ウクライナ軍は8日、ドニエプル川によって隔てられたヘルソン州の北岸地域と南岸地域を結ぶ「アントノフスキー橋」とノーバ・カホフカにある「水力発電所」を攻撃したと発表した。
参考:ВСУ ударили по Антоновскому и Каховскому мостам
24時間の車輌通行が可能だった水力発電所が損傷していればロシア軍の補給にとって致命傷になるだろう
ヘルソン州はドニエプル川によって北岸地域と南岸地域に隔てられており、ロシア軍の輸送車輌がドニエプル川を渡れるポイントはヘルソンの郊外に接続するアントノフスキー橋、ヘルソンから約50km離れたノーバ・カホフカにある水力発電所の2ヶ所だけで鉄道橋を含めても計3ヶ所しかない。
HIMARSを手に入れたはウクライナ軍はアントノフスキー橋と水力発電所に何度か攻撃を行い、ロシア軍占領下のヘンソン州当局が復旧作業が進めていたが、ウクライナ軍は8日にHIMARSで攻撃を行い「2つの目標に命中した」と発表、アントノフスキー橋への攻撃は視覚的にも命中していることが確認されている。
水力発電所への攻撃は今のところ視覚的に確認されていないが、24時間の車輌通行が可能だった水力発電所が損傷していればロシア軍の補給にとって致命傷になるだろう。

出典:Telegram経由 アントノフスキー橋に命中したHIMARSの攻撃
果たしてヘルソン州の北岸地域に展開するロシア軍部隊は、どこまでHIMARSによる補給妨害に耐えられるのだろうか?
因みに米国はまもなく過去最大のウクライナ支援パッケージ(10億ドル相当)を発表予定で、ゼレンスキー大統領も国民に向けて「もうすぐ良い知らせが届く」と述べており、何かしらのサプライズ(ATACMSの提供など)を期待してしまう。
追記:修復作業中だったアントノフスキー橋の通行再開は今週末に予定されていたが、今回の攻撃を受けてロシア軍は橋の通行再開を延期したらしい。
関連記事:ウクライナ軍、HIMARSでメリトポリとアントノフスキー橋を再び攻撃
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※アイキャッチ画像の出典:Public domain
橋攻撃の後、こっちはどうするのかと思ってたけどちゃんと攻撃したんだな
総じて頑丈に作られるダムの堰体にどこまでダメージを与えられるものなのか興味深いところ
穴を見た目だけ塞ぐというなんちゃって修繕を繰り返した橋って
直ってるからヨシ!で装輪装甲車とか、重量トレーラーとか通したらやばいって考えないんだろうな
ロシアが南部大増派中とのことだから
ウクライナは
未来のドニエプル川以東の奪還より
より現実的なドニエプル川以西の奪還を決めたのかな
ヘルソン取り戻さないとオデーサも危ういからね
ドニエプル川以東の奪還はザポリージャ周辺から南下するウクライナ軍が合流するのを待っているのではないかと思います。
それまでに西岸を奪還するのを優先するのは理にかなっています。
ダム自体破壊しようとしてるのか?
上流含め被害が深刻になりそうだがこの戦争だとなぁ
このダムはたしかクリミア半島の水源でもあるから、ロシア軍と言えども破壊して撤退するわけにはいかないのですよね。
ウクライナ軍がどの程度の加減で破壊するつもりなのか、注目したいところです。
ダムの攻撃でクリミア半島の水源が汚染されるのは、ロシアにとっても困りますよね。
いい作戦かもしれません。但し、ロシアが住民の事を考えていればの話ですが。
たしか現在(ウロ戦争直前)のクリミア半島の水源はロシアから引いているが慢性的に水不足だったような。
ダム構造自体は頑丈ですから、そう簡単には破壊できませんね。破壊しようとしてるのはダム上の車道でしょう。
以前掲載された弾痕の画像を見ると、ダム構造と道路面の間にボックス状の空間があるようです。単純に嵩上げなのか、点検通路なのか、はたまた配管等のスペースなのが分かりませんが、そういう構造みたいですね。
頑張ってレーダーリフレクタやらGPSジャマーやら案山子のように設置してたのに、残念だったな。
橋のような移動しない固定目標であれば、距離や方角を正確に測定すれば、別にGPS誘導でなくても、いずれ砲弾が命中する可能性はあるでしょう。必ずしも一回で命中させる必要もありません。外れても、距離や方向を修正していけば、いずれ当たるはずです。
ただ渡し船の方は、砲弾が発射された後に川の中を左右に動くこともできます。また砲弾が命中して破壊されても代わりの船を浮かべるのは簡単です。一度にたくさん浮かべることもできます。
橋の修理は、普通に考えてまあできるでしょう。
固定された橋と流れのある川を渡る即席の渡し船じゃ効率が全く違うし(映像も出てたが)、橋が破壊されているような河川で安全に物資の積み下ろしができるとでも?船着き場はそれ自体が物資集積所になるんですよ?
橋の修理は、できるでしょうね。
で、あと何回同じこと繰り返すんですかね?ヘルソン空港といい蛇島といい、ロシア軍はリスキルされるのが好きみたいですが。
ヘルソンに展開してる兵力が10万オーバーとかのレベルなら橋がないと補給が追いつかないだろうけどね。
あそこにいるのは25BTG程度で2万~3万位でしょ。
どれくらいの物資が必要か素人なりに計算してみると。
ソビエト軍 自動車化狙撃師団(1980年代; 機械化歩兵に相当)
兵員13,498名、戦車266両、装甲車481両、火砲148門、非装甲車両2,500両を備え、一日の平均補給所要量は1,177トンとされていた。(wikより)
この倍くらいの約2400トン必要ということになる。
ロシア軍のウラル輸送トラックの積載量が6トンだから2400÷6=400台
渡し舟に載せるのが10台だとしたら1日に40回の往復。
船が4台なら1日10回。
敵前渡河じゃないんだし余裕かな。
船着き場と言ってもトラックはそのまま走っていくし10台降りるのに5分もあれば可能。
ゲーム脳かな?
トラックが走ってきたらちょうどタイミングよく荷を渡し終えた船が帰ってきて、船着き場に溜まることなくタイムラグ5分で乗せて行き来できるって?HIMARS対策で物資集積所を前線から100km後方に下げざるをえなくなったロシアが何でそこだけシームレスに行き来できると思えるのかほんとに謎。
しかも橋壊されてるって言ってるのに「敵前渡河じゃない」って笑
おまけにヘルソンからメリトポリにかけて何回サボタージュや破壊工作食らってるんですか?渡河地点はなぜかパルチザンに見つけられずにHIMARSも攻撃しないのかな?
頑張って計算してくれたところ申し訳ないですが、一番肝心なところがガバガバ手前味噌なんです。
2日前に、ロシア軍がヘルソン州北部に2.5万人の部隊を送り込んだという情報が流れていました。現在ロシア軍にとって唯一の車輛交通手段となっている発電所道路が狙われたということは、ウクライナ軍はロシア軍を右岸と左岸に分断したいということでしょうか。
ウクライナ軍による本格的な反攻作戦が近いということかもしれませんね。
ATACMSの提供は期待したいところ。
もし提供が実現すれば、南西方面に増派したロシア軍は、文字通り餌箱の中に飛び込んだも同然。
クリミア大橋、メリトポリの頭を抑えてしまえば、南西方面は完全に孤立する