バフムートを巡る戦いは「戦勝記念日までの占領」を意図したロシア軍の攻勢をウクライナ軍が阻止することに成功、各所で攻勢限界を迎えた敵を押し戻し始めており、工業大学やチャイコフスキー通りをロシア軍から取り戻したことが濃厚だ。
ロシア軍の攻勢はウクライナ軍の抵抗を突破できず、全体的に前線から後退していると見ていいだろう
バフムート市内では中々興味深い視覚的証拠が登場しており、ロシア軍は数日間に渡りクロモヴェ方面(00506周辺の塹壕)に押し寄せていたものの、ウクライナ軍が第92機械化旅団が敵を追い払うことに成功し、現在この周辺=Ⓐにロシア兵が存在しないことを視覚的に確認、焼夷弾で大規模な攻撃を受けたアパート密集地=Ⓑをウクライナ軍が保持している映像も登場した。
さらにロシア軍が支配していると推定されていたⒸ付近もロシア兵の存在が確認できず、数日前に登場した動画は「ウクライナ軍による工業大学の奪還」を示唆していたが、新たにⒹで交戦するウクライナ軍兵士と戦車が交戦している視覚敵証拠、MiG-17モニュメント付近のアパート=Ⓔにウクライナ軍兵士が陣取っている視覚的証拠が登場したため、チャイコフスキー通りに到達していたロシア軍が押し戻されたこと、工業大学の敷地内をウクライナ軍が支配しているのは濃厚だ。
つまり戦勝記念日までにバフムートを占領するため仕掛けたロシア軍の攻勢はウクライナ軍の抵抗を突破できず、全体的に前線から後退していると見ていいだろう。

出典:GoogleMap バフムート市内の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
第3突撃旅団がイワニフスキーの南部分(クリシェイフカから見て西)の防衛ラインを突破した攻勢は、期待されているようなバフムートでの大規模反撃ではなく「水路沿いにチャシブ・ヤールへ伸びる突出部を北と西から挟撃して削り取るもの」と指摘する声が多く、バフムート西の開口部を広げてT0504の安全を確保する狙いなのかもしれない。
戦勝記念日までにバフムートを占領することを断念したロシア軍は「再び攻勢を行うため再編」を行っているのか、ウクライナ軍の反攻が近いためバフムートの攻勢を一時的に停止して「他の地域の防衛」に方針を切り替えたのかは不明だが、アウディーイウカ方面のカムヤンカを「ロシア軍が支配した」という主張を裏付ける視覚的証拠が登場。
Source video: pic.twitter.com/J9fes6WLG2
— Julian Röpcke🇺🇦 (@JulianRoepcke) May 10, 2023
仮にウクライナ軍の反攻に備えて防衛を優先しても各戦線のポジション争い=前線の改善に関連した陣地争いは止まることはないのだろう。
関連記事:ウクライナ軍がクピャンスクで前線を押し戻し、バフムートでも状況を改善か
関連記事:ウクライナ軍がバフムート方面で反撃、ロシア軍の側面に突破口を開いた可能性
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
これはすごい。
NATOが割と露骨に放棄を推奨したりロシアの前進もあり、厳しそうだと思っていたのですが、バフムートは凌ぎ切れるかも知れませんね。
ウクライナの反攻作戦がどこで生起するにしろ、始まって以降はロシアもバフムート攻略どころではなくなるでしょうから。
自分の国を侵略者から守るその気概、敬服しますね・・。
バハムトを南北で包むようにウクライナが攻勢に出てるっぽいですね。
PT-91が動画に映ってるの初めてのような気がするので、結構資材の投入された反撃なんじゃないでしょうか?
本格反抗前の一撃としては、かなり効いてるように見えます。
スターリングラード攻防戦の再現を見ているような感じがする
詳細は後にならないと分からないにしても押し返されたってことは露軍がかなりの無理攻めをしてたような気が。
結局、戦勝記念日までの成果を得ようと必死だったけど無理だとわかると引き上げだしたのか。
市内で異常に粘ってたのはやはり側面の戦力を吸引するためだったか。
管理人さんの地図を拝見すると
プーさんが口を開けてバフムトを飲み込もうとしてるように見えますね。
今回は顎を砕かれてるように見えます
とりあえずバフムートは5月中に陥落しなさそう。
ロシア軍はザポリツィアが主戦場になると予想していたため、バフムート側面には二線級部隊を配備していたとの情報があります。
また、ロシアは唯一の戦果であるバフムートに固執し、増援をバフムートに送る可能性があるとのこと。
ロシア軍は終始バフムートに拘束されるかもしれません。
普通に考えればバフムト方面の反攻は助攻
しかし放置すれば唯一の戦果+周囲に展開する空挺軍の戦力を喪失する事に繋がる
ロシア軍にとっては戦場での主導権を失った苦しい展開ですね
戦略的価値は他に比べたら高くないのに、政治的価値(戦勝記念日までの期限付き)のために突っ張った結果その支払った莫大な犠牲ゆえに引き返せなくなってるというのがなんとも……
まあウクライナもじょうきょうとしてはにたようなもんだったとい
通常の作戦指導だったら3回くらい放棄しているような状況なんですけどね
驚異的としか言えない
遅滞戦術が最後まで崩れずに機能して今のロシア軍リソース不足を促したのかもしれない。
耐えきれるとしても耐えるという選択肢を取ることで無理が生じて各種リソースが消耗してしまうから放棄、という事もあるので耐えるのも痛し痒しではあるんですけどね、相当無理はしているのは現地の声でも言われていますし
特にアメリカはバフムートが守りきれないからというより弾薬がここで損耗されまくってるのを嫌っていた節があるので
砲弾補給難しいんだから防衛で使いまくるんじゃなくて攻勢用にとっとけよ!みたいな
とはいえウクライナの兵の士気という点では最終防衛ラインだけでも保持して耐えて耐えて反撃、というのは実に創作的というか、士気爆上げにもつながるので
粘った分の価値は出ると思いたいですね
ドンパチに関する情報をリアルタイムで追って無かったんで恥ずかしながら今年に入って「Z」の意味を知ったんだけど、是非とも紙装甲のクモ型戦車に乗って下り最速で86の戦勝記念日を目指して欲しいなと思いました(小並感)。
管理人殿
いつも興味深い話題をタイムリーに届けて頂き有難うございます。ひとつ提案なんですが、戦況図などを作成される際、スケールバーを何処かに入れていただけませんか。縮尺により異なる交戦距離や補給路への脅威になっているかなどの理解がより深まると思われます。
ご検討をお願いします。
ロシア軍はバフムト攻勢失敗を持って攻撃能力をほとんど使い果たした。
もはやロシア軍が勝ってる場面を戦場に見出すことは困難になる。
Zは何を頼りに絶望的な防衛戦を眺めるのだろうか。
ロシアプロパガンダにどっぷり浸かるだけでしょ。
あれだけ人も兵器もつぎ込みまくってたのにな
国内でもこぞって報道してたろうにどうやって誤魔化すんだろう
守備放って送れるほどの増援がそもそもいるんだろうか
やはりソ連軍末裔は粘り強いな
勿論、ウクライナ軍の事です
驚異的な粘り強さと巧みな機甲部隊の運用はウクライナ軍が、兵士の生命の軽さと占領地での残虐さはロシア軍が、それぞれ受け継いでいますね。
SAM枯渇の件が解決していない中での攻勢は、伸びた補給線を叩かれる危険性が非常に高いです。
初動は上手くいきますが間もなく空軍がやってきて対応するでしょう。これ以上補給線を伸ばすことはウクライナ軍にとっても壊滅の危険性を高めるため、あくまで政治的なメッセージを得るための局地的な反撃でしょうね。
温存してるロシアの空軍は非常に気になるところ
作戦機がまだ1000機近くあるとか
ウクのSAMはクルーズミサイルやドローン対策で消費してしまってるから
露の虎の子空軍が決戦地に投入されたらヤバげ
その点考えると
むしろ決戦とかはやっぱりないのかな…
それに対してウクライナ空軍はほぼ無いも同然なのが辛いところ
ISRはともかく本格的なCASにはドローンの限界がある
そしてエアカバーはほぼSAM頼みなのが難しいところ
進撃すればするほど守るべき地点が増える
ひょっとするとカディロフ隊は、ワグネル撤退阻止のための督戦隊をするためにバフムト近郊に行くかもしれないですね。
記念日までのロシアの攻勢、まるで試験前の学生みたいですね。「試験」が終わったから気が緩んだのでしょうか?
年末くらいずっとヤバいって言われてたのに、半年以上持ってるのは驚異的だな。
ここの管理人も、もう何回「最終局面に入った」と書いてきただろうか…。ほぼ毎日書いてるよね。
ワグネルは結局、弾こなかったのかな。 あと5/9~5/10まで頑張れば…てのが兵士のマインドの中にあって、これが無期限延長戦に突入したんで相当士気が下がってるとか?
現状のウクライナ軍の戦力でもできる現実的な目標だし、十分な戦果も見込めるし、プーチンのメンツも権威もぶっ壊せるし、マジでスターリングラード再現あるなこれ。
プーチンはもう愚痴を言うだけの老人になり果てたな。
だれも戦略も打開策も持ってない。
どうやって収集すればいいかもわからない。
プリゴジンがじじい何とかしろって叫んでるが
プーチンはもう現実逃避の引きこもりと変わらん。
市内の反攻は置いておいて。
ウクライナ軍の南と北の攻勢は、当面、
補給路を複数以上にするためと思います。
その後をどうするかは判りませんが、
今現在、ロシアが攻勢(?)を採っているほぼ唯一の場所ですから、
差し当たり、防勢的攻勢を続けるのでは。
ウクライナがあっさり引いてたのは(バフムートで一日であんなに戦線が動くのは異常だったし)このラインで防衛するって決めてたからなんだろうか?
可能性の高い攻撃だったし予見しやすかったのもあるし
今の状態を見ると予定通りって感じだなぁ
以前のコメントに、「ウクライナ側が戦勝記念日まで粘るので有れば、その後で疲弊し切った所を叩き制圧すれば良い」と言う要旨の意見がありましたが、実際の動きは全くの逆の様ですね。
これが分岐点なのか瞬間風速なのかは分かりませんが、少なくともウクライナ側は想像以上の一貫性と粘り強さを持っている様に見えます。
戦争犯罪者以外の露軍兵士個々人には同情するが、ここに至っては無意味な戦争で無意味に死んでもらうしかない
国ガチャ運が悪すぎるよ