今月8日に開幕する珠海航空ショーでは「新型の無人航空機やカウンタードローンシステムが多数披露される」と予告されており、無人機関連の装備や技術が航空ショーの主役になる時代がやってきた。
参考:Chinese drone, anti-drone systems to shine at upcoming Airshow China
参考:First four-engine large drone developed by China makes maiden flight, to debut in Airshow
参考:‘Never-seen-before equipment’ from PLA to appear at Airshow China 2022: senior colonel
中国は今回の珠海航空ショーを通じて軍事技術の優位性をアピールし武器輸出の拡大に繋げる狙いがあるのだろう
今月8日に開幕する第14回珠海航空ショー(中国国際航空宇宙博覧会)には前回を上回る43の国から740社以上の防衛産業企業が参加、航空ショーには米国、フランス、ドイツ、イタリア、サウジアラビアなど国から100機以上の機体が出展され、ボーイング、エアバス、GEといった大手の防衛産業企業も参加を表明している。
ホスト国の中国もJ-20などの軍用機を多数出展する予定で、人民解放軍の報道官は「来場した観客はこれまで見たことのない飛行展示や装備を目にすることになる」と述べているが、珠海航空ショーでは「新型の無人航空機やカウンタードローンシステムが多数披露される」とも予告しており、特にウクライナでの戦いで注目を浴びる「低空の戦い」に不可欠な小型無人機やカウンタードローンシステムは航空ショーのハイライトになると予想されている。
まだ何が出展され何を披露するつもりなのかは不明だが、初飛行に成功したばかりの大型無人輸送機「Twin-Tailed Scorpion D」が珠海航空ショーに出展される予定で、正体不明のステルス無人機(モックアップではなく実機の可能性がある)が会場に持ち込まれていることも確認されており、中国は今回の珠海航空ショーを通じて軍事技術の優位性をアピールし武器輸出の拡大に繋げる狙いがあるのだろう。
And another image of that mysterious UAV … 😯 pic.twitter.com/T9XeW2crkD
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) October 30, 2022
Via @柳成梁/FB 🤔
“疑似成飛忠誠僚機的玩意抵達珠海航展”
“Suspected piece of Chengfei’s loyal wingman arrives at Zhuhai Air Show” pic.twitter.com/AIv0N74cdn
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) October 29, 2022
日本人にとって「軍事技術は徹底的に隠すもの」であり、最先端の武器や技術を「なぜ広く公開しなければならないのか?」と疑問に思うかもしれないが、世界の国防関係者や防衛産業企業が集まる国際的な武器見本市は武器や技術の優位性をアピールする以外に「各国のサプライヤーが出会い協力を模索する場所」としての役割がある。
直近で言えばインド最大の武器見本市「DefExpo2022」でインドのサプライヤー同士や海外サプライヤーとの間で451ものMOUが締結(前回は201)され、モディ首相は最終的に自国の防衛産業をグローバル・サプライチェーンに食い込ませること狙っている。
つまり国を代表する大手防衛産業企業の開発や製造を支えるサプライヤーは「国際的な武器見本市で同系統のサプライヤーと結びつき販路や規模の拡大に勤しんでいる」という意味で、国産兵器はすべては自国企業によって作られるべきという考えは完全に時代遅れだ。
勿論、国内の防衛産業界を維持するのに必要な仕事量を国が保証できるなら問題ないが、米防衛産業企業ですら武器製造に必要なコンポーネントを国際的なサプライヤーから調達(例えばF-16Vの主翼はイスラエル企業、中央胴体、後部胴体、コックピットの構造体はポーランド企業が製造してグリーンビルにある工場に納品している)しているので、もはや費用対効果の高いエコシステムを構築するに国際的なサプライヤーに頼るのは普通のことなのだろう。

出典:Israel Aerospace Industry
今日も島津製作所が空自向け部品製造から撤退すると報じられているが撤退原因は8%という利益率らしい。
因みに韓国防衛産業界が海外輸出に注力する理由について現地メディアは「韓国軍向けの契約は防衛産業原価計算基準によって利益率が9%~16%に制限されているのに対し、海外輸出は当該国との交渉で価格が決まるため利益率を高く設定できる」と説明している。
関連記事:海外メディアも注目、珠海航空ショーで初公開される電子戦機J-16Dと無人偵察機WZ-7
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※アイキャッチ画像の出典:Jesus Roman
一刻も早い防衛産業の統合・再編が待たれますね
国際市場進出の為にも、自衛隊回りの法整備をかためて同盟国を増やせないものかな?
ファイブアイズやNATOに入れれば話しは早いんだが…
結局中国はどうするつもりなのかねぇ。
死に体のロシアの後を継いで第二次冷戦を始めるか、あるいはアメリカとの太平洋戦争か
日本の武器・兵器の世界の認知度は大体どのくらいだろう?
日本の一般人に、ググらずにカナダを説明出来ますか?くらいの薄い認知度なんだろうか?
管理人が前の記事で書いてたよ。
海外での日本製装備品への関心は恐ろしいほど低いって
軍事品は需要のある国が先端を行く
中東諸国の方が部分的には米軍を超える装備や戦術を開拓する時代
輸出振興を重要だが、好きな武器を好きなだけ買える政治経済力を持った国家にいるのが以下に重要かということもまた重要
利益率8%というのは営業利益率のようですね。
営業利益率15%以上が要求される時代に、8%の営業利益率でモノを作って売れという話ですから
そのうち対応断ってくるのは当たり前かと
しかも単年度発注で発注数は少なく購入数量の保証もない。
生産ラインの国の買い上げ保有によるROAの改善、長期契約・購入数量保証
そのうえで、海外販売への協力ぐらいまでしないと
企業側も努力や愛国心だけでは難しいかと考えます。
島津製作所の件について読売が記事を出していましたが、営業利益率は0.5%らしいです…。
「島津製作所、空自向け部品製造から撤退へ…低収益で防衛事業の継続困難」
リンク
島津製作所の撤退ですが、これは営業利益率だけが問題では無いと思います
理由は、この話が出て来たのがF-3&テンペストの日英共同開発話が出て来た後だからで、もしかすると、例えばHMDS等の装備品の開発では経験が有るBAEシステムズに勝てないと島津側が悟った可能性が有るからです
個人的な意見としては、防衛装備品は今後どうやっても国際共同開発が増えるでしょうから、こう言う事はもう避けられません
政府が率先して得意な分野を見極め、残す企業をシビアに選別する必要が有るでしょう
そうしないと、下手をすれば国内の全ての企業が防衛装備品の開発を「儲からないからダメです、輸入して下さい」と言い出しかねません
?
>国産兵器はすべては自国企業によって作られるべきという考えは完全に時代遅れだ。
どこの国のことだろうか?
国かどうかはともかく個人レベルでは国産志向の強い人はどうにもネジの一本まで国産でないといけないという人は意外と多い。
ここのサイトの読者にはあまりいないけど他所にはP-1,C-2が完全国産だと思ってる人や部品、整備に関する問題が噴出してる今でもF-3は日本1国で開発すべきと言ってる人はいるからね
実は、どこの国も一緒の問題なんだよね
例えば先日、F-35のある部品に中国製の材料が使われていて、一時機体の納入が停止された事件が有ったばかり
更に言えば、一般向けの製品でも同じ事が起こっていて、例えば国産スポーツカーやオートバイに外国製部品が堂々と使われていたかと思うと、その逆も有る
今や、兵器に限らず殆ど全ての工業製品には、複数の国々の部品メーカーで作られた製品が何らかの形で組み込まれているのが当たり前なんだ
しかし今回の記事の最後の部分は興味深いですね。そりゃ韓国防衛産業も必死になるわけだ。