G7はウクライナの安全保障に関する共同宣言を発表、バイデン大統領は「G7メンバーと参加を希望する国が『二国間の安全保障協定』について交渉することを約束するもの」と述べており、ウクライナ支援を二国間協定に格上げするのが狙いなのかもしれない。
参考:Biden: G7 joint declaration will ensure support for Ukraine will last “long into the future”
この宣言の重要な要素は「ウクライナ」と「宣言に参加する国」が二国間の安全保障協定を締結することを約束した点
G7はウクライナの長期的な安全保障に関する共同宣言を発表、バイデン大統領は共同宣言について「G7メンバーと参加を希望する国が『ウクライナの長期的な安全保障』について交渉を開始することを約束するもので、我々はウクライナが陸海空における強力な防衛力構築を支援する。ウクライナはこの地域における安定の力となり、あらゆる脅威を阻止するだろう」と述べた。
ウクライナのイェルマク首席補佐官は共同宣言の内容をTelegramに投稿しており、この宣言の重要な要素は「ウクライナ」と「宣言に参加する国」が二国間の安全保障協定を締結することを約束した点にあり、宣言に参加する国は武器提供、訓練、情報共有、サイバーセキュリティ、防衛産業育成などウクライナの自衛や新たな侵略防止を支援し、経済やエネルギーの安定化、技術的・財政的支援を提供することになるらしい。
要するに共同宣言はウクライナの安全保障に関する各国の支援を「公式な二国間協定に格上げする=事実上の義務化」という意味ではないかと個人的には思っており、イェルマク首席補佐官は「この取り組みはウクライナがNATOに加盟するまで有効だ」と述べている。
追記:英国政府の発表によると宣言には「陸海空における安全保障支援と最新の軍事装備(特に防空、砲兵、長距離攻撃能力、装甲車輌、戦闘機)の提供」が含まれており、二国間協定を通じてウクライナ支援を公式なものとして確立すると述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:NATO
正直なところ良く分からないが、米国が先陣を切って二国間協定を結ぶのだろうか?
その後にNATO加盟国が続々と協定を結び、実質的にウクライナのNATO加盟もどきの態勢にするってこと?
でも参戦はしないんだよね。
参戦はしない安全保障協定なんて何の意味があるの?
ウクライナは先ブタペスト覚え書きで騙されて核放棄してしまった恨みがあるからね
その辺は厳重に詰めるでしょうよ
安保に関して言うなら取れる手段を全て使って安全を保証するって事だと言うのを忘れてないだろうか?それが直接参戦含め核の傘、経済、外交、武器支援、トレーニング、演習、兵站等の様々な要因が重なって防衛力の増強に繋がり抑止力たり得る。
ロシアに対して大抵の国なら怖じ気づくような経済と外交面での手段が効果薄かったから、参戦が必要だになるけど確実な相互防衛みたいな話になると、米軍の戦争にも喜んでお供しますか地政学的に重要だとか相応のリターンなんて無いと無理だと思うが。
不安定だった支援を明文化して確約する、という点では素晴らしいことのように見えますが。
これは裏を返すとこれまでのように青天井で支援がもらえるのではなく、事前に予算化された計画の枠内に留まるということになるでしょう。
すなわち、西側諸国がウクライナに対して「少しはコストも考えろ」と要求し始めた、と解釈することも出来ますね。
これまでも青天井ではなく状況に応じて段階を踏んで最小限の支援をという状態でした。
見る人によっては遅すぎる少なすぎると批判がありますし、他方、どこまでも支援が続いて気がつくと戦車が長距離兵器が、このまま行けばF-16も、という状況にロシア側は不満を募らせていることでしょう。
将来的な支援を明文化することでロシア側にこの先の侵攻の不毛さを理解させる目的もあるのでしょう。
『二国間の安全保障協定』の内容が『これまでの支援を公式な二国間協定に格上げする』では外交的なレトリックでは意味があるかもしれないが、今現在の戦争をどうするのかについては実質的影響を与えることはない。
ウクライナが求めていたのは後ろ盾となる西側諸国による「安全の保障」であり、NATOに入れないのであればせめて再侵攻があった際に共に戦う同盟国を求めていたのではないか。今回の宣言はNATO即時加盟拒否と合わせてほぼゼロ回答である。
もう少し踏み込んだ宣言が出るかと想定していたがこれで本当に終わりなのだろうか?
今までのいきさつを考えるに「誰それが支援したら」「誰それが許可しないから」「アメリカがやったら」「でもやっぱやめた」みたいな内輪揉めで遅々として進まなかったりすることが多かったから、各国ができるラインを明確にするって意図なんじゃないかな
でもそれ以上は支援しないって話ではなく、情報共有や技術移転など高次のことをするために必要な情報保護協定などを、これを機にやってしまおうみたいな話だと思う
人間誰しも認知のバイアスから逃れることはできませんが、gepard氏は、その自覚はおありで?
二分的思考とか。
なんか出来心で登録してメルマガが送られてくる田中宇氏の文章読んでいる気分になる。
「再侵攻」とはつまり一度休戦、停戦しないといけないわけで、再侵攻にしない為にロシアはいつまでもダラダラ戦い続けるし停戦にも応じないよ
かといって現状の戦争状態でNATO加盟も無理だし、今回のは無難なところじゃないか
今までは善意やボランティアで行っていた支援を、公式な国同士の約束事にしようって事?
支援を確実なものにしたいって事なのか?
明確にロシアと敵対しますって宣言なんじゃないかな。
今までのあくまで人道的という建前を止めるって事は何かしらもうロシアが持たない情報が入ったのかも。
逆では?
ウクライナが反攻作戦で結果をだせていない事を踏まえて、現状のやりにくい支援ではロシアを止められないのだと判断したのでは無いでしょうか
これまでは人道的支援だの予防措置だのと建前を付けてでの予算を組んでいたのが、それでは予算が組みにくい(自国民の理解が得られにくい)ので、公式な軍事支援という名目を付けて予算を組みやすくしたのだと考えます
2国間協定によりウクライナに対し長期の支援を確約する事を目的にしていると思われます
支援疲れを期待しているロシアにとっては決して好ましい事ではないでしょう
支援疲れで問題になるのは国民からの支持ですからね
いくら協定を結んでも協定破棄を公約に掲げた政党が国民の支持を得て当選すれば破棄されるでしょう。
まあ条約があれば簡単に支援を中止する事が出来なくなるので条約の意味はあるでしょうけど。
協定内容次第ですが破棄には事前通告が必要となる可能性もあります
その間は効力が発生しますのでやはり支援の長期化に資するものと考えます
幸いなことにNATOの主要加盟国の国政選挙は来年以降とまだまだ先なんですよね。
直近では地方選挙などで与党が負ける可能性はありますが、それは大抵は国内事情によるものなので、外交方針を大きく変えるようなことはないでしょう。
昨日あたりでNATOが2年間のウクライナ支援の計画を決めた話もありましたし、今回の枠組みでG7と有志国は長期支援を約束したものという認識でよろしいのでしょうか。
現状だと、NATO加盟国でも発表した事と、実際の支援内容に乖離がある事がありました。これにはドイツが他国にキレる事もありましたし、今回の協定はこういうやっぱやーめた、を止める役割があるのかもしれません。
あとは、この枠組みはフランスやイタリアの腰を上げさせる目的があるのかもしれません。
リンク
上のリンクは少しばかし内容が古いですが、大凡の支援額が書いたものをまとめています。
面白いのは上位5カ国(EU除く)は全てG7ですし、実は日本は金融関係ですが、結構出しています。一方で、フランスは金額ベースだと低い状況で、今回はこうした少ない支援の国にも支出させる目的があるのかもしれません。これがEUだと、EUとして拠出している部分を盾にして払わない国もいるかもしれませんし、EU自体一枚岩とは行かないでしょう。
少なくともG7は意思を一つに纏めてるから、そこの間では同じ歩みをしようというのがあるのかなと広島サミットから今回の合意、金額差を含めて見てて思いました。
追記:管理人様へ
リンクをURLの状態から、こちらで管理人に直して貰っているのですが、これをこちらで直す事は出来ますでしょうか。毎回直して貰っているのと、本当は自分でやるものでしたら非常に申し訳ないところです。
ヨーロッパ(NATO諸国)の外交は、老練かつ言質をとらせないようにしていますね。
自国民が血を流したり、自国を戦場にするリスクは、国益にならないと判断しているのではないでしょうか。
特にNATO諸国の中でも、独仏伊をなどのロシアから遠い国、ポーランドやバルト三国などの近い国は温度差があり、血を流すリスクを国民は受け入れないということでしょう。
日本のウクライナ支援は、台湾有事のために積極的に行っている、民主主義を守るためという報道が当初なされてきました。そのような中で、マクロン(フランス)のように親中に動いた国がある事は、日本外交の失敗であると言えます。
外交文書など、ヨーロッパの国々から台湾有事の際に、何らかの確約を得られているのか分からない方が多いと思います。(自分も把握していません)
日本外交は、日本周辺の安全保障に対してヨーロッパが確約を得られているのか得られてないのかで、日本のウクライナ支援は当然変えるべきです。
日本のウクライナ支援予算は、日本国内の防衛予算・台湾やフィリピンなどの近隣支援予算とどちらが効果が高いのか、比較検証したものを国が公表すべきではないでしょうか(防衛省の論文のような形でも)。ウクライナ支援が、聖域の予算のように報道されていますが、日本の安全保障にどの程度の効果があるのか理解できない時があります。
ロイターより
『ウクライナはその見返りとして、司法や経済の改革、透明性の強化といった措置を講じることを約束する』
その辺はきっちり釘を刺しとかんとね。特に透明性。
ほぼロシアみたいな国を西側水準まで引き上げるのは並大抵のことではなさそうだが
これをやらないとハンガリーやポーランドのような「コペンハーゲン基準何それ美味しいの」状態の問題児を西側に増やすだけだからな
理屈がよくわからん
二国間条約という形式に拘るなら手続きのさらなる煩雑化を招いて支援にとってむしろマイナスなのでは
ウクライナにそんな何十カ国と外交交渉まとめて条約として文書化する事務的能力があるとはとても思えないけど
確かに大変な作業になるとは思いますが
参加を希望する多数の国家間で調整を行い妥協可能な集団安全保障協定を構築する方が難しいかと
いやここで言う安全保障って軍事同盟とかでなく武器の供与だぞ?
今の多国間でなあなあで出させてる体制より二国間でがっちり条約結ばせる方が楽とはならんわ
武器供与にしたってそれぞれの国で国内法が異なるのでそれをすり合わせる必要はあります
またウクライナに対する要求事項も違うでしょう
軍事同盟ではないからと言って簡単に多国間協定が結べるわけではない
各国世論の一時的な変動に支援が左右されなくなるという政治的効果に加えて、軍需産業は長期的な需要の見通しが立つので、主にEU内で戦争経済への移行が捗り、対中においても望ましい効果を発揮するでしょうね。それからハンガリーなどの非協力国に足を引っ張られることがなくなるというのも利点です。まあ、実際の効力は肝心の二国間協定次第ではあり、支援配分でますます揉めそうな気もしますが・・・
既存の枠組みではウクライナへの支援は難しかったため
これまでは話し合いや交渉を経て、口約束に近い形で支援が行われて来ました
しかしこれでは、いつ支援が打ち切られるかわかりませんので
ウクライナにとっては精神的にも非常に苦しい状況であったと言えます
現状やはり既存の軍事同盟への加入などは難しいのですが
支援の継続を明文化し形にする事はウクライナにとって意義のある事でしょう
支援国の内部でも政治的に、支援を増やせ、支援をやめろ、と綱引きが行われています
ここでも親ロシア対親ウクライナの戦いは行われているわけです
その政治的戦いにおいて親ウクライナ側が有利になるものと考えられます
全ての国と条約を結ぶのは骨が折れるかもしれませんが
まずは、主要な支援国と2国間条約を締結するだけでも十分でしょう
日本が支援を求める立場になったときに
こういう熾烈な外交交渉やれるんだろうか。