スイスのF-35A導入は反対派の抵抗でスリリングな展開を見せていたが、議会が国民投票実施前に導入契約への署名を支持したため19日に契約成立、2008年に開始された後継機選定作業から実に14年の時を経て次期戦闘機の導入が確定した。
参考:Swiss leaders sign $6.25 billion contract for F-35 fighter jets
反対派が契約撤回に向けて政治的なアクションを起こすのかは不明だが、恐らくスイス空軍はF-35Aを手に入れる可能性が高い
スイス政府は老朽化したF-5E/Fの後継機にGripen NGを導入すると2011年に発表、しかし後継機導入の是非を問う国民投票実施に必要な署名を反対派が集め、2014年に実施された国民投票で有権者の53.4%が導入反対を支持したため計画は白紙化してしまう。

出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Mary Begy
しかしF-5E/Fに加えF/A-18C/Dの後継機も準備しなければならないスイス政府は2018年に再び後継機選定を開始、2021年にF-35Aを導入すると発表したものの再び反対派が国民投票実施に向けて動きだし、必要な署名を集めたため注目を集めていたが、問題はロッキード・マーティンが提出した提案内容の有効期限が2023年3月末まで、この期限までに国民投票を実施するためには手続き上の優遇=政治的な善意を必要としていた点だ。
つまり通常の手続き処理では2023年3月末までに国民投票を実施するのは無理があり、スイス社会民主党、緑の党、市民団体の軍隊なきスイスを目指す会で構成された反F-35イニシアチブ(STOP F-35)は「国民投票実施を求める声を無視して政府が契約を締結するのは非民主的だ」と主張、政府に国民投票の結果を見てから契約手続きを進めるよう圧力を加えていたが、議会は国民投票実施前に導入契約への署名を支持した。

出典:GSoA
この結果を受けてスイス当局はロッキード・マーティンとの契約に署名、2008年に開始された後継機選定作業から実に14年の時を経て次期戦闘機の導入が確定したため大きな注目を集めている。
STOP F-35は契約への署名を激しく非難しているものの「契約撤回」に向けて政治的なアクションを起こすのかは不明で、恐らくスイス空軍はF-35Aを手に入れる可能性が高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin スイスで評価テストを受けるF-35A
スイスでは2020年に国民投票が行われ、機種未定ながらも戦闘機40機を60億フランで買うことは可決されているので、民主的な手続きとしては問題無いと思えます。反対派の言い分は決まったことの蒸し返しに近いので、議会は付き合わなくてよいと考えたのでしょう。
反対派の理由はスイスに戦闘機はたくさんいらないとか、そもそも軍隊がいらないといったことのようです。確かにスイスの国土面積で戦闘機40機は多いような感もありますが、国防のためには必要という根拠があるのでしょう。
LMが提出した見積もりが甘いとか、予算オーバーしたときのペナルティーや補償のない空手形に近い数字なのではという指摘もあったような気はする
ホーネットはカナダかマレーシアに売却になったりして。
2008年からどれだけ国際情勢が激変したことか
ウクライナ情勢が無ければそれでも平穏な時期の選択にこだわっていたかも
スイスも大戦時にはヒトラーとの悲壮な対決の覚悟を決めていた過去を忘れないでほしい、
政治としては最も正解に近い選択
だが、オタクとしては最もつまらん展開
我が国もそうだけど「既存戦闘機の置き換え」ってのが理解できない層が一定数いるのはなんなんだ?
時代遅れの機体使い潰せってことなのか。
軍隊なんて不要だとでも思ってるからじゃないですかね?
ただ、小国が半端な数の高価な戦闘機を買いそろえるくらいなら、同じお金で濃厚な対空ミサイル網を構築した方が有益だという意見は、台湾もよく言われていますね。
まあ、まだ台湾は戦闘機が飛ぶ空間はあると思いますが。
中立国だったあのスウェーデンが時代の流れでがNATO入りを表明しちゃったからな。スイスはNATOには参加しないが世論調査では56%が協力関係を深めると出た手前、意思表明したとも言える。今の所はだけど。
ロシアとズブズブだったオーストリアはどうするのやら。
ロシアとズブズブなのはオーストラリアではなくハンガリーぞ
オーストラリアではなくオーストリアですぞ。ネタだったらごめんね。
最凶の軍事大国ドイツに実質守られてるスイスでもこういう選択をしないといけない情勢だからね。
そう考えると日本で自衛隊反対とか唱えてる連中は何考えてるんだろ
スイス空軍の代わりに守ってるの、フランスではなかったっけ?
wikiによると
>スイス防空に関する二国間協定を結んだイタリアとフランスの空軍
この2国と協定を結んでいるようですね。
ドイツに守れてるかというのは色々違うけど置いておいても、
そもそもドイツは軍事小国だから、世界中に武器を売りまくりの武器商人大国ってだけ
いちいち国民投票するなら機種名の記名投票にすれば一番早いのに。
F-34とか架空の数字、F-35BとかCとか型違いの扱い、YF-23とかF-2とかの無理筋の扱いとか傍目では二重に楽しめる!
(´・ω・`)
いや、日本以上の山国だから、F-35Bが最適。
F-5E/F
「ワシらはやっと引退できるのか」
アメリカ海軍
「F-5Nとして第二の人生をアメリカで歩んでください」
>スイス社会民主党、緑の党、市民団体の軍隊なきスイスを目指す会で構成された反F-35イニシアチブ(STOP F-35)
どこの国も、お花畑が咲き乱れてて大変なんだな。