香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)は20日、中国空軍はF-22に劣るJ-20Aの機動性を改善するため2022年にエンジンのアップグレードを開始すると報じている。
参考:China to start upgrading J-20 fighter engines in bid to close gap with US F-22
中国空軍はJ-20を約200機配備する計画で、WS-15の最終チェックも2023年までに完了する見込み
中国が開発したJ-20の初期型モデルはロシア製のAL-31FM2(最大推力145kN×2基)を採用していたが、これは国産エンジンのWS-15(最大推力180kN×2基)が完成するまでの暫定的な措置で、要求推力に満たないロシア製エンジンを採用したモデルは設計通りの性能を発揮していないと言われている。

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しかしF119(最大推力156kN)の推力を上回るWS-15の開発は難航しており、ひとまずWS-10の推力引き上げや鋸歯状のステルスノズルを備えたWS-10C(最大推力147kN)を開発して統合したJ-20Aが完成、ロシアのコントロール下から完全に脱したJ-20Aの連続量産を2019年(2017年10月という説もある)から開始、中国空軍は初期型モデルを含めて150機以上のJ-20を既に保有していると見られているのだが「推力変更ノズル」を搭載していないため機動性の面でJ-20AはF-22よりも劣ると指摘されてきた。
この問題についてSCMP紙は20日、エンジン開発関係者の証言に基づき「2022年はJ-20Aの機動性を改善するため全てのWS-10Cへ推力変更ノズルを追加するアップグレード・プロジェクトが開始される、このプロジェクトは中国空軍がJ-20を約200機配備する計画の一貫だ」と報じており、推力変更ノズルの追加は今後供給されるJ-20Aだけに限定されるのか?既存の機体に搭載されているWS-10Cにも追加されるのか?については謎だが、中国は約200機のJ-20配備を目指していることが初めて確認されたため非常に貴重な証言といえるだろう。

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中国空軍が150機以上のJ-20を既に保有しているという証言は2021年6月のものなので、これ以降も順調にJ-20Aの連続量産と引き渡しが進められていたと過程すれば既に「200機」という数字に限りなく近づいている可能性が高く、同機の年間供給量を大雑把に推測すると50機前後で推移しているのかもしれない。
因みにSCMP紙は同プロジェクについて「機動性が改善されてもエンジン推力がF-22に劣る欠点はWS-15が完成しない限り解消されないため、依然としてJ-20はF-22に遅れをとるだろう」と指摘したが、開発が難航していたWS-15についても「最終チェックが2023年にまでに完了する見込みだ」と気になる一文を付け加えており、今後数年間でJ-20Aの状況が著しく改善されることを予告している。
関連記事:連続量産に突入した中国のJ-20、南シナ海方面の部隊にも配備を開始か?
関連記事:中国空軍、昨年新たに配備されたJ-20部隊が戦闘可能な状態に到達
※アイキャッチ画像の出典:中国中央電視台のスクリーンショット
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WS-15の最終チェックが2023年までに完了するなら、今のWS-10Cに推力変更ノズルは追加しないと思うけど…。
WS-10C搭載のJ-20はあくまで中継ぎなので、本命のWS-15の完成が近いなら、WS-15の開発・生産を優先するでしょうし。
WS-10は別にJ-20専用じゃなくてJ-10とかにも供給されるから兵站を考えると部品共有化で全部一緒くたにしただけでは?
前線整備が難しいとされる推力変更ノズルもパッケージ化することで後方送りにして整備すれば前線負担も減るし
>「J-20Aの機動性を改善するため」全てのWS-10Cへ推力変更ノズルを追加するアップグレード・プロジェクト
となってますね。
ですよねぇ。仮に開発リソースがありあまってるとしても開発すべき物は他にいくらでもあるでしょうし。
あるいは急いでそうまでしなきゃJ-20が実戦に耐える性能を発揮できないのかな?
てかカナードに加えて推力偏向まで装備して向上したい「機動性」って何のため? J-20で格闘戦でもする気なの? STOL化して前線基地で運用?
推力偏向エンジンでカナードを廃止し、ステルス向上する計画だったかと。
あれ、結局カナードって廃止するんだ。
J-20のカナードとベントラルフィンには、ステルス材料が多く使用されているからステルス性はそれほど低下しない、みたいな話してた連中がいた様な。
高推力エンジン(WS-15)の開発に時間が掛かっていたので、既存のエンジンで(特に高迎角時の)高機動性を追及するために、カナードとベントラルフィンを採用しただけですね。
WS-15が完成すればカナード等は不必要になりますので、廃止される可能性は高いです。
カナードとベントラルフィンにステルス材料を使用する必要がなくなるので、製造費が安くなったり整備が簡単になる等のメリットがありますね。
その説明は昔聞いたけど丸っ切り信用に値しないなぁ。
高推力で得られる機動性とカナードやベントラルフィンて得られる機動性は全くの別物だよ。強いて共通する効果を挙げれば離陸性能の向上くらい?
推力偏向によってカナードが不要になる、の方がまだ少しは納得感がある。
で、カナード廃止の効果がステルス性の改善ではなく製造コストや整備性だけであれば、新たに1バージョン開発・試験・導入・運用するコストに見合うとは全然思えないんだけどなぁ。
中国だとカナード廃止ならただ外すだけで試験や訓練は特にしないからそんなにコスト掛からない、とか?
貴方の仰る通り推力偏向(TVC)技術も重要ですね(WS-15はTVC搭載)。
カナードとベントラルフィンはステルス性を大きく損なわないにしても、無い方がステルス性は向上します(特にベントラルフィンはステルス性に不利)。
昨年からWS-15を搭載したJ-20が試験を行っているという噂もありますので、続報を待つしか無いですね。
肝心要のステルス性を犠牲にするほど機動性重視してたのか…ってよりも
カナードってその場しのぎで付け外し出来るほど機体の構造、重量バランス、その他諸々に影響を与えない訳ないと思うんだけど
特に要件やら制限が従来機よりも遥かにシビアなステルス機なら
設計時点で求められている要素は少ないほうが設計しやすく高性能なものになるのは常識的に考えれば当たり前で
そんな機体に後で無駄になる要素をわざわざ追加した状態で生産する辺り、J-20って性能的に大した事ないのでは…?って思うんだけども
後々再設計して生産にするにしたってF-15C→Eくらい機体弄ることになるんだろうし、現行J-20の張子の虎感が高まるよね
後で無駄になる要素だと中国も分かっていたと思いますが、”いつ”無駄になるかは分からなかったと思います。
J-20はF-22に対抗するために開発されましたが、1990年代の中国がF119-PW-100のようなエンジンを作れるはずもなく、機体設計等で工夫するしかありませんでした。
現状のJ-20はエンジンやステルス性でF-35やF-22に劣りますが、第5世代戦闘機の要素を多く採用しているので、見掛け倒しと油断するのは危険です。
うろ覚えですが、J-20に関して
あの位置に巨大なウェポンベイを設置出来たのもカナードの効果、
といった趣旨の分析をウチューじんさんがされていました。
その分析を受けてですが、主翼取り付け位置の変更を含めて、大きな見直しか必要になるような気がします。>カナード廃止
J-20のでは無いけど、
デルタ翼機でのカナードによるRCS悪化の目安として、下記のFig11のグラフ辺りが参考になるかと。
Fig1にsim対象の形態があるので、それとのセットで見ると良いかな。
デルタ翼機の中では、カード付きやダブル・デルタがRCS的には不味いみたい。
リンク
ドラゴンボール並みのインフレおこしてくるのやめーや
こっちはゴタゴタしてるのに一歩一歩の進むスピードが速すぎて対応できんわ、堪忍してくれや
管理人ちゃん記事投稿が大変ならツイッター投稿まとめだけを張り付けた記事とか作っちゃってもいいのよ
それいいね👍
基本的にSCMPの中国軍関連はソース不明の怪情報撒き散らしてるだけだから信じない方がいい
何事も鵜呑みはよくないからね。
かと言って確実に嘘とも言い切れないし、疑いつつ備えるくらいのがちょうどいいのかも。
J-20の生産は200機だけで終わるのかね。J-31は輸出用らしいが、中国の第6世代機ができるまでJ-20とJ-11でもたせるのだろうか
>J-20の生産は200機だけで終わるのかね。
私も一瞬そう思いました。
恐らくは、WS-10C搭載のJ-20Aは200機で終了し、その後WS-15搭載のJ-20B(?)の生産に入るてことなのだろう解釈してます。
本命のWS-15が2023年までに最終チェック完了てことですが、既存機の全部又は一部を換装てのは考え難い。
>2022年はJ-20Aの機動性を改善するため全てのWS-10Cへ推力変更ノズルを追加するアップグレード・プロジェクトが開始される
が事実なら、WS-10C推力偏向ノズル追加型とWS-15の適用先が別物てことになり、前記のように解釈するのが妥当だと思います。
J-20じゃアメリカのNGADには対抗できないと考えて、J-20の生産を200で打ち止めにしてJ-20の次を考えてるのかもしれない
NGADが形になる頃、「J-40(仮)」みたいな新型が出てくる予感
血を吐きながら続ける悲しいマラソン…
最後は翼をもぎとってアイスラッガー。兵器開発と人間の業を感じさせる話でしたね(スレチ)
そこんとこが判んないだよね、中国の力からすると200で打ち止めとはいかにも少なすぎる。
よほど表に出せない技術的欠陥や不満があるのか、すでに次世代機のめどが立ってるからなのか
J-20を200機製してアップグレード実施、F-22の配備数とほぼ同数で一旦終息させて、製造ラインはJ-31に注力して「戦いは数だよ」を実現って感じにして並行してNGAD対抗機の設計・試作って流れでしょうか。
J-20の武装はよくわかってないのですが、中-長距離AAMで高コスト目標を撃墜するのがメインならF-22とも役割が変わらないですし、F-22と格闘戦することがメインなら、同数か若干上でF-22を黙らせられれば十分役割を果たしていると言えそうです。
的外れかも知れませんが、高機動性は有ったに越したことはないけれど、ドッグファイトをする想定なんですかね?
第5世代同士の場合は遠距離の感知はお互いに困難なので、長距離空対空ミサイルの撃ち合いではなく、視認できる距離から戦闘が始まる想定なんでしょうか?
ドッグファイトというか、今後の空中戦の事を見据えてだと思う
第4世代機相手には相手に補足されないままこっちのミサイルの必中レンジまで接近出来たけどステルス機を早期に補足可能なレーダーの実用化は既に始まってるし(E-2Dのレーダーがそうだと言われてるしVHFレーダーで警戒してる陣地とか)、データリンクで敵の情報を共有してクラウドシューティングでミサイル撃ってくるケースは今後起こりうるので・・・
そうなったら後はもう今の空中戦とほぼ同じでお互い必中レンジに入らないようにギリギリの距離でミサイルを牽制で打ち合って撃たれたら全力で反転して逃げて、振り切ったらすぐにまた全力反転して急加速して攻撃位置についての繰り返しになるので、そういう空中戦で求められる機動性が必要になってくる
そして敵を落とすか追い払うかしたら今度は自分の後ろで狙われてる味方を助けるためにまた全力で反転して加速して(ry
ぶっちゃけドッグファイト、目視内距離戦とかどっちもミサイルも必中レンジなので仮にその状況になったらもう相打ち以外のビジョンが見えない予感
推力偏向ノズルでは?
エンジンが完成しても、推力偏向ノズルがあっても、メンテナンスサイクルが異様に短いエンジンでは……という気もしてならないのですが、そのあたりの情報は出てこないんだろうなぁ……
「戦いは数だよ」
はい、中国の2倍3400機のアメリカの圧勝w
1700機のうち何百台が骨董品
稼働率低い。そもそも数が中国発表(?)
トチ狂った挙句、総出で攻めた所で
自衛隊にも普通に勝てないだろう