中国の環球時報は「チューブ発射型の限界を打ち破る画期的な徘徊型弾薬のテストに成功した」と報じているが、特に興味深いのは「中国初となる水中発射のテストを行った」と言及している点で、中国も潜水艦からのUAV運用を示唆している。
参考:China unveils tube-launched drone with breakthrough flight performance
水中発射型UAVは潜望鏡とソナーに限られた潜水艦の戦場認識力を拡張するのに有効
もはや普及したと言っても過言ではない徘徊型弾薬は運用性、携帯性、保管性に優れた「チューブ発射」を採用することが多いものの、この方式はチューブに徘徊型弾薬を収めるため主翼を折りたたまなければならず、非チューブ型の徘徊型弾薬と比較して主翼のサイズに制限があり、西北工業大学の研究チームは「この方式の設計は空力性能的に限界が来る」と指摘した。
つまりチューブ発射を採用する一般的な徘徊型弾薬の主翼は大きなアスペクト比を確保するのが難しいため「既存の設計では滞空性能の改善が頭打ちになる」という意味で、この研究チームは高アスペクト比の主翼をチューブ内で2回折りたたむ設計を採用した徘徊型弾薬(Peregrine UAV)を開発、この発射テスト(チューブから射出直後に2回折りたたまれた主翼の展開)に成功したらしい。
主翼を2回折りたたむ設計は構造が複雑化するため一長一短だが、もっと注目すべき言及は「Peregrine UAVで中国初となる水中発射のテストを行った」という点で、これはチューブを水中で放出→水面に到達したチューブからPeregrine UAVを発射するのに成功したという意味だ。
米海軍は攻撃型原潜の戦場認識力を改善するため2017年10月に徘徊型弾薬「Switchblade300」ベースの水中発射型UAV「Blackwing」開発を米エアロバイロメントに発注、これを攻撃型原潜で使用した結果「潜望鏡とソナーに限られた戦場認識力が大幅に拡張され有用である」と確認され、2021年3月にBlackwingを120機発注しているため攻撃型原潜での本格運用が始まっている可能性が高い。
イスラエル企業のSPEARも潜水艦からの運用に対応したNinox103UWを発表済みで、BlackwingもNinox103UWもチューブを水中で放出→水面に到達したチューブからUAVを発射するため、中国も潜航中の潜水艦からUAVを運用することを示唆した格好だ。
因みにラーセン&トゥブロ(L&T)もインド海軍向けに水中発射型UAVを開発すると発表、このニュースを報じたジェーンズは「米海軍がBlackwingを採用したことで水中発射型UAVに世界的な関心が集まっている」と指摘している。
追記:米国の国防高等研究計画局(DARPA)は映画に登場するレッド・オクトーバーが装備していたキャタピラードライブ=電磁推進システムの開発を検討中で、これを実現するアイデアを募集中だ。
関連記事:イスラエル、潜航中の潜水艦から発射可能なUAV「Ninox103UW」を披露
関連記事:米海軍が導入中の潜水艦から発射可能なUAV、インドも自国軍向けに開発を発表
関連記事:潜水艦と無人機の連携、米海軍が原潜で使用する水中発射型UAVを120機導入
※アイキャッチ画像の出典:SPEAR Ninox103UW
>キャタピラードライブ=電磁推進システム
これって日本も研究してましたよね
「やまと」って名前の実験船が、神戸のハーバーランドに展示してありましたが、かなり前に撤去された船
結局普通の船の方があらゆる面で効率的なのがこの船によって分かってしまって、電磁推進の道が閉ざされてしまった…
再びこのシステムに日が当たるとは、もう今までのやり方では今以上潜水艦は静かにならないって事でしょうか
部分軌道爆撃システムやゼンガーロケットのような冷戦機以前のアイディアを現代化するのが最近の中国の好みようだ
大陸間気球なども使用している
問題になったのは効率と超伝導のための冷却と塩分濃度の影響とかなので、
商業利用は絶望的ですがそれこそ潜水艦用途での可能性は否定されてなかったと思います。
特に原子力潜水艦なら効率の悪さはかなりまで許容されますし。
超電動技術も当時とは比較にならないレベルですので冷却問題もかなり改善するでしょうし塩分濃度の変化も潜水艦ならあまり問題にならないはずです。
実験船は「ヤマト-1:YAMATO−1」ですね、世界初の電磁推進船だったか。個人的な想像としては振動対策やスクリュー不要による設計の自由度、キャビテーションが発生しない事での速度向上、推力偏向がし易そう、曳航ソーナが使いやすそうとかメリットが多い可能性。
ポルシェティーガーやCVTミッションのように昔から有るけど広く採用されていない物は、素材や理論の進歩で実用レベルになる事なんてザラにある事何で技術レベルが上がり検討に値するようになっただけじゃないでしょうかね。
正直最近の中国関連のニュースって
軍事も経済も
対峙する側からすると見てて絶望感しか出てこないんであんまり見たくないですね
遠い遠いロシアとウクライナの本物の戦争のニュースを見ている方が、比較にならないくらい遥かに気が楽です
まあその気持ちもわかりますが旧ソ連も蓋を開けてみればああだったわけで。
民主国家と違って専制国家の事業は軍事に限らず失敗やデメリットがほぼ出てこない(メンツ至上主義の国は特に)ので、一般人としては喧伝されいる内容の八掛け程度くらいに考えておけばいいのではないでしょうか。
無論、防衛関係者は考え得る最大脅威を想定して対処するのが常道(性分ともいえる)ですが。
困った事に「8掛け」どころか「話半分」でも十分な脅威なんですよね。
更に困った事にそこにせっせと塩を送ってるのが我が国なのがなんとも。
国防動員法が施行された以上、中国企業および中国人は全て国防義務を負ってる訳で、留学生の受け入れや企業の協業、進出、受け入れ等まで全てやめるべきだと思いますけどね。
「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」と仰る日本学術会議さんは何故ここはスルーなんですかねぇ(すっとぼけ
「人は自分の見たいものしか見ない(頭に入らない、アクセスしようとしない)」とか言うものね。
人間、好き好んで嫌な現実を、わざわざ見に行きたくないよな。
You Tubeで「自衛隊最強!」「中国ざっこ(笑)」などがアクセス数を稼ぐのも頷ける。
結局中国の強さの原因は人口につきるので、一人っ子政策で今後人口分布がいびつになる中国に対抗するために、日本は若い世代の人口(出生率)を増やすべき!
と書いていて、「女性の50歳生涯未婚率が20%超えようとしているのに、そんなの無理じゃん」と思ってしまった。
本当に現状を打開するのなら、「子供1人産んだら、都度1000万円支給」という劇薬くらいしか、思いつかん。
>「子供1人産んだら、都度1000万円支給」という劇薬
あの手この手で外国人入国させて日本で子供産ませるビジネスが蔓延る未来しか想像できない。
まとまったお金を支給するやり方はお金のためだけに子供作って捨てるような人が出てきかねないから、子供にかかる保育費用、教育費、医療費、生活費をほぼ無償化する方が良い気がする。
子供を作れない理由は自分にまとまったお金が無いからではなく、色々なコストが高すぎるという理由がほとんどだし。
”彼を知り己を知れば百戦して殆うからず” なのですよ
敵性勢力を過大にも過小にも評価してはいけないのです。
適正に分析し、評価しなければ道を誤ってしまう。
あなたのことではないのですが、最近K国やC国が絡むと途端にステレオタイプな意見が
展開されるのを見ると、大丈夫かなと思います
「中華ドローンなんかSAMでワンパン!」
「日本はFFOS持ってるからドローン先進国!」
敵も己も知らない無知の塊なのが今の日本です(合掌)
遠隔操縦観測システムなんてそれより古い装備が出ているのに最近の総火演で見る事ないし、出ていても10年を遙かに超えるレベルだと思うし陸自ですら要らない子扱いしているような機体を持ち上げるようなアホがいるんですかね?
中国軍は開戦したらレッドチームの常套手段人海戦術で押してくるだろうが、旧式兵器が殆どで練度や士気は自衛隊に劣る!
新型兵器も全てロシアからの輸入に依存していて実態はハリボテに過ぎない!
とか真顔で言う人まだヤフコメとかに結構いますからね
国内で先進的な兵器を開発する技術基盤を有していなく、更には旧式兵器が多くその上数まで必要量が揃ってない我が国の実情を考えれば現実逃避もやむ無しではありますが
夢いっぱいのグローバルニュース
この手のメディアは書いてる記者も何を書いてるのか理解してなさそうな時があるが今回はどうだろうか
要素技術は大体出揃っているので、いつ出てきてもおかしくない物ではあります。
2段折り畳み主翼は珍しいですが、チューブを伸ばせば単段でも性能を確保できる程度の話です。
大型化と重量の問題は出ますが、複雑な構造を排除できるためコストと信頼性では有利なくらいでしょう。
気になるのは徘徊型弾薬という点。
短射程が目標への接近を強要し、低威力が攻撃目標を限定させ、プログラム飛行でも観測情報送信のために電波を撒き散らす徘徊型弾薬のために潜水艦を危険に晒す?
現在の宇露戦争中ならまだしも、対ドローン装備(たとえばUAVの出す電波を探すESM搭載UAV等)が普及するであろう近未来の戦場で?
米海軍のBlackwingもそうですが、UAVの存在を察知された時点で潜水艦の存在を疑われるのに(潜水艦から発射するということはそういう場所でしょう)?
母艦は電波を出さずにプログラム飛行で偵察して、自爆処分がわりにGPS誘導なり画像認識で適当な目標に突っ込ませるんでしょうか?
それともアーセナルシップモドキな小型無人潜水艇や、開戦前に民間船からばら撒くキャプター機雷の様な運用でもするんでしょうか?
一般的なSSNやSSKから運用するには射程と威力、通信距離の制約等のバランスを取ることが困難に思えます。
水上艦や大型機運用不可の小型空母の装備の一部としては適した装備と思うが、指摘通りまともな対潜能力を持った相手には危険だと思われる
損害覚悟で無人潜水艦から打ち出すことは出来そうだ
個人的には、小型潜水艇から出撃するシールズやCIAの隠密上陸の為の装備にも少しは役立ちそうだと考えた
索敵攻撃用ではなく、敵駆逐艦に発見されて追い回されてる時に使うんじゃないですかね。特にドローンで対潜ヘリの位置を特定してドローンから対空ミサイルを撃てるようになれば、今の圧倒的にヘリが有利な環境をひっくり返せますので。
チューブごと海中にこっそり放出して時間差で射出できれば問題ないのでは。
あるいはチューブ搭載の魚雷として射出して数十km先でUAVを射出するとか。
行動予定の海域全体に徘徊型対空UAVを滞空させておけば対潜哨戒機(特にヘリ)の接近を阻止できますので、特殊部隊の投入の様な任務では有効でしょうし、
上でも言われてる様な「既に追われてる」状況でこうした時間差・移動式の水中発射式対空UAVを射出すればデコイにもなりつつ脅威にもなる訳で哨戒機側に難しい選択を強いる事ができるでしょう。
リアルタイムでUAVを投射すれば母艦発見の可能性はあるだろうが、広大な海域で点に過ぎないUAVが即座に発見されるものだろうか?
実際の運用では事前にチューブを投射し、母艦はその海域を離れて安全を確保してからUAVを展開するだろうから、あまり心配しなくても良いかな。
米軍の場合は戦術データリンクを介しての通信らしいので、UAVとの距離を考慮する必要は無いし。
色々な話が出ていますが、どれも疑問があるんです。
まず防御用ですが、戦闘態勢にある戦闘艦相手に徘徊型弾薬なんて通用するんでしょうか?
徘徊型弾薬では対ヘリでも厳しく、対哨戒機も可能なSAMを詰めたブイ状のカプセルのほうが有効ではないでしょうか。
遠隔/時間差も、潜水艦からの操作は制限され、衛星経由はアンテナサイズの制限から困難です。
スターリンクのアンテナを見ればわかるように衛星との双方向通信(特に広帯域で)はそれなりに大きなアンテナが必要です。
グローバルホークの巨大な機首の膨らみも衛星通信用のアンテナが理由ですしね。
特殊部隊用でも滞空時間等を考慮すれば持ち込ませたほうが柔軟な運用になるでしょう。
UAVそのものを発見されなくとも、不審な電波というだけで警戒される以上、勝負所以外で使うのはリスクを跳ね上げるだけに思えます。
この記事にあるような直径10~20cm程度のチューブ発射式の徘徊型弾薬って、潜水艦に統合するには微妙すぎませんか?
大型化すれば解決する問題もありますが、別の問題が出てきますし。
ステルス性が存在意義の潜水艦と、完全自立ではないUAVって相性が悪いだけだと言えばそれまでですが。
既に標準装備化しつつ有りますね、潜水艦運用の特殊部隊を用意しなくても、陸地を偵察出来るのは色々と便利ですね。なので国境イコール海の我が国としては当然対策しないといけなくなる訳ですが‥ヘンソルトという会社が次世代レーダーの宣伝してまして、対ドローン用みたいですが、かなり大掛かりな事をしないとダメみたいですね。
参考
リンク
本邦では東芝が現状民生用としてですが「対ドローン セキュリティシステム」を開発済みで海外含め各方面にアピールしてます。
リンク
・システム構成品
長距離探知レーダ(最大探知距離20km)
RFセンサ(登録データ参照式パッシブ探知)
短・中距離レーダ(小型、最大探知距離 数百m~数km?)
自律型捕獲用ドローン(短距離探知レーダ及び捕獲ネット搭載)
これまで探知困難だった小型低速機も含め、ドローンの探知・識別・対処に特化してるとか。将来的に防衛装備品仕様のスピンオンも有り得そうです。
この手のUAVには布製翼の可能性はないのかなぁ。重量・サイズ・コストの面ではかなり優秀だと思うんだけど。
飛行性能面では少し落ちるとしても無理くりチューブにねじ込んだ(理想的ではない翼形の)展開翼となら十分勝負できるだろうし、耐久性は使い捨てUAVにはお釣りが来る。
一つ心配なのは保存性(長期間収納したままだと布にクセがついて性能が低下する。最悪張り付いて展開せず飛行できない可能性もある)だけど、定期的な再収納とかで解決する問題だし。
大きさが問題ならば、普通の魚雷発射管を使用すれば良いような。
直径が21インチ(533mm)なのだから、大抵のものは入るでしょう。
それこそ、ハープーンやトマホークでも入るのですから。
専用のVLSを使わなくても良いのでは。普通に装填して発射すれば良いのでは。
問題は”マトモな敵”が相手の場合、発射準備のために発射管扉を開けた段階で
自分の居場所を暴露することでは。これは小口径のVLSでも変わらないのでは。
見つかった場合の対処法としては、仏の潜水艦がしているように、
司令塔にSAMなどを装備する方が良いような気がします。
中国海軍のPeregrine UAVは地上プラットホームと共通なので大きさが問題になったと思います。
裏を返せば中国陸軍が運用する徘徊型UAVは他国の物より空力性能が高いということになります。
アイディアとしては面白く、まともな対潜能力はないゲリラや警備の薄い地域には効力がありそうだが、一般的なSSNやSSKの価値が損失するかもしれないとあまりにもアンバランスで小さな親切死ぬほどお世話な装備にも見える
パンジャンドラムやゴリアテも期待された新兵器であったな
記事の添付PVを参照すると、潜水艦は隠密性を生かして沿岸部に接近し、所定位置でチューブ格納型ドローンを射出してるだけです。
その接近行動自体にリスクがあるわけで、自信が無ければ対潜警戒が厳な特定沿海域での作戦行動は普通やらないでしょう。
ドローン探知が必ずしも潜水艦の存在と直結するわけではないし、射出後は無音潜航のまま探知を回避しつつさっさと現場を離れるだけかと。
探知が難しい小型偵察ドローン(但し航続時間は短い)を活用する一手段であって、デコイ射出装置の有効利用でもあります。