米太平洋空軍司令官はミッチェル航空宇宙研究所との対談で「E-3は味方にアドバンテージを届けられるほど中国のJ-20を遠距離で検出できない」と明かした。
参考:E-3 insufficient for timely detection of J-20
参考:F-35s have encountered J-20s over East China Sea
中国空軍のJ-20が備えるステルス性能は米空軍でさえ侮れないものなのだろう
米太平洋空軍司令官のウィルズバック大将は「我々は中国人がJ-20を上手く飛ばしていることを知っており、最近も東シナ海の上空でF-35とJ-20が接近したことがある。特にJ-20とKJ-500の共同作戦能力には感銘を受けている」と語り、中国がJ-20にどんな役割を期待しているのかについて「正確に話すにはまだ早い」と述べたが「中国空軍が誇る長射程の空対空ミサイルを使用した戦いにおいてKJ-500は非常に重要な役割を担っている。このキルチェーンを分断することが私にとって大きな関心事だ」と指摘した。
この発言についてFlightGlobalは「交戦距離が200km以上と推定されるPL-15を遠距離から効果的に使用する重要な役割をKJ-500が担っており、J-10C、J-11B、J-15、J-16、J-20とKJ-500の共同作戦能力を分断することが中国空軍の戦闘能力を低下させる鍵だと司令官は言いたいのだろう」と述べているのが興味深い。
さらに司令官は米空軍のE-3についても「太平洋空軍には4機配備されているがメンテナンスの問題で1機も飛行できなことが良くある、この問題は電子機器、油圧機器、エンジンなど基本的なものが多く運用状態を維持するのに大変苦労しているが、現代の戦場でE-3が通用するかも怪しい。特にJ-20のようなプラットフォームに対してE-3のレーダーは役に立たない。味方にアドバンテージを届けられるほどJ-20を遠距離で捕捉できない」と語っている。
司令官は同盟国のオーストラリアや韓国が運用するE-7について「E-3より優れた性能と信頼性を備えている」と指摘しているので、現在進めているE-3交換プログラム=事実上のE-7調達が「中国を想定した戦い」に必要不可欠だと言いたいのだろう。
まぁ肝心なところはぼかして発言しているので何とも言えないが「F-35とJ-20が空で遭遇していた」というのは初耳で、恐らく米軍は中国のJ-20を何度か戦闘機やE-3のレーダーで検出したことがあり、その経験(メンテナンス問題も含め)も踏まえて「E-3を早急にE-7に更新すべきだ」と主張しているならJ-20のステルス性能は侮れないものなのかもしれない。
うーん、大変興味深い話だ。
関連記事:米空軍がE-3の後継機を2023年に発注、ほぼE-7導入で間違いない
※アイキャッチ画像の出典:flickr経由 L.G. Images/Public domain
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ホークアイのレーダーも同じようにJ-20は捕捉困難なのかな?
まあ、知っている人はコメントできないと思うが。
空軍関係者だとそもそも詳細データをもってないまであるな。
レーダーに対するステルスは、S, C, X, Ku, Kaに対応していると言われています。
一方、E-2DはUHFを使用しています。
この手のものは波長で考えた方が良いので、それぞれの波長を列挙すると下記のようになります。
UHF:600~1200mm
S :75~150mm
C :37~75mm
X :25~37mm
Ku:17~25mm
Ka:7~12mm
﹙小数点以下は四捨五入﹚
ちなみにダイポール・アンテナで1/2波長、モノポール・アンテナで1/4波長となり、
その長さの構造物かあると、反射波が強くなると言われています。
有人飛行機でUHFに反応する構造物を排除するのは困難でしょうから、E-2Dの場合は影響が比較的少ないものと予想します。
J-20はUHF帯レーダーへの対策も講じているとの情報がありますね。
中国が独自開発した「ステルス薄膜」
リンク
例えば100kmの自由空間損失は
Sバンドで138~144dB
UHFだと120~126dB
RAMで仮に20dB減衰させたとしても、周波数による自由空間損失の差を相殺させた程度になりますね。
国防総省「ロシア軍が思ったより雑魚だったので中国軍をダシにして軍事予算をふんだくる方針で行くわ」
うろ覚えですが、WW1後の英国海軍が﹙当時同盟相手の﹚日本をダシにしていた様ですね。
ということは空自もE-767をなるべく早期に更新する必要があるか。
PL-15の運用にKJ-500が役立っているという言い方からすると、火器管制レベルのCEC能力を備えている可能性が高いな。
E-2Dで捕らえられるならE-2Dを増やすなりするんじゃあ無いですかね?
米空軍にとってはE-737の方が使いやすくともE-2ユーザーまでそうかというと違うだろうしね。
探知だけでなく管制用途も考えると、E-767の更新はE-2Dとは別枠で欲しいかも?
EL/W-2090あたりにレーダーだけ更新する?
イスラエル製なら米国も文句いわんだろうし
>PL-15の運用にKJ-500が役立っているという言い方からすると、火器管制レベルのCEC能力を備えている可能性が高いな。
F-35でも空対空戦闘での統合火器管制は実現できていないのに、J-20が実現しているとは思えません。
なのでおそらく、Launch on Remote のことを指しているのではないかと思いますよ。
KJ-500からの目標情報(射撃には使えない)を基に、J-20も自機の火器管制レーダーで目標を捕捉して発射と誘導を行うLaunch on Remoteのことを言っているのだと思います。
オンボロE-3を早く退役させてE-7を早く寄越せという意図なのか、中国の新型機が思った以上にRCS低いからE-7を早く寄越せという意図なのか分からんな
まぁ両方じゃないですかね
E-3を退役させたいのはほんとだろうし
J-20を遠距離で補足できないのも本当なんだろう程度は知らんけど
その両方でしょう、飛べない、探知できないポンコツでも維持費はかかる、
はやく交代させたいのは納得
ひと昔前には、ステルス機にカナード翼の組み合わせは相性が悪い的なことを多く指摘されていた気がするが……
中華設計の妙かな。それとも、予想されていたほどRCSが下がらなかったか。
そりゃ素人が思いつくような懸念は設計する側にとっては折込済みでしょうよ…
中華憎しで根拠薄弱な情報が大量に流れるのは残念なことだ
E-7の性能についても同様、韓国の導入が決定したときにだいぶネガティブな情報が流れたもんだ
にしてもかなりこの記事は深刻だな
E-767どうすんだろ
プラットフォームとしては優秀だからレーダー部分だけ更新とかもあるのかな
767は戦後に軍拡機運のウクライナかポーランドに押し付けて日本は新しいのを買おう
ロシア相手なら通用するはずだ・・・
E-767は初号機が実験航空団での運用開始から25年近くになるのでアメリカ軍の運用動向がわかる頃にはちょうど後継機の調達が視野に入る時期になる
程よい時期に引退となるでしょうね
>中華憎しで根拠薄弱な情報が大量に流れる
あら。
そういう一方的な決め付けをなさると、プロバガンダと見分けがつきません事よ?
大陸の貴族子女でいらっしゃるのか、口の悪さが残念な大和撫子でいらっしゃるのか、存じませんけれど。
令嬢たる者、わざわざ煽る様な下品な物言いは、あまりよろしく無いのではなくて?
リンク先のTable 3やFig. 11を見ると判り易いけど、
デルタ翼の系統の中でカナード・デルタはRCSが大きい部類の様です。
RCSの悪い方から、オジーブ・デルタ>>カナード・デルタ>複合デルタ>>ダブル・デルタ>>LEX付きデルタ、といった感じです。
﹙このシミュレーション・モデルでは、カナード・デルタはLEX付きデルタより、正面のRCSが10dB強悪くなっています﹚
リンク
J-20はRCS 0.3㎡を目標に開発され、その出来もF-117レベルのRCSの様で、F-35やF-22と比較すれば桁違いにRCSが大きいですが、
4世代機に比べたら1桁程RCSが小さくもあるので、E-3だと遠距離での探知が困難なのは仕方ないと思います。
「カナードはステルス的にはマイナス要素だけど致命的ではない」という当たり前の話では。
聞き齧りの前半を根拠にJ-20を全否定するのもこの記事を根拠にカナードがステルス面で悪影響が皆無みたいに言うのも同レベルだと思うよ。
立場のある高級軍人が政治家のような話し方をするのを聞くのは、
お役目ご苦労様とは思いつつも、何となくもやもやするのは、素人だけかな。
素直に、E3をE7に更新したいと言えば良いのでは。
ステルス戦闘攻撃機を補足するために、色々とレーダーを開発中と思いますが、
直近で有望なのは、いわゆるマイモレーダーでしょうか。
今は一機で完結する作業を、発信側・受信側に別れる訳なので、機体の数を増やす必要があるのでしょうね。
当然、機体毎の単価を下げる必要がありますね。E2Dとか。
それと、簡単に撃墜されないように、護衛戦闘機と護衛電子戦機も必要かと。
長AAMが怖いならスカイボーグで自立デコイやればいいと思うけどね
そもそも支那空軍が如何にAWACSを遠距離捕捉するのかが謎だけど
デコイUAV自体は湾岸戦争の時代から使われてるがコレの対策はとんと聞かないな
恐らくウクライナでもデコイ戦車が囮として使われているはずだがあまりにも核心に迫るから外に漏れないのかねぇ
そっか、ロシアのあれはデゴイだったのか。
実態は(゜Д゜≡゜Д゜)?に
E-3が引退したらレーダー関係のアップデートモ終わるでしょうから、その後をどうするのかが気になりますが、
米国のE-3廃止が決まったわけではないので、続報に注視ですね。
流石に探知距離はE-3のが大きいと思うし予算獲得の為の方便な気がする
1機も飛べない程整備に困ってるならE-7の方がずっと有用で間違った事を言ってるわけでもないし
火器管制用のXバンドに対するステルスは聞いたことがありますが、早期警戒レーダーに対してもステルス性があるとすれば、興味深いことです。
単にすごい技術を使っているのか、それとも何かを犠牲にしているのか。
この期に及んで骨髄反射で中国をバカにする層もいますが、ここの紳士諸兄の爪の垢を煎じて飲ませたい。