米POLITICOは7日「ウクライナ空軍が運用するMiG-29にAIM-120を統合できるか米軍が研究している」と報じているが、AIM-120への目標指示と中間誘導を旧ソ連製のレーダーやシステムでどう実現するのかがネックらしい。
参考:U.S. military eyes mounting Western air-to-air missiles on Ukrainian MiGs
AIM-120の統合に成功すればウクライナが西側戦闘機に期待する能力の一部を手に入れるがことができる
米国を含むNATO加盟国は再三「ウクライナに対する武器提供に例外(制限)はない」と述べているが、西側諸国がF-16やタイフーンなどの戦闘機提供に消極的なのは「支援にかかるコストは無限ではなく有限で、今は最も必要とされている大砲の砲弾や防空システムが使用する迎撃弾の供給に集中すべきだ」「旧ソ連機から西側機への機種転換は数ヶ月間で完了しても単純に機体を飛ばせるだけで、実戦に必要不可欠な戦術訓練を施すには年単位の時間が必要」という現実的な問題が影響している。

出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Matthew Lotz
但し、西側製戦闘機の提供に向けた取り組みが全く進展していない訳ではなく、ウクライナ空軍のパイロット2名は米国で「F-16のシミュレーター」による技量評価(実機搭乗はなし)を受けており、これを元に機種転換に必要な時間を計算したり、ウクライナ空軍のニーズにあった専用のシラバスを開発するのに役立てる予定で、さらに西側製戦闘機の提供が実現するまでのギャップを埋めるためウクライナ空軍が運用するMiG-29にAIM-120を統合できるか研究しているらしい。
この取り組みに詳しい国防総省の関係者は「AIM-120を物理的に搭載するだけではなくMiGのレーダーと統合しなければならない。AIM-120を運用するためにはレーダーが目標を指示し、シーカーが目標を捕捉するまで中間誘導を行う必要がある。米国製と旧ソ連製のシステムは大きく異るため『どうやってシステムを統合するのか』が課題だ」と明かしており、これが本当に実現可能なのか非常に怪しいがPOLITICOは「AIM-120の統合に成功すればウクライナが西側戦闘機に期待する能力の一部を手に入れるがことができる」と指摘した。

出典:Photo by Sgt. T. T. Parish
AGM-88やJDAM-ERをMiG-29に、AIM-7をBukに統合してみせたので「AIM-120の統合」も技術的に不可能という訳ではないと思うが、果たしてどうなることやら、、、
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
なんかジオンのザクに連邦のジムの部品を取り付けるような変なことしてるな(小並感)
正直、逆パターンのイランのトム猫があるから、アメリカの試みが達成するのはできるかもしれないが、できた頃には当のウクライナ空軍のMiG-29の稼働率がひどい事になってそう。
ガンダム世界では、「ユニバーサル規格」という設定がありまして、ネジなどの部品や接続ポ-ト類はジオンの会社も地球連邦の会社も同じのを使っている設定になっています。
なにかの映画とか、ムーンライトマイルでも敵味方が同乗して部品取り合って「どうせ、台湾製のマザーボード使っているんだろう!」とか罵るシーンがありました。
やはりAEは全ての黒幕()
そしてそれを支援したビスト財団が全て悪い()
ザク頭のゼータガンダムというのがありましてな…
〈なんかジオンのザクに連邦のジムの部品を取り付けるような変なことしてるな(小並感)
まさにザニーという機体がありまして。
アムラーム統合したらロシアの戦闘機とヘリの活動はほぼ不可能になりそう
ロシア領空内には撃てないだろうから、クリミア上空のMig31対策になるのでしょうか。
カザフスタン辺りから、R33/37ミサイルを購入できないでしょうか。
可能ならば、ウクライナ国内でコピー生産すれば、ロシア領空内に引っ込んでいる
Mig31やTu22M3/95/160を墜とすことができると思うのですが。
ないよりはいいだろうけどR-37でアウトレンジされる問題はAMRAAMでも変わらないのでは
米軍の戦闘システムは、アジャイル開発に見られるモジュール化が進んでいる。(日本は、イージスシステムにSPY-7を選択したから、イージスシステムへのインテグレーションコストを負担させられるし、時間がかかる的な的外れな論調が多々見られたが、あっさり迎撃シミュレーションまで進んでしまったのは既報の通り。元々、レーダーモジュール側がイージスシステムに提供すべき情報の仕様が決まっている為、レーダーが異なってもシステム側の変更は理論上発生しない。)
ただ逆に、そのアーキテクチャに準拠しないシステムの統合は難しくなる。
ロシア製のレーダーの情報出力は、当然ロシア製の戦闘管理システムのAPI仕様に準拠しているし、アーキテクチャそのものも異なっているでしょうから、難易度は相当高くなるでしょうね。
一般のソフトウェアならエミュレータを噛ます方法が手っ取り早いでしょうけど、オーバーヘッド発生するし、いずれにしても戦闘管理システムの仕様を把握するという面倒な作業が無くなるわけでは無いですし。
HARMならシーカーが拾った信号から目標を選んで発射命令を出すだけでも機能します(能力はかなり低下しますが)。
シースパローも適切なイルミネータを目標に向けていればミサイル側で進路修正してくれます。
これがAIM-120となると難易度が全く違います。
アクティブになると、目標とミサイルの位置を把握して、適切な会敵経路を計算し、適宜修正命令を出す必要があります。
F-15J PreMSIPがAIM-120統合を諦めたように火器管制システムに加え配線系も改造が必要ですし、部品と時間を考えると不可能でしょう。
通常の完全統合を諦め、其の場凌ぎをするなら?
ミサイル側のプログラム変更で、中間誘導用にHome on Jamming応用のセミアクティブモードを入れて、命中前の母機退避を可能にするくらいでしょうか。
飛翔中に適宜アクティブ発信して、自前のシーカーで捕捉したら自律誘導に移行する形ならある程度は当たるでしょう。
問題はミサイルが正しく反射波を拾っているかわからない、アクティブ探知に成功して自律誘導を開始したかもわからない、飛翔コースの最適化ができず射程が大幅に減る、等山積みです。
母機の退避はギリギリまでできないハイリスクな運用か、運任せの早期離脱で命中率の低い運用となるでしょう。
デジタルデータバスなら、スロバキアのMiG-29ASがF-15J改と同じMIL-STD-1553Bを装備しているので、これとセットでAIM-120を供与するなら幾らか改修の手間が省けるかと思います。
まあレーダーシステムとの統合やランチャー搭載などの問題は以前残りますが、ウクライナ側もノーマルのMiG-29なら供与されても無いよりまし程度にしかならないと言っていますし、F-16が無理ならせめて改修機の供与を望むのは無理からぬところではないでしょうか。
MiG-29ASもですが、開戦時点で20機ちょとあったはずのモスボール状態のウクライナのSu-27とMiG-29、部品名目で幾らか供与されたポーランドのMiG-29Gの残りは現在第一線から外れている訳ですから、NATO諸国の何処かの工場に持ち込んで改修するなら、ウクライナやNATOの戦力への影響は最小限で済むでしょうし。
アメリカは冷戦期には何処からかソ連製の兵器を調達したり、冷戦後は研究用にSu-27を買ったりもしていたので、下地がない訳ではないんだろうが、どうやってるのかはやっぱり気になる。
射程で言えばAIM-120相当のR-27をウクライナは保有していたし
そもそも防空システムで頭を押さえられスペック通りの射程の前提となる高空を飛べないので
実現してもゲームチェンジャーにはならんしロシア側の航空作戦の阻害も困難だろう
専用装置のいるAAM-4を搭載した方が楽だったりして
レーダーからなにまで入れ替えたほうが楽だったりして…
F-16Cの初期型にAIM-120を積んだ時能力の半分以下しか出せないとかの話を思い出しますと、企画違いのソビエト製システムに改造を加えてもフルに性能を生かせないような気がしますね。
それに上に書かれている方もいますが、R-37への対策が出来ていない以上戦闘機に資金をかける事への優先順位は下げた方が良いような・・・
東側航空機のリバースエンジニアリングで得られるものもあるし、将来の東側航空機へのアップグレードパッケージ開発にも繋がる可能性もあるのでAIM-120統合自体の成否は重要ではなかったりするかもしれない。航空機搭載兵器は艦船用装備のベースになっていることもあるので意外に大きな収穫があるかもね。
こういう変な事はフランスとかイスラエルの企業が上手なんじゃ?