. Garland II/Released
ハンファはやる気がありますなぁ。
恐れを知らぬというか何というか。
利益の面とか色々考えれば、見習う価値なんかないよっていう人もいるけど、提案したり積極的に参加したりするっていうところだけは、見習ってもいいかもね。
日本はやる気がないとは言わないけど、なんせ企業の統合とかノウハウが少ないからね。
やっぱり防衛産業から撤退なんてしてほしくないから、頑張って欲しいな。
韓国の場合、兵器輸出による外貨獲得が結構重要だからね。ここら辺は韓国の兵器産業が大きな痛手を被った事がないということも有るんじゃないかなと。逆に日本国内というか日本人が兵器という言葉に無条件で悪というレッテル貼りして、今まで遠ざけて来たというのも原因だと思う。後はそれらに起因する日本国内の小規模な防衛産業と少ない利益が一番の原因だと思う。
日本共〇党とか立憲〇主党とか、消えかけてる社〇党とかですね。
それとレーダーを輸出するだけで発狂する市民団体とかですね。
無駄に騒ぐだけ騒ぐ一部のマスコミもですね。
まぁ、やっかいなこと。
K7、K11(OICWライク)のデウは海外売却。斗山、サムスンはハンファに売却で陸戦はハンファ独占ぐらい痛手を被ってる。
その売却元こそが、韓国面に落ちたいい兵器を作ってたんだが。
歩兵戦闘車って無人化が必要なのかね?
たしかに最前線で運用するにせよ、あくまで輸送車なんでUAVみたいにあえて危険をおかすような使い方はしないし、米軍は省人化が急務って訳でもあるまい
無人運用が可能なら少なくとも輸送可能な兵員が3〜4人増えますね。
派兵戦闘車は積極的に戦闘に参加しないのかな?散開した歩兵(センサー)の指示で火力支援をしなくてはいけないのでは?
ま、兵員輸送車にしろUAV観測からの自走砲による狙いうち、商店街パトロール時のしんがりにRPGを防ぐため、前後二両は完全無人で、武装は遠隔操作、中身には他の車両の交換部品でも積んでおきたいところか。
兵員輸送車とそれに随伴する無人戦闘車両が同一車両であれば、被害を受けた際に無人車両に乗り込めば良いですし、最悪無人車両を囮に有人車両が移動する、なんて事もてきれば生存性の向上に役立つのではないのでしょうか。
戦闘車両に光学迷彩の採用などは考えられないのだろうか…..
大胆な提案としては歓迎されるだろうが、果たして戦場での実用化レベルに達するまで米軍が待てるだろうか
ある意味ステルスより困難かも
歩兵戦闘車用は歩兵の盾なんで、後ろ見えたらダメw
これは4度目のチャレンジも大失敗、それも過去3度を上回る位の酷い失敗になるのが濃厚だなあ
何故かと言うと、大まかなコンセプト以外のアイデアや技術については企業に任せる内容となっている事から、裏を返せば「米陸軍は、今後の戦争がどの様な様相に変化するのか予測出来ていない」のが濃厚だから
もう少し詳しく言うと、米陸軍は現状将来の戦闘ドクトリンを明確に決め切れていないので、細かい要求性能が出せない状況に陥っていると思う
因みにM2ブラッドレーも開発段階で相当難航したのだけど、当時はソ連軍の機甲部隊に対抗する戦闘ドクトリン「エアランド・バトル」の構想が出来ていた為、米陸軍はブラッドレーにどの様な性能を盛り込むべきか分かっていたから我慢を重ねて完成まで持って行った
実際、M1戦車やMLRS、AH-64等現在の米陸軍の主力兵器は冷戦末期に策定された「エアランド・バトル」構想の下で開発された物が多いのはこの為
だから、現在の米陸軍は「エアランド・バトル」に変わる新しい戦闘ドクトリンを確立しない限り、どんな兵器を開発しても失敗するだけだと思うがなあ
顧客側がまともに要件をまとめられないのに、まともなシステムが完成するわけがないっていう。
斬新な案もOKとかいいつつ、いざものを出したら細かいケチがたくさんついてぼろくそに言われるのは目に見えている。
正にその通りだよ
ハッキリ言って今の米陸軍に必要なのは、新兵器では無くて「新しい戦い方(戦闘ドクトリン)」を創造する事であり、それが出来ない限り新兵器の作り様が無いと思う
その上で、もしも新しい戦闘ドクトリンを作るのが時間的な理由等で無理ならば、海兵隊がACV1.1水陸両用装甲車で、陸軍自身もストライカー装甲車でやった様に、海外に有る既存の兵器を改良する形で新装備を導入するしか無いと思う
酷使様が憤死するのが見たいのでハンファ案採用お願いします
まぁ、ハンファが採用されただけで怒っているような人がいれば、それは真の愛国者とは言えませんね。
真の愛国者は、何が行けなかったのか精査して次に活かそうと努力し、それを応援する人たちのことですから。
それはそうと、あなた自身が酷使様なんじゃないですか。
アオリイカは海にお帰り。
酷使様ガー連呼する生物、最近見ないと思っていたが生きていたのか。遺憾。
お願いされても米軍は聞かない、と思う。 憤死もしない。
余程、過去に酷使様とやらに酷い目に遭わされたのかー。。
兵器採用くらいならいいけど誰々が悔しがる様子が見たいからって被害を望むようなことはネットでも公言しないようにな
相当奇抜な車両じゃないとまたブラッドレーで十分ってことになって廃案になりそうね
全くの新発想を含む、斬新な提案を求めるということですよね。
韓国製の兵器群は他国製品のキープコンセプトかつ安価といった物しかないので、
この様なRFPが出てくると、コンペに勝つのは難しいのではないでしょうか。
オーストラリアに提案している物をベースとして提案するのだと思いますが、
あれについては、新規性は全く感じませんでした。
極論、特殊部隊用の小型バギーに十分な装甲をつけたものでも良いって言う位の
発想転換が求められているのだと思いますが、
この様なコンセプト作成ははイスラエルが強いかなぁ。
韓国は戦車の無人車両化計画があると聞いたことがあるからそれ関係かと思う
でもノウハウをまだろくに積めてないだろうしハンファが選ばれるのは厳しいかな
自律的な無人運用能力か・・・
あくまでも非戦闘地域の移動やパトロール時の運転補助みたいなものでいいのかな。
それとも危険地域で車外に頭出さずに外部観察する人を増やす為かな
戦場で負傷して横たわっている人をひき殺ろさないと後退できないとなったときに
それが誰でも止まるのか、味方じゃなければひき殺すのか、味方でもひき殺すのか
どういう挙動をするのか、心配になる。
奇抜とか無人とか自走砲が散々それで失敗してきたのに、同じことを繰り返すのか…
いろんなプランが沸いてくるのを楽しみに待つ
おそらく、ロシア中国イスラエル等が先行してるだろうし、米軍なりのアイデアが見たい
殆どの国が兵器輸出で儲けてなくてそれでもなぜ輸出するかと言うと年々高まる開発費用に少しでも足しにしようとしてるわけでしょ
どの国も国内の防衛産業エコシステム維持に必死な事は素人の我々でもわかるのに‥
いつまでも壊れたラジオの様に国民の配慮や技術流失〜って言うけどさ、日本のエコシステムがそろそろキツいしそもそも国民の配慮がって言ってる人たちは防衛自体を否定してる傾向があるわけで‥
批判はどんな事しても必ずあるわけでやるべき課題や問題を先延ばしにしてはいけないって事は日本の防衛産業の人達や政府の中枢の議員は小学校の夏休みで学ばなかったのかな?
2020年も終わるのに鱗滝左近次じゃないけど判断が遅いって防衛や防衛産業エコシステムについて考えてる政府の人達ビンタしてやりたい
車両を無人化するなら搭乗歩兵も無人化しないとな
歩兵集団ではなく歩兵そのものを無人化するとは一体
M2重機関銃(90歳)「ワシの後継重機関銃はまだかの~」
AMPVの派生で無人砲塔のっけたの作ればいいじゃん
せめて無人砲塔のを使いこなしてから無人車両言えってのバカか
無人砲塔が即時性や冗長性でアレとか言いながら無人車両は良いとか頭おかしい
アメちゃんは兵器開発の前に
なぜ、毎回開発費が高騰し、延長の連続の末
開発が失敗するのか検証しないのか?
失敗したというニュースは見るが
検証するというニュースは見ないな
ズムワォルト級の予感、、、
米陸軍の伝統的には歩兵戦闘車って騎兵の延長みたいだけど、騎兵とは似ても似つかない運用なんですよね。
その辺り本人たちは違和感感じないのかな。
とりあえず奇抜なアイデアであれば何でも良いという案件なら
日本はいっそ軽トラックベースの無人車両でも提案してやったら
少なくともコスト的な炎上は確実に回避できr確実なので
新し物好きな連中には受けるかもしれない
そういう装軌車両がロシアで開発済み。シベリアの泥道を走っているよ。
とりあえず奇抜なアイデアであれば何でも良いという案件なら
日本はいっそ軽トラックベースの無人車両でも提案してやったら
少なくとも他国は真似できないし
コスト的な炎上も確実に回避できる設計にはなるので
新し物好きな連中には受けるかもしれない
ヨーロッパには軽トラを含む自動車サイズ規格があり、ちょうど軽トラサイズの偵察用兵器もある。(あった?)
アメリカにも、オスプレイに載せるグロウラーというのがある。折り畳むとスズキキャリーより小さいとか。スズキキャリーも乗りそうだが。
BAEは参加して無いのか、ワンチャンPL-01の改良形とか見たかったな。コスト高で中止になった様だけど、CV90ベースで4人位の兵員乗れたので無人化とデータリンク対応のステルスIFVとか面白いのに。
無人化よりも15輌がありえない、被害は分散できるだろうけど(車間が同じなら)行軍長径が5倍になるんだぞ
それを統制するのは小隊長じゃなく中隊長の職分だよ
自律的な無人運用能力(オプションで有人運用も可能)
この時点で破綻する未来しかみえないんだが・・・
商用でのLv5の自動運転すらまだなのに
光学・電子双方の妨害や各種の攻撃有で道路・路外での運用を無人でって無茶だろうと
それとももうできる という判断できるなにかがあったのかね
すでに米国では、ベンチャーがロボット兵士開発に取り組んでいるだろう?
1人のコマンダーが、複数のドローン兵士を指揮する時代が遠からず来るだろう。
そういう時代には、ふつうの残存性の高い装甲兵員輸送車(APC)で済むような気がする。
個人としては、陸自の89式が好みだがw