スペイン政府はウクライナへの武器支援を飛躍的に増やす準備を進めており、ウクライナが熱望していたレオパルド2や防空システムを提供するらしい。
参考:España, dispuesta a entregar a Ucrania misiles antiaéreos y carros de combate Leopard
ウクライナ軍がロシア軍のT-90に対抗するため(レオパルド2A4提供)計画をスペイン政府は加速させる
これまでスペイン政府はウクライナに軍用車輌や対戦車ロケット砲などを提供してきたが、ロシアとの戦いが長期に渡る消耗戦に移行したため武器支援を飛躍的に増やす準備を進めており「ウクライナが熱望していたレオパルド2や防空システムを提供する」と現地メディアのEl Pais紙が報じている。
スペイン陸軍はレオパルド2E(レオパルド2A6の改良モデル)を導入するまでの繋ぎとして中古レオパルド2A4をドイツから108輌調達、レオパルド2Eの導入が進み用済みとなったA4は「戦車回収車」に改造する予定だったのだが予算不足のため計画が頓挫、必要な資金が将来確保されるまでサラゴサ兵站基地に保管していたらしい。
このレオパルド2A4にオーバーホールを実施してウクライナに提供する準備をスペイン政府は進めており、この戦車の操作方法をウクライナ人に教えるためラトビア(NATO派遣軍の一部としてスペイン陸軍のレオパルド2Eが駐留中)やスペイン国内での訓練も計画されている。
さらにスペイン政府は防空システム「アスピーデ」をウクライナに提供するため最終手続きを行っている最中で、ウクライナへの武器支援を調整する機関(ドイツのシュトゥットガルトに設置された組織でウクライナへの武器支援で機材の重複をチェック・調整する役割を担っている)からの回答待ちらしい。
スペインが保管中のレオパルド2A4をウクライナに何輌提供するのか、どれだけオーバーホールに時間がかかるのかは不明だが、El Pais紙は「ウクライナ軍がロシア軍のT-90に対抗するため(レオパルド2A4提供)計画を政府は加速させる」と報じている。
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※アイキャッチ画像の出典:Outisnn / CC BY-SA 3.0 スペイン陸軍のレオパルド2A4
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ますますウクライナは東西兵器の博物館になるなぁ。
「博覧会」がベターかと
今でも第一線級を張っているレオパルド2A4が来てくれるなら、ウクライナも心強いでしょう。
第三世代同士の真っ向勝負は、今回が初めてですかね?
ヲタとしては夢の対決
ご時世がらゴメンナサイと先に謝罪しときます
時間が経つ程に欧州vsロシアの構図になっていきますねえ。
「ロシア領内に届かないロケット砲ならOK」とか暗に認めだしたし、当初は武器提供渋らせるために核までチラつかせたのロシア自身も忘れてそう
下手に核核連呼し続けてると、本当に使わなきゃならなくなりますからね。
で、本気で使うとなるとエスカレーションに備えて国内的な準備→総動員と戒厳令、疎開等~が必要ですが、それをやった時の社会的衝撃と影響がこれ又計り難い。今でさえ徴兵事務所に火炎瓶ですからねえ…
昨日付けANNニュースで、「ポーランドの港に大量の戦車 ウクライナ支援の拠点」としてグダニスク港に集められたウクライナ支援兵器の様子が報道されてました。
その映像に、55口径のレオパルド2が複数映っていました。これ、どの国が提供したものでしょう。
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ニュースではウクライナへの供与兵器と説明していますが、この戦車もその中に含まれるとは限らないのでは?
NATO強化前方プレゼンス多国籍戦闘群の車両かもしれません。NATO加盟国が派遣した部隊によって編成されていてポーランドやバルト三国に駐留しています。先月、ラトビアで行われたアイアンスピア2022演習にはスペイン陸軍のレオパルト2E、ドイツ連邦軍のレオパルト2A7が参加していました。
ANNニュースの映像に映っていた55口径のレオパルド2ですが、車体の迷彩と砲塔後部に在る発煙弾発射機の形状等から、デンマーク陸軍のレオパルド2・A7Vの可能性が高いと思います。
只、このA7Vは2019年から配備が始まったばかりの最新型でデンマーク向け調達予定数も44輌(但し、新造では無く改修車)しか無い為、ウクライナへ送られるとは思えないのですが、それなら何故デンマーク陸軍の最新型レオ2がグダニスク港に居るのかと言う、結構謎に満ちた映像です。
Latest Leopard 2A7 MBTs Deployed to Poland for the First Time
11.05.2022 10:10
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ディフェンダーヨーロッパ2022演習に参加してたようです。
5月1日から5月27日までポーランドで行われた演習(ディフェンダーヨーロッパ2022)にデンマーク軍のレオパルト2A7が参加していました。
単に車体形状適当に見ればフィンランドかオランダのA6の可能性もあったけど、迷彩とか見るにデンマークのA7まんまだよな。提供前提で可能性があるとしたらA5改良レベルで外装変化させたかもしれないけど。
これがニュースの中で出ていたデンマークからの軍事物資になるのか。
皆さんありがとうございました。
なっとうさん、ここんさんご指摘の通り、ディフェンダーヨーロッパ2022に参加したデンマークのレオパルド2A7がグダニスクで帰国を待っている、が正解ぽいですね。
西側のサラミ戦術が巧みというのもあるでしょうけど、元々仲の良くないポーランドやバルト三国を脅し過ぎて死なば諸共の覚悟を固められるとロシアも困るでしょう。
かと言ってこれらの国に攻め込むとNATOとの全面戦争になり、ウクライナどころではなくなりますからね。
ロシアとしては、文句をつけるだけでウクライナへの供与を幾ばくか妨害できる事である程度納得しているのかもしれません。
6月4日付obozrevatelのT-90M撃破の記事に残骸を至近から捉えた映像が掲載されています。
無為に砲塔に鎮座する防護システムが痛々しく、後方向きの砲塔で塞がれた操縦手ハッチも沈鬱です。
先の映像では遠景では車体後方からの襲撃がわかる程度でしたが、詳細な映像から後部スラットアーマーの残存と後部車体上面の破孔からすると対戦車ロケットでなくミサイルの上面攻撃の仕業、襲撃者が潜んだ灌木との距離はジャベリンの最低射程に満たないことからNLAWの戦果と見ています。
相手の強みに正面から相手しないのは常道にせよ、今回の戦争では装甲兵器が雌雄を決するという事前の観測からすると両軍ともに戦車の対戦車映像があまり見られないことに不思議を感じています。
ウクライナの戦車の増備が進めばそのような場面も見られるようになるのでしょうか。
スペインがレオ2A4の供与を実行したら、ドイツのメンツが潰れそう。ドイツ連立政権の内部から、レオ2もマルダ―も手元にあるのにショルツはどうしてウクライナに供与しないのかと不満が噴出しています。
動かないからです。
NATO交代派遣用に1中隊分ぐらいは戦闘可能になってると信じたい
エンジンがかかるって意味なら100ぐらいはあるかもですが
ロシア軍の整備状況の国会報告を非公開にしたあとも、改善したという報告もほとんどないしなぁ
誤字したら意味不明に
>ロシア軍の整備状況の国会報告を非公開にしたあとも、改善したという報告もほとんどないしなぁ
訂正
ドイツ軍の整備状況の国会報告を非公開にしたあとも、改善したという報告もほとんどないしなぁ
この戦争で劣化ウランの徹甲弾が使われた記録は無いと思うのだけれども。
レオ2が来るとなれば、ロシア側は使うかもしれませんね。
ロシア側の劣化ウラン弾の新しいものは、RHA換算で1000mm貫通だそうです。
元々はM1の劣化ウラン装甲対策と思います。
嫌なニュースを聞くことにならないと良いのですが。
ただレオパルド2A4だと一説によると正面装甲がRHA換算で運動エネルギー弾に対して700mm、成形炸薬弾に対して1,000mmと推測されているから、どれだけ手持ちがあるかだろうな。
ウクライナ軍の主力として使われてるT-64はRHA換算で(130+900+180)1200mmに到達するのでレオ2が出たからといって新規に持ち出す可能性は低いと思います。T-80BVMが3BM26を搭載してので劣化ウラン弾もほとんど調達されてないではないでしょうか?
T-64の装甲に関するソースはこれです
リンク
資料を拝見しました。
ロシア語は分かりませんでしたが、砲塔断面と思われる図を見ると、
中間に複合装甲を鋳込んであるのですね。
複合装甲の部分が実際の厚みの約3倍に評価される訳ですね。
射込むという手法はどうかと思いますが、当時のNATOが
これの登場を危険視したのはよく分かりました。
早くレオ1とかも送ってあげて、南部戦線に日傘を備えたT-62Mが出払ってきたぞ
最新モデルのA7Vと比べれば、センサー、FCS、砲弾、砲、装甲、C4I etc…と機動性以外のあらゆる能力が劣っているでしょうけど、まともにアップグレードすらされていないT-72やT-80、T-62が相手ならば十分すぎる性能でしょうね。
T-72B3/T-80BVM/T-90A/T-90Mが相手だと、FLIRの性能が劣っていて先手を打たれる可能性がありそうですけど…
スペインはオーバーホールしてから引き渡す事にしているとの事ですので、ついでにドイツで追加装甲パッケージ仕様のエボリューション(シンガポールとインドネシア仕様)にしてメンツを維持する可能性が有るかも。
ここにきてスペインが戦車供給に踏み込むことを検討するとは
ヨーロッパは西に行くほどロシアの脅威に対して鈍感になっている様相を見せていたので驚きです
逆かな、と。
むしろNATOの西方国家は、ロシア隣接もしくは近在国家のようなロシア産天然ガス依存も低かろうし、後方国家は呑気でいい、などと批判もされたくないだろう。戦後処理のイニシアチブの問題もあるし、結局のところ自国民の世論次第、というあたりに決着するのでは。そもそも島国英国がかなり積極的に兵器供与していますし、スウェーデンとフィンランドに対してもNATO加盟成立までの間の防衛協力を申し出ていますよね。
これはロシアがT-90Mで泥を塗られたカリを返す事が出来るか気になる所。
なんか対戦車ばっかり目が行ってるけどトルコのA4がシリアで運用の不味さからボロボロにされた事忘れてないよね?高性能な戦車は必要だろうが行動を共にする歩兵がいないならよく見るロシア戦車やT-90Mと同じ運命たどるだけ。ウクライナは追い詰められているからと言って無茶な運用しないように祈るしかない。
なんか不穏な話が出てきた
かつてチェコがこのレオパルト2に興味を示したが保管状態が酷く諦めたらしい
いまからオーバーホールをかけても納入がいつになるかわからないかも
戦車の回収車両はトラクターで行けるんじゃないの