ウクライナ国防省は26日、友好国から提供された最新の多連装ロケットシステム(MLRS)を使用してドネツィク州の敵を攻撃したと発表した。
米国製M270の写真と共にドネツィク州の敵をMLRSを使用して攻撃したと発表したウクライナ国防省
これまで米国やNATO加盟国はウクライナに西側製の多連装ロケットシステム(MLRS)を提供した事はなかったが、米国務省のビクトリア・ヌーランド次官(ウクライナ支援担当)はEuropean Pravdaの取材に対して「ウクライナ人の勇気には敬意を表する。私たちが40億ドル以上の武器を提供した理由は、貴方たちは自分たちだけでなく自由な世界全体のために戦っているからだ。そして最も新しい米国の支援パッケージにMLRSが含まれている」と明かした。
つまりバイデン大統領が21日に発表した8億ドル追加支援パッケージにMLRSが含まれているという意味で注目されていたが、ウクライナ国防省の情報総局は26日「ウクライナ軍がNovomykhailivka地域(ドネツィク州)の敵陣地を友好国から提供された最新の多連装ロケットシステムで攻撃、50人以上の敵兵士がゴルロフカの病院に運ばれた」と発表して米国製M270の写真をプレスリリースに掲載している。
ウクライナ国防省は友好国から提供された最新のMLRSは「米国が提供したM270だ」と示唆したいのかもしれないが、物理的な証拠がないのでドネツィク州で使用されたMLRSがM270だとは断言は出来ない。
仮に26日までにドネツィク州の戦いにM270が投入されているのなら、21日ではなく13日に追加支援パッケージにMLRSが含まれていた可能性が高い(21日発表→5日以内に操作方法をマスターしてM270を東部戦線に運び込むのは難しそう)ので中々興味深い動きと言えるだろう。
関連記事:米国務省、ウクライナへの多連装ロケットシステム供給が始まっている
※アイキャッチ画像の出典:Головне управління розвідки Міністерства оборони України / CC BY 4.0
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今朝のウクライナ軍の発表では、イジューム方面のロシア軍の攻勢は一段落してまた砲撃するだけになっているようです。依然として機動戦にはならず、砲撃してはちょっと進む方式ですね。そうなると砲兵さえ潰せればいいのですが、ロシアの砲兵をアウトレンジできる米軍のMLRSは絶好の兵器と言えます。位置をドローンなどで特定して撃ち込めばいいわけで、戦いの局面を変えられる兵器かもしれません。
まさに近年の自走砲や火砲の新規開発が世界的に減った理由でもありますね
撃たなくともバレるって訳ですか
自走砲や火砲と比べて射程距離や命中率、機動性がいいという点ですよ
一応ロケットアシスト弾を使えば自走砲の射程は伸びますが、そればかり使うなら最初からMLRSのような兵器を運用したほうが効率がいいですし
破壊力あたりのコストや補給を考えると、前線を制圧するような用途には火砲のほうが向いていると思いますが、対砲兵戦になるとMLRSに勝てないのが辛いところですね。
面制圧だけじゃなくて誘導弾も使える地味にすごいヤツ
△ ¥ ▲
( ㊤ 皿 ㊤) ε=▷ どかーん
( )
/│ 米 │\ ε=▷ どかーん
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M270だよ
面制圧も誘導弾も使えるすごいヤツだよ
誘導弾も支給されてますかね。参謀総長のゲラシモフがイジューム方面の指揮を直接取ることになったそうですが、位置を特定できれば誘導弾で…
そう言えば、悪名轟くロシア連邦英雄の作戦総司令官殿は今どうしてるんでしょうね…
「ヘルソンのまな板」再びに期待。
実際にはM109も入っていそう。
その結果を見てM777を送っているのかも。
M109自走榴弾砲が大量に鉄道で運ばれてる映像がありましたね。米軍は発表してませんが、先に発表すると敵に準備する機会を与えるので事後報告は多く、既に入ってるのはありそうです。まだ訓練中かもしれませんが。
次々供給される西側兵器、当初の予想通り消耗戦、どこまでロシアは耐えられるだろうか。
冷戦時代にソ連(ロシア)を撃滅するために開発された兵器が、まさに今その目的のために使用されている感じですね。
30年越しのレッド ストーム ライジングですな。
宇宙やドローン空撮セットでドンバスッと敵をドツケ(ドネツィク)、侵攻したロシアの泥棒に遠慮はいらんよ。
HIMARSじゃねえの?って思うが中身は一緒か
西側の偵察情報と合わせてピンポイントで攻撃できて素敵
M2ブラッドレーがベースのキャタピラくんがMLRS、5tトラックで空輸もできる働く車がHIMARSです。仰るとおり、コンテナは同じですが。
MLRSならコンテナが2個付いてお得(ただし重い)
すでに書かれていたが対ソ目的に作られた兵器が本来の相手に開発国以外(国際共同)が使っていると言う運命の悪戯。
ウクライナはオスロ条約には批准してないし弾種は選ばない。米国としてはロシア本国に攻撃されたら困るからATACMSだけは渡してないか使用制限はさせてそう。
個人的には去年あたりで採用されていると思われる射程150kmのER GMLRS AWとER GMLRS UNITARYも渡しているんだろうか、それとも在庫品消費前提で古い奴だけ渡しているんだろうか。