ロッキード・マーティンは有人・無人チーミングの新概念として「Distributed Team=分散チーム」を提唱、これを実用化するため「Project Carrera」を立ち上げ1億ドルを投資すると発表した。
参考:Lockheed investing $100M into F-35 controlled combat drones under ‘Project Carrera’
Distributed Teamの概念を実用化するため1億ドルを投資するロッキード・マーティン
有人戦闘機に無人戦闘機を接続して制御を行い「有人・無人チーミング=MUM-T」を成立させるLoyal Wingmanの概念では再利用を前提にした無人プラットホームが使用され、モジュール方式のコンポーネントを採用することで機能拡張をMUM-Tにもたらすが、これを検討したロッキード・マーティンは「Loyal Wingmanでは想定しているような作戦効果を上げるとは思えない」という結論に至り、分散アーキテクチャに重点を置いたDistributed Teamの概念を発表。
両者の違いを砕けた表現で説明すると、Loyal WingmanタイプのMQ-28Aが有人戦闘機とのチーミングでもたらす機能拡張の範囲は「交換式のコンポーネント」に依存しているが、LMが発表したDistributed Teamは「任務や機能が異なるUAV」を幾らでもチーミングに追加できる柔軟性が特徴で、機能を制限して損耗に耐えられる安価なUAV、性能を優先するため高価なUAVと言った感じで使い分けることで作戦全体に掛かるコストも制御できる。
つまりMUM-Tを成立させる無人プラットホームを役割や機能別に複数用意、巨大なネットワークに接続して制御することで「MUM-Tを構成する特定の無人戦闘機を有人戦闘機が制御する」という構図を拡張、より自由で柔軟性の高いMUM-Tを実現を目指すという意味だ。
ロッキード・マーティンは「Distributed Teamを構成する複数の無人機を2030年初頭まで実用化する」と言及していたが、15日に「必要な基本技術や能力の実証を行うためProject Carreraを立ち上げ1億ドル(自社資金)を投資する」と明かし注目を集めている。
しかしも「米空軍が進めている無人戦闘機プログラムにProject Carreraを提案する」とロッキード・マーティンは述べており、2024年に予定されている無人戦闘機の競争試作に「Distributed Teamの概念」を提案するつもりなのだろう。
もし米空軍がDistributed Teamを採用すれば、各国が実用化を想定している有人・無人チーミングとは拡張性が桁違いなので、実行できる航空戦術にも差がつくかもしれない。
関連記事:ロッキード・マーティン、独自に有人・無人チーミングの概念を発表
※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
ウクライナ戦争で「お互いに航空優勢が取れない」っていう状況が発生したんで、そんな中でも効果のある運用形態を模索してるのかね? 使い捨ての無人機だと損耗もある程度許容できると・・・・
個人的には ロシアの「極音速ミサイルで早期警戒機つぶすぜ!!」に対して
ウクライナの「隣国に早期警戒機飛ばしてもらって、その情報で反撃するぜ!!」っていう外交的な対策が印象的
アメリカは各種ステルス機も長距離攻撃できるミサイルも保有しているので、大抵の相手にはあそこまで制空権確保に苦労しないかと。これは任務の多角化&効率化か、中国軍の防空網突破を念頭に置いた計画なのでは。
次は非核兵器による広域EMP兵器登場かな。まあB-2とかは核による電磁波攻撃から防護機能が備わってるから対策可能ではあるんだろうが、安さが自慢のUAVに付けさせてコストを高くさせられれば御の字か。
それ本邦でコスパ最悪って結論出ませんでしたっけ
親機も子機も運動性能は変わらないならば。
いやむしろ、子機の運動性能が無人であるが故に親機を上回るならば、
子機を整備するお金も高額ではと思います。
必然的に、子機の数も限られるような気がしますが、
親機に対し子機は何機づつを想定しているのだろう。
例えば、今のロッテ制度ならば、一対一かな。
AIの補助があっても、忙しいパイロットが何機もの子機を制御はできないのでは。
そう思うと、今のAEW機を要塞化するのも一つの解に思える。
> 子機の運動性能が無人であるが故に親機を上回るならば、
子機を整備するお金も高額
それが分かっててなぜ「子機の運動性能が無人であるが故に親機を上回る」という想定をするのでしょう?
人が乗ってないからと言って人が耐えられない運動性能を与える理由にはなりません。
「損耗を前提に数を揃える機種」にそんな無駄なコストを掛ける国はないでしょう。
もちろんそのコストを投じて性能重視の最強無敵の無人戦闘機を作る物好きな国が未来永劫存在しない、と断言はできませんが。
そうですね。たらればの話になりますが。
視界外でのみ戦闘するならば問題ないと思います。数字の勝負でしょう。
有視界で戦闘する場合、子機の任務に親機を守ることがあると思います。
ミサイルを撃ち尽くせば、最後の最後は格闘戦ではないかと思います。
この時に、親機と同じ9Gか、例えば子機が12Gかで差は出ると思います。
12Gに耐える子機と、相手の親機+搭乗員とのコスト比較になるのではと思います。
AIも相手を撃墜するという仕事ならば、より簡単に実現できそうな気がします。
ミサイルの誘導装置みたいな物でしょうから。機銃も必要かと思います。
或いは、コスト面で引き合うならば、一発のミサイルにすると捉えるべきでしょうか。
「有人戦闘機をより高機動(で高価)な無人機で護衛する」という発想が非効率的極まりないというか非現実的な様に思います。
ステルス同士の出会い頭、とかならまだしも「お互いミサイル撃ち尽くした状況」で「護衛の高機動無人機」が「有人戦闘機でさえ手に負えない高機動機を2機も3機も撃墜する(1機でいいならミサイルの方が効率的でしょう)」とか、SFならともかく現実としては戦略的にも戦術的にも(彼我ともに)色々間違ってるとしか思えません。
耐荷重というのはコストだけでなく機体重量も増加させます。強度は基本的には構造材の断面積に比例しますので、そのまま体積→重量に反映されると考えれば9G→12Gでざっくり3割の重量増(通常であれば強度に余裕のあるアビオニクス等もスマホが2kgを越える様な12Gの世界ではそれなりに重量のある部材は大半が限界に近いと思われますので除外しなくていいでしょう)。更に航空機では強度を上げると耐えるべき重量や求められる推力→エンジン重量がまた増える「重量の雪だるま現象」が起きます。加えて機銃も決して軽くはありません。これらの重量・体積が全てペイロードを圧迫する訳です。
そうまでして子機が超高機動格闘戦するくらいなら耐荷重は3Gとかに抑えてミサイル何本か多く積む方がはるかに安価に幅広く様々な状況で有人戦闘機の生存率を高められるんじゃないでしょうか。
(繰り返しになりますが)そーゆー物好きな国が未来永劫現れないと断言はしませんが、少なくとも「Distributed Team概念に対する懸念」に限っていえば明らかに「要らん心配」でしょう。
”ミサイルは多い方が良い” という考えには同意します。
初手の結果を左右することになると思います。
親機がいくつの子機を管制できるか判断のつかないところですが、
素人は一機が精々と思っています。それも複座機の場合で。
子機をミサイルキャリアとしてのみ扱うのか、準僚機として扱うのか
で答えは分かれると考えます。
それも超高機動格闘戦無人機なんか想定するからでは?
少なくともセンサー機やミサイルキャリアなら複座の後席要員が専任する必要なんてないでしょう。ロイヤルウイングマン計画とかでは単座のF-35への統合も検討されてる訳ですし。
つまり貴方の構想する超高機動格闘戦無人機とやらは無駄に製造・運用コストが掛かってミサイル搭載数が激減する上に人的リスクまで倍増させる訳です。
これに意味があるとすれば、有人戦闘機に「護衛」をつける事で有人機の生存率が最低でも2倍以上に跳ね上がる必要があります(つまり護衛なしの有人戦闘機の生存率が50%以下、というクソ環境)。
…さすがにどこかでボタン掛け違えたと思いません?
”親機の生存率を上げる”のと、
”親機の目的達成を補助する”で良いと思います。
親機+子機でロッテを作れます。最小の作戦単位ですね。
複座が良いと思うのは、子機に対して指示をしたら、
確認が必要と思うからです。人間関係と同じでしょうか。
将来のAIがどこまで行くかは素人は判りませんが、
現状、実戦ではAIにとって想定外が多いだろうと予想します。
相手方も想定外を狙ってくるでしょうから。
えーと貴方の考えたさいきょうのロッテ構想は分かりましたが、そのロイヤルウイングマンを更に窮屈にした様な謎構想をこの記事のコメ欄で説明して何を言いたいんですか?
近い将来に、日本が仮想敵国に対し勝利できれば良いですね。
素人の考えた方法だろうと、他の方の考えた方法だろうと。
L・Mは大金をかけて開発を行うようだし。
不謹慎?ですが、何が出来るか楽しみでもあります。
PV冒頭を見ると当該無人機はASMサイズでF-35の翼下から発進しています。使い捨て前提の比較的低コスト品で、翼形状等から高度な運動性は有しないと思われます。
また、1機のF-35に対し4機の無人機が連携し、前哨センサー、ジャマー又はデコイとして機能する様子が示されています。無人機の行動は群として自律的に協調制御され、1機単位で有人機のコントロールを受けるものではありません。
PVを見るに、AIの自律レベルはACL5ないし6というところでしょうか。
ACL5(群単位の行動計画実行のため、複数機が互いを認知し行動を相互調整)ならば現在の米技術レベルで可能と思います。
ACL6(相対する敵機を認知し協調行動)は2030年初頭の実用化を目指すなら十二分に実現可能かと。
本邦の無人装備研究開発ビジョンでは、ACL6は概略2020年代半ば頃、目標とするACL7(限定領域における敵機の行動を予測し、複数の僚機に任務割り当て)は概略2030年頃の技術確立を見込んでいます。
(訂正)
ACL6は概略2020年代半ば頃、目標とするACL7(限定領域における敵機の行動を予測し、複数の僚機に任務割り当て)は概略2030年頃の技術確立を見込んでいます。
↓
ACL5は概略2020年代半ば頃、目標とするACL6~7は概略2030年以降の技術確立を見込んでいます。
これ指揮制御するパイロットの負荷がすごそう。
ここに来て複座型復権の兆しが…?