リシチャンシクを制圧したロシア軍の矛先はスラビャンスクに向かっており、砲兵戦力が劣るウクライナ軍がロシア軍の前進を止めるのは難しく、州政府は市民に「避難してほしい」と呼びかけているものの経済的な問題が避難行動を鈍らせている。
参考:Flee the front line, Ukrainians told as key city falls
戦争における残酷な計算の下ではドンバスを守れるかどうかよりも黒海沿岸部を維持出来るかの方が重要だ
ウクライナ軍は3日に発表した声明の中で「圧倒的な兵力と装備を誇るロシア軍に直面した状態でリシチャンシク防衛に固執すれば致命的な結果に繋がる。ウクライナ軍兵士の命を守るためにリシチャンシクからの撤退が決定された。残念ながら鋼の意思と愛国心だけでは成功しない」と述べ、ゼレンスキー大統領もリシチャンシクを失ったことを認め「西側諸国が提供する武器が揃い『火力が敵と同等』になれば奪われた土地を取り戻す」と明かしたが、既にロシア軍の矛先はスラビャンスクに向かっている。
ショイグ国防相がプーチン大統領にルガンスク人民共和国の解放完了=リシチャンシク制圧を報告した数時間後、撤退したウクライナ軍兵士の多くが休息をとるスラビャンスクに対して大規模な砲撃を開始、街の建物と市民に少なく被害が発生しており、ある歩兵部隊の指揮官は吐き捨てるように「ロシア軍の砲撃を受けたリシチャンシクは地獄のようだったが、スラビャンスクやクラマトルスクはもっと酷いことになるだろう。ロシア軍の砲撃に太刀打ちできないのに街をどうやって守れというのか」とTimes紙の取材に答えているのが興味深い。
月々2,500フリヴニャ(1万円前後)の年金では避難先の土地で仮住まいの費用を賄うことが難しく、故郷のリシチャンシクから離れること渋っていたヴァレンティーナと名乗る70歳の男性はロシア軍の砲撃で負傷、兵士に救出され病院に搬送されたが、妹や息子家族は未だにリシチャンシク市内に残っており「何処に帰ればいいのか分からない、ロシア軍がここにも近づいていてどうしたらいいのか、何処へ逃げればいいのか分からない」と述べている。
ドネツィク州政府の関係者は「マリウポリの教訓を生かして手遅れになる前に市民は街から脱出すべきだ」と訴えており、急増する都市への砲撃で病院に運び込まれる犠牲者を目の当たりした市民も「ここに留まれば何が起きるのか」を理解し始め、ある子連れの母親は「まだ安全だと思っていたが手遅れになる前に小さな子供を安全な場所に連れていかなければならないと気づいた。先に避難した友人がビニツァ(キーウ州の西にある街)で無料の宿泊施設を見つけてくれたため街からの避難を決めた」と述べており、経済的な問題が避難行動を鈍らせる要因になっているだろう。
さらに避難を渋る高齢者を世話するため街を離れたがらない者もおり、ロシア軍が迫るスラビャンスクやクラマトルスクでも一般人を巻き込んだ地獄が再現される可能性が高い。
米国が提供したHIMARSが東部戦線に到着してロシア軍部隊の司令部、弾薬庫、飛行場などの攻撃に効果を発揮しているが、ロシア軍の前進を支える強烈な砲撃を止めるには数が不十分で、ウクライナ軍は「HIMARSを排除するためロシア軍は砲撃を更に強化している、今月中旬に到着する追加のHIMARSが東部戦線に向かえばロシア軍の砲撃は更に強化されるだろう」と指摘している。
Times紙は「残りのドンバス地域をロシア軍から守るためウクライナ軍はより多くの砲兵装備を必要としているが、この地域の戦いは黒海沿岸部に向かうロシア軍を拘束するのに役立っており、戦争における残酷な計算の下ではドンバスを守れるかどうかよりも黒海沿岸部(恐らくムィコラーイウ州やオデーサ州)を維持出来るかの方が重要だ」と述べているのが興味深く、奪われた土地を取り戻すための武器が揃うまで「誰かが犠牲になって時間を稼ぐ必要がある」という現実を突きつけている。
関連記事:ロシア軍がルハーンシク制圧を大統領に報告、スラビャンスクに向けて前進
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
これは根競べだな。
ロシアとて、現在の規模の砲撃はいつまでも続かないだろう。(予想以上にソ連時代の遺産は大きかったみたいだが。)
兵士もぎりぎりだろうから、国民皆兵でもしないと厳しそうだが政治的にプーチン大統領がやるかどうか。
欧米の支援も自国の防衛を空っぽにはできないので、もう少しが限界かと。
それ、もう、半年くらい前からずーーーーっと言われてるけど、たぶん、弾も兵も畑で採ってるので、あいつら永遠に無くならないよ。
ウクライナ側を励ますための方便でしかない。
ウクライナ侵攻から、まだ4か月半しかたってないけど?
体感半年ってことやね(適当)
こういうヤツらって名前欄を名無しだの匿名だの空欄にすれば、なんJみたいなノリがどこでもウケるとでも思ってんのかな。
誰も言わないけどはっきり言ってシラけてるよ。
せやな
ホント、無尽蔵に兵器と弾薬が沸いて出てくるよな。アレだけ撃ちまくって、まだ撃ってる。
さすがのミサイルも自衛用以外は全部使い尽くしたか?なんか言われてたが、まだまだ撃ってきてる。
これ、もうロシアも長期戦になると踏んで工場整備して、生産ラインが出来上がってるよね。さすがに精密機器が多い車両や航空機はまだしも、爆弾や砲弾くらいは国内でなんぼでも生産できるだろうし。
それにベラルーシや中国が秘密裏に軍事物資の消耗品とか相当援助してんじゃないの?ロシアを枯渇させようにもロシアに倒れてもらっては困る、恩を売りたい友好国が補給するんで、延々終わらないだろ。東西を武器を現地に送りあってた、朝鮮戦争やベトナム戦争みたいに。
非常にざっくり言うと、弾を作るのに必要な火薬と、畑を耕すのに必要な肥料は、共に硝酸資源から作成されまして。
ロシアは肥料の一大生産国かつ輸出国だったのが、西側の禁輸で肥料需要が激減。結果、硝酸資源がダブついて余りまくって、いくらでも大砲用の火薬を作れる状態だそうで。
あの経済制裁に意味があるのかどうか、考えるべきポイントの一つになっていますね。
精密ミサイルや巡行ミサイルなど性能の良い近代兵器の使用頻度は確実に低下、あるいは一部見かけなくなっており、ソ連時代のミサイルの使用が見られるなどロシア軍の弾薬の消耗も間違いなく確認されていますよ
ロシア軍はウクライナ軍の10倍に相当する1日5万発のペースで1年戦争を継続出来るとウクライナ国防省自身が発言しています
ロシア軍の補給線や弾薬庫の破壊を出来なければ砲撃はずっと継続されると思われます
現状ではロ軍の補給を断つのはとても困難ですし守りにくい地形が続きそうですね
ロシア軍は歩兵不足で都市の占領がなかなか進まないそうなので、それで進軍の足が鈍ってくれると良いんですが
今のウクライナ苦戦のニュースが新たなウクライナ側によるハメ技の情報戦であればいいのですが、苦戦が事実であるなら
ロシアは半導体が要らないから自前で無限に作れる無誘導弾で勝てるパターンを掴んできましたので
基本的に永遠に砲弾を無限に撃ってくるので不味い状態ですよね。
それに、ドローンが出てきたので無誘導弾でも敵の場所の位置の把握と、破壊の確認が可能になったので
第二次世界大戦までの無誘導弾の砲撃とは全然異なり、大幅に正確性が向上した現代的な射撃が可能になったのも大きいと思います。
このまま行くとある日ウクライナ軍は大きく瓦解してしまうリスクがあるように見えます。
瓦解する前にゼレンスキー大統領の心が折れるリスクもありますし。
ですので外野から見たら東側の国民を見捨てる事になるので一旦大きな禍根を残しますが戦力が拮抗できる所まで大きく西側に撤退してロシアの補給路を長くして、
撤退しつつも占領地に居残るパルチザンを組織して補給路を破壊し続ける事で統制されたロシアの勝ちパターンを破壊する
体制を作って欧米からの反撃の火器がそろうのを待って欲しいですね。
仮にドネツク・ルガンスク人民共和国を自称する地域をロシアが抑えたとして、ロシアはそこからどうするんだろうな
ロシアが公言する目標は両地域の解放とウクライナの非ナチ化、つまり現行政権によるウクライナ軍の無力化に大別される
前者の目標を達成するのは、少なくとも短期的には可能だろう
で、その後まだ続けるの?てとこが問題になってくるわね
ロシアとしてもここらへんで手打ちにしたいというのが本音のようなきがするね
ここまで多種多様な兵器が混在してるウクライナ軍を完全に平定するなんて気が遠くなる
まあ仮にそこでロシアが引こうとしたとして、ウクライナとしては満足するはずもなく、というのが目に見えた次の問題になってくるんだけどね
ロシア側としてはプーチンの大誤算から始まった戦争なので、本音ではすぐにでも止めたいでしょうね。
前者の目標を達成した時点で、現地のロシア系住民をナチ化したウクライナ政府の残虐行為から開放したとして国内向けに勝利宣言し、国際社会にはロシアは平和を望んでおりいつでも和平を受け入れますよとアピールするんじゃないですかね。
早期和平派のドイツ等が反応する可能性もありますし。
もちろんウクライナは応じないでしょうし、米英も支援を継続するでしょうから、まだまだ続くでしょうね。
とはいえロシアにもモスクワをはじめ、長年各地に拠点を置くロシア人のネオナチが数万人(2011年時点で約7万人と見積もっている機関もありました)いると見られており、今世紀に入ってからも殺人・暴行を含む数多くの犯罪や数千人規模の暴動などが確認されています
今は特別作戦行動中を理由にメディアやSNSに制限を入れていますが、停戦や終戦によりこれらが解除された場合、上記の問題とプーチン政権の言い分との矛盾が大きく取り上げられることは避けられないでしょうし(現在もロシア以外の国からロシアはネオナチの定義を都合よく捻じ曲げていると非難されている)、おそらくネオナチ関係で話を終わらせることは事実上不可能かと
ハリコフ~オデッサのラインで東ウクライナを建国して終えるつもりなんじゃないかな
もしくはドニエプル川東岸を全て奪うまで行くか
とにかく西ウクライナは内陸の貧しい小国になるんだろう
そこから先は多くの識者が言ってたように、ロシアが侵略を止めざるをえないようなウクライナ側の勝利が必要という言説に一票
戦力をドンバスに引き抜かれてる南部ではある程度の反抗はできると思うんだけど、東部で手一杯となるかもしれずどうかまでは分からない
災害でも中々、年寄りは避難を嫌がるんだよね。
災害は一晩位の話だけど、戦争は帰る見通しが立たないから年寄りの気持ちは分かるけど、巻き添えの人を考えるとやはりワガママにも思う。
避難を嫌がる人の中には親露派も多いんだよ
この地域は複雑なんだ
これ、難しい問題だよね。
年寄はおい先短いから、住み慣れた所から離れたくないって思う。
しかし、子供や孫からしたら、ほっとけないしね。
震災でも、危険な被災地にもう一度住みたいって言う人が多い。
気持ちは分かるけど、難しい問題だよね。復興も税金使うし、今後の発展とか考えるとね。
>戦争における残酷な計算の下ではドンバスを守れるかどうかよりも
>黒海沿岸部(恐らくムィコラーイウ州やオデーサ州)を維持出来るかの方が重要だ
戦後のウクライナの社会・経済的に、海へのアクセスのある・なしはそれこそ最重要課題ですからね。逆にプーチン的には(正直「ロシア連邦的には」微妙)ここを占拠してウクライナ扼殺体制に持って行けないと、本当の戦争目的~ウクライナの併合ないし勢力圏への編入~は達成できず、野望は数万が戦死した陣取り合戦に終わる。
ドンバスにロシアの戦力を吸引しても、南部で今の所大きな成功に必要な充分に優勢な戦力比を実現できていないのが辛い所。地歩と士気を維持しての戦力醸成は間に合うか? まあ、この戦争を考えるときのタイムスケールが「まだ4ヶ月しか経っていない」に変わってきましたね。
もともとクリミア半島、セヴァストポリ、黒海艦隊を確保しているロシア軍としては、オデッサの制圧は実際のところ二の次、後回しであり、目標はドンバスの制圧、ウクライナ野戦軍の壊滅、そしてアゾフ連隊のような国家親衛隊の殲滅でしょう。
逆の見方をすれば、ロシア軍主力によるドネツク州完全制圧のために、ウクライナ軍は戦力をオデッサやヘルソンに吸引されているともいえる。
消耗戦といっても、ウクライナ軍の主力がいったん壊滅してしまえば、その後のロシア軍の消耗は一気に減るだろうし、ウクライナ軍の再編成には長い時間がかかる。
ロシア軍がドネツク州を完全制圧した後に、ドニエプル川の河岸に堅固な防御線を構築すれば、反撃、奪回作戦のために大きな兵力が必要になるのは逆にウクライナ軍の方と言える。
すでにまともな海軍力のまったくないウクライナとしては、オデッサを守り抜いたところで、航路、つまりシーレーンを独力で確保できる見込みは全くない。
残酷なNATOのテーゼでウクライナの悲しみがそして始まるということなのか。
ウクライナ政府上層部は、この戦争が来年までは続くと公言しているので、首都周辺を護りつつ、まずは南部占領地を奪回して、東部へ押し出していくという絵を描いているのでしょう。
ただ、ウクライナ軍は兵力補充も兵器補充もフル回転の様相なので、戦争が長期化するほど相対的にいまより戦力が低下します。
それを防ぐ意味でも、米欧から提供される兵器がスペックアップし、つぎは戦車、長距離ミサイル、航空機とつづけば、勝機も見えて来るのではないでしょうか。
民間人はそのまま盾に出来るんで、戦術的には逃げない方が良いですね。
この地域は親露派多いから防諜上邪魔になったのかも
これまでのロシア軍を見ていると、その盾は通用するとは思えません……
最初の頃からいわれているとおりにロシアには一年間ウクライナと戦える弾丸あるらしいから、いくらロシア軍の横領で三割実際には弾丸少なくても、8か月分以上の弾丸あるので生産する分あわせて一年間は戦える弾丸あるのが不味いな。あと7か月以内にオデッサまで攻撃できそう。
南部の黒海沿岸を護るために東部を一時的でも切り捨てるってのは合理的なんだろうけど、東部住民は見捨てられたと思うだろうね。その思いって戦争終わっても数十年続くから戦後、東部とそれ以外で深刻な対立が発生してぐちゃぐちゃになるだろうな。
日本で言うところの沖縄の被害者感情を数倍増幅したものとなると考えるとね。。。
>「西側諸国が提供する武器が揃い『火力が敵と同等』になれば奪われた土地を取り戻す」
何をもって「火力」を評価するかによる。
西側供与の兵器の中には精密攻撃ができる砲弾やミサイルがある。数量で劣っても質で勝れば、その特性を活かすべき。
幕末の長州藩は兵力で幕府に劣っていたが第二次長州戦争では軍制改革とライフル銃調達で逆転勝利した。しかし、購入したライフル銃の大部分は先込め単発式のミニエー銃で射程は幕府軍のゲベール銃(マスケット銃)や火縄銃より長いものの旧来の戦い方では負けていた可能性もある。もし幕府側を徳川家康が指揮し長州側を毛利輝元が指揮していたら幕府側が勝利していたかもしれない。軍制改革と戦法の変革があったからこそ幕末の第二次長州戦争で長州藩が勝利したのだと思う。
戦争というのは分からんもので。
第二次世界大戦の時のフランスとイギリスはこれより酷い負け方をして。フランスはパリから追い出されて政府丸ごと逃亡、イギリス軍はダンケルクで装備全部捨てて逃走。あの時点のドイツ人は、たった数年先で自分の国が滅ぶほど負けるとは想像も出来なかっただろう。
現状では戦争の天秤はロシアに大きく傾いているが、果たしてこの先にはどうなることやら。
そのための核兵器でしょ?
天秤が傾いているというか、なりふり構わず主導権をとりに行っているだけだろう
山本五十六が一、二年は暴れられると言ったのと同じで
長期的な視点に立った戦い方ではない
プーチンに督促されての非合理な攻勢
まるでヒトラーのよう
経済制裁で今年のロシアのGDPは少なくともマイナス10%
これが三年続けばソ連崩壊レベルに達するとの事
今回は他に戦費もかかる
失業者の増加は体制の違いでそれ以上に増える事になりそう
大丈夫、ロシア人からすれば30年前に戻るだけの話で何も問題ない