中国航空工業集団(AVIC)は極超音速に対応した1メートルクラスの新型風洞設備「FL-64」が主要なテストに合格、極超音速兵器等の開発プロジェクトに使用できるようになったと明かした。
参考:China’s new wind tunnel ready to shape development of hypersonic weapons, equipment
極超音速兵器の開発スピードを左右しているのは間違いなく充実した風洞設備の有無
中国航空工業集団(AVIC)傘下の航空力学研究所は航空機、ミサイル、宇宙船、ロケットなどの開発に欠かせない低速風洞設備(FL-8、FL-9、FL-10、FL-51)、遷音速風洞設備(FL-2、FL-3、FL-60、FL-62)、極音速風洞設備(FL-63)を建設・運営しており、FL-63よりも大型で高度な極音速域でのテストが行える風洞設備「FL-64」を2年の歳月をかけて建設、主要なテストをパスして極超音速兵器等の開発プロジェクトに使用できるようになったと明かした。
航空力学研究所によれば「FL-64は飛行高度4万8,000メートル、摂氏626.85℃の環境下でマッハ4.0~8.0までの極超音速飛行をシミュレート(30秒以上)できる」と説明しており、中国人の軍事アナリストもメディアの取材に「風洞設備を使用した検証は手軽で安価なコンピュータシミュレーションよりも正確で航空機や兵器の開発において重要だ」と語っているが、中国は2022年までにマッハ30に対応した風洞設備(JF-22)を完成させる予定で、次々と使用可能になる新型風洞設備(FL-64やJF-22)を活用して超音速兵器の開発を加速させるつもりだ。
余談だが米国も極超音速兵器開発の要となる風洞設備の近代化に資金を投資しているものの米軍、NASA、大学や産業界施設の中にマッハ30までの飛行特性をテスト可能な極超音速風洞設備(28施設中マッハ18、マッハ20、マッハ23に対応した施設が1つづつ)は無く、米国がオーストラリアと極超音速巡航ミサイルを共同開発する利点の一つに「世界最大級の広さを備えたウーメラ試験場施設にあるマッハ30までの飛行特性をテスト可能な極超音速風洞設備を利用できる」と言及している点が非常に興味深い。
つまりオーストラリアは極超音速兵器開発のインフラストラクチャー(広大なウーメラ試験場やマッハ30に対応した風洞設備など)を提供、米国は極超音速兵器の開発過程で得られたデータをオーストラリアと共有することで「互いのニーズを満たそうとしている」と言えるのではないだろうか?
まぁ将来のことまでは分からないが、米中が風洞設備の充実に多額の資金を投資しているのを見ると「極超音速兵器の開発スピード」を左右しているのは間違いなく充実した風洞設備の有無にかかっているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:MDAA HGVのイメージ
建前:日々緊迫度を増す日本周辺の安全保障環境が一層の困難に直面することに深い懸念を…
本音:中国が無限の資金と人材で作った誰も真似できない究極の次世代超兵器が見たい
正直中国の軍事費へ掛けられるのは素直に羨ましいと思う
社会保障費とか切り捨ててるけど
反乱が起きないのかな?
そんた時のための武装警察です
まぁ、まだ成長途上国家だから働き手が増えてるのがでかい
少子化は進んでるけど高齢化はまだそこまで進んでないからね
中共の軍隊は自国民を守るため物ではないのでNP
それは日本と言うか、どの民主主義国家でも同じ事
国民の生命や財産を守るのは警察や消防の役割であって、軍隊の役割は
国家の統一保持、国家体制の維持、国家の主権を守る事であって、国民の
命を守る事は二の次だ
ただ、それが間接的に国民の生命財産、生活基盤を守る事に繋がる
目的と役割分隊が違うのだ
それは元コメが言わんとしてる事と違うと思う
元コメは、中国軍は「国軍」じゃなく「共産党の私兵」でしかないっていう一般論を言ってるんだと思う
中国の憲法では「中国共産党が中国を指導する」と定めている。
つまり、中国共産党は国家より偉い存在。
なので、「中国共産党の私兵⊃中国の軍隊(国軍)」という整理になる。
ちなみに、三権(立法・行政・司法)と中国軍は互いに独立しており、それぞれが中国共産党の部下という位置付け。
それを(国家による統率をうけないから)私兵というのでは?
そんな事を言ったら、自衛隊だって与党である自民党の
私兵って事になりますが?
自衛隊は与党や与党の党首の命令を受けるんじゃなく内閣総理大臣の命令を受ける形だから、その時点で私兵とは言えないのでは?
仮に自民党が政権の座を追われても自衛隊への指揮権限を握り続けるなら私兵と言えるけどそうなんか?
私兵とは軍閥化の事を言うのかと思ってた。
専制国家であっても、国家指導者の指揮下にある軍隊を
私兵とは呼ばないと思うのだが。
西側諸国の政治思想(国家が最上位で下に政党がある)で考えれば、「中国軍は共産党の私兵」になるかもね、
しかし、中国では共産党が最上位で国家と中国軍は共産党の部下になり、共産党は両方を指導する立場(つまり保護者)にいる。
中国軍は「国家の保護者たる共産党を守る軍隊」になるので、中国では「共産党を守る軍隊=共産党の部下である国家も守れる軍隊」という考えになる。
そもそも軍備に金かける必要があるのは中国のせいなので
手段と目的が逆転してる
そうね。実際中国は、政治・外交・理化学・工業・軍事、どこまで派手にやれるのか、物凄く興味がある。冷戦時代のアメリカもソ連も、今から見ても無茶苦茶なことやってるから、残念ながら楽しみだ。
バカげた本音だな
米国がオーストラリアを極超音速兵器の共同開発パートナーに選んだ件、開発対象への
直接的な技術やノウハウが無くとも、相手側には無い、開発に必要なインフラ環境を持つ
だけでもパートナーとなり得る、つまり安全保障な面で戦略的な価値を持つのだなと思った
相手国には試験環境を、自国には試験で得たノウハウが得られるのだから元は取れるわけだ
開発するものがなければ実験設備など持っても無駄って考えは改めるべきかな
そりゃ話の飛躍だ
需要の根拠なく高価な施設は作れまい
企業でも国家でも同じ事
言わんとするところがよくわからんがJAXAにも極超音速風洞あるよ
豪と米が同じ方向を向いてるからなせる業
施設用意しても本当の同盟国だと思ってなかったらそれに依存しようなんて考えない
空母打撃群を同じ数揃えられず脅威になるなら
飽和攻撃 核魚雷 極超音速ミサイル 他
慢心なのか米は後手にまわっている感が。
軍備の米国追従では費用対効果が薄い。
コンピューターでシミュレーション出来そうだけどできないのか
シミュレーションを動かすためにはパラメータが必要で、そのパラメータを取得するために実測を行う。
その速度域での現象を実験風洞で確認し、関与するパラメータを数式化できるからこそ、信頼性の高いコンピュータシミュレーションが可能になる。
コンピューター上でやるとしても一般的なモデルに置き換えた物でするから、実際に未知の現象とかあるならそれの影響は全く考慮されないってのは分かるよな。
理解しづらいかは分からないが例えば樹脂成形する時に金型へ入った樹脂がどのように進んでいき形作られるかをシミュレートするとする。
原料となる樹脂でさえメーカーは沢山あるし金型も千差万別で製品の形状も厚みも様々。重力の影響で下の方が先に樹脂が流れると言う人も居れば、成形機に取り付けた金型は成形機との当たり面とかで温度差が発生、製品取出す時に開いた時の温度低下、樹脂をとかす温度、樹脂を金型へ送り出す為のスクリュー形状、樹脂をとかした状態でどれ位の時間滞留(秒・分・時間で性質自体が変わる恐れがある)しているか、樹脂を金型に送り出す速度、金型が常温と昇温した時に発生する差・・・etc 関係する物全て入力して始めて現実に近いシミュレートが出来る。
ぶっちゃけシミュレーションソフトだから精度が出るはずと、必要最低限の情報しか入力しないなら、それなりの結果しか得られないのがシミュレーションだよ。
JAXAの風洞試験設備がマッハ1~4あたりで、国内有数とうたっていたから、防衛省もそこまで突き抜けたヤツは持ってないんでしょうね。
マッハ20かぁ…
すごいな…
極超音速は無いのか~
豪州はロイヤルウィングマンとか頑張っているし、本邦も何かしら合流出来れば良いのにね
ブレインズがサンダーバード1号の開発に使ったとか使わないとか。
研究開発と言えばさ、今年って防衛技術シンポジウムはやらないのかな?
撮り鉄とかと同じ香りがする