ウクライナ戦況

ウクライナメディアによる2023年の総括、政府は困難な現状を認められない

ウクライナメディアのRBC Ukraineは2023年の戦いを総括する記事の中で「政治家も軍も厳しい状況を認識しているにも関わらず『戦争に必要な厳しい措置』を国民に伝える準備が出来ていない」「誰もが貴重な時間を浪費しながら困難な決定を先送りし続けている」と指摘した。

参考:Между плохими и сложными решениями: почему у Украины нет права на ошибку в 2024 году

政府と世論の評価がかけ離れている「反攻作戦の評価」を一致させることから始めなければならないのかもしれない

2022年末のウクライナは停電寸前に追い込まれ、当時は西側製の戦車や戦闘機の提供も決まっておらず、武器の引き渡しペースも芳しくなく、前線ではロシア軍がソレダルやバフムートに迫っていた。しかしハルキウやヘルソンでの「勝利の記憶」が残っていたため、まだ状況を楽観視する余地が残されていた。

出典:MilitaryLand.net

2023年に入って武器の引き渡しに進展が見られ、防空能力も強化され、大規模な攻勢が発表されると勝利への期待は否応なしに高まり、政治家も軍上層部も来るべき攻勢について「夏にはクリミアに入ってヤルタの海岸を散歩する」「年末までにウクライナ軍が1991年当時の国境に到達する」という夢を抱いていた。期待に胸を膨らませた政治家達は「未確定の勝利」を信じたため、ペチェルスク(キーウの中心地)には政治闘争が戻り、前線から遠く離れた街にも気楽な生活が戻り、国内ニュースの増加が前線から届くニュースを覆い隠してしまったのだ。

そのため軍や兵士は「戦争に対する民間人の無関心」を訴えたが、我々は「真の敵」が誰なのかを忘れて互いに敵意を向け合い、自分達の中から「よそ者」を探すことにした。結局のところ「戦争が長期戦になる」という軍の言葉を我々は理解しておらず、前線からもたらされるニュースも「期待された結果」とはかけ離れたもので「砲弾不足」に加えて「人的資源の不足」も目立つようになった。軍は旅団の定数を満たすのが困難になり、前線での損失を埋めるための兵士は居なくなってしまった。

出典:Сухопутні війська ЗС України

もはや軍事委員会の事務所から「入隊を希望する人々の列」は消えてしまい、予定されていた動員計画(損失をカバーするための人的供給)の行き詰まりは軍を悩ませ、SNS上には「強引な召喚」「軍服を着た人間による民間人(動員対象者)への殴打」など動員へのモチベーションを下げるエピソードが溢れており、全ての軍事委員長の解任するという「シンプルな解決策」も効果的ではなかったことが判明(法律に基づく召喚に精通した人間がいなくなって動員計画の行き詰まりが酷くなった)している。

さらに大統領府と軍は新たな動員ルールや復員条件について意見の相違が存在し、ゼレンスキー大統領は「軍が50万人の追加動員を要求している」と発表したものの、ザルジニー総司令官は「動員に関する数字を敵に教えたなくない」「軍は民間人の生活に干渉する権限がない」「動員に関する決定は政府の権限だ」と述べて大統領の発言を否定、大統領府はスキャンダルな動員に関する法案を議会に提出したが「動員が必要」という以外の說明を国民は受け取っていない。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

政治家も軍も「前線の状況が厳しい」と認識しているにも関わらず「戦争に必要な厳しい措置を国民に伝える準備が出来ていない」というのが現実で、ウクライナの政治家にとって「困難な時期に責任をとる」というのは極めて人気がなく、誰もが貴重な時間を浪費しながら困難な決定を先送りし続けている。

2024年が不愉快な問題をウクライナにもたらすのは確実で、その答えが国家と民族の将来を左右するだろう。

我々は戦争に勝ち抜くため「権利や自由の一部を犠牲にする覚悟」が出来ているのだろうか? 政治家はポピュリストであることを止めて責任を転嫁することなく「難しい決断」を下せるのだろうか? 2年も戦い続けている兵士を交代させるため「新たな動員」に応じてくれる人はいるのだろうか?我々の社会は戦争で心理的に傷ついた若者を受け入れ、必要な治療や真っ当な人生を送るチャンスを与えることが出来るのだろうか?ウクライナ人は諦めることなく「未来のために戦う国」として世界の模範であり続けられるのだろうか?

出典:Photo By Chad J. McNeeley, DOD

正しい解決策を模索する中で「問題の原因」を腐敗した役人のせいにしたり、海外に逃亡した男性の臆病さを非難したり、優柔不断な欧米のパートナーを非難したりすることはできない。肝心なのは真の敵が誰なのか、敵の勝利が我が国の何を脅かすのかを忘れないことだ。

深刻な病気の治療は「診断を受け入れることから始まる」と言われており、ウクライナの社会は「病気の原因」について議論するのを止め、一刻も早い回復のため積極的な治療を開始する時期が来ているのだ。これを誰も私たちのためにやってくれないのだから。

以上がRBC Ukraineの指摘した興味深い部分の要約(原文はもっと多くの事に触れている)で、誰もが「どうして追加動員が必要なのか」を薄々感づいているものの、政府や軍が「厳しい措置」の導入理由を說明するには「大きな人的損失を被っている」と認める必要があり、国民に「侵攻当初の動員に応じた人々だけに戦いの責任を押し付けるな」と迫らなければならない。

出典:Сухопутні війська ЗС України

この様な状況に陥ったのはウクライナ社会にも責任があり、Ukrainska Pravda紙は2023年の戦いを総括する記事の中で「世界第二位の軍隊を嘲笑することは国民の士気を高める役割を果たしたが、2023年までに敵を馬鹿にするやり方はメリットよりもデメリットの方が多くなっていた」「ロシア人は自らの過ちから学んだのに対し、ウクライナ人はロシアへの憎しみが愛国心の公的な指標になった」と指摘。

そして「我々はロシア人を嘲笑し、ロシア人を軽蔑し、ロシア軍を無能で馬鹿な集団として描かなければ『敵に同調している』と疑われる理由になったため、多くのウクライナ人には哀れでろくでなしの話が延々と与え続けられ、最終的に不愉快な発見が次々と降りかかった。ロシア軍は前線の要塞化に成功し、ロシア軍は我々よりも多くのドローンを保有し、ロシアは国内の軍事生産を確立し、これを我々が見習う立場にあることを、、、侮辱の対象であったロシア人への評価を『見習うべき対象』に変更するには多くの痛みが伴う」と書いている。

つまり政治家や軍が「前線の状況が厳しい理由」を率直に語り、それを国民が受け入れて「ゼレンスキー大統領の方針(全ての領土を解放するまで戦い続ける)」を支持した場合にのみ「人的資源の不足」は解消されるが、何も語らずに追加動員を強行すれば国内に深刻な亀裂が生じるだろう。

出典:110 окрема механізована бригада імені генерал-хорунжого Марка Безручка 第110機械化旅団の兵士に勲章を授与するゼレンスキー大統領

因みにRBC Ukraineは2023年の戦いについて「ウクライナ人は大きな期待を寄せていたが勝利の年でなければ、軍事的に大きな成功を収めた年でもなく、ウクライナは戦場で意味のある進歩を遂げることが出来なかった。我が国と西側諸国が期待を寄せた反攻作戦は十数の集落を解放しただけで終わった」と指摘しており、政府と世論の評価がかけ離れている「反攻作戦の評価」を一致させることから始めなければならないのかもしれない。

関連記事:ウクライナメディアによる2023年の総括、自分達で作り出した罠に嵌った
関連記事:ウクライナメディア、ロシア軍が攻勢に出たため要塞強化に賭けるしかない
関連記事:ウクライナメディアもドニエプル川左岸の作戦を批判、作戦状況は絶望的

 

※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

石川県で地震、自衛隊が状況把握のためP-1、P-3C、SH-60K、UH-1を派遣前のページ

Economist紙、ロシアとの戦争継続にはウクライナの追加動員が不可欠次のページ

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コメント

    • 折口
    • 2024年 1月 02日

    国民にとって気の進まないが不可避な事を政治がちゃんと国民に説明をしてさえいれば、今の問題がここまでこじれる前に解決できていたのに…というのは日本政治において常々思うことですが、戦時下のウクライナでは政治と国民の間のコンセンサスは尚の事重要でしょうね。政治が決断や政策変更から逃げて現状維持を好み始めた国に将来はありません。ウクライナの軍がどれだけ弱ってもウクライナという国が完全消滅することはないでしょうが、ウクライナの政治が弱れば国家の消滅もあり得ます。今年以降のウクライナには明るい時代が待っていてほしいです。

    23
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2024年 1月 02日

    やっぱり現実とのすり合わせをしないと追加動員の理解を得るのは難しいのでしょうね
    戦時体制なので強引に動員法案を通して問答無用で追加動員をすることはできるのでしょうけど、下手するとデモやクーデターが起こる可能性を考えないよいけないでしょうし
    ゼレンスキー大統領自身は対外的なアピール込みで「100万機のドローンを生産して攻撃する」と演説していましたが、ドローン操縦士やカバーする部隊などの育成をどうするのかという問題を解決する必要があります

    何をするにしても、ヒト・モノ・カネが必要で、どれも問題を抱えているというのは厳しいを通り越して無理なのではと思ってしまいます

    26
    • たむごん
    • 2024年 1月 02日

    ロシアのやり方は、過去の使えるものを使う、強み(軍事資源の蓄積)を押し付けるやり方です。
    旧式兵器を馬鹿にする論調はありましたが、無誘導爆弾を滑空誘導爆弾キットを付けて誘導爆弾に、旧式戦車を復活させて活用して、古い塹壕掘削車・地雷なども活用しています。

    メルカバ(最新戦車)でも、ハマスの軽装備に破壊されるわけですから、旧式戦車も使い方によっては十分な役割を果たせるわけです。
    社会人として、現場で働いた経験があれば、『使えるのものは使う』『量が重要』という考え方も理解できると思います。

    日本は、正月に能登半島地震が発生しており、甚大な被害が発生しています。
    日本は、被災地復興に莫大な費用が発生するのですが、他国も内政の状況によっては、ウクライナへの喜捨を続けられるとは限りません。

    台湾の蔡英文総統は、トップリーダー自ら災害のたびにお悔やみのtweetを毎回投稿しており、文化・経済・人的な深く長い交流を感じます。

    29
      • hoge
      • 2024年 1月 02日

      メルカバはMK.Ⅳですら20年選手なので実は特に新しくないし、破壊された=修理不能、人員喪失ともかぎらないから、その指摘は的外れ。
      一番やってはいけないことは具体的な数字を見ていないのにお気持ち表明でわかった気になること。

        • たむごん
        • 2024年 1月 02日

        メルカバMk.4も、アクティブ防護システムや射撃管制システムなどが改善していて、単純な製造開始年が20年経ってても装備は別物、『具体的な中身を見ずに分かった気になるの』はよくないですよね。
        Mk.4は、実戦経験・アプデ・装甲圧なんかを考えても、西側の最新戦車より信頼性があると言っても問題ないと思うけど(Mk.4 Barakの配備も最近)。

        自分は、破壊されたから修理不能・人員喪失とは、どこにも書いていないけど…
        車輛回収車で、回収するのは、制圧している地区なら普通の話でしょう。
        >…破壊された=修理不能、人員喪失ともかぎらないから…

        F16なんかも分かりやすいですが、火器管制装置・レーダー・通信機器などの中身を変えるだけで、戦闘能力は大きく変わります。
        具体的な装備を見ずに、カタログスペックだけ(製造開始がいつなのかだけ)で分かった気になるのも、たしかに注意した方がいいのかもしれないよね…

        8
        • たむごん
        • 2024年 1月 02日

        最新戦車に幻想があるのかしれないのですが…
        最新戦車でも、トップアタック・後方など、装甲が薄い部分を攻撃されれば、FPVドローンなどで破壊されますよ。

        ウクライナ戦争での戦訓なので、補足しときますね。

        5
    • 匿名さん
    • 2024年 1月 02日

    連日の懺悔記事ですが、勝ち目がなくなった段階で、
    政治家のやるべきことは、追加動員ではなく停戦交渉でしょう。
    アルメニアのパシニャンが、いいお手本です。

    ウクライナの諸問題の根っこは、結局のところ、現状を認めたがらないゼレンスキーに起因していると思います。

    完璧な人間はいません。
    誰にも強い部分も弱い部分もあることを、認めることです。
    そのことに、ロシアと比べる必要などありません。

    その内部の問題を解決した先に、
    ウクライナの等身大の未来が見えてくることを願います。

    34
      • TKT
      • 2024年 1月 02日

      アルメニアもそうですが、グルジアとロシアの南オセチア紛争という先例もあるわけです。

      グルジアはアメリカの支援を受けて南オセチアに侵攻しましたが、ロシア軍の徹底的な反撃を受けて退却し、ミハイル・サーカシビリ大統領はロシアとの停戦に応じました。

      その後、ロシア軍はグルジア本土に侵攻するわけでもなく、ミハイル・サーカシビリは大統領を辞任して、ウクライナに行き、ウクライナ人になったり、またウクライナ国籍を剥奪されたりしましたが、今はウクライナからグルジア、あるいはジョージアに戻って、病院に入院して詳しいことはよくわかりませんが死にそうになっています。いずれにしてもグルジアはロシアと停戦できたのです。

      16
      • ahoge
      • 2024年 1月 02日

      現実的な軍事のコストが説明されれば、自然と厭戦気分が高まり世論もまた停戦に向かうだろうな
      事ここに至ってもまだウクライナ国民の八割が「継戦すべき」と回答した調査結果をどこかで見たが、これは寧ろゼレンスキーが説明責任を放棄した証左だと考えている

      4
    • paxai
    • 2024年 1月 02日

    私が気になるのはウクライナって驚くほど人口が減ってしまったんじゃ?って点です。
    IMFが22年3485万 23年3195万と推計した。また2800万人説もある。半年で2万人逃げたとか直近だと6000人/日が出国してるなんて記事もあるので減少が今も続いてるのは違いない。だが不法出国なので正確な人数は政府も把握してないのだろう。
    動員問題の本質は 心理<算数 ではなかろうかと。
    それと路上で検問して動員するのは経済&生産的に良くないと思う。男性が出社拒否してるなんて話が出回ってますし。
    数少ない人口から高い戦争能力を引き出さないといけないってのがウクライナの辛い所だ。

    17
      • 琥珀
      • 2024年 1月 02日

      ロシアの侵攻前からずっと人口流出は続いてましたしね。
      国外の流れたり、徴兵逃れで不法に国境から逃げたり、戦死者何かでかなり減ってるでしょうけど、その戦死者の数を公表してないですしね。

      ただ既にギリギリの徴兵なのに更に徴兵すると労働人口が壊滅するでしょうし、徴兵したらしたでそのための金が無いって問題があるような?
      今の軍を維持するのでかなりのお金必要なのに、それ以上となると……正直ウクライナ軍が自壊しそうに思えてならないんですよね。

      4
    • 分析
    • 2024年 1月 02日

    平和な時代は虚構でも誤魔化せますが、有事になると結局は今持っている力の備蓄量が物を言うんですね…
    人口も平時には減少しててもまあ何とかなりますが、戦争になったら途端に数が力そのものになります。
    有事には持つものが強く、持たざるものは弱い…

    20
    • nmb
    • 2024年 1月 02日

    ウクライナ側も本格的に今までのプロパガンダ路線を悔い改める段階に入ってきましたね。
    タルナフスキーはBBCのインタビューでロシア軍を「世界最強の軍隊」と評価しています。現ウクライナトップ層の一人がここまで認めるのは他に例がないように思います。辞任候補の一人に上がっているというニュースが以前出ていたこともあり、半ば捨て身の気持ちでいるのかもしれませんが。

    このインタビューでのタルナフスキーもそうですが、これまでのプロパガンダ先行を見直す段階に至っても、「ロシア軍が莫大な損失を被っている」言説は絶対に崩さないようです。
    「プーチンがウクライナ全土制圧、果てはヨーロッパ支配を企てている」という言説も不動のものであるようなので、前者と合わせて「ロシア軍は途方もない損害を被り、プーチンのウクライナ全土制圧の野望も叶わなかった」というストーリーで西側が仮初めの精神的勝利を得た上で停戦に向かわせようとしていることがよく分かります。

    29
      • 分析
      • 2024年 1月 02日

      まあ各国政府としても、西側主導の世界秩序構築失敗までは認められても、専制主義に民主主義が負けたとなると色々と問題が出てくるので…
      「ロシアに莫大な損害が出たのでウクライナは負けたかもしれないが実質西側の勝利」という精神的勝利で軟着陸させるのが妥当だと思います。
      そこで妥協しないと停戦するものも出来なくなって犠牲になるのはウクライナ国民ですから…

      14
        • 歴史と貧困
        • 2024年 1月 02日

        >専制主義に民主主義が負けたとなると色々と問題が出てくるので…
        しかし、自分達の失敗と負けを認められないなら、ゼレンスキー政権と同じです。「色々と問題が出てくるので」を理由に停戦を拒否しているのが今のゼレンスキーであり、それを倣うなら、ウクライナ支援国はウクライナの後を追うことになります。

        軟着陸という言い訳の道を選んでしまえば、「貴重な時間を浪費しながら困難な決定を先送りし続けている」だけであるという、この記事の要旨がそのまま刺さるかと。

        29
    • ポンポコ
    • 2024年 1月 02日

    新年おめでとうございます。 
    この記事を見て、個人的に思ったことです。
     
    ・こういう記事はあるが、ウクライナは情報はかなり統制されている。

    例えばテレビはどのチャンネルも24時間ずっと大本営発表とゼレンスキー賛美だけである。だから、ネットなどで強いて違う情報を捜すような人でなければ、戦況の実態を勘違いしている人も多い。

    つまり、
    (戦況を正しくつかんでいる人は多くないのではないか)

    ・ウクライナは地域差が大きい。

    ロシア系やロシア語の多い東部、中間の中央部(キエフなど)、民族主義の激しい西部に別れている。西部の民族主義は、第一次大戦の頃からも激しく、ロシア系やハンガリー系や所謂ジプシーなどへの弾圧や、アゾフなどの思想の基になっている。言葉も少し違っていて、最近では短期間のうちに、キエフなどで日常的な単語が西部の単語に変わってきている。

    つまり、
    (地域により、この戦争に対する考えに差が大きい)

    ・ウクライナは富裕層や支配層と、一般人の差が大きい。
     
    例えば、ウメロフ国防相の子供たちは、戦争に関係することなく、自由に国外を行き来している。ゼレンスキー大統領の叔母がエジプトで超高額の不動産を購入したという報道がエジプトではあった。一般に国会議員や高官や財閥(ロシア系は除く)の子弟らは動員されたり前線には行っていないようだ。

    ・ウクライナ兵や将校は、意外に粘り強い。ウクライナ人やロシア人は軍隊組織に適しているのかも。(個人的な超独断的な感想です)

    21
    • lang
    • 2024年 1月 02日

    民主主義国()でも独裁国家風の運営をするところもありますが

    そんな調子で本当の独裁国家に勝てるわけでもなく・・・・

    2
      • nanashi
      • 2024年 1月 02日

      ロシアって別に外国のメディアの視聴を禁止してませんし、ネットの検閲も思ったほど厳しくないんですよね。
      民間レベルでも少しでもウクライナ不利な情報を語ると、親露派認定して袋叩きにしていた西側より、ロシアのブロガーやSNSでの情報発信の方がよっぽど客観的でためになる情報を流してました。
      振り返ってみると、どちらが民主主義でどちらが独裁国家か分からなくなる戦争でしたね。

      27
        • ( ゚Д゚)
        • 2024年 1月 02日

        プーチンって独裁者にしては優しい方ですよね。
        何せ逆らわない限りは消されないのですから。
        歴史上の独裁者ってスターリンや金王朝みたく
        別に逆らってもいないのに些細なことで謀反を
        疑われて粛清されるケースの多いこと多いこと。

        26
      • のむら
      • 2024年 1月 02日

      ロシアはプーチン時代に発展し、ありとあらゆる問題が解消された国です。
      そこに国民からの強固な支持があるのを無視して、内乱だの反プーチンだの不治の病でご乱心だのと期待をした人たちは今どんな思いなんでしょうかね。

      開発独裁の状態なので、国が回っている(しかもロシアの場合、貧困エリアはソ連時代以上に支援されている)以上、
      普通に選挙やってもプーチンが負ける状況ではないです。

      ゼレンスキーはウクライナで強固な基盤や資本を持っていなかった中で腐敗や政争にうんざりの国民人気で大統領まで上り詰めましたが、政治的な実績は皆無に等しいのでうまく回らなくなった時点で一気に難しい立場に追い込まれます。

      20
        • ahoge
        • 2024年 1月 02日

        必要は発明の母で、禁輸措置のおかげで教育や研究開発への投資まで加速してるからな
        公共投資における腐敗や不平等を是正する奇貨になったんじゃないかと予想している
        (つまりにロシアを強くするだけで逆効果だった)

        14
        • リック
        • 2024年 1月 02日

        昨今ディズニー100周年作品「ウィッシュ」に出てくるヴィラン「マグニフィコ王」が「ヴィランと呼ばれるような事はしていない」と話題になっており、作品自体の非常に評判が悪いようなんですが
        私はディズニーサイドが、プーチンをモチーフにマグニフィコ王を造形したのではないかと思っております。

        このマグニフィコ王というのは非常に献身的な人物でして、統治する国を理想郷にするべく国益に沿った判断を行い国を発展させていくんですが
        かつて故郷が滅ぼされた経験がどうしても頭をよぎりどんどん理性の歯止めが効かなくなっていってしまいます。

        まさに西側から見たプーチン像そのものではありませんか

        で、最後に主人公に打倒されてしまうんですけども
        私は「王1人の意思で「国益とは何か」が決まってしまうような国は、たとえその結果国が発展したとしても不健全である」というメッセージを感じました。

        専制主義に対して民主主義の優越性が強調される昨今、まあありがちなメッセージだよなとは感じましたが
        これでバッシングされているのですから、みんなマグニフィコ王みたいな有能な独裁者に憧れているのですねとも思いました

        11
      • ケン
      • 2024年 1月 02日

      戦線が安定しつつあるにも関わらず、いつまでも選挙を実施しないゼレンスキー政権のほうが、出来レースとはいえ大統領選挙を実施するプーチン政権よりもよっぽど独裁国家体制と化しているように思えます。
      ボグダン氏がゼレンスキー大統領の記者会見を反体制メディアの締め出しや質問の検閲を通じて統制を強め、問題と向き合っていないと批判していましたが、今回のRBC Ukraineの報道を見ると合点がいきます。このRBC Ukraineの記事も要するに正しい情報を提供しようとしない政権批判なのでしょうが、直接的に批判すると政府から介入されかねないので、ぼやかした表現に留めているように見受けられます。

      15
    • baka
    • 2024年 1月 02日

    あけましておめでとうございます。管理人様や皆さま今年も宜しくお願いします。

    ウクライナメディアも本当の事を国民に伝えるようになれば停戦もそれだけ早まるかもしれません
    良い、ニュースだと思います。ロシアは元共産圏で情報操作はしてるでしょうが
    ロシア国民がこの戦争に興味を示さないように自分をコントロールように見えますので
    国民を動かしてのロシア側からの停戦は、難しいと自分は思ってましたので

    • ym
    • 2024年 1月 02日

    国力の差を考えたら
    どう足掻いても沖縄でなんとかなる訳ないわ

    今のウクライナも日本に置き換えたら
    ハルノートで妥協しとけって話

    19
    • 匿名11号
    • 2024年 1月 02日

    ハルノートに倣うなら、ロシアはウクライナから全面撤兵すべきですけどね

    1
      • ym
      • 2024年 1月 02日

      アメリカはロシアと
      全面戦争の覚悟は無いんだから
      「撤退しなさい」と無意味な遺憾砲を
      飛ばすのが先の山でしょう

      ゼレンスキーはEUだけにしとけば良い物を
      跳ねっ返りのナショナリストに迎合して
      ロシアのレッドラインを超えたのが悪手でした

      21
    • nimo
    • 2024年 1月 02日

    ノルド・ストリームもポーランド領へのミサイル落下も現在の苦戦も
    見え透いた嘘になってきても認められない傾向が顕著に感じられます
    あとEUを戦争に引きずり込もうとしたり過剰な挑発を繰り返したりで
    巧妙にやっているのならともかく幼稚で短絡的な方に向かっています

    8
    • 無名
    • 2024年 1月 02日

    間違いや失敗を認めると誰かが責任を取らないといけなくなりますからね…。
    そうなると楽観主義や希望的観測で自分や周りを騙したくもなるというか。

    • (ー云ー)キリッ
    • 2024年 1月 03日

    2023年のウクライナ社会の失敗は日本社会も他山の石として理解する必要がありますね。
    最近は,中国人民解放軍のヘマを論う論調の記事・動画が見受けられますが、それでも予算と数量は力ですから、侮ることに一利もないと理解しています。
    日本の敵対国はまだ滅亡していないのですから、馬鹿にして舌なめずりで調子に乗るのは三流以下ということに相成るのではないでしょうか。
    いま安心でないと怖くてションベン漏らしちゃう人達には違うのかもしれませんが。
    台湾・尖閣・沖縄を控えている日本国民としては、ウクライナの軽挙妄動を他山の石として(以下略繰り返し略々

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  4. 軍事的雑学

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  5. 中国関連

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