ウクライナ戦況

ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍の装甲車輌が防衛ラインを突破

ザポリージャ方面のウクライナ軍はベルベーヴ西郊外に設定された防衛ラインを装甲車輌で突破、ロボーティネ南西郊外でもジワジワとT0408の対岸に支配地域を広げており、形成された突出部の両翼は確実に広がっている。

近いうちにウクライナ軍はベルベーヴ集落内に手が届くかもしれない

9月19日~22日までにザポリージャ方面で登場した視覚的証拠は「ベルベーヴ西郊外」と「ロボーティネ南西郊外」での前進を示唆、特にウクライナ軍の装甲車輌がベルベーヴ西郊外に設定された防衛ラインを突破していることが確認されており、ロボーティネ南西郊外でもT0408の対岸に支配地域を広げている。

出典:GoogleMap ザポリージャ州ロボーティネ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

  • =ロシア軍がロボーティネ南西郊外のウクライナ軍陣地を自爆ドローンで攻撃する様子
  • =ロシア軍がロボーティネ南西郊外のウクライナ軍陣地を砲撃する様子
  • =ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ北郊外でロシア軍の戦車を破壊する様子

  • =ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ東郊外でロシア軍陣地を自爆ドローンで攻撃する様子
  • =ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ東郊外でロシア軍陣地を自爆ドローンで攻撃する様子
  • =ロシア軍がベルベーヴ南西郊外のウクライナ軍陣地を砲撃する様子

  • =ロシア軍がベルベーヴ西郊外でウクライナ軍のBMPを攻撃する様子
  • =ウクライナ軍がベルベーヴ西郊外でロシア軍陣地を自爆ドローンで攻撃する様子
  • =ロシア軍がベルベーヴ西郊外でウクライナ軍陣地を無人機で攻撃する様子
  • =ロシア軍がベルベーヴ西郊外でウクライナ軍陣地を砲撃する様子

ベルベーヴ西郊外ので攻撃を受けているウクライナ軍のBMPはマルダーだと推定されており、ロシア軍が守るベルベーヴの防衛ラインは装甲車輌の突破も許している格好で、ベルベーヴ南西郊外のでもウクライナ軍が防衛ラインを突破していることが確認されており、ロボーティネ南西郊外のロシア軍陣地=ⒶⒷの奪取を合わせると「ウクライナ軍が形成された突出部の両翼は確実に広げている」と評価できる。

関連記事:ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍が敵陣地を奪って支配領域を拡大
関連記事:ウクライナ軍は南部で前進し、ロシア軍は東部で反撃の度合いを高める
関連記事:ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ北東郊外に迫る
関連記事:ゼレンスキー大統領がレズニコフ国防相の交代を決定、後任はウメロフ氏

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС Україн

ポーランド大統領が武器支援を停止を否定、首相の言葉は最悪の形で解釈された前のページ

クピャンスク・スバトボ方面の戦い、ウクライナ軍がナディア奪還に成功次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ロシア軍総攻撃の可能性、ウクライナの運命は今夜の戦いで決まる

    ウクライナのゼレンスキー大統領は26日(現地時間)、国民に「ウクライナ…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ人ジャーナリスト、兵士の自己犠牲で前線が支えられている

    ウクライナは欧米からの支援以外にも「動員問題」を抱えており、ウクライナ…

  3. ウクライナ戦況

    今度はロシア軍が反撃、ウクライナ軍はセベロドネツク郊外に後退

    ハーンシク州知事のガイダイ氏は6日、セベロドネツク市内の状況は悪化して…

  4. ウクライナ戦況

    反撃が順調なウクライナ軍、ミサイルでサキ空軍基地を攻撃したと認める

    ウクライナ軍は7日もヘルソン州とハルキウ州で利益を上げ続けており、ロシ…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍発表を信じるならロシア軍との交戦は激化、但し戦線に変化なし

    ウクライナ軍発表を信じるなら10月23日頃からロシア軍との交戦が激化(…

  6. ウクライナ戦況

    一向に実現しないウクライナへの戦闘機提供、何処に問題があるのか?

    ロシア軍のウクライナ侵攻当初から米国、スロバキア、ポーランドで「戦闘機…

コメント

    • パセリ
    • 2023年 9月 22日

    時間はかかってるが順調そうやね
    泥濘期がタイムリミットなんて声も合ったけど、ザポリージャ方面は泥濘期が遅い&歩兵中心だからそもそもそれ程進撃の支障にはならないという声も聞こえるしトクマク辺りまでは硬いかな

    52
      • ヤゾフ
      • 2023年 9月 22日

      ニュースでは泥濘期でストップすると出てましたが、変わらず奪還が進んでいきそうに見えます。
      クリミア半島の補給が停滞するくらいまで出来ると良いのですが。。

      48
      • 名無し
      • 2023年 9月 22日

      ロシアは当分兵力不足だろうから、
      泥濘期どころか冬になってもノンストップで攻勢が続くんじゃないかな。

      20
        • 2023年 9月 22日

        ロシア軍に余裕を持たせて塹壕掘りと地雷敷設をやられたら、たまらんから阻止攻撃は冬までぶっとうしでやるでしょう。

        23
    • 鶯谷
    • 2023年 9月 22日

    ウクライナ軍最後の輝きかな、この期に及んでトクマクに到達出来ると考えている人はいないでしょう。

    11
      • タチコマァ
      • 2023年 9月 22日

      最後の輝き……この一年半何度も聞いたお馴染みのフレーズですね

      142
        • ギブ・メルソン
        • 2023年 9月 22日

        親の最後の輝きより見た最後の輝き

        23
          • 2023年 9月 22日

          もっと親の最後の輝き見て

          20
      • ヤゾフ
      • 2023年 9月 22日

      星が消滅する時は一番の輝きを見せますよ。
      ロシアも超新星のように輝けると良いのですが。

      67
        • ボブ3
        • 2023年 9月 22日

        輝かず消えるフェイルドスーパーノバというのも有るので、最後までヘタれたまま終わるかも知れません。

        35
        • 名前は無くもない
        • 2023年 9月 22日

        果たして超新星爆発を起こすだけの質量(戦力)が残っているかどうか。
        質量不足なら、超新星爆発は起こりません。

        14
        • らっしー
        • 2023年 9月 22日

        赤い星だけに・・・、
        あれ?赤色巨星になるのって足りない奴のパターンだったっけ?

        9
      • 山田さん
      • 2023年 9月 22日

      今思えば、ロシアの最期の輝きは2014年でしたね。
      あの頃のロシアは、カリスマ性のある独裁者のもとで狡猾に領土を拡張する、超大国だと思われていました。
      今やロシアは、痴呆を患ったハゲに率いられた、中世の価値観を引きずる衰退国家ですもんね…。
      親露派の人たちがかわいそうです。

      123
        • hoge
        • 2023年 9月 22日

        ハゲは関係ないやろ!

        43
          • 台湾大好き
          • 2023年 9月 22日

          最後まで輝いていていいじゃないか!

          28
          • 2023年 9月 22日

          大丈夫。あっちのハゲはもうしわしわで輝きはみじんもないが、おまえは輝いてる!

          10
        • たら
        • 2023年 9月 22日

        歴史の教科書では,ソ連の後のロシアの記述は残らないかもしれません。ソ連が冷戦に敗れ,その後ユーラシア大陸北部は欧州,中東,中国勢力によって分割されたと。

        11
      • HIKORO
      • 2023年 9月 22日

      戦局を冷静に受け入れられないならば書き込まないでください。
      ここは貴方の啓蒙ごっこの場所じゃないのですよ。

      53
      • 名前は無くもない
      • 2023年 9月 22日

      トクマクに到達せねばならない理由なんて、特にないんだけど

      2
      • チェンバレン
      • 2023年 9月 22日

      なんだこいつ(素)

      10
      • アホ
      • 2024年 3月 15日

      なお、鶯谷さんが正しかった模様

    • ミリ飯食べたい
    • 2023年 9月 22日

    ロシア軍の自爆ドローンは主にランセットのイメージでしたが、クアッドコプタータイプのドローンも使用が増えているんでしょうか?

    4
    • panda
    • 2023年 9月 22日

    装甲部隊が戦車障害を突破して前進しているのは大きなトピックですね
    次の段階に進みつつあると評価出来そう

    57
    • class
    • 2023年 9月 22日

    ああ、やっと比較的にウクライナにポジティブなニュースが来ましたね…
    荒野で見つけたオアシスのようだ
    戦争のニュースで片側を応援するということはいかに辛いことか

    11
    • 成層圏
    • 2023年 9月 22日

    3本目の防衛ラインは途切れ途切れなので、キャタピラ付きの車両なら、侵攻が進みそうだな。

    12
    • bbcorn
    • 2023年 9月 22日

    東部からまわってきた空てい部隊を溶かすのに少し時間かかったね。
    でも結局溶けちゃったんでしょう。
    もう予備兵力のないロシアは苦しくなってきたな。
    東部でもぼこぼこにされてる状態でこれ以上南部に回せないだろうし。
    だから南部とクリミアは放棄して東部に集中するべきだったんだよね。
    戦力の逐次投入やっては溶かされての繰り返し。

    38
      • 2023年 9月 22日

      バフムトのクリシチウカあたりが酷いらしいですね。
      ストームZ形式で砲兵支援なしで小銃とスコップだけでフル装備の練度の高いウクライナ軍部隊に突撃をして周りにいた48人で帰ってきたのは7、8人だと動画投稿サイトで訴えています。
      ロシアバフムト攻勢でゾンビアタックしていた当時みたいにキルレートが悪いのでは無いでしょうか ?
      なんの因果かバフムトはロシア兵を捨てるゴミ処分場と化しているのでしょうか ?
      あんなところのバックに5万人ものロシア兵を配置しているらしいです。
      ウクライナは2万から3万というのでコスパはよろしいようで。

      17
    • .
    • 2023年 9月 22日

    ロシアは予備が枯渇し、部隊が交代もせず戦いっぱなしらしいね。
    ロシア自慢の200万人の動員はいつ発動するのかな?
    砲撃戦も最近は完全にウクライナ優位だし
    こりゃポーランドと悠長に内輪揉めする余裕あるはずですわ

    21
      • 次席エクソシスト、
      • 2023年 9月 22日

      来年3月の大統領選挙で大勝利して国民の信認を得た後に空前絶後の総動員を発令するから

      5
        • たつ
        • 2023年 9月 22日

        大統領選勝利まではあってる。

        23
        • 2023年 9月 22日

        予備役の動員まではロシア国民も勝利のためと我慢するでしょうが、あきらかにWW2の祖国防衛とは異なる現状で総動員となった場合はどうなんでしょうね。
        そもそも訓練に必要な教官も居ない状況で動員してもまともな戦闘が出来るとは思えませんし、かといってバフムトの囚人兵のような使い方も流石に出来ないでしょう。
        短期的にはウクライナの侵攻を人海戦術で遅らせられたとしても、総動員はプーチンロシアの終わるの始まりだと思います。
        英米の本当の狙いはこれなのではないでしょうか。

        34
        • bbcorn
        • 2023年 9月 22日

        選挙は細工すればどうにでもなるけど
        兵器不足はどうにもならない。
        動員増やしても小銃持たせるぐらしかできないでしょ。

        14
          • 魚虎
          • 2023年 9月 22日

          その場合は由緒あるソビエト方式(銃と弾を一人ずつに持たせる)に戻るのでは?

          5
          •  
          • 2023年 9月 22日

          助けて!ホクセンマン!

          2
        • らっしー
        • 2023年 9月 22日

        それって、
        その大動員でそのまま革命起こされるフラグでは?

        15
        •  
        • 2023年 9月 23日

        ロシアの大統領選挙って、一応は別の候補が勝つ可能性もあるシステムなんでしょうか?
        対立候補も一応たてるんでしょうか

    • 2023年 9月 22日

    黒海まで最低でも打通できれば、小麦の海上輸送も再開できるだろうか・・・?

    3
      • class
      • 2023年 9月 22日

      「あ」さんのコメントを見て思いましたが、どうせならこの前の国連でゼレンスキー大統領は
      「ウクライナとポーランドの穀物輸出の問題を解決するにはクリミア半島の奪回と黒海航路の安定化が不可欠だ」
      みたいなこと言えば良かったと思いました(コナミ)
      うまいことロシアに責任を投げられますし

      26
      • 航空太郎
      • 2023年 9月 22日

      要衝トクマクを叩ける位置まで進出して、クリミア半島への補給ラインを脅かせるようになり、残りのS-400対空システムを潰し終えれば、黒海艦隊はクリミア半島西の海域まで出てくるのも困難になり、オデッサからの輸出も再開できるでしょう。

      なので、完全な分断まで無理しなくても大丈夫だと思います。

      21
        • 2023年 9月 22日

        ありがとうございます。m(__)m

        • 台湾大好き
        • 2023年 9月 22日

        黒海のキロ級は機雷散布とかはできないんですか? 潜水艦の接近拒否が穀物回廊再開の要件だと思いこんでました。

        4
          • 航空太郎
          • 2023年 9月 22日

          キロ級潜水艦にはAM-1型機雷の搭載・運搬が可能なので、敷設は可能ですね。
          ただ、ロシアは、民間の貨物船が軍事品を運搬していないか船舶臨検を行う旨は表明してますが、機雷敷設による航路や港の封鎖、無差別攻撃は宣言していません。

          なので、もし機雷を敷設し、民間船が触雷して損害を被ることがあれば、無差別攻撃ということになり、多くの国からかなりの報復を食らうことは覚悟せねばなりません。トルコ船籍だったりしたら、政治的にはかなり不味い流れにもなるでしょう。あと潜水艦は臨検作業にはあまり向いてませんからね。

          なので、潜水艦による機雷敷設までは考慮しなくてもよい、と考えました。……どうでしょう?

          7
            • 台湾大好き
            • 2023年 9月 23日

            ご教示ありがとうございます。
            確かに政治的にはとても面倒なことになる可能性はあります。ただし機雷はミサイルなどと違い航跡ものこりませんし、爆発後どこの国のものかの痕跡も残りにくい。
            ですので最悪を想定する、能力に備えるという観点だと、見せしめ的な1〜2回の秘匿攻撃(保険料アップや船員の搭乗拒否ねらい)や、オデッサ港の封鎖宣言(こちらは大々的な宣伝の上で。「言ったからな!被害は全てウクライナのと近寄る船舶のせいだ!」)くらいは考慮として必要なんではないかと思料します。
            戦争は「相手の嫌がることをする」ものですしね。

            1
      • たむごん
      • 2023年 9月 22日

      結局の所、穀物回廊のような形を作らないのであれば、戦争保険の受け手がいるのかという所でしょうか。

      穀物サイロ・出荷用コンベヤー(出荷用設備)の被害程度も、気になる所です。

      4
    • 58式素人
    • 2023年 9月 22日

    地方選挙は終了して、下院で2/3の勢力を得たそうだから。
    必要とあれば、憲法を改定してでも戦力をかき集めるのでは。
    日付を遡って徴兵制を敷き、今までの兵員の給与を踏み倒し、
    新たに(既に)集めた兵員は、差し当たり訓練なしで戦線に投入して来るのでは。
    以前もそうしてましたし。もうすぐ、肉壁にされる兵員が来るのでは。
    最後は憲法を改定して、終身大統領になるのでは。
    ウクライナ側は、様子を見ながら築城をしなくてはならないのでは。
    それでも、新たに投入される敵を今の攻撃位置に吸収するために、
    当面、攻勢を続ける必要があるのでは。イニシアチブはとっていないと、ですね。

    8
      • k
      • 2023年 9月 23日

      やれるなら選挙関係無くやってると思うが。ロシアは民主国家じゃない。
      南部も東部も前線が崩壊寸前なのに
      領土取り返される方が余程プーチンの権威が傷つく

      恐らく動員した所で前線に渡す装備も無いので出来ないんだろう。
      前線の補給線をつなぐトラックが不足してる。鉄道など国内の物流も麻痺してる。
      ロシアはまだ200万を動員出来ると豪語してるが、机上の兵力だろうね

      7
    • mun
    • 2023年 9月 22日

    ロシア軍は他方面からザポリージャ州へ精鋭をかき集めてまで防衛しようとしていますが
    それでもウクライナ軍の前進が止まらないという事実は注目に値すると思います

    ロシア軍の防衛線や兵站が正常に機能していれば
    そこに精鋭が加わるとそうそう突破できないでしょう
    しかし今回、対処が遅れてしまったように見えます

    既に防衛線が突破されているため、防御陣地の防御力を十分に発揮できません
    兵站が脆弱になってくれば部隊のローテーションが正常に行えませんし
    弾薬不足の不安も出てきます
    砲兵部隊が特に集中的に狩られているため、火力支援でも不利になっています
    条件がかなり悪化してからの部隊投入なのでなかなか巻き返せない
    という事ではないかと見ています

    8
    •  
    • 2023年 9月 23日

    なるほど、ロシア側が公開している「ウ軍が攻撃を受けている」映像を分析すると、該当戦闘地域は防衛線の向こう側だよと
    突破した事実は確認できるけど、それって突破したらロシア軍にやられるよって話のような
    けど、やられるだけのために突撃してるはずもないので、意味のある行動としてウ軍が防衛線の向こうへ進撃してるんだろうな…

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  2. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP