リマン方面についてシルシキー大将は昨年末「敵は集中的な攻撃を再開した」と言及、1月4日に登場した映像でロシア軍がテルニー方向に前進していると裏付けられたが、今度はプロシュチャンカ方向からマキイウカ方向にロシア軍が前進していることが確認された。
参考:Лиманское направление: продвижение ВС РФ к северу от Торского выступа
バフムート方面やリマン方面に比べればアウディーイウカ方面の状況は安定している
リマン方面についてシルシキー大将は昨年末「我が軍をセレブリャンスキー森林地帯(自然保護区のこと)から追い出し、トルスケ峡谷(テルニーの西に広がる峡谷のこと)での支配領域を広げるため敵は集中的な攻撃を再開した。敵はテルニーの占領とゼレベツ川への接近を試みている」と言及、1月4日に確認されたウクライナ軍の映像で「ロシア軍がテルニー方向に前進している」と裏付けられたが、さらにプロシュチャンカ方向からマキイウカ方向にロシア軍が前進していることが確認された。
新たに登場した視覚的証拠はⒶ付近でウクライナ軍がロシア軍兵士を砲撃している様子で、ロシア軍はマキイウカ方向に1.5km以上も前進している格好だ。
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはリマン方面について5日「この戦線の主要目標はウクライナ軍がゼレベツ川右岸に築いている橋頭堡を排除することだ。ロシア軍はテルニー方向でウクライナ軍の防衛ラインを突破し、敵が公開した映像(上記リンク先の映像のこと)によればロシア軍はシロカ・バルカ渓谷を北に進んでいる。まだ集落郊外まで3kmほどあるもののテルニーを解放すれば「ネフスケ」や「ネフスケの正面に位置する渓谷」に陣取るウクライナ軍の立場は難しくなるだろう」と指摘。

出典:Минобороны России
RYBARは更新した戦況マップの中でマキイウカ方向、テルニー方向、ディブロバ方向、セレブリャンスキー自然保護区でロシア軍が前進していると主張(黄色斜線の範囲)しているが、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは何も言及しておらず、今のところRYBARの主張を裏付ける視覚的証拠は登場していない。
どうしてもアウディーイウカ方面に目が行きがちだが、バフムート方面やリマン方面に比べればアウディーイウカ方面の状況は安定(戦闘規模が低下しているという意味ではない)していると言える。
関連記事:複数方面で前進を続けるロシア軍、リマン方面のウクライナ軍は大きく後退
関連記事:侵攻670日目、ロシア軍はザポリージャや南ドネツクで失った土地を奪還
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
北も東も南も全戦線完全に崩壊してるな。
外国の支援は途絶えるか大幅に減少しそうだし、国内は政府と軍の権力闘争してるし、現場は兵士も武器も足りないし。
50万動員したところで肉の盾にしかならないんじゃない? この状況ウクライナ終わったでしょ。
仰る通りですね。
50万動員が間に合うのか、どういった戦略なのかという問題もありますよね。
海外在住のウクライナ人を、半強制的に帰国させて、徴兵するという憶測もでてきています。
ゼレンスキー大統領・政府高官・国会議員など、上級国民の家族・親族を、先に徴兵するのか注目しています。
戦況が悪くなったからこそ政府と軍が責任押し付け合ってる感じですよね。
まあ、50万動員してもそれをする為の人と金が無いだろうし、訓練とかもあるからいつの話になるのかって気もしますが。
まさかろくに訓練もせず装備も与えず前線に放り込むなんて事はしないと思いたいですし。
ハルキウの例をみると、もし潰走であるなら地図はもっと早く塗り替わってるはず
ハリコフやケルソンは潰走ではなくロシア軍の計画的な撤退ですね
いい加減当時のプロパガンダから脱しましょう
ハルキウでは結構な量の弾薬や、完全に動作する重兵器などの鹵獲報告が多かったので潰走に近いという推定が正しいと思います
でもヘルソンではほぼなかったので計画的な撤退であることは間違いないと思います
記事の内容とは関係ないけど地図のクオリティーが売り物レベル。海外のマップと比べても見やすさと地形の書き込みが段違いだわ。
これが本当ならウクライナ軍は反攻どころか相当な面積を喪失したことになり不穏だ。
困難の中最高指揮官を務めたゼレンスキー氏を労るが、ここらが潮時ではないか?
協議のテーブルに着かせるとか、別の指導者を擁立する、といった水面下の動きがないか見逃せないな。
ロシア軍の攻勢正面は、東部・南部・西部(ドニエプル川左岸)ともに、砲火力の支援が見えます。
ロシア軍は、大砲の戦時生産・北朝鮮からの調達だけでなく、前線への運搬が途切れることなく続いており、ロジスティクス(生産~前線配備まで)を確立していると考えるべきですね。
ロシアは大量の旧式戦車を、改修により前線に素早く投入、リードタイムを短縮しています。
T54・T62戦車の事例であっても、歩兵の直脇砲兵・防衛用として有無は段違いであり、一定の役割を果たす事ができます。
ウクライナ軍歩兵にとっては、アサルトライフルだけでは対抗できず、対戦車火器を分散配備すれば防衛線が薄くなるリスクがあります(西側メディアは、鈍足の旧式戦車と嘲笑していますが、本当に大丈夫なのかと…)。
アウディーイウカが市街地に入られてすぐに落ちると思っていたが拮抗状態で持ちこたえられているのね。
ロシア大統領選までに陥落はしないと思うが、リマン方面の露戦力がゼレベツ川まで到達後に防御陣地を構築してほか戦線に援軍回す算段なら一気に悪い方向へ進むと予想。
露軍の直近目標はどのような占領図を描いているか分かりませんが、ウクライナ反転攻勢の成果を白紙+バフムト、リマン、アウディーイウカほうめんはまでは
途中送信失礼しました。
バフムト、リマン、アウディーイウカ方面は確実に取りに来るでしょうね。
2022年暮に行われたハリコフ攻勢の獲得エリアも白紙にしようと試みるんじゃ
ロシア大統領選は、それこそ何らかの理由でプーチンが死亡又は傷病等で働けなくなる
ことでもない限り結果は見えていますので時期の目安としては何の意味も無いのでは?
アメリカ大統領選はトランプ又は同様の考え(ウクライナ支援打ち切り)を掲げる候補が
当選すると一気に状況が変わってくるので大いに注目に値しますが。
>>時期の目安としては何の意味も無いのでは?
私もそう思います。ヤフコメとかXで根拠なく露大統領選までにアウディーイウカを落とせなかった!プーチンの敗北だみたいな精神的勝利コメントがまた出てくる時期なので、一つのラインとして書いてます。
ただ戦略的に無価値な時間軸なので当方の書き方が悪かったです。申し訳ありません。
アウディイウカは工業地帯を制圧されましたが、これはバフムトで言えばまだ郊外の段階みたいですね。
とはいえ、アウディイウカ本丸に侵入されなかったとしてもその周辺が侵食されてるので都市だけ保全しても包囲されて終わりなんですがね。
アウディ一イウカ方面は管理人さんも言う通り、他の戦線に比べたらまだ安定(他戦線が酷過ぎる感はあるが)していますが、コークス工場、トネネキー、シェベルネ、ステポヴェのどれかが抜かれたら補給線の関係上一気に戦況が傾くと思います。 現在の小康状態もあと1ヶ月ちょっとで終わりを迎えるのではないでしょうか。
ロシア軍はバフムトと同様にアウディイウカを反包囲する形をとっている。そしてアウディイカへの補給路もロシア軍の火力管制下にある。つまりウクライナ軍はアウディイウカへの補給(兵力と武器弾薬と水、食料)が出来ないか出来ても充分とは言えない。前線と補給はセットであり、補給が充分出来なければ前線は維持できない。根を絶たれれば花は枯れる。既にロシア軍はアウディイウカへの根を絶っている。
Wikiには第二次クレミンナの戦いの項目がありますが、もはやクレミンナ奪還どころかリマンやヤムピリも奪い返されそうになってしまっている状態ですからね
特にリマンがロシア軍によって再び奪回されれば、重要な工業都市であるスラビャンスクはもう目前ですし
まあまだまだリマンは遠いですし、リマンからスリャビャンスクはなかなか厳しいですよ
初年にその攻撃は非常に困難で失敗しました
ゼレベツ川東岸⇒リマン⇒スラビャンスクは段階が必要なので、半年以上の時間がかかるだろうことは同意です。(途中でシヴェルスクの制圧も挟むなら尚更)
ただ、ドンバスの戦いにおいてスラビャンスクとクラマトルスクの両都市はドネツク州の本丸であり、ルガンスク州でのセベロドネツク、リシチャンスクの戦いに相当するんですよね。
つまりは、ドンバス分離独立派にとっての最終ゴールであり「戦争の終わりへ至る段階と道筋が見えてきた」状況ですから、ロシア側の士気が否応なしに上がるでしょう。もうひと踏ん張りという段階に達すれば、組織の士気は疲弊しませんので。
そうですね
そのうちには北のイジューム、東のリマン、南のクラマトルスク、どれかからスリャビャンスクに迫ることになるわけです
しかしこの中でリマンルートは最も距離が短いですが相対的低地からの渡河となりますから最も難しいです
個人的にはバフムトから北上していくことになるのかなと
四州全域とられそうです
個人的には、ヘルソン州のドニエプル川西岸部分はウクライナ側で残る可能性が今のところは高いと思っています。
ただ、オデッサが武装中立を宣言したり、モルドバの2024年大統領選(2020年に親露派のドドン前政権からサンドゥ政権に交代)で親露派に戻ったりすれば、ミコライフも危うくなってくるかと。
ハンガリー、スロバキアに続いて、モルドバもウクライナ支援否定派になれば、どんどん孤立化が進みますので、2024年がウクライナにとって厳しい年になるのは疑いありません。
先日コメントしたようにロシア軍はゼレベツ川と並行して走る稜線からウクライナ軍を排除するように動いており、その攻撃は成功しつつあります
川を背にして地盤の弱い沖積平野に陣取り高所からの攻撃を受けることになるウクライナ軍は今後厳しい戦いを強いられるでしょう
ロシアお得意の双頭の突出部形成を成功させてしまいましたね。
とはいえゼレベツ川がある以上、後背を脅かすことはできず単に形だけはいつもの形になったということでしょうか?
ウクライナ側からすれば、あまり歓迎できない背水の陣ですかね。
後背に回り込まれないことは利点ですが、半円形の両翼包囲に近い形になれば、「川を包囲の一面」とした完全包囲にされる危険性も出てきます。
ゼレベツ川の西岸へ撤退する手段(橋など)を壊されないことが最重要だと思いますが、死守命令などが出た日には悲惨極まりないことになるかと。
マキイウカの辺りハルキウ州の表示があるけどルハンシク州じゃ?