米国関連

米海軍、次期駆逐艦DDG-Xでタイコンデロガ級とアーレイ・バーク級の更新を想定

米議会調査局(CRS)は海軍のDDG-Xについて「1万2,700トン前後のサイズでアーレイ・バーク級よりも武器搭載量が多く、タイコンデロガ級とアーレイ・バーク級の後継艦になる」と議会に報告している。

参考:Navy DDG(X) Next-Generation Destroyer Program:Background and Issues for Congress

DDG-Xプログラムはタイコンデロガ級巡洋艦とアーレイ・バーク級駆逐艦にとって変わる次期駆逐艦の調達を想定している

米議会調査局(CRS)は議会へ海軍の次期駆逐艦DDG-Xに関するを報告書を13日に提出したのだが、この報告書の中でCRSは「海軍のDDG-Xプログラムはタイコンデロガ級巡洋艦とアーレイ・バーク級駆逐艦にとって変わる次期駆逐艦の調達を想定している」を報告しており、これが事実ならタイコンデロガ級巡洋艦の後継艦計画(2025年までに同艦の後継艦開発のため2021度予算案に資金を要求したが議会に拒否されて以来動きがない)はDDG-Xに統合されたのだろう。

出典:public domain タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦

特に興味深いのは「DDG-Xはアーレイ・バーク級駆逐艦よりも武器搭載量が多く、DDG-XはフライトIIIよりも大きくズムウォルト級駆逐艦よりも小さくなることを海軍が想定している」とCRSが言及している点で、DDG-Xのサイズは1万2,700トン前後ではないかと予想している点で、この予想が正しければDDG-Xは中国海軍の055型駆逐艦と同等のサイズ(MK.41も90セル以上)を備えているという意味だが、1万2,700トンという数字はフライトIIIとズムウォルト級の中間値なのでCRSも「最終的なDDG-Xのサイズは1万2,700トンより小さいかもしれないし大きいかもしれない」と述べている。

ただDDG-Xの設計はDestroyer Payload Module Optionと呼ばれる追加区画の挿入に対応するため「全長と艦内容量を拡張してMK.41の搭載スペースを増やすことが出来る」と予想されており、DDG-XのPayload Module挿入仕様は055型駆逐艦を上回るサイズになるのかもしれない。

出典:U.S. Navy

まぁDDG-Xの本格開発これからなので最終的な仕様は完成してみないと何とも言えないが、少なくともCRSの報告書から「米海軍は055型駆逐艦と渡り合えるプラットフォームとしてDDG-Xを考えている」という意気込みを読み取れる。

関連記事:アーレイ・バーク級の正統な後継艦、米海軍が次期駆逐艦DDG-Xを発表

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy

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コメント

    • 7jd
    • 2022年 1月 20日

    >「米海軍は055型駆逐艦と渡り合えるプラットフォームとしてDDG-Xを考えている」

    10年前の米海軍だったら中国海軍を歯牙にも掛けていなかったのに、今は米海軍が中国海軍から刺激を受ける時世ですか。

    29
      • 名無しさん
      • 2022年 1月 20日

      055型は悔しいけど、洗練されたいいデザインしているなって思う
      それまでの野暮ったいソ連戦闘機から一皮むけたSu-27やMig-29の
      デザイン見せられた時みたいな衝撃だったは
      中国の軍艦を格好いいと思ったのは、あれが初めてだ

      15
    • 千葉の猫
    • 2022年 1月 20日

    こいつでもMk41ってズム君のMk57はディスコンかぁ残念
    開発・調達時期かぶりそうなのがコロンビア級とフォード級とSSN-XとNGADだっけ?いくつかあるけど調達費用大丈夫なのかな?

    10
    • 匿名
    • 2022年 1月 20日

    ミッションモジュール構造のおかげでコケない事を祈るばかり

    20
    • ハガ
    • 2022年 1月 20日

    最近の船ってある程度の高さより上は内傾させてステルス性に
    気を使ってる感ありますけど、ズムウォルト級みたいな喫水より
    上を全部内傾させるようなのはもうやらないんでしょうかね?
    デメリットがメリットを上回っちゃうんでしょうか?

    5
      • 無無
      • 2022年 1月 20日

      外洋はかなり荒れるから、そこ気になりますよね、完成予想図の発表された当時から、これは艦首の波切りと航洋性能に問題が出るだろうって話題が出てましたから。

      8
      • ネコ歩き
      • 2022年 1月 20日

      ズムウォルトの艦形は海面貫通型で対航する大波は船体がもろに被ることになります。
      艦橋は波のエネルギーをまともに受けることになりますから、それなりの強度・防水設計が必要です。前方の砲塔が砲身部を覆うカバー付なのはRCS低減だけが目的ではありません。
      建造費が跳ね上がる理由です。実用上はそこまでやらんでも、てことなんでしょうかね。

      10
        • 名無しさん
        • 2022年 1月 20日

        ズム級の凌波性や航洋性はどうなんでしょね?
        あの形状見た時からその評価が気になるんですが、話として伝わって来ないので。
        あまり活発に活動してない様なので、任務中に爆弾低気圧や台風に遭遇して
        無理して突っ込んじゃうみたいな機会がまだ無いのでしょうか。

        2
          • ネコ歩き
          • 2022年 1月 20日

          防衛装備庁艦艇装備研究所での研究で、艦首が波を被らない波浪状況設定でですが、タンブルフォーム船型は艦首造派抵抗が従来船型に比して小さいという結論を得ています。
          リンク

          アメリカも同様もしくはそれ以上の検討の上で採用したはずで、考え得る波浪環境での凌波性や航洋性に恐らく問題はないんだろうと推測しますが。
          荒天航海中に事故でも起こさないと問題点があっても明らかにならないだろうと思いますよ。

          6
        • ハガ
        • 2022年 1月 20日

        なるほど、艦橋などがかぶる波のエネルギーの大きさを甘く見てはいけない感じですか。
        だとするとコストも問題でしょうし、また強度を持たせるために重心が上がる問題も
        出てきそうですし、無理にステルス性に拘るのは違うかなと思えてきます。

        3
      • 内務大臣
      • 2022年 1月 20日

      日本でもタンブルホーム船型はハイブリッド船体と合わせて研究されたので、もしメリットの方が大きければ次期DDかこんごう後継あたりで採用されるのではないかと思います

      1
      • 2022年 1月 20日

      常々思ってるけど、南軍の甲鉄艦のようなズムウォルト級、ミシシッピ川を防衛するには最高だよなあ

      3
    • ブルーピーコック
    • 2022年 1月 20日

    出来上がる頃には055型駆逐艦の後継艦が出てきてそう。
    しかし、レーザーを標準装備する軍艦が出てくる時代かあ。期待が膨らむな。予定は未定だけども

    15
    • 無無
    • 2022年 1月 20日

    大きいことは良いことだぁ〜♪
    そんな簡単な話じゃないけど、航洋性や拡張性を考えたら切り詰めたコンパクトな艦艇で、太平洋で中国と渡り合うのは無理だろう
    少なくとも055型と同等かそれ以上のサイズを選択するだろうね

    6
    • 2022年 1月 20日

    日本の次期イージス艦も弾道ミサイル迎撃、巡航ミサイル運用を考えて大幅にVSL増やして欲しい。
    日本は人員的に艦数増やすことは難しいだろうし、中国海軍の艦艇数の驚異的増加に対応しなければならない。

    7
      • 戦略眼
      • 2022年 1月 20日

      入れる弾が無い。

      2
        • たまちゃん
        • 2022年 1月 20日

        自衛隊川柳「たまに撃つ 弾が無いのが 玉に傷」

        お粗末様でした。

        8
    • 折口
    • 2022年 1月 20日

    DDG-X案をさらに巨大化させた重巡洋艦クラスの水上戦特化艦も見てみたかったので内心少し残念です。まぁそこまで行くとアーセナルシップになっちゃいますし、それこそ悪夢再びという話ですね。
    既に確立された艦艇の延伸で区画を作って武装を挿入するというと、FFMに対するFMF-AAWみたいになるんですかね。太平洋戦域の将来水上戦の方向性として艦艇大型化による武装強化と防御性向上が示されるのは、中国以外の国々からすると迷惑以外の何物でもないでしょうけど、いちオタクとしては(大きい船が見られるので)密かに楽しみにも感じます。

    2
    • 無明
    • 2022年 1月 20日

    アーレイバーク代替にするには大きくて高コストすぎて置き換えて維持することできません
    なんてハメになったりして

    1
    • 名無しコルベット
    • 2022年 1月 20日

    対艦ミサイル発射筒をやめてVLSに統一ね。こんごう型もそろそろ30年だし、後継はこれやこれをベースとしたものになるだろう

      • samo
      • 2022年 1月 20日

      こんごう型は延命更新しても良いと思うけどね
      汎用護衛艦格下げで。
      圧倒的に艦艇数が足りてないし、型落ちのイージスシステムでも、まだまだ強力な防空システムなのには違いないし

      13
    • samo
    • 2022年 1月 20日

    海自のSPY7艦もこれベースの設計艦になるのかな?
    1万2000トン級なら、課題の発電スペースの確保は何とかなりそう

    1
      • 内務大臣
      • 2022年 1月 20日

      あれは元々地上配備用のレーダー搭載する関係でとんでもない巨艦になるかも
      その前に計画自体が白紙になりそうだが…

      8
        • samo
        • 2022年 1月 20日

        防衛族の議員が、SPY7の艦の課題は発電機の増設スペースにあると言っていたから、
        この記事の弾薬搭載容量をトレードオフすれば発電機の増設問題はクリアできるんじゃないかな?

          • きっど
          • 2022年 1月 20日

          こいつをベースにするのならば、主機GTと発電機が4基づつ有る上に統合電機推進なのですから、弾薬量を減らさずとも発電量には困らないでしょうよ
          明らかに現行のDDGよりも巨大なレーダーを積むのが前提なのですし

            • samo
            • 2022年 1月 20日

            まや型と比較してもそんな大きな発電量だっけこれ?
            まや型もなかなかの発電量自慢艦だけど、それでも足りないってことだからなぁ

            1
    • 成層圏
    • 2022年 1月 20日

    イージスシステム搭載艦は、まや型より大型化しそうなのでこのくらいにはなりそうですね。

    個人的な予想では、当面の北朝鮮への対策としてまずは12,000t級のイージスシステム搭載艦を2隻作る。
    その後しれっとその船型を利用して、こんごう型の後継艦を同じサイズで作るのでは?
    発電量が大きくなったとか、その方がコストダウンできるとかの理由をつけて。

    その後、イージスシステム搭載艦はなぜか南西諸島にも出張ってたりして。(代わりに、こんごう型が日本海で待機)

    3
    • 無明
    • 2022年 1月 20日

    大型化したら数作れなくなりそうだけどどう考えてるんだろう

      • samo
      • 2022年 1月 20日

      軍縮時代が終わったって考えてるんでしょう

      4
      • 4th
      • 2022年 1月 20日

      コンステレーション級と混ぜる

      6
      • 破軍
      • 2022年 1月 21日

      主力がイージス駆逐みたいなチート編成ではなくフリゲート混ざってくる。

      どこまで現実的かは無視して、船体拡大による搭載数増でアーレイバーク2隻必要な物がDDG-X1隻で済むようになるなら運用コストは劇的に下がると思う。

    • 無印
    • 2022年 1月 20日

    「32 Mk41 VLS」とあるけどイラストは明らかにそれ以上あるような
    前部甲板に64セルぐらいあるように見える
    煙突の間に同じぐらいのVLSがあるとしたら、タイコンデロガ級と同じぐらいのVLSがある駆逐艦の登場なのだろうか
    昔の戦艦が「いかに大きい砲を載せるか」が正義だったのが、今はVLSの数を競うようになってるんでしょうかね

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