ウクライナ戦況

ウクライナ軍、TB2が3日間でロシア軍のT-72を8輌破壊したと発表

ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は3日「TB2が3日間でT-72×8輌を含む2,835万ドル相当の装備を破壊した」と発表、ヘルソン州上空をカバーする防空システムの弱体化に伴いTB2が再び猛威を振るい始めた。

参考:За трое суток пара Байрактаров уничтожила российскую технику на почти $27 млн.

ウクライナ軍のTB2が敵戦車を破壊したという視覚的確認は今回が初めて

ヘルソン州上空をカバーする敵防空システムは「HIMARSやAGM-88HARMの攻撃で弱体化している」「ヘルソンでの反撃は航空支援を伴っている」という指摘があり、ウクライナ軍も久々にTB2を使用した攻撃シーンを今月1日に公開して注目を集めていたが、ザルジュニー総司令官は3日「TB2が3日間で2,835万ドル相当の装備を破壊した」と発表した。

総司令官の説明によれば8月31日~9月2日までの3日間、2機のTB2がT-72×8輌(推定300万ドル)、自走砲×1輌(推定160万ドル)、歩兵戦闘車×1輌(推定60万ドル)、榴弾砲×1門(推定3万ドル)を破壊、さらにT-72×5輌と歩兵戦闘車×1輌を損傷させたらしい。

総司令官は「TB2の戦果がヘルソン州でのものだ」とは言及していないが、当該期間はヘルソンでの反撃を発表した直後なので「そういう意味」を示唆しているのだろう。

出典:Армія Інформ / CC BY 4.0

因みにTB2が敵戦車を破壊したという視覚的確認は今回が初めてで、ヘルソン州上空をカバーする防空システムの弱体化に伴いTB2が再び猛威を振るい始めた可能性が高い。

関連記事:ウクライナ軍が久々にTB2の攻撃シーンを公開、ヘルソンの反撃にTB2を投入か

 

※アイキャッチ画像の出典:Головнокомандувач ЗС України

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コメント

    • 伸縮性のあるボクサー型のスパッツに近い装甲車
    • 2022年 9月 03日

    「なんぼ破壊した」より「ドローンが自由に攻撃できる状況」にあるというのが重要だなぁ、そうに決まってる

    ヘルソンでもパンツィーリ破壊されたって情報もあるしやっぱり制空権はJOJOにウクライナ側に傾いてるんですかね?

    ドローンだけじゃなく攻撃ヘリも活躍してもらいたいですね
    アパッチがあればなぁ…(無茶振り)

    30
      • ミリオタの猫
      • 2022年 9月 03日

      いや、ここはAH-64じゃなくて「A-10が有ればなあ…」ですよ♪(超・無茶振り)
      とは言え、TB2が着実に戦果を挙げられる様になった事で、ウクライナ側が航空戦力を活用出来る情況になったのは朗報だと思います。
      この後の泥濘期や冬の戦闘を乗り切る為にも、ウクライナ軍の戦闘用ドローンはロシア軍の戦力削りに必要な装備ですから。

      21
      • G
      • 2022年 9月 03日

      ウクライナがクリミア大橋攻撃を示唆したことによってロシアは該当地域へ防空戦力を集中させましたからね
      該当地域以外の防空戦力が弱体化し、弱体化した防空戦力ではHIMARSやAGM-88HARMの攻撃を防ぎきれず、その攻撃によってさらに防空戦力が弱体化するという循環に入った結果、TB2が飛べる空域ができたのでしょう

      ただ逆に考えますとクリミア大橋など要所はまだロシア軍が制空権を握り続けている、つまり全体的にウクライナが制空権を握りだしたというよりは地域格差が大きくなったものと思われますので、ロシアがイラン製ドローンを本格的に運用開始した場合、同じことがウクライナ側にも起こる可能性があると考えられます

      (アメリカ筋の情報によると、ロシアは数日前から訓練を終えた兵によるイラン製ドローンの運用を開始しようとしたものの、不具合が多発してまだ本格使用には至っていないとのこと)

      8
    • 名無し
    • 2022年 9月 03日

    ウクライナ空軍も潰せてないし、装備にまさるはずのロシア軍はなんで制空権とれてないんだ……?
    バイラクタルTB2なんて対空さえちゃんとしてれば何とでもなるだろう。

    6
      • ミリ猫
      • 2022年 9月 03日

      釣られるのを覚悟でリプライすると、
      すでに5月の時点で制空権が取れないロシアについてその理由が考察されています。

      リンク
      練度不足と機材の信頼性の欠如が、2つの大きな理由として挙げられていますね。

      リンク
      こちらは6月の記事ですが、時代遅れの作戦も指摘されています。

      12
      • K(大文字)
      • 2022年 9月 03日

      なぜロシアが航空優勢を取れていないかと言えば、ウクライナの防空網を潰せていないから。
      なぜウクライナの防空網を潰せなかったかと言えば、緒戦の不手際が響いているから。
      そもそもその能力が無かったのか、キーウでの斬首作戦の成功を確信していたがゆえの舐めプかは分かりませんが、開戦直後に一気呵成にウクライナのSAMや航空基地を撃破出来なかった。
      で、もたついている間にNATOによる支援で「索敵はNATO軍機が担当、ウクライナSAMは最終誘導のみ」のメソッドが確立し、MANPADS供与も併せウクライナ防空網の生残性が格段に向上。
      これ以降、両軍とも航空優勢を取れない膠着状態が続いていたのが、昨今の対レーダーミサイル供与でウクライナ優位にバランスが変わりつつあるのではないかと。

      57
      • 名無し
      • 2022年 9月 04日

      ドンパスと違ってヘルソンは、ポーランド上空で遊曳するAWACSの「視界内」だからではないでしょうか。

    • タイヤキ
    • 2022年 9月 03日

    戦車は、数は最大数見積もっても一万二千下回っているでしょうし、戦車八台でも、畑からとれる兵士よりはロシアの侵略する力を削るからよい。

    5
    • AH-X
    • 2022年 9月 03日

    榴弾砲一門3万ドル!

    400万円くらいかな。俺にも買える!!!

    6
    • zerotester
    • 2022年 9月 03日

    これまでTB2は燃料輸送車の破壊など後方攪乱に主に使われていたと思いますが、戦車をまとまった数破壊しているということは、前線での近接航空支援に使われているのでしょうか。だとしたらロシア側の防空網が弱っているというのはマジなのですね。
    ただTB2は搭載量が少ないです。アメリカが戦闘機の供給を検討しているという噂はあり、JDAMを満載したF-16で近接航空支援ができるようになればウクライナの勝ちが一気に近づきそうです。むしろそれくらいやらないと膠着からなかなか抜けられないでしょう。

    6
    • 黒丸
    • 2022年 9月 03日

    対レーダーミサイルの成果はものすごいな。
    これが有るか無いかで、取れる戦術に大きな差が出る。
    日本も早く装備すべきかと

    4
      • ミリオタの猫
      • 2022年 9月 03日

      米空軍・第35戦闘航空団(垂直尾翼に書かれてあるテイルコードが「WW」、これはこの部隊がワイルドウィーゼル=SEAD任務を本業としている事から来る称号)「何故、我々が三沢に配備されているのか、考えた事はあるのかな?」

      20
        • 戦略眼
        • 2022年 9月 04日

        戦闘機でかくれんぼするためです。

        2
    • えるどあん
    • 2022年 9月 03日

    開戦前は不謹慎ながら、制空権を瞬く間に掌握する本気のロシア空軍が見れると思ってたのに、
    蓋を開けたらごらんの有様だよ。

    11
      • 無題
      • 2022年 9月 03日

      米軍と比べると電撃戦とやらは致命的に詰めが甘かったな
      物量も足りなければ技量も足りなかった

      19
    • h4
    • 2022年 9月 03日

    A-10供与説もあったけど、仮にこれが本当に実施されていた場合ゲームチェンジャーどころではなかった可能性

    1
    • 感謝します
    • 2022年 9月 03日

    ロシア空軍は電撃戦なのにウクライナ軍の防空システムを潰しきれなかったけど、SEADを完璧にこなせるアメリカ空軍はすごいな

    12
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