欧州関連

エアバス、ドイツと研究していた極秘裏の「無人ステルス機」を公開

エアバス社は11月4日、極秘裏に研究していた無人ステルス機「LOUT(Low Observable UAV Testbed)」を公開した。

参考:German Low-Observable Diamond Demonstrator Revealed

エアバス社とドイツが開発した無人ステルス機「LOUT(Low Observable UAV Testbed)」

エアバス社の第6世代戦闘機「Future Combat Air System(FCAS)」プログラムマネジャーは、今回公開した無人ステルス機「LOUT(Low Observable UAV Testbed)」は2007年、エアバス社の自己資金で研究が始まり、2010年にドイツ国防省が研究に参加し資金を提供、2014年に技術実証モデルの製作が完了したと明らかにした。

出典:Airbus Defense & Space

LOUTは機体重量20トンの無人機として研究されたが、技術実証モデルは約1/5のスケールで製作された。

この技術実証モデルは2基のエンジンを搭載し亜音速域で飛行、縦横約12m、重量約4トン、エアインテークは機体上面に2つ設置され、ステルス性能を高めるためダイバータ(境界層隔壁)がなく。エンジンの排気ノズル部分は公開された写真から直接確認出来ない。

出典:Airbus Defense & Space

LOUTの機体下を捉えた写真にも排気ノズルらしき部分は映っておらず、恐らくB-2爆撃機やYF-23のように赤外線による下方からの探知を避けるために機体上面に設けられているのだろう。

あとLOUTは無人機と言いながらも「キャノピー」らしきものがある。

FCASプログラムマネジャーは、ドイツがLOUTをベースに無人機を開発しているのかについては言及しなかったが、このプロジェクトによって得られたデーターは、フランスとドイツが開発を主導している第6世代戦闘機「FCAS」の開発に役立つと話した。

さらに、LOUTの経験はタイフーンのアップグレードにも流用される可能性があると付け加えた。

Future Combat Air Systemとは、フランスとドイツが計画を主導し、今年6月に開催されたパリ航空ショーでスペインが合流した第6世代戦闘機開発計画で、高度なネットワークを通じて、あらゆるセンサー、あらゆるドローン、あらゆる兵器を制御可能な、これまでに見たことがない能力を持つ「第6世代機」だとフランスとドイツは定義している。

 

※アイキャッチ画像の出典:Airbus Defense & Space

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 11月 07日

    Ho229の亡霊か…
    B-2が成功してるから爆撃機はとにかく低RCSで全翼機って発想は分かるんだが
    そこまでして全翼に拘る必要あるのかね?
    ホルテン兄弟の呪いにかかってないか?w

      • 匿名
      • 2019年 11月 08日

      全翼機は、RCSを増大させる要因である垂直・水平尾翼が無いので、ステルス性を向上させる効果が高いですから(主翼の角度さえ考えれば良い為)、ステルス機の設計者なら、誰でも真っ先に考え付く形態かも知れないですね。

      1
    • 匿名
    • 2019年 11月 07日

    まんまA12だなw。空飛ぶ三角定規再び

    • 匿名
    • 2019年 12月 08日

    UFOと錯覚しても可笑しくない。

    • 匿名
    • 2019年 12月 19日

    ドイツ軍死んじゃってるのに意味あるの?

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