ルハーンシク州の完全制圧を狙うロシア軍はリシチャンシク周辺に持てる戦力を全て投入するなど戦いは激しくなる一方だが、ウクライナ軍もリシチャンシクの南で反撃に出てロシア軍に奪われた拠点を奪い返した。
ゾロテでロシア軍の捕虜になったウクライナ軍兵士の数は限定的、但しセベロドネツクの戦いでエリート部隊のコア要員を多数失う
ロシア軍はBila Horaを制圧することにリシチャンシクの門前に到達したが、ウクライナ軍もMykolaivkaを奪還してリシチャンシクの背後に回り込もうとするロシア軍を押し戻すことに成功した。
ロシア国防省はゾロテ周辺の包囲網に第24独立機械化旅団の第3大隊、第128山岳強襲旅団の第15大隊、第57独立自動車化歩兵旅団の第42大隊と砲兵部隊、第101領土防衛旅団の第70大隊、過激派グループ、外国人傭兵グループが存在し「約1,800人のウクライナ軍兵士、約120人の過激派兵士、約80人の外国人傭兵、40輌以上の装甲車輌、80門以上の大砲や迫撃砲などが取り残されている」と主張していたが、ゾロテを制圧後も捕虜になったウクライナ軍兵士の映像は限定的だ。
そのためポケット内に取り残されたウクライナ軍兵士の数は多くても数百人レベルだろうという見方(もしマリウポリレベルの投降が発生していればロシア側がもっとアピールしているという意味)が多くなってきている。
因みにセベロドネツクの防衛から後退してきた海軍歩兵旅団の中隊長は英SkyNewsの取材に「実戦経験が豊富な職業軍人のみで構成されたエリート部隊の80%が死傷して壊滅してしまった」と明かしており、部隊を再編するためには動員された新兵を補充するしかなく「大変なことだが仕方ない」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ウクライナ軍は、キエフの時もそうだけど追い詰められると底力を発揮してる気がする。まあ、人間みんなそうか。ここから追い返せればいいが
ウクライナの敗北は、ロシアだけでなく、中国も調子づかせるから、なんとかここは踏ん張ってもらいたいが・・・・・・。
もし2月24日侵攻して、ゼレンスキーは亡命し、ウクライナ軍は瓦解してあっという間にロシア軍がキーウを占領してウクライナが3日ほどで降伏してたら、今頃台湾侵攻がリーチかかってたかもしれませんよね。
今頃無傷のロシア軍がポーランド国境に集結し、福建省にも人民解放軍の大軍が集結してたらアメリカは流石にどちらかを選ばないといけなくなるでしょう。
そして、中露は北京オリンピック開会式で会談してた2月時点では、その流れで両者意識合わせしてたでしょうね。
大国によるポーランドと台湾の二正面の有事なんかバイデンの能力では完全にオーバーした事態であり、思考停止して戦争もせずに中露に対してあり得ない西側にとって壊滅的な妥協が提案されていたかもしれません。
この絵を全部壊してくれたのがゼレンスキー及びウクライナ軍の奮戦であって、ウクライナには中国に技術供与をしてきたという後ろ暗い面もありますが、この奮戦を評価して今後も西側はウクライナの根性に支援投資をしていって欲しいと思います。
ウクライナの奮戦で助かったのはむしろ中露の方です。ウクライナに侵攻したロシアは西側経済から締め出されデフォルトしましたが、もしウクライナの政治機構をロシアが完全に破壊した上で中露で示し合わせて台湾正面に軍を集結などしていたら妥協どころか中露とも永久出禁だったはずです
だった数時間前にVolcheyarovkaがロシア軍の占領下になった情報が確認できたので、Mykolaivka奪還の件、もう少し様子を見た方がいいと思います。
なんかセベロドネツクの戦いを振り返るに
ゾンビの群れじゃないけど、押し返しても次から次へとやってきて、結局ウク側が押しつぶされていく展開で
HIMARSの効果が出てくるまでどうしようもないですね…
なんとなくタイミング的にMykolaivka攻撃はゾロテの包囲された部隊を助けるために風穴を開けに行った感がありますね。現代戦では携帯電話で部隊同士の指揮官がリアルタイムで互いの位置を共有して動けますから、包囲されたゾロテの部隊をロシア軍が撃滅しようと待ち構えるリシチャンシク方面ではなく。西側の国道方面へ誘導して、タイミング良くそこの手薄な戦線に穴を開けて逃したのかなと。通信網が発達すると、昔では考えられないような針の穴を通すような作戦が容易に可能になるんですね。
この地域の極右部隊であるドンバス大隊やズボボダ大隊のことを言ってるんでしょう。
ウクライナ軍は袋のネズミは逃れたが当然無傷ではありませんよね…
市街戦を戦ったエリート部隊の損耗が激しいとの事ですが、ロシア軍の損害はいかほどだったのでしょうか。
セベロドネツクも一方的に蹂躙された訳でもなし、ロシア側にも相当なダメージがありそうなものですが。
ところで、ロシア国防省声明のこの部分。
>約1,800人のウクライナ軍兵士、約120人の過激派兵士
ここで言う「過激派」とは、ロシアが主張するところの「ネオナチ」ということなんでしょうけど、これ何か根拠あるんですかね?アゾフ連隊の残党とか?
もし根拠が無ければ、「とっ捕まえたウクライナ兵の中からそれっぽい奴120人を“特別コース”にご招待」というだけの話で、あまりに無体。
まぁロシアにその辺の良識を期待するだけ、無駄なのでしょうが…
アゾフとはまた別のやつだよ
アゾットを運営してる財閥の作った私兵集団
アゾットに立てこもったのもそこが防御拠点だからじゃなくて自分らの根拠地だから
>ゾロテの包囲された部隊を助けるために風穴
キングダムでの「一点突破!」→「後ろから攻めたほうが楽なんでな」のパターンかもしれないですね。
海岸のマリウポリと違って内陸都市包囲のためには360°丸ごと包囲しないといけないので包囲未完了のまま・それもドネツ川対岸から侵攻できない状態でロシア軍はリシチャンシクに侵攻しないといけません。セベロドネツクからの撤退は陸路・地下通路・空路の三組に分かれて無事撤退完了できたでしょうか。秘密裏に行うべき撤退を完了前に公表すると追撃されるので奇妙に思いました。
また、気温は今週はブタベスト37℃、キーウ(キエフ)34℃と、東欧は日本と同様猛暑なので夏将軍状態になるかもしれません。ウクライナ軍にとっても暑いですが。
どうやら、ゾロテの包囲は限定的な損失で素早く離脱出来た様子ですね。セベロドネツクと併せて二個旅団半相当を無事離脱させて、かなり短縮された比較的防御しやすい戦線に収容出来たのですから一応の成果で、現時点でのより頑強な抵抗が可能になりました。
リシチャンシクの後方連絡線への火制・補給の困難、所在するウクライナ軍の消耗、火力・装備の劣勢等の、基本的な脆弱さには変わりはないのですが…
そう言えば、ザポリージャ~ドネツク州境あたりの戦線にウクライナ第一戦車旅団(チェルニーヒウ)の所属大隊が現れたなんて話がありましたね。
ポーランドなどの東欧各国からかき集めたT-72戦車は、どうにかウクライナへ供給されたともいわれ、今やウクライナ軍にとっての、まともな戦略予備野戦部隊といえそうなのは、それらのT-72戦車で編成された戦車大隊、ないしは戦車旅団しか考えられず、数少ないM777榴弾砲だとか、ハイマースだとか、ゲパルト対空戦車も、それらのT-72戦車大隊、戦車旅団の支援に使うのが、戦術的には常識だろう。
とはいえ、ロシア軍との戦力差、兵力差はあまりにも大きいといえ、現況ではドニエプル川の河岸、ザポロジェあたりでロシア軍の前進を阻止するくらいが精一杯のようにも思える。しかしそれをリシチャンスク死守のために投入することもありえる。
ウクライナ軍にとって最後の切り札とも言えるそれらのT-72戦車の大隊や、旅団が壊滅した後は、もはやウクライナ軍には戦時召集した一般市民で編成した領土防衛隊しか残らないだろう。
逆に言えば、ロシア軍にとっては、ウクライナ軍の最後の戦略予備野戦部隊である、T-72戦車大隊、あるいは旅団こそが最優先攻撃目標になるかもしれない。ロシア軍の方も赤旗親衛ナントカ戦車師団のような精鋭中の精鋭をこれらにぶつけてくることが予想される。
あまり戦術的に意味のある攻勢に思えない(というよりその位置の部隊に攻撃に出る余力があるとは思えない)けどMykolaivkaへの攻撃はゾロテで包囲された部隊の解囲狙いなんだろうか
それなら納得出来るけど
押し返したというのはイコール勝ったということではない
ロシアは歩兵戦を回避するようになっており、徹底的に砲撃して最後に戦車と歩兵を動かす
もし敵の歩兵が進軍してきたらさっさと撤退して砲撃をする戦術を取っている
だからウクライナ軍が反撃したために即撤退し砲撃を浴びせたと思われ、ウクライナ軍も砲撃地点からは撤退しなければ被害が増大するため、相当な被害が出ているものと思われる
ゾロテについては投降者が少ないというが、死者は多い可能性はある。狭い範囲のため、TOS-1のサーモバリックをはじめ徹底的な絨毯爆撃を受けたためほぼ全滅し数百人だけ生き残ったという事
高台のリシチャンスクと高台の補給線を破るのは、いかに勢いに乗るロシア軍といえど簡単ではないはず。
見通しはウクライナ軍側が一方的に効くことになるし、ロシア軍側は坂を駆け上がる以上、どうやっても動きも鈍くなるし、登れる坂も限定されるから、少ない火砲でも有効射にし易い
とはいえ、ウクライナ側にとってもここが背水の陣
ここを抜かれてしまうと、ここ以上の丘陵地帯はない
ロシア軍の機甲戦力による機動戦闘に持ち込ませるわけにはいかない
三方をロシア軍に囲まれた先端のリシチャンシクを守るには砲兵隊が後方30km以内で砲撃せねばならず、高速道路M-03線より東北東の突出部で砲撃する事になってしまう。しかし、そこから砲撃するとロシア軍の砲撃の餌食になる。つまり、表面的・一時的に陣取り合戦で優勢に見えても砲兵の大量消耗が起きているはずだ。大砲は欧米諸国から調達できても熟練砲兵はすぐには育成できない。
大砲が大量に破壊されてクレクレと言う前に、破壊されやすい場所から一時撤退すべきだ。三方が囲まれないように、リシチャンシクから20km以上後方に下がりルハンシク州から一時的に撤退すべきだ。(それが政治的に嫌なのかもしれないが、砲兵の大量損失をしてまでルハンシク州に残留すべきではない。)まず、南部のロシア軍を撃破すべきだ。それからルハンシク州に戻れば良いのだ。手順が間違っている。