ウクライナ南部の都市オデッサの防衛当局者は10日、ロシア海軍はオデッサへの上陸を断念して揚陸艦をクリミアに引き上げさせたと明かした。
参考:Российские эскадры отошли от Одессы к Крыму, десанта пока не будет
参考:Invading Russians will be dog food, says city’s general
参考:Two weeks of war have revealed cracks in Putin’s master plan for Ukraine
ウクライナ優勢とは到底認められないが、ロシア軍の勢いは南部地域においても陰りが出てきたことだけは確かだ
今月3日にロシア海軍の揚陸艦がオデッサ近郊のSanzhiika沖に現れ「いよいよ本格的な上陸作戦でオデッサ攻略に乗り出すのではないか」と予想されていたが、艦艇による海上からのオデッサ攻撃はウクライナ軍のMLRSに反撃(ブーヤン型コルベットが沈没したらしい)され撤収、防衛当局者は「ロシア海軍の揚陸艦艦隊はオデッサからクリミアのドヌズラフ湖に引き上げ、上陸作戦を実行に移すつもりないらしい。なぜなら作戦を実行に移せばどんな結末が待っているかを自覚しているからだ」と述べて防衛に自信を見せている。
ロシア海軍がオデッサへの上陸作戦を断念したのは単独攻略が難しく、頼みの陸軍部隊がムィコラーイウ攻略で行き詰まってるためだろう。
ロシアが占領に成功したヘルソンからオデッサに向かうためにはムィコラーイウを経由する必要があり、この重要な都市を確保するためヘルソン陥落前から攻撃に取り掛かっていたものの結果は散々で、飽くまでウクライナ側の発表だがムィコラーイウ周辺での交戦でロシア軍は数百輌もの車輌と多くの兵士を失ったらしい。
ムィコラーイウの防衛当局者は「現在もロシア軍の砲撃が続いているため敵の遺体を回収するのが難しく、こなんことを言って申し訳ないがロシア軍兵士の戦死者は野良犬の餌になっている」と述べおり、都市郊外にはウクライナ軍に撃退されたロシア軍の装備や戦死者が未だに沢山転がっていると明かした。
さらにムィコラーイウ州知事も「我々はロシア軍に海上輸送を遮断されないために戦っている、我々がロシア軍を阻止し続ける限りオデッサは安心して眠ることができる」と息巻いていて、ウクライナ南東部におけるロシア軍の侵攻作戦は北部同様に行き詰まりを見せている。
侵攻作戦が順調に推移していると言われていたウクライナ南西部もマリウポリ占領が未だに達成できず、クリミアとドンバス地域を陸続きで繋げるという主要目標は都市を包囲してもお預け状態が続き「侵攻作戦が順調に推移している」と言っていいのか怪しくなってきた。
ただロシア軍の戦力はウクライナ軍を上回り、民間人にも大きな被害が出ているためウクライナ優勢とは到底言えないが、ロシア軍の勢いは南部地域においても陰りが出てきたことだけは確かだ。
Працює Азов спільно з 72 ОМБр по колоні 🇷🇺 – вид зверху.🔥🔥🔥 pic.twitter.com/ndLD4dUDWC
— 🇺🇦Armed Forces (@ArmedForcesUkr) March 10, 2022
追記:日時は不明だがウクライナのアゾフ大隊がロシア軍の戦車や装甲車の車列を攻撃するシーン、米英当局は日曜までにロシア軍がキエフへの大規模攻勢にでると主張している。
A new video shows how #RussianArmy soldiers torture & force the captured #UkrainianArmy soldiers to shout #Ukraine is part of #Russia.
They force them to say “Glory to Ukraine as part of Russia.” pic.twitter.com/nZWQwdI6Qh
— Babak Taghvaee – Μπάπακ Τακβαίε – بابک تقوایی (@BabakTaghvaee) March 10, 2022
追記:ロシア軍兵士が捕虜になったウクライナ軍兵士に「ウクライナはロシアの一部だ」と言うよう強制しているシーン。憎悪を高めるだけで何の意味もない。
関連記事:オデッサ沖にロシア海軍の揚陸艦が接近、ウクライナ軍が敵上陸に備える
※アイキャッチ画像の出典:Vitaliy Ankov / CC BY-SA 3.0
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情け容赦なく艦砲射撃してから上陸するかと思っていましたが、やらないのですね。
海軍は技術者集団なので、そんな蛮行はできないというプライドがあるのでしょうか。
あるいはそもそも100万都市のオデッサに4隻の揚陸艦ではどうにもならんという判断でしょうか。
ロシア海軍の状況は空陸のそれより悲惨なので、単純に弾がないか序盤に艦上発射型の巡航ミサイルを撃ち尽くしてしまったものかと思われます
また今の状況を見ても、空軍と同じく戦力の消耗を極度に恐れているとも取れますね
これはあるかもしれないですね。
巡航ミサイルを撃ち尽くしたから海上から支援するには艦砲射撃しか無いが、先日のウクライナ軍のMLRS攻撃で被害が出た以上、あまり陸には近づきたくないと
往年の戦艦じゃないから、艦砲射撃も大した事は無いかな。
それよりも、人肉の味を覚えた野犬の方が不味いかな。
上陸作戦は戦力差あっても防御陣地築かれてるとこに攻める以上被害甚大なのは許容しないとだめですからねえ。
陸から攻略したほうがまだマシって判断したんですかね。
というか、効果的な砲撃自体無理なんじゃない?
130mm砲乗せてる程度の駆逐艦と、自衛火器程度の揚陸艦だと敵の反撃を減じるほどの砲火力は出せなさそう
艦艇といえどもそんなに火力があるわけではないのですね。
日本の護衛艦の砲で射程20km~30kmのようなので、MLRSのほうが射程長いまであるのか。
まさかトルコの海峡封鎖を予想していなくて、増援艦隊が来る前提でのオデッサ攻略作戦だったりしませんよね?でも今のロシアの杜撰さならあり得るかも、、
逆に、情け容赦の無いロケットの雨を浴びて、ブーヤン型コルベットを失って逃げ帰ったという有様
黒海の公海上であれば西側の航空機は自由に飛べますし、海上であれば逃げも隠れも出来ませんから、逐一ウクライナ側に動静が筒抜けになった状態だったのでしょうな
腐った肉を出されて水兵達の士気が低くなってるんじゃないのか?
もしくは陸上に海上へ向けられた砲が多くて近づけないとか。基本的に海上の動揺の影響下にある大砲より、陸上の安定した砲台の方が強いのは火を見るより明らかな事だし
ロシア黒海艦隊の規模で敵前上陸なんかできるわけない。
オデッサに守備隊を引き付けるのが関の山。
むしろそんな戦力あるのかと。艦船数、弾数や搭載量が限られている以上は誘導兵器でピンポイントじゃないと後が続かない。
無差別で広域にやるなら揚陸艦上部にMLRS展開するかヘリでロケット弾撃つしかないね。
朗報
見せかけ撤退の欺瞞作戦でないことを祈る
上陸作戦こそ『数』だよ!兄貴!
(´・ω・`)
上陸作戦を数でゴリ押ししたら土左衛門の山ができる
制空権も無しに行うのは自殺行為
犬の餌どころかフカの餌ですなぁ。
オデッサに引っ掛けているのでは?
攻防は逆だけど。
揚陸して橋頭堡確保して友軍との合流を目指す
とかされると普通にウクライナとしては厳しかったはずだけどそんだけウクライナの抵抗が強いと見込まれるのかな
空爆にはあんまり期待できないし、砲兵火力の圏外になっちゃうから普通に厳しそうといわれたらそんな気はするけど
もしこれが本当なら橋頭堡確保し続けられないって判断でしょう。
陸なり空なりの援護なきゃどうにもね……。
>>こなんことを言って申し訳ないがロシア軍兵士の戦死者は野良犬の餌になっている
なかなかの煽り上手ですな…
オデッサ攻略に向けたムィコラーイウ方面への侵攻が滞ってるのはマリウポリが未だ持ち堪えてるのが大きいのではないだろうか。
マリウポリが陥落しない限り、クリミアからの部隊は東西に部隊を分散させざるを得ない
別に煽ってはいないと思うが
下の方の動画見ましたが道路の真ん中であんな密集してたらそりゃあボッコボコにやられるわ…。
まあ脇に逸れても泥にハマってどのみち撃破されるか鹵獲されるんでしょうけど。
正直感想としては「え、何しに来たの」感がすごいね
西側からの情報で動き掴まれてるにせよ、ぼんやりとキルゾーンに踏み混んで何も対抗できないまま撤退って…
ロシアがこんな雑な軍隊だと思わなかった、とあと何回驚けばいいんだろう
動画の最後でやる気なく引き返す辺り、親衛隊が現場を無視した無茶な前進命令を出した感じですかね?
国家親衛隊が指揮に介入してるって話があるし
懲罰部隊に督戦隊の再来と何時の時代かよと思ったら
今度は政治将校の二元統帥問題までとは、何処まで独ソ戦をなぞるつもりなのか…
まさかガス欠で動けないとかね。
地獄だね。
動画40秒くらいで「バイラクタル」って言ってるからかなり活躍してるね。
(欲しいな)
敵地に居るのに警戒態勢じゃなさそうだし、アホみたいに密集してて
攻撃受けてからも硬直して「えっ」ってなってるうえに、その後の指揮判断が素人みたいな遅さ
初心者ゲーマーみたいな鈍さで、これが現代軍隊とか冗談かと
常に見張られてて位置バレてるのに揚陸なんてしたらオマハ以上の悲劇になる
ムィコラーイウが持ちこたえているからオデッサ攻略ができないわけですね。
画像まとめの記事に「ウクライナ軍が対戦車兵器でムィコラーイウ空港に迫るロシア軍車輌を攻撃したシーン」と「ウクライナ軍がムィコラーイウ周辺でロシア軍の砲兵部隊を一網打尽にしたシーン」という動画がありました。これを見ると確かにムィコラーイウで善戦している印象があります。歩兵の装備が良さそうですね。
ヘルソンは弾薬も無くなって力尽きた感じでしたが、ムィコラーイウは本気で守るつもりで一味違うのでしょうか。
揚陸艦って、事前に上陸地を明らかにしないようにして、
防御側を分散させるのが主目的かと思ってたんだけど、
ロシアの運用は違うんですかね。
つーか、本当に兵が乗ってたんですかね。
後に引けないプーチン、攻略できないキーフ、迫るロシア経済のタイムリミット、さあどうする。
あのぉー・・・最後の動画の車列なんですけどぉ・・・
随伴歩兵は何処に・・・?
こういうところを進む時って、歩兵を随伴させるのがセオリーじゃなかったっけ?確か・・・?
ロシア名物タンクデサントで車両の上に乗ってるんじゃないでしょうか
あと戦闘時は戦車からなるべく離れます
戦車は敵の優先撃破目標なので弾が飛んでくるし
退避行動をとろうする戦車に轢かれて煎餅になっちゃいますので
でも、戦車から離れるっていっても、あの動画の範囲内にはいるでしょ・・・?いくらなんでも。
ポイント間移動なら普通に歩兵なしの移動もあるとは思う
歩兵自体は装甲車両の中とかに入ってて、周囲警戒の必要性が無いと判断されたんじゃないかなぁ
周囲の地理はわからないけど、あんまり大規模な伏兵は配置できなさそうだし
小規模な部隊なら良くて相討ち、悪けりゃ返り討ちだから対歩兵の警戒は実際いらん気はする
車列に装甲車いるから車内にいるだけでしょう
いずれにせよ揚陸作戦はもともとリスクが大きい。
さすがのロシアもここでは現実的な判断をしただけでは?
航空機の支援が制限されるのであればなおさら。
この季節になると、道路から離れると戦車でも泥地で動きが鈍くなる。そこをジャベリンか何かで狙い撃ちにされているというところでしょうか。また夜間にはTB2で燃料補給車中心に攻撃されるのでしょうが、どうもロシア軍は、先々の補給のことを深く考えておらず、揚陸作戦にしろ、作戦全体の立て方が稚拙過ぎるように思う。
3/3にハバロフスクを出発した軍用列車は
リンク
今、どのあたりを走っているのかな?
ウラジオからドネツクまで普通列車で9日間を要することを考えると
そろそろ目的地かな
ってことは今極東はスカスカやね。
北京条約を破棄して、父祖の地を取り戻すんだ!
ZSU-23-4系と思われる車両が輸送されているあたり、対空車両不足になってきているように思えますね
それにしてもロシアは侵攻中の車両とこの追加分に対する十分な兵站を用意できているのでしょうか
まあただでさえ高価な対空車両が、ああも多数が撃破されたり放棄されている様では、そりゃ不足もしますわな……
マ・クベ中将の作戦勝ちかな。
最後っ屁の核ミサイルは勘弁プリーズ。
アゾフ大隊じゃなく連隊ですね。
米民主党議員がテロリスト認定を求めたり、ネオナチの温床と言われたり、グレーな印象の強い部隊ですが、ドンバスで常在戦場なだけあって戦闘能力は高いのかな。
残存兵力は分からないけど、健闘を祈ります。
ドヌズラフ湖ってロシア支配地域の後方じゃないですか。これなら上陸戦やらずに港に引き上げてから電車なり陸路なりで行ったほうがいいんじゃないですかね。
ロシア側とウクライナ正規軍の戦力差は歴然で、たとえば一人一殺のペースでロシア兵一人の犠牲にかえてウクライナ兵一人減らして行けばいつかは戦力差でゴリ押しできると今まで思ってたんですけど、9日のイズムィコ先生の公演によるとロシア派遣軍20万に対してウクライナ側地上兵力が定数15万、ここに内務省管轄の準軍事組織や国内民兵組織や外国人義勇兵が入ってきているので、頭数だけではかると大差ないんですよね。
あとロシア側に残る優位性は走行車両や重火器や海空軍の支援ですが、海軍の艦艇搭載のミサイルや空軍の精密誘導兵器は戦争序盤で撃ち尽くしたか、残る在庫を温存しているので今出てきていないと。長距離巡航ミサイルはまだあるけど威力が大きすぎるので市街地戦ではドカドカ使えないし、半導体等の輸出規制があって国内で再生産できない=在庫現品限りなのでやはりちょっとは温存したいと。ロシア側の歩兵戦力もカリーニングラードやクリル諸島(北方領土)みたいな留守にできない場所以外から地上軍主力をかき集められるだけ集めてきてこの数字なので、この先古い車両が届くことはあっても人間が増える訳でもなく…思ったよりジリ貧になってるかもしれないですね。
リンクで張ったイズムィコ先生の会見だとその先の限定核使用のシナリオについても触れられていて興味深いです。
地上部隊と3日、長くても1週間で合流出来ないと意味がない作戦。