中国関連

珠海航空ショー、対艦弾道ミサイル「CM-401」の空中発射バージョンが登場

対艦弾道ミサイル「CM-401」の空中発射バージョンが搭載されたH-6Kが確認され注目を集めており、今月8日に開幕する珠海航空ショーで発表される新兵器の数はどんどん増えいていく一方だ。

参考:“神秘导弹”曝光!“战神”轰-6K挂弹现身中国航展 跟随“军迷天花板”一起抢“鲜”看!| 军迷天下

中国のA2/ADに対するアプローチは亜音速から極超音速、シースキミングからスキップ・グライドなど多彩で対処する側に負担をどんどん強化している格好

2018年に存在が公表された対艦弾道ミサイル「CM-401」は車輌発射型と艦艇発射型が存在し、バイコニック(bi-conic)式の形状からイスカンデルのようなスキップ・グライド軌道で目標に接近する=インターセプトコースを予測するのが困難で迎撃が難しくになる可能性が高く、最大射程は約300km(最終突入速度はM4~M6の間で最終誘導はAESAレーダーによって補正される)だと推測されている。

これをH-6Kに搭載した空中発射バージョンが確認されたため「キンジャールの中国版ではないか」と予想されているのだが、車輌発射型や艦艇発射型に比べて「最大射程と最終突入速度が向上している」という指摘があり、第一列島線や第二列島線内の接近阻止/領域拒否(A2/AD)戦略を強化する意味合いが強い。

勿論、CM-401は価値の高い地上目標にも使用可能なのでH-6Kに搭載して運搬すれば影響を受ける範囲は格段に広くなり、台湾有事で自衛隊が米軍を支援すれば南西諸島や九州地方がCM-401の影響を受けることになるだろう。

因みにDF-21もしくはDF-17の空中発射バージョンではないかと思われる「CH-AS-X-13 ALBM」の運用も始まっており、中国のA2/ADに対するアプローチは亜音速から極超音速、シースキミングからスキップ・グライドなど多彩で、これに対処する側に負担をどんどん強化している格好だ。

関連記事:中国空軍の対空ミサイルPL-17が登場、400km先のAWACSや空中給油機を攻撃可能
関連記事:中国で間もなく開幕する珠海航空ショー、無人機がショーのハイライトに

 

※アイキャッチ画像の出典:军迷天下

高まる無人機需要、インド陸軍が2,200機以上のUAV緊急調達計画を発表前のページ

インドネシア、トルコから多連装ロケットシステムで使用する弾道ミサイルを導入次のページ

関連記事

  1. 中国関連

    中国が極超音速滑空体のテストで米国を驚かせた理由、HGVが別のペイロードを発射したため

    中国が実施した極超音速滑空体(HGV)のテストに米諜報機関や統合参謀本…

  2. 中国関連

    フォークランド諸島に対するアルゼンチンの主権を中国が支持、英国は連邦の一員と反論

    北京冬季五輪の裏でフォークランド諸島に対するアルゼンチンの主権を中国が…

  3. 中国関連

    中国の台湾を取り囲む演習は武力統一のリハーサル、期間延長の可能性も

    中国は今日から7日まで台湾島を取り囲むように軍事演習を開始する予定で、…

  4. 中国関連

    中国、日本がイージス艦を増強してもDF-17を迎撃することは不可能

    日本がイージス・アショアの代替案としてイージス艦増強を検討していること…

  5. 中国関連

    中国、駆逐艦の発電能力を4倍に向上させるターボジェネレーター統合

    複数の中国メディアは最近、中国海軍の艦艇に将来搭載される高エネルギー兵…

  6. 中国関連

    第6世代戦闘機開発が進行中の中国、Su-57用新型エンジンを入手か

    中国では第6世代戦闘機などの開発に使用する巨大風洞施設が完成したと報じ…

コメント

    • 原点にして頂点
    • 2022年 11月 05日

    日本は「島嶼防衛用高速滑空弾」の空中発射バージョンを開発して対抗しよう!
    島嶼防衛用高速滑空弾は、極超音速滑空ミサイル(HGV)に分類されるから、実現すれば今回発表されたCM-401よりも厄介な兵器になる。

    日本ではスクラムジェットを搭載した「極超音速誘導弾」も開発されてるけど、こいつの空中発射バージョンも開発されていると嬉しい。

    23
    • 名無し2
    • 2022年 11月 05日

    日米中どの陣営も正規軍同士の総力戦は半世紀以上経験していない上に実力未知数の兵器ばかりで次の戦争では何が起こるか予測できない。これが抑止につながればいいが、新兵器でワンチャンあるかもなどと思っているなら危ない

    12
    • りんりん
    • 2022年 11月 05日

    キンシャールがアレでしたからねぇ。
    ロシアも恥ずかしいのか、追加の実戦投入は控えているみたいだし・・・。
    CM-401も実戦で実力を見せない限り、その性能は懐疑的にならざるを得ないですなあ。
    まあ、実戦で活躍されたらヤバイわけですが。

    9
      • 下僕
      • 2022年 11月 05日

      対艦と対地では全然違うのでウクライナの事例は参考にならないと思いますが。

      3
        • 無無
        • 2022年 11月 05日

        参考にはならないとしても、むしろ対艦のほうがより懐疑的になるのでないの、
        動いてる標的なんだから
        いくら巨大な米空母が相手でも、果たして命中精度が誤差の許容範囲に収まっているのか、推測の域を出ていない
        東側には誇大広告の多いことがロシアのせいで知られてしまったしね
        中国の真相は発表通りに受け取れない

        9
          • 5skg
          • 2022年 11月 05日

          中国はASBMの発射実験で航行中の船を目標にして命中させたという話が出ていますので、動的目標でも命中できる可能性はあると思います。
          また、中国は砂漠にレールを設置して動的目標への発射訓練を行っていますね。
          「東側には誇大広告の多いことがロシアのせいで知られてしまった」とありますが、ウクライナは東側兵器を運用して健闘しております。
          ロシア軍の運用方法や士気に問題があっただけでは。

          12
      • 5skg
      • 2022年 11月 05日

      キンジャールでウクライナ軍の弾薬庫や燃料庫を破壊していますけど、キンジャールを使うコストと釣り合っていないですし、キンジャールの量も少ないから追加できないと思います。
      中国の場合は大型水上艦への攻撃がメインなので、キンジャールより実戦で活躍はするかもしれません。

      10
      • 名無し
      • 2022年 11月 05日

      アレも何もインフラや燃料庫、弾薬庫は破壊してるので対地ミサイルとしての役割は果たしてるでしょ

      3
    • HY
    • 2022年 11月 05日

     実力がどうであれ「対艦弾道ミサイル」で米空母をしり込みさせた実績はあるのですから、バリエーションは増えるでしょうね。

     因みに実際に運用する場合、軍事衛星による情報取集が必須となりますから、中国の宇宙開発の方もマークしないとだめです。先月末とか中華宇宙ステーション『天宮』が完成しましたからね。台湾有事や対日戦争において「偵察衛星で補足した日本の護衛艦隊に小型戦術核を搭載した対艦弾道ミサイルを発射」というのが最もあり得るシナリオだと考えております。

    6
      • ポン
      • 2022年 11月 05日

      自衛隊が米軍とかと一緒に動かないとも思えないし、核なんか使った日には大変なことになるしなぁ…流石に中国とは言えどうだろ

      7
    • アクアス
    • 2022年 11月 05日

    中国はどこからこういう兵器開発にかかる資金を出してるんだろう?
    欧米や日本を上回る性能の兵器を開発したというのなら、巨額の金がかかってると思うんだが。

    4
      • 無無
      • 2022年 11月 05日

      あの国の軍関連予算は公表と実情が大きく解離している疑いがある、
      歯止めなき国際化が進んで情報も技術も均質化しつつある現代社会において、同じような兵器を開発するのに東側だけが安上がりという魔法を信じてるほうがどうかしている
      ソ連のように囚人科学者を使役して核の危険作業をも囚人に強制労働させるような非人道的な裏があるか、さもなくば表に出ている数字はデタラメということ

      9
        • もも
        • 2022年 11月 05日

        単に人件費が安いだけでしょ

        イラン製ドローンも人件費の安さが機体の安さに直結してるわけだしね

        2
          • 無無
          • 2022年 11月 05日

          もうそういう時代ではないだろう、

          4
      • Kenny
      • 2022年 11月 05日

      そもそも公表されている中国の国防費は過小評価されており、推計値としてはアメリカの1/3位には達している。
      リンクまあ中国も全体的には西側をキャッチアップしている段階で、一部凌駕する兵器を開発する程度は予算がある。

      何より、アメリカはここ20年対テロ戦争という覇権国家としてのコストを支払い、それに耐えきれなくなっている訳で、それに比べてミサイルの開発費なんて知れてるよね。
      リンク

      3
    • ブルーピーコック
    • 2022年 11月 05日

    種類やバリエーションが増えれば増えるほど、使う側も負担が高くなるもんだが、まあ中国だしな。ミサイル管理が杜撰であれば良いんだが(保守管理を怠ると発射した直後にどこ飛ぶか分からなくなる)、そんな都合のいいこと期待して作戦たてる訳にもいかんしな。

    7
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
PAGE TOP