アウディーイウカ方面のウクライナ軍は敵を食い止めようと奮戦しているものの状況は厳しく、新たに登場した視覚的証拠は「ウクライナ軍を追い出した工場地帯にロシア軍が定着している」と示しており、南の守りは一時的に突破されたのではなく完全に破られた格好だ。
じわじわと状況が悪化する様はセベロドネツク、リシチャンシク、バフムートの時と同じ
アウディーイウカ方面で新たに登場した視覚的証拠は「ウクライナ軍がステポヴェ方向でロシア軍の前進を食い止めている」「双方がクラスター爆弾を使用している」「ロシア軍が前線したという主張の裏付け」「ウクライナ軍を追い出した工場地帯にロシア軍が定着している」と示唆しており、バフムートの時と同じようにじわじわと状況が悪化している。
ウクライナ軍はステポヴェ付近のダーチャ付近や線路沿いのロシア軍陣地=Ⓐをクラスター砲弾で攻撃、更にクラスノホリフカとノボカリノベの間の線路付近にあるロシア軍陣地=Ⓑを無人機で攻撃、この視覚的証拠によってロシア人ミルブロガー達の主張=ロシア軍がⒷ付近に前進したという話が事実だったと裏付けられた。
ロシア軍機はアウディーイウカとシェベルネの間にあるウクライナ軍陣地=Ⓒ、アウディーイウカの南西にあるウクライナ軍陣地=Ⓔをクラスター爆弾(ロシア人はRBK-500だと主張)で、アウディーイウカ市内の建物=Ⓓを通常の爆弾で攻撃しているのが確認され、この地域では両軍もクラスター爆弾を使用して敵を攻撃している格好だ。
ウクライナ人が運営するDEEP STATEが「敵は戦車、装甲車両、歩兵を投入して工場地帯の守りを突破した。ここを失うのは時間の問題だろう」と、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「2014年以降占領状態にあった工場地帯に足場を築くことに成功して支配地域を広げている最中だ」と報告していたアウディーイウカ南の工場地帯でも新たな視覚的証拠が登場。
ロシア軍兵士がⒶ付近を彷徨き陣地を確保している様子、ロシア軍陣地=Ⓑの中からロシア軍の戦車や装甲車輌の移動を映した映像、ロシア軍陣地=Ⓒから撮影された映像を確認、ロシア軍は「ウクライナ軍を追い出して工場地帯に定着している」と解釈するのが妥当だろう。
因みにアウディーイウカ南の工場地帯から西に位置する突破口=Ⓓでも接近してきたウクライナ軍とロシア軍の交戦が発生している。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
ロシア軍は170m坑道を掘ってウクライナ陣地の地下に爆薬を仕掛けて防衛線を突破したとのことで。
やはり結局スコップこそが最強、と言わざるを得ないエピソードがまた一つ・・・
坑道の動画見ましたが日本人義勇兵金子氏のいるピャトナシュカ旅団ですね。
動画が出るということ自体、非常に示唆に富んでまして。
坑道戦術の1番の弱点の「作戦がバレてて出口に罠を仕掛けれている」をドローン偵察で回避出来るんですね。
坑道採掘自体もレーザーメジャーで100メートルをミリ単位の精度で測量出来ますから、非常に正確に狙った場所までトンネルを掘れる時代になってるんですね。
それでも170メートルを掘るのは地道な人力作業ですが・・・やってしまうのがロシアらしいですね。
正直な話、正面から砲撃と銃撃の中を突撃しろと言うよりも兵士の損失面や精神衛生的にも余程合理的な気がしますけどね。
精鋭部隊による突入からの制圧劇なんて、ガチガチに防御を固めた陣地相手じゃ成功率も低くなるし、兵士の練度を妥協しても成果を出せるという意味ではかなり合理的だと感じます。笑い話にされても生き残れる可能性が高いなら、兵士だって少しはやる気が出るでしょうし。
この日本人ロシア兵の金子氏がアウディイウカ包囲戦で戦死せずに生還して、除隊できれば、この包囲戦のくわしい顛末をのちに日本語で書いて伝えてもらえるかもしれませんね・・。
掘壕による坑道戦術、地味といいますが、まさにそれで日露戦争におけるロシア軍の難攻不落の旅順要塞を攻略したのが日本陸軍です。映画の
「二百三高地」
でもその様子は詳しく描写されています。べトンの堡塁に配置されたマキシム機関銃に
「白ダスキ隊」
を編成して銃剣突撃させるよりも、
「二十八サンチ砲」
の火力で制圧し、時間をかけて坑道を掘って地中爆破、突入というのが一番確実な戦術だったのです。
防衛戦構築といいロシアは地道な作業を厭わないよな
アウディーイウカ南の工場地帯から西に位置する突破口にて
接近してる歩兵の隊列はロシア軍と思われます。
リンク
露陸軍はスコップ格闘術や塹壕掘りの訓練を今でも徹底的にやってて「21世紀に塹壕戦www」と笑いものにされてましたけど
実際に相手にするとなると厄介極まりないですね…
陸上自衛隊の「銃剣道」なんぞよりずっと役に立つでしょ、攻撃と防御双方で使えるし。
陸自は師団毎に銃剣道専門の部隊がいるらしく、ただでさえ人員不足なのに銃剣道に人員を奪われて機甲部隊がまともに機能しなくなったとか(笑)。国民の税金使っているんだから戦車に金網貼るとかドローン操縦を極めるなり実戦で機能する組織になってくれないと困る。
日がな一日中銃剣道をしている自衛官に知り合いがいるので中々痛いお言葉ですね(ちなみに野戦特科です)。
まあ、ドローンで観測から攻撃までされるのが当然のようになってしまった現代の戦場で、銃剣突撃なんて出来るとは思えないし、銃剣道の技術が発揮できる機会なんてないでしょうし、無駄と言えば無駄でしょうね。伝統と歴史的な部分で続けてるだけですし。
銃剣道をやってる自衛隊員達も格別好きとかでやってる訳じゃなくて、運動神経やセンスみたいなモノがあるので上官から推薦(ほぼ強制)されて渋々やってる人が大半みたいです。実際、前述した自衛官の知り合いは『やりたくてやってる訳じゃないから』と愚痴を零してましたし。
「銃剣道専門部隊」は清谷氏の半分冗談だと思っていたのですが、本当に存在していたというのは驚きです。「知り合いの自衛官」は特科(砲兵)とのことですが、砲兵こそドローンの操縦訓練が必要でしょう。ウクライナで最も戦果を挙げているのはドローン偵察と大砲の組み合わせです。普通科(歩兵)なら銃剣突撃が使えそうですが、砲兵は基本最前線に出ないのだから何のために銃剣訓練させられているのか。
他にも救命用機材が圧倒的に足りていないそうです(元陸自の照井氏)。アメリカ軍では衛生兵でなくても救命訓練を受けており、応急措置用の物品も配備されている。自衛隊は実戦はなくても、他国との共同訓練を通じて訓練・装備を見習うことができるはずです。視野を広げなければ「井の中の蛙」か「阿Q」みたいになってしまう。
情報ありがとうございます。
銃剣道、いまだに真面目にやっているのですね…。
弾を使用しない訓練、お金がかからず・弾薬捜索等の不祥事も起こりにくい、こういった面もあるのかと推察します。
その時間、より多くの隊員の方々が、大型免許や特殊などの各種免許取得・訓練時間に割り当てた方が、(除隊後も含めて)有意義なように感じてしまいます…。
それなりの軍隊目指すならスポーツじゃなくてシステマとか、もしもの時の近接戦を想定して護身なり殺法寄りの訓練でもすれば良いのにな。もちろん攻撃一辺倒じゃなくて活法あたりも併せて習うべきだと思うけど。
システマってストレス対策でリラクゼーションみたいな事もするんだよな、なかなか実戦的というか。
何年後かの兵器ショーに、「塹壕掘りロボット」が出展される未来が幻視されますw。
思うんだけど地雷除去ロボットとかできないものかと思う。
数をそろえるのにロボットより人間の方が、はるかに安く高性能なんでしょうかね。
アウディーイウカは落ちん!と言っているウクライナ側も、口ではそう言いつつも軍事的には陥落を考慮した部隊配置に変えつつあるような気がします
増援に来た47旅団にせよ2級部隊の領土防衛隊にせよ、アウディーイウカ内に突入というよりは、両翼のロシア軍包囲網阻止に当たる位置の戦線に加わっており、
2014年から堅守されていたアウディーイウカ南部が突破されているのも、包囲されうる先端部から撤退しつつあることが要因ではないでしょうか。
バフムートがなんだかんだ包囲殲滅という事は無かったように、同じ感じで推移していきそうです。
そうですね。分析さんのおっしゃる通り、バフムト戦と同じような経緯になっていますね。「包囲網阻止に当たる位置」と郊外に注目されていますが、バフムト戦もある意味、郊外の戦いが重要でしたね。ウクライナ軍は名前だけなら50個に近い数の旅団を投入しましたね。
それに対して、アウディーイウカ戦は、バフムトより進展が早いようにも見えます。
まだ分かりませんが、もし、そうだとしたら原因は、ウクライナ側の兵士や砲弾の供給に陰りが出ているためか?と推測します。
たぶん主な原因はウクライナ側ですが、ロシア側の要因を探れば、動員情況が変わったとか新たな軍団をウクライナに投入という情報もありません。クラスター弾を大っぴらに使用し始めたのも、それほどの効果があるとは思えません。
単なる想像ですが、ひょっとしてロシア軍が投入するドローンの数が増えている可能性があるかも。
(少し前にウクライナ軍が2000機のドローンを新たに投入という記事を目にしました。ウクライナ側の宣伝のあるあるなんですが、こういう宣伝をする場合は、ロシア側のドローンが増え始めている可能性もあります)
ランセットは完全に大量生産大量投入のサイクルになっているようで。アウディーウカ方面に1000発以上投入されたとの話がありますね。
結果、非高価値目標にも容赦なくランセットが突っ込んで来るそうで、歩兵2人いれば攻撃目標になる有様とか。高価値目標には5機編隊を組んで確実に殺そうと次々に突入してくるので、もう湯水の如く使ってますね。
および。
見過ごしてはならないポイントとして、「多量のドローンとランセットを使用することで、ロシア軍の弱点であった情報収集能力がカバーされた」があります。
戦争初期にウクライナ軍がロシアを圧倒した理由の一つが英米から提供される偵察衛星や情報部隊からの情報支援だったのですが。
ロシアが砲兵部隊を中心にドローンとランセットで戦場の情報をリアルタイムに多量に集めるようになった結果、偵察衛星よりも緻密で有用な情報が戦術レベルで使用可能になったんですね。
たとえランセットが目標を見つけられずに自爆しても、「その地域に敵部隊はいなかった」こと自体がすでに有用な情報なのです。これを毎日朝から晩まで戦場の至る所に飛ばすことで、偵察力が格段に向上しているんですね。
反攻作戦でウクライナ軍が去年のような快進撃が出来なくなった理由の一つがここにあります。
ランセットは、完全に量産効果・利用の効率化が働いていると考えるべきですね。
時間が経てば経つ程、兵器の生産性だけでなく、現場の利用方法もドンドン洗練されていくと思います(どの兵器にもある事ですが…)。
偵察衛星1基は、1日に数回程度、特定地点を静止画撮影できる程度のものですからね(他国からの提供でしょうし…)。
仰る通り、ドローン偵察であれば、動画・リアルタイム・動き・意図まで観察しやすいと思います。
自爆ドローンの特性を考えて大量に飛ばせば、トライ・アンド・エラーを高速で繰り返して、クリアリングがより早くなりそうですね。
ロシアは軍事衛星は世界で一番打ち上げてるから、衛星からの偵察に関しては西側の優位はないでしょうな。
最近、ロシアの技術協力で北朝鮮が偵察衛星の打ち上げに成功したらしいね。
バフムトと同様にロシアに犠牲を強いる方向に戦術を変えたのかな。
地図を見る限り、地形が開けているようだし、撤退後の防御はどうするのだろう。
機動防御にしてしまうと、貴重な野戦軍を張り付けないといけないだろうし。
包囲下にあって強いれる犠牲なんかたかが知れてる
バフムトと同じは同意ですが、中身は全然分かって無いようですね
包囲部分は既に抵抗力が殆どなく、ウクライナ兵を集めるために開けているに過ぎません、
ロシア軍の狙いは包囲の外側に取りつこうとしているウクライナの機甲部隊で、防空システムが
機能しきれないスキを付いて滑走爆弾等の長距離航空攻撃でウクライナ軍を叩いています。
無能な事この上ないと思います、包囲下の部隊が対戦車ミサイルや野砲等の重装備を使い切る前に
撤退の決断をすべきでした。
正直もう焦土作戦と割り切って工場などを破壊させる&破壊して抵抗するか
軍を撤退させることで条件に引き渡すかしたほうがいいと思うのですよね。
半包囲されおまけにこの時期では大規模な援軍が遅れませんからもう持ちません
むしろ軍を引いて無理な渡河攻撃や南部の攻勢やめて(一キロくらい進んだそうですが)守りに入るべきです。
このまま消耗するとロシア側が大規模攻勢に出たときに支えられなくなります。
現代戦で焦土戦術はもうありえませんよ。
戦後に工場施設の再稼働なんてできるわけがない。農地ですら地雷や不発弾の処理に10年単位かかるでしょう。
既に包囲部分には碌な抵抗力が無く、旧式の装甲車に爆弾を積めてウクライナ陣地に突撃させてるようですね、建物ごと吹き飛ばす威力があるのでウクライナの兵士は恐怖なようです(いずれも地雷で失敗してますが)
包囲に関しても、ウクライナ兵を集めるために包囲しているにすぎず、後方には大量の砲兵陣地や兵站ラインが出来始めてます。
包囲外部にとりついている部隊はかなりの頻度で爆撃を受けており、このまま下手に取り戻しても大量の犠牲を払う事は確実でしょ、この状況でキルレ的にウクライナが勝つことなどありえずここを保持する事自体得策ではないと思います。
ただここを失うと30kmは後退しないといけないので悩ましい限りですね
あの爆薬装甲車はRPGで簡単に破壊出来るんですが。
RPGの有効射程と爆風の殺傷範囲が同等なので、RPGを撃った兵士も高確率で爆発に巻き込まれて死ぬという最高に嫌な兵器ですね。
FO4に核爆弾を抱えて突っ込んでくるスーパーミュータントスーサイダーという嫌な敵がいましたが,それの車両版ですね。
前線ではウクライナ兵は必死に戦ってるんだろうけど、如何せん政権と軍部のゴタゴタで方向性失ってその努力も虚しく報われないような状況に陥ってるように感じるね
装甲車に爆薬の作戦はバカにされてましたけど
手出ししたら砲弾が降ってくるし
放置したら陣地ごと吹き飛ばされる
古い車両が余ってるから出来るんだろうが
籠城兵を炙り出すには合理的な戦術だな
味方の兵の損耗も抑えられるし