アルメニアもアゼルバイジャンも人道的停戦期間を活かして、消耗した装備や弾薬の補給を民間航空機を使って運び入れていると報じられている。
参考:Attack drones being brought to Azerbaijan from Turkey, Israel
参考:Atlantis Armenian Airlines transports missiles and rocket systems to Armenia on civilian aircrafts
ロシアが主導した今回の停戦は「人道的停戦」と呼ばれているが現実は起こっていることは「非人道的停戦」に近い
アルメニア国防省は11日、トルコとイスラエルが人道的貨物に偽装して無人航空機(UAV)をアゼルバイジャンに供給され続けていると非難したが、アゼルバイジャン国防省もアルメニアが自国の民間航空企業「アトランティス・アルメニア航空」を使ってロシア製多連装ロケットシステム「BM-30」で使用するロケット弾や各種ミサイルを運び入れており、これは国際民間航空条約(通称:シカゴ条約)と 国際民間航空機関(ICAO)が定めた規則に違反すると応戦した。
Combat UAVs are being brought to Azerbaijan from Turkey and Israel under the guise of humanitarian cargo. @arcrunmod
— Shushan Stepanyan (@ShStepanyan) October 11, 2020
Armenia under the humanitarian aid, delivered via civilian airlines, received new Smerch missiles. Immediately started to attack civilian population and critical energy infrastructure in Mingachevir. See the gap between civilized world and Armenia. pic.twitter.com/z8rMfIigRb
— Hikmet Hajiyev (@HikmetHajiyev) October 11, 2020
もし両国の主張が正しいのなら陸路と海路による輸送が不可能(両国とも開けた海に面しておらず陸路による輸送もイランやジョージアが武器の移送を許可してない)なアルメニアとアゼルバイジャンは、民間航空機を使用して違法な軍需物資輸送を自国に運び入れていることになる。
勿論、これしか方法がないのでお互い様なのかもしれないが戦いが激しさを増せば増すほど民間航空機への攻撃に発展する可能性があるため、この空域近くを飛行する民間航空機に搭乗するのは当分控えたほうが良いのかもしれない。
あと両国の停戦は全く守られておらず、アルメニア軍はアゼルバイジャンの首都バクーに次ぐ人口を擁する「ギャンジャ」に連日ロケット弾やミサイルを打ち込んでおり、都市の建造物や民間人に多くの被害(昨日だけで民間人が7人死亡し33人負傷した)が生じているが、アゼルバイジャン軍もアルツァフ共和国(事実上アルメニア支配下のナゴルノ・カラバフ地域)の首都ステパナケルトに対して連日ロケット弾やミサイルを打ち込んでおり、こちらも大きな被害が出ている。
In the midst of night Ganja city came under missile attack of Armenia. 3 residential buildings destroyed. As of now 7+civilians, as well as women killed. 33 civilians inlc kids seriously wounded. Armenia hides itself behind humanitarian ceasefire to attack Azerbaijani civilians. pic.twitter.com/bZR3vf2LyO
— Hikmet Hajiyev (@HikmetHajiyev) October 11, 2020
Armenia’s state level policy of terror continues. Impunity of Armenia encourages it for further war crimes and military crimes. Misusing humanitarian truce Armenia indiscriminately fired densely populated residential part Ganja. #Armenia must be stopped. #GanjaStrong pic.twitter.com/8YeZ1RQDmn
— Hikmet Hajiyev (@HikmetHajiyev) October 11, 2020
Policy of vandalism and barbarism of Armenia against Azerbaijani civilian population continues. It is an act of genocide against Azerbaijani people we have witnessed since Khojaly genocide. pic.twitter.com/J92XWWeJwx
— Hikmet Hajiyev (@HikmetHajiyev) October 11, 2020
ここで注目すべき点はアルメニア軍によるギャンジャへの攻撃理由だ。
アゼルバイジャンのギャンジャ周辺にはカザフスタン~カスピ海~アゼルバイジャン~ジョージア~トルコ~欧州へと続くエネルギー輸送用のパイプラインを通っており、ギャンジャを攻撃すると言うことは「いつでもパイプラインを破壊できる」ということを意味しており、これはアゼルバイジャンへの脅しというよりも欧州への脅しと映る。
どこまで効果があるのかは不明だが、恐らく欧州がナゴルノ・カラバフ紛争を軽視や無視することが出来ないようギャンジャを攻撃することで危機を煽っているつもりだのだろう。
以上にのように停戦後も両国の戦闘は続いているが、停戦発効前にナゴルノ・カラバフ全域で繰り広げられていた戦いに比べれば戦死者数についてマシと言えるののかもしれない。しかし互いの軍事ユニット同士の戦いが抑制されただけで敵の拠点や都市への攻撃は激しさを増している=民間人への被害が増えているため凄惨さが逆に増しているという指摘もある。
因みにロシアが主導した今回の停戦は「人道的停戦」と呼ばれているが、現実は起こっていることは「非人道的停戦」に近い。
※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 9K58 Smerch
「3分間待ってやる」(実際は50秒)も銃の再装填の為だったしてん
途中投稿сука блять!
戦線の全体像知らないですが、一般論でいうとこっそり空路で運べる程度の軍需品で大規模な長期戦は無理ですから、事態は収集の方向に進みそう。でも小競り合いだけは延々と終わらない気配
民族紛争ってのは、離れて眺めると似た者同士のケンカ、当人だけが互いにアイツとは違うと言い張るのが、他人からは愚かしい
天然ガス利権がらみになると、この紛争は混迷を深めるだろうね。
ロシアは主力輸出品の石油天然ガスが売れなくて財政がひっ迫している。
その上、野党指導者の毒殺未遂が浮上して欧州向けノルド・ストリーム2の開発がストップ。
その間にトルコ・ストリームが完成すれば、欧州シェアを奪われるか。
ロシアがこの紛争を利用しようと画策している疑惑は深まった。
トルコ・ストリーム→ナブッコ(南コーカサス)・ストリームです。訂正いたします。
軍に攻撃するな?なら民間人だ
人道的停戦だから「捕虜交換」を口実にした一時的な停戦と解釈できる。「不可侵条約」の様な平和協定が結ばれない限り争いの炎は燃え続けるよ。
お互いに長距離ロケット弾を撃ち合っているとなると、前線の兵力・兵器はお互いに消耗して膠着状態に陥っているのかな?
なんかアルメニア本国の都市カパンが普通に攻撃されてるらしいけど
ロシアさんあなた「ナゴルノ・カラバフでなくアルメニアが攻撃されたらすぐ軍出動する」って言ってましたよね
相手の都合で勝手に無効化される集団安全保障ってなんか結ぶ意味あるんですかね?
アルメニアが攻撃されてる?
でも、ジョージア上空なんてロシアはとても通れないから、カスピ海を通って、アゼルを直接攻撃?以外のルートがない。
アルメニア人保護のついでに、欲張ってアゼル人の住む土地を回廊にするからとプーチンは思ってるのか?
前回、ジョージアに嫌われてアルメニアは陸の孤島だな。