アゼルバイジャンは26日「1992年に支配権をアルメニアに奪われていたラチンに軍が入った」と発表、これによりナゴルノ・カラバフ地域(アルツァフ共和国)とアルメニアのアクセスはアゼルバイジャン軍の管理下に置かれた格好だ。
新ルート完成やラチンの管理権移譲でナゴルノ・カラバフ地域を取り巻く状況は新たな局面に入った
2020年に勃発したナゴルノ・カラバフ紛争の結果、アゼルバイジャンはアルメニアに奪われた土地の大部分を回復、ロシアは両国が署名した停戦協定に基づき平和維持部隊を派遣、ナゴルノ・カラバフ地域とアルメニアを陸路で繋ぐ「ラチン回廊」の通行権の確保に努めていたが、最近になってラチンを含む幾つかの拠点の管理権をアゼルバイジャンに移譲したと報じられていた。
アゼルバイジャンのアリエフ大統領も26日「1992年に支配権をアルメニアに奪われいたラチンに軍が入った」と発表したため、ラチン回廊はアゼルバイジャン軍の管理下に置かれた格好だが、停戦協定に基づきラチン回廊を迂回してナゴルノ・カラバフ地域とアルメニアを陸路で繋ぐ新ルートが建設されている。
形式上、新ルートが完成するとロシアの平和維持部隊はラチンの管理権をアゼルバイジャンに移譲して新ルートの通行権保護を行うことになっているため「新ルートが完成した」と解釈してよさそうだ。
アルメニア領とアルツァフ共和国を繋ぐ旧ルートの場合、道路が整備されたラチンを経由すればアルツァフ共和国が支配する地域にアクセスできたが、新ルートは険しい山岳地帯を走らないとアルツァフ共和国の支配地域にアクセスできずラチンにはアゼルバイジャン軍が陣取っているため、再びナゴルノ・カラバフ地域で紛争が勃発してもアルメニア軍は陸路による救援が困難=アゼルバイジャン側から見れば実質的にアルツァフ共和国とアルメニアの分断に成功したと言える。
アゼルバイジャンはアルツァフ共和国が支配する地域の新ルート上の住民に立ち退きを要請、しかし新ルート建設が順調に進めばラチンの管理権がロシアからアゼルバイジャンに移譲されるため、アルツァフ共和国やアルメニアは住民に立ち退きを拒否して「現地に留まれ」と指示するなど対立が続いていたが、新ルート完成やラチンの管理権移譲でナゴルノ・カラバフ地域を取り巻く状況は新たな局面に入った。
因みにアルメニアメディアはラチンにアゼルバイジャン軍が入った事実を報じているが、今の大きな反発は生じていないように見受けられる。
関連記事:アゼルバイジャン軍、TB2を使用してアルツァフ国防軍に報復攻撃を実施
関連記事:アゼルバイジャンは完全な非武装化を、アルメニアは非接触線への不可侵を要求
※アイキャッチ画像の出典:Azərbaycan Respublikası Müdafiə Nazirliyi
あんまりこのニュースに関してはコメントが無いと思いますので宣伝
アゼルバイジャンの上にあるジョージアはワインの発祥地とされています。
ジョージアワインは日本でも購入できます。飲んだ事ないけど
この程度の動きではロシアへの牽制球には遠いかな、むしろ空き巣狙いというとこか
まぁ、ロシアは頼りないっていうのを見せてしまったけどね
CSTOなんて入ってる意味ないって
アルメニアが勝手に略奪した、アゼルバイジャンの保障占領地を、なんで親分のロシアがアルメニアのものとして守らなあかんねん、という、根本に立ち戻らなきゃあかん話。
だったら、最初からロシアがアルメニアに返還するよう働きかけてもよかったんですけどね。
平和維持軍として現地に介入した以上は、「現状維持」する事が求められていたのに
アゼルバイジャンの軍事行動に何の関与も果たせなかったのは
ロシアの軍事プレゼンスを著しく損ねる形になったと思いますよ。
頭にアが付く国が多いから関係が分かりにくい。
発言の趣旨からは外れますが、逆に語尾に「ア」がつく国名が多いのは、ラテン語の形容詞語尾で「ia」が地名を表す接尾辞だかららしいです。
だから、アルメニア(Armenia)・クロアチア(Croatia)・アルバニア(Albania)などのニアで終わる国名だけでなく、ロシア(Russia)・イタリア(Italiaイタリア語)・アルジェリア(Algeria)といったラテン語に影響された言語を持つ国、そしてアジア(Asia)・アラビア(Arabia)・オセアニア(Oceania)といった地域名も多くが語尾がiaで終わるらしいです。
そうでない国名はアゼルバイジャンやスウェーデン、チェコ、ハンガリーのように、〜民族の国というものや古代文明や土着語のものが多いそうです。
調べたら感動したのでおすそ分けに。
クロアチア、ニアで終わってないや。はずい
コメント少ないけど、ナゴルノ・カラバフ問題の新展開につながる重要ニュースでは?生殺与奪の権をアゼルバイジャンに握られたわけで。