南ドネツクのウロジャイネについて複数のロシア人情報源は「失った」と報告しており、ウクライナ軍も「ウロジャイネで成功を収めた」と発表したが、まだ「解放した」と宣言するには至っていない。
参考:ВСУ имеют успех в Урожайном и освободили 3 кв.км на Бахмутском направлении – Маляр
参考:Защитники продвигаются и закрепляются в районе Урожайного – Генштаб
これまでの傾向から言えばロシア軍が戦力を投入してウロジャイネを奪還してくる可能性は低い
ウクライナのマリャル国防次官は14日「我が軍がウロジャイネで成功を収めた」と、参謀本部も15日「我が軍は成功を収めたウロジャイネで押し上げた前線を固めつつある」と言及したものの、まだウロジャイネ解放を宣言していない。しかし多くのロシア人達はウロジャイネを失ったと認めており、この地域のロシア軍はモクリ・ヤリー川の対岸まで後退しているらしい。
ロシア人軍事特派員(Русской весны)は14日「ウロジャイネの敗北を急いで認める必要はなく、この複雑な状況を打開する手段を我が軍が講じている最中だ。この地域の空は無人機、砲弾、爆発の煙で覆われており、少し休息を取れば激しい戦いが再開されるだろう」と、15日「双方とも持てる全てを昨日の戦いに投入したため現在は束の間の静寂が生まれている。我々はウロジャイネを譲ったが、敵がウロジャイネを占領するのに投入した大部分を粉砕した」と主張している。
これは両陣営の情報源に言えることだが、視覚的な証拠が伴わない「相手に与えたと主張する損害」は真偽不明(真実かもしれないし嘘かもしれない)なので真に受けても意味がなく、ここで重要なのはロシア人達が「ウロジャイネを失った」と認めている点だろう。
ロシア軍がウロジャイネに対する逆襲を準備している可能性もあるので、まだ「ウロジャイネの解放」を断言するのは早いのかもしれないが、これまでの傾向から言えばロシア軍が戦力を投入してウロジャイネを奪還してくる可能性は低い。
因みにロシア軍が8月に発射したミサイルの数(Shahed-136を含む)は188発で内145発が撃墜されており、7月と同水準(380発)の攻撃規模とペースが維持されている格好だ。
関連記事:南ドネツクの戦い、ウクライナ軍がウロジャイネから敵の追い出しに成功か
関連記事:8/15更新|ロシア軍のウクライナに対するミサイル攻撃のデータ
※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ウクライナ軍の健闘ぶりは認めるけど、2ヶ月半の反転攻勢の進捗状況を見るにまだまだ先は長そうだね
欧米からの武器弾薬の補充も量が足りないようですし、増産も追い付いていないので質の良い兵器を用いてのあと一押しができないのが辛い所ですよね。
地雷や陣地があるとはいえ敗走し始めれば早いと思いますが、ロシア陸軍もそこまで消耗していないんでしょうね。
多大な犠牲出して拡大しないとわからない様な狭い陣地を奪還
いつまで続けるのやら
スタロムリニフカまであと4kmほどでしょうか
ザヴィトネ・バジャンニャとオクチャブリスキーを落としてから向かうのか、そのまま行くののどちらか
この川沿いの低地集落群はスタロムリニフカまでの縦深に過ぎないからこのままの攻勢を維持出来るならザヴィトネも攻略出来るだろう
ロシア軍が大規模な反撃をかけてくるとすれば、隘路の出口であるスタロムリニフカ正面
それまでにどれだけ出血を強いられるかだね
ロシア軍の防衛陣地がキッチリ構築されている、
メルトポリやマリウポリを、「愚直に北側から力攻め」すると、
そりゃ大消耗戦になりますな、
いずれは決戦せざるを得ないにせよ、それが「今の今」なのか、って話。
側面や背後を突くために必要十分な量を
機動するための資材が不足する(欧米が潤沢に提供してるのか?)
環境なのだろうし、
短期でロシア軍を追い出すためには、更なる「極めてスマートな知恵」を出さないと、
支援する側だって、疲れというか飽きが見え隠れし始めた8月だからね…
特にアメリカにおける共和党支持者。
ベトナム戦争やアフガン戦争のように自ら出血してるわけでもないのに。
ロシアに「戦術核を撃たせない程度に」
それでいてガッツリと継戦意欲を削がないと行けないわけだから、
そりゃ大変だわなぁ。
マリウポリ攻略くらいできるようになれば、兵站線断たれてそれより西のロシア軍は崩壊だろね
ロシア軍すべてを力で叩き潰す必要なんてないな
南部を東西に走る兵站線、これを断てればこれより西の戦域は決する
燃料と弾薬が無ければ戦えないのが近代の軍隊だから
遅い遅いと言われますが、ロシアが9か月もかけて40平方kmのバフムト市を占領したことに比べれば十分に早いと言えるでしょう。ロシアと違い、味方の損害を極力少なくしようと配慮しながら進めているのですから、時間がかかるのは当然。ハルキウ奪還のような劇的な勝利を期待していた人には申し訳ないですが、そもそも航空戦力なしで時間をかけて構築した防御網を突破することは簡単ではないという事を、もう少し理解すべきだと思います。
市街地であるバフムトと平野+集落の面積を比較して後者の方が面積が広いから進軍速度が早い、という言論はちょっと…
別に平野だからと言って、障害物もなく楽に進軍できるような地形ではありませんから。
むしろ、地雷や防御陣地を考慮すれば、市街戦とは同等以上に難航しても全く不思議ではないと思います。
そういった精神勝利法が積み重なった結果が今の惨状じゃねえのか
>航空戦力なしで時間をかけて構築した防御網を突破することは簡単ではない
ここは同感だな
前記事にもあったけどウクライナは自身で決定できる範囲は狭いと思う。
結局西側の決定が遅すぎて優秀な西側兵器が有効に機能するタイムリミットを過ぎてからの支援決定だから阻止作戦中心の様子を見ながらの前進をゆっくりする戦術をとる以外選択肢はなかった。
だから精神勝利とかは戦況にあまり関係無いのではないでしょうか ?
高橋杉雄氏や小泉悠氏は戦争が長く続くだろうと去年から言っているから現状も十分想定内だと思います。
先は長いのでしょうね。
西側援助は細るかもしれませんがベトナム化、シリア化、アフガニスタン化になるかもしれないです。
その未来はロシア・ウクライナ双方とも悲惨ではあります。
ウクライナの反抗作戦の戦果については、反抗開始から2か月経過した8/10の時点で南部方面で200平方km、東部方面で37平方kmの領土を奪還したと発表されていますね。
劇的な戦果を求めていた人には期待外れかもしれませんが、反抗開始から一貫して戦果を着実に積み上げていますので、どこかで突破口を作り出すまではこのペースでの戦いが続くのではと思っております。
>これまでの傾向から言えばロシア軍が戦力を投入してウロジャイネを奪還してくる可能性は低い
これまでの傾向ですとロシア軍はウロジャイネに逆襲を仕掛けてくるような気が。
マカリフカやスタロマイオルズキーでもロシア軍は逆襲を仕掛けていましたし。
外形的に観察していると。
こういう激戦地は地上の遮蔽に使えそうな建物も森も殆どが破壊されてしまい。そして地下に掘られたロシア側の掩蔽壕は、ウクライナ軍が奪取してもロシア側にその場所から深さから入り口や抜け道まで全部把握されているわけです。
なので、奪取してもそれからしばらくの間は陣地としての防御効果があまり得られず、ロシア側からは格好の攻撃目標にされてしまいます。なので、奪取後もしばらく砲撃やカミカゼドローンの攻撃目標として攻撃され続けます。
2週間ぐらいホールドし続けて、拠点を改造して新しい壕を作ったり新しい入り口を作ったりして、だんだん本来の拠点としての防護効果を発揮するようになるんですね。
このウロジャイネはドネツク戦線ではどれくらい重要な街なんだ?
この集落自体は全く重要じゃないけど第一防衛線の重要拠点であるスタロムリニフカまでの通り道の上で絶対に避けて通れない場所にあるのがこの川沿いの低地集落郡
だからロシアはここで防備を固めてウクライナ軍を削ろうとしてたし、ウクライナは出来るだけ少ない損害でここのロシア軍を排除して通過したかった
その結果がどうなっているのかは当人らしかわからないだろうけど、とりあえず陥落自体にはさほど意味はない
クピャンスクやバフムトなどの都市みたいな戦略的な重要性はないように思う。
ウロジャイネは、もう一つの激戦地のバフムト南方のクリシチェフクカと同じく、なぜか守備のロシア部隊が粘って、ウクライナ軍がそれに人海戦術を続けて激戦地になっている。
激戦地の集落をとったということで、宣伝にはなると思う。
結論を繰り返すと、本来は戦略的にそんな重要地点ではない。
むろん、ウロジャイネは、ロシア軍の前哨陣地(本陣地前方のいわゆる捨て陣地)だし突出部なので、前に進んで第1防御線を破るためには、通過するか迂回する必要はあるのだが。基本は、そういう集落の一つだと思う。
完全に個人的な推測だが、ウロジャイネのロシア軍が粘ったのは、ここの守備隊がひょっとして東部の民兵部隊だったとか?
おそらくロシアが粘ったというよりザヴィトネ西の高地からの観測がしやすくてウクライナが攻撃しづらかったんだと思う
だから最終的にスタロマイオルズキーから南西方向に攻撃をかけて砲兵の観測条件を五分以上にしたことでロシアが撤退したって顛末かなと
要衝、要地というものは目的の見方によって全く違います
「次の都市への攻略の足掛かり」と見るならスタロムリニフカに繋がる要衝の一つ
「ロシアの逆襲に対する縦深」と見るならヴェリカ・ノボシルカの壁となる縦深の一つで、
「南ドネツクの全体の一部」とみるならモクリ・ヤリー川沿いの低地で、特に要衝でもない
ただ、支援国の人間に対するアピールという意味で一定の価値はあると思います
管理人さま、大変厚かましいお願いなのですが、拡大地図に対応する、大きな縮尺の地図を用意していただくことは可能でしょうか?最近は戦場がだいたいどのへんなのかわからず、毎回調べることになっています。よろしくお願いします。
依然としてウクライナ軍は厳しい状況で反攻作戦の進捗も遅いですがイギリス国防省が「ロシア軍が各戦線に戦力を分散させてるけど、これ予備戦力が不足してるか下手したら枯渇してるのでは?」と分析してたり、OSHINT勢が「ロシア軍がレオパルト2複数撃破したとか言ってるけどこれ撃破した1両を色んなアングルから撮って数誤魔化してるだけやろがい!(半ギレ)」と言ってたりロシア軍も相応に厳しい感じですね。
やっぱり1つの戦果と損害で一喜一憂するのではなく最低でも半年単位で状況を見ないと判断出来ない感じになってきてるように感じます。
イギリス国防省発表かあ… あんまりアテにならないかも
ウクライナ軍が徐々に南下してるってのは戦局を左右する重要な要素だよ
南部ロシア占領地域を東西に走る兵站線が脅かされるので
この東西に走る兵站線が切断されれば戦局は劇的に変化すると思われ
記事内容と異なりますが、ウクライナ🇺🇦カラーのヘリがかわいいですね。
そのカラーリングは大丈夫なんですかね。
せっかくカモフラージュ塗装をしているのに青黄色では発見してくれと言わんばかりの色使い。
もちろん敵に発見されにくくするには迷彩の方が良いのですが、味方の誤射を防ぐためにウクライナカラーがどんどん派手になってますね。
兵器の生産力が足りないのが分かったのは、いい事。
今、強化しておく事が対中国で大事。
特に弾薬、ミサイル類は必須。