ゼレンスキー大統領は「英国と長距離攻撃兵器の供給について合意が成立している」と明かしたが、英国はウクライナに提供する長距離攻撃兵器にハープーンとストーム・シャドウのどちらを含めるかについて議論しているらしい。
参考:Ukraine prepared to use British missiles to strike Crimea
ハープーンかストーム・シャドウの輸出バージョンか、英国としてもまだ答えが出ていない
Times紙の話を要約するとウクライナに供給する長距離攻撃兵器の定義は「HIMARSでは手が届かない地上目標を攻撃できロシア本土の奥深くまで到達しないもの」で、政府はハープーンかストーム・シャドウの輸出バージョンをウクライナに提供することを検討しているが、どちらのミサイルを提供しても一長一短らしい。
英海軍が保有するハープーン(RGM-84)の最大射程は120km~150km程度と見られており、Naval Strike Missileで更新することが決定しているためウクライナに提供しても自国の安全保障的に及ぼすリスクは低く、既にデンマークがウクライナに提供していため政治的負担も少ないだが、地上目標の攻撃に使用すると精度が落ちる点とクリミアの奥深くまで届かないのが欠点だ。
ストーム・シャドウの輸出バージョンは射程が300km以下に制限(オリジナルは最大560km)されているもののクリミアの軍事拠点を攻撃するには十分で、ウクライナが再三破壊すると主張しているクリミア大橋まで届く可能性を秘めているが、ここまで踏み込むと「ATACMS提供を拒否しているバイデン政権を外交的に追い込むことになり、ロシアに対するクロスボーダー攻撃にも使用される可能性がある」と懸念されており、ストーム・シャドウを旧ソ連製の戦闘機や攻撃機に統合する必要もある。
結局のところGLSDB(地上発射型小口径爆弾)を超える長距離攻撃兵器を提供すると米国よりも先に行く=戦いのエスカレーションが発生した際の政治的責任を英国が負うことになり、ATACMS提供を拒否=クリミアの奥深くまで届く長距離攻撃兵器は戦いにエスカレーションをもたらすと考えるバイデン政権と政治的・外交的に衝突する可能性があるため、英国としてもまだ答えが出ていないのだろう。
因みにオランダはウクライナが要求すればF-16提供の可能性を検討するというニュースもあったが、戦闘機供給は国際的な合意の元で行われるべきだという雰囲気が形成されると「単独での戦闘機提供にルッテ首相は消極的だ」と報じられていた。しかしウクライナはオランダに対して正式にF-16提供を要請したらしい。
F-16のウクライナ移転を承認する立場のバイデン大統領は「提供しない」と述べているので、ウクライナはオランダに要請することでバイデン大統領を説得する役目をルッテ首相に突き付けた格好ともいえる。
追記:オランダ政府は「ウクライナから正式にF-16譲渡に関する要請があった」と発表したが、米国や同盟国と話し合う必要があり一夜にして提供が実現するわけではないと述べており、ゼレンスキー大統領が「欧米によるウクライナへの戦闘機提供に関して肯定的な決定がなされた」と発言したことに反応してポルトガルは「F-16提供には応じられない」と述べ、Bloombergは「ウクライナに戦闘機を提供すると約束したEU加盟国は1つもない」と報じている。
関連記事:英海軍もハープーンの後継にNaval Strike Missile導入を決定
関連記事:米国、150km先を攻撃可能な長距離攻撃兵器を含むウクライナ支援を発表
※アイキャッチ画像の出典:MBDA/Né un 15 février
アメリカとヨーロッパの先進国の皆様には支援頑張っていただきたく。
我が日本はすでに先進国ではなく衰退国ですので、支援を行える力は御座いません。
世界の平和維持に責任を持つことが先進国の務めで、有言実行してこそ日頃他国を劣等扱いしてあれこれ指導している面目も立ちましょう。
挫けず頑張って欲しい。
>我が日本はすでに先進国ではなく衰退国ですので、支援を行える力は御座いません。
幾ら三菱MRJの開発中止が決まったからと言って、日本を衰退国と見做すのは大げさな……
もしそうなら、G7広島サミットは中止しないと(ゲス顔)
それは兎も角、今後は長射程兵器とF-16を巡って米欧間のババ抜きが始まったって所だと思うけど、多分ロシアの冬季攻勢でウクライナが負ければ嫌でも供与が決まるでしょうよ
どの国だって「エスカレーションは避けたいが、その結果『お前が兵器供与を渋ったからウクライナが負けた』と言われたくない」でしょうからね
さて、また冬眠生活に戻ろうか……
日本はG7加盟国で世界第3位の経済大国、もちろん先進国だが?先進国の定義を勝手に変えないでほしいですね。
それが、人口が日本の 2/3 のドイツに GNP で負けそうなんですよ。
為替次第だけど 2023 年には逆転しそう。
この30年各経済指標が概ね横這い状態で、概ね右肩上がりな他国との違いで、相対的な位置が低下している様ですね。
そして横這い維持自体、派遣社員の様な労働者の搾取によって成り立ってた面があり、それが非婚化・少子化に拍車を掛けている様なので、何れ横這い維持すら破綻しかねない状況に。
昨今の賃上げ圧力で、低水準な傾向とされる労働分配率が改善し、回り回って上記破綻を回避するプラスの連鎖に入って欲しい所ではあるけど。
「年金や生活保護の遅配欠配は当たり前、医療費は10割負担、それぐらいでないとなかなか衰退国扱いにはできません。それまではご支援のほどよろしくお願いいたします。」
数週間前のドイツみたいに今度はアメリカが針の筵になったら面白いな
レオパルト2の時はドイツが散々な言われようでしたけど矢面に立ちたくないのは何処も同じですよねぇ…。
アメリカ様を批判出来る国があるのか。。。?(疑問
理詰めでパイロットおくって教習受けろっていわれると思うな。
割とマジで・・・。
ゼレンスキーが「欧米が決定した」と言っているのは、ウルズラフォンデアライエンあたりが口走ってる段階の事を指しているのでしょう。
ウクライナ国産の、ネプチューンSSMの射程を伸ばすってのはダメなんですかね
アホみたいな言い方をしますが。
ストームシャドウのプログラムをいじくって、射程を290kmにすれば良い(笑)のでは。
燃料搭載数量はそのまま(300km分:どうせ誤差範囲でしょう(笑))にして。
”ウクライナがプログラムを勝手にいじくり直して射程を300kmにしました”
みたいな形にしたら、怒られる(笑)でしょうか。
燃料抜いておけば、OK!
本邦は上空1万8000mに浮かぶ気球を撃ち落とすのさえ、高い政治判断に高すぎる迎撃方法なので諦めてます。
自衛隊が保有する航空機で実用上昇高度2万m飛べる機体は無いですし、そもそも気球迎撃は想定外。
F15戦闘機は1万5000mが実用限界。
人民解放軍の旧式J7戦闘機さえ機銃で撃ち落とせる能力を保有していますが、本邦に撃ち落とせる能力は有るのでしょうか?
実戦で実績の無い兵器には信頼をおけません。
日本製ミサイルを各種秘密裏にウクライナに供与して結果を見てみたいものです。
正直な話、何でそんな物を撃墜する為に同じ高度に上がる必要があるのか理解に苦しむ、何のためのミサイルか。
昔の中国でさえSAMで高空飛ぶUー2撃墜して博物館に並べていたのに上昇エネルギーに有利でロケットモーターで飛ぶAAMが高空目標を撃墜出来ない理由はないだろう。
大体、旧式のJ-7だって撃墜出来る保証無いでしょ。大口径機関砲積んでいるとは言え気球を機関砲で撃ってもなかなか落ちなかった事例もあるんだし。
接近して対象の写真と動画を証拠記録として残さずに、撃ち落とすことしか考えてないのですか?
アメリカがU2とF22を飛ばして気球の上空と気球と同一高度と気球の下で監視しつつ撃墜しているのに。
物的証拠を可能な限り原型を留めたまま回収するために特定の場所を狙って撃つ必要があるから、同一高度で航空機を飛ばして撃墜。
鹵獲するなら機関砲がいいが、外した弾による落下先での着弾危険を考えると機関砲よりミサイルが適切だとの理由で短射程の小さいミサイルが選択されたわけです。
地対空ミサイルで撃ち落とす?記録も証拠も残さず、U2ほどの熱源反応もなくレーダー反射面積は0.01㎡程度しかない気球を?
カナダ空軍も米軍のF22に撃墜してもらったんですよ。
今回のアメリカの件はペイロードをできるだけ傷つけずに落とすためにわざわざめんどくさいことやったんであって、単純に破壊するだけであれば他の装備を使ったり、あるいは他国でもできるのでは?
無人機の形で高高度迎撃機を一個飛行隊(25機)程度は持っていても、
そんなに負担にならないような気がします。
人を下ろせば、生命維持に係る装備は不要でしょうから。
昔の米国のD21無人偵察機のような形のもので。
案外と、F104をベースにしてもいけそうな気がします。
F104は有人試験機で高度30,000mの記録を持っていますから。
迎撃用にAIM9Lを2発を懸架したらどうでしょうか。
技術的には面白いと思います。
>案外と、F104をベースにしてもいけそうな気がします。
飛行可能な手持ちのF104は、無人機に改造して、全て標的として撃墜済みだけどね。
今考えると、勿体なかったですね。
現役の戦闘機パイロットにTV越しで誘導をしてもらって、
問題の風船を迎撃してもらうと助かったのですが。
AIM9L〜Xに、破片でなく衝撃波で破壊する弾頭を付けて、
風船を潰してしまう形で。
移動が面倒なミサイルシステムより簡単に対処できると想像します。
別にF15の無人機でも良いと思いますが、勿体無いような。
ウィキペディアではF-15Jの実用上昇限度は19000m、C型もフェリーでの実用上昇限度17900mとありますが、実は15000mだとする根拠があるのでしょうか。
また、中国は19年に「動力がある無人気球」を殲10Cの空対空ミサイルで撃墜したと報道していましたがJ-7が気球を機銃で落とした事例があるなら教えてくださいませんか。
アメリカと中国がミサイルで気球を落としたのは「違いすぎる相対速度による衝突」「エンジンへの異物吸い込み」「気球が爆発」を想定しての機体の安全確保のためだと思いますし、F-22を使ったのはそれ以外の機体の能力云々ではなく政治的デモンストレーションでしょう。F-22に『目に見える戦果』をあげたかったのもあるでしょうが。
>>F15戦闘機は1万5000mが実用限界。
さらっと調べてみたけどどこも18000から19000くらいで書いてあったけどどこソースですか?
高高度を飛行する戦闘機の操縦士を支える与圧機器、酸素供与装置、紫外線や放射線被曝保護、緊急脱出時の危険性、短時間の滞空であれば可能ではあるものも連続した長時間飛行は危険。
電子機器の正常な作動を保証するため温度の維持、そしてパイロットの体温を適切に維持し操作操縦戦闘に支障が発生しないよう総合的に限界高度が定められている。
高高度を飛行する事を前提とした航空機の操縦士は宇宙服のような専用の装備が必要で、通常の戦闘機用装備では寒く、緊急脱出で射出されたときに気圧差で鼓膜が破れたり身体的影響が発生する。
限界性能は一定の作戦遂行環境条件での安全を保証する数値であって実際には超える事もあるが、基本的には行わないし、行わせない。オーバーGと同じく指導、始末書案件。
正確な機体性能は機密なので運用者しか本当の限界知らない。
頑張ればなんとか無理してやれるかもしれないが、機体性能に余裕はないし難しい。失敗するかもしれない。過去に撃墜した事ないし高高度を低速で飛行する気球を撃ち落とす訓練をしたことはないから、やってみなければわからない。
F22のように高度2万mまで飛ぶ事を前提に設計された戦闘機が1万8000mを飛行するのと、1万5000m程度を前提として設計された戦闘機が機体改修によって1万8000mまで上昇できるようになった機体は別物。
機体寿命を考えてもF15Jでは余裕が無い。
長々と最高飛行高度と実用上昇限度の違いを説明してくれてるところ悪いけど、その「実用上昇限度の方が15000mのソースはどこか」と聞かれてると思うのですが。
てかF-15は原型機の時点で18000m超えて飛行していて、公称の「実用上昇限度」が18000m弱となっていますし、ストリークイーグルプロジェクトではたった200万ドルの改修で当時最速での高度30000m到達を記録しています。
1万5000m程度を前提として設計されて機体改修によって1万8000mまで上昇できるようになった機体、って何のことですかね?
少なくとも(日常的に通常装備で高度20000mで格闘戦をやれ、というのは無理でも)特別任務としてそれなりの改修を施した専用機を仕立てて年に数回とかの頻度で高度20000mで反撃してこない気球を撃墜するのであればそこまで困難とは思えませんが。
もちろん舵面が効かなくても推力偏向で姿勢制御をできるF-22との超高高度での飛行性能は段違いでしょうが、目的は「F-22との格闘戦」ではなくて「気球の撃墜」ですからそこは問題になりません。
ウィキじゃないですかね。C型は17900mで、日本のJ型のページだと19000mと描いてありました。
元コメは「15000mのソースはどこだ?」と聞いていると思うのですが…
すみません。読み違えました
そもそも高度20000Mってそこまで高空じゃないと思うんだが
F-16AMを送っても、機体寿命が残っているのかな?
QF-16のベースにするのか?
普通に早期退役しているのが多いから数年はどうとでもなると思うよ
残っているのが配線の関係で近代化改修してないのだっていうのを除けばね。
あと近代化改修が遅々として進まないってのもあるしねぇ。
中を取ってSLAMでええんとちゃいまっか?
あ、英国には無いですね。