欧州関連

英国提供の長距離攻撃兵器、Shahed-136タイプの自爆型無人機かもしれない

英国がウクライナに提供する長距離攻撃兵器はストーム・シャドウと予想されているが、米ディフェンスメディアは「極秘プログラムの元で開発された長距離飛行が可能な自爆型無人機をウクライナに送る可能性がある」と報じている。

参考:Ukraine Situation Report: UK To Give Kyiv “Longer-Range Weapons”

これが事実ならShahed-136と同じタイプの自爆型無人機=長距離攻撃兵器をウクライナに提供する可能性がある

スナク首相はミュンヘン安全保障会議で「英国はウクライナに長距離攻撃兵器を提供する最初の国になるだろう」と言及、これにより候補に上がっていたハープーンの可能性が消えてストーム・シャドウ提供が濃厚になったが、米ディフェンスメディアは「英国の極秘プログラムの元で開発された長距離飛行が可能な自爆型無人機をウクライナに送る可能性がある」と報じている。

出典:Robert Sullivan/Public domain

Times紙は「ハープーンとストーム・シャドウのどちらを提供するかで政府は議論している」と報じていたため、デンマークが提供済みのハープーンを「長距離攻撃兵器を提供する最初の国」と表現するのは違和感があり、IMARSやGLSDBの射程を超えるもの=ストーム・シャドウのような「巡航ミサイルを提供する最初の国」と解釈する方が自然だが、英国はロシア軍と戦うウクライナ軍に適した複数の無人機を極秘裏に開発したらしい。

この極秘プログラムは詳細が明かされていないが「3Dプリンターを活用した垂直離着陸タイプの無人機やデルタ翼の自爆型無人機が含まれている」と米ディフェンスメディアは指摘、英国政府も「ウクライナに提供する長距離攻撃兵器を使用すればロシア軍のインフラ攻撃能力を混乱させ、前線にかかる圧力を緩和するのに役立つ」と述べており、これが事実ならShahed-136と同じタイプの自爆型無人機=長距離攻撃兵器をウクライナに提供する可能性がある。

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136

勿論、英国の極秘プログラムが本当に存在するのか確証がないのでストーム・シャドウ提供の可能性も残っているが、、、

関連記事:英国はウクライナに長距離攻撃兵器を提供する最初の国、ストーム・シャドウ提供が濃厚
関連記事:英国、ウクライナにハープーンもしくはストーム・シャドウの提供を検討中

 

※アイキャッチ画像の出典:dalکاخ/CC BY-SA 4.0

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コメント

    • すえすえ
    • 2023年 2月 20日

    極秘プログラム・・・なんか惹かれるけど
    真相はいかに

    17
    • 58式素人
    • 2023年 2月 20日

    ストーム・シャドウは、英仏共同開発と思います。
    今回の話が出てから、仏が何も言わないのは何故だろう。
    射程を理由に反対する可能性もあるのかな。
    ならば、極秘プログラムの無人機に一票。
    心配なのは、英国は飛行機に関しては、傑作も作るけれど、
    とんでもない駄作を作ることも結構あったと思います。
    いわゆる、英国面ですよね。今回は成功作であることを希望します。

    14
    • 思い付きだけど
    • 2023年 2月 20日

    トルコと共同で、開発してるとか?いや英国なら単独で開発できるでしょ、ただ、どこの企業が担当したのか気になるな。
    (WW2の最中に、ネイピア・セイバー・エンジンを、Ta152の次期エンジンに搭載する話があったみたいに、企業と国家とは別なのだろうけど)

    1
      • おわふ
      • 2023年 2月 20日

      おそらくShahed-136は、容易にコピー出来るので、充分ありえるでしょう。
      3Dプリンターといえばシーア派が使った自爆ドローンの様なものの可能性も。
      材料があればウクライナで簡単に組み立て可能なはずです。

      5
    • 黒足袋
    • 2023年 2月 20日

    イランのShahed-136ほか、西側で買い占めてロシアの手に渡らないようにしちゃえばいいのに、とは前から思っていました。窓口はトルコ辺り。

      • 774rr
      • 2023年 2月 20日

      天地がひっくり返ったらその選択肢もあるやもね
      具体的には王政復古が成ったら

      7
      • 2023年 2月 20日

      買い占めると一時的に品薄にはなると思いますが
      生産ラインの新設資金ができてしまい
      イランの軍産複合体が立ち上がってしまう気もします。

      17
    • 2023年 2月 20日

    台湾とか西側勢力圏に発注してほしい。
    生産ラインが充実して西側での武器の融通がしやすくなると思うので。

    日本もドローン機体のベースのみ生産して送って
    爆薬をイギリス工場やウクライナ工場でセットして
    兵器にするなどして支援できないかな ?
    輸出したのは民生品で、兵器に魔改造したのは現地だよと。

    たしか日本は民生ドローンはウクライナに送っていたと思うから
    今度は大型で破壊力のあるものを送りたい。

    6
    • 灰色の猫
    • 2023年 2月 20日

    極秘なのに米国メディアにばれてんの…。

      • 2023年 2月 20日

      高官にスパイがいるということで
      米メディアの諜報能力が高いということてしょう。

      1
      • white knight
      • 2023年 2月 20日

      ばれてるんじゃなくて、イギリスがKINDなんとか計画を進行中、キネティック社に開発依頼、まではプレスリリースしてるから。とっくに。

    •  
    • 2023年 2月 20日

    やられたらやり返す、倍返しだ。

    1
    • 花束
    • 2023年 2月 20日

    記事中でも書かれていますがShahed-136程度の炸薬量、突入速度だといくら撃ち込んでもクリミア大橋を落とすのは難しく、部分的な前線への圧力を緩和する程度の役割になりそうですね。
    昨今の戦車提供に対するグダグダ感を見ているととりあえず実績作りという感も否めません。

    2
      • 2023年 2月 20日

      シャヘド並でもロシア領内の施設への嫌がらせ攻撃は有効なのでは ?
      ロシアからのウクライナ領内インフラ攻撃で効果の実績があります。
      地上の航空機を破壊するとか、鉄道の変電所への攻撃なら有効でしょう。
      なにもクリミア大橋みたいな大物ねらいでなくても。
      この前の爆撃機へのドローン攻撃成功をみると
      ロシアの防空網はザルみたいだから。

      3
    • Ogre Slayer
    • 2023年 2月 20日

    QinetiQ社が開発中でプロトタイプと思われるデルタ翼機の写真も公開されている。
    翼に書かれているのはコードネーム?「バンシー」だと。金切り声をあげる老女妖怪で、自爆ドローンの名称としてはピッタリな感じ。

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