フランス国防省は2024年10月「ステルス無人戦闘機と協調可能なラファール F5を開発する」と発表し、アラブ首長国連邦(UAE)にF5開発計画への参加を提案したが、UAEは開発費用9,100億円のうち6,400億円を負担するのに「十分な技術的リターンが得られない」と怒って参加を拒否した。
参考:Financement du Rafale F5 : comment la France a fâché les Émirats arabes unis
主導権は技術か資金か、十分な技術的リターンなしでの開発費用の負担を確保するのは不可能
フランス国防省は2024年10月「核抑止をミラージュ2000Nから引き継ぐラファール F5の初回発注を行った」「2030年に完成予定のF5はコネクティビティとデータ処理能力の面で革新的な技術を導入しているF4を発展させたものでコネクティビティ戦闘機の第2世代だ」「F5は通常任務と核抑止の両方で仏空軍の作戦能力を強化し、偵察任務や敵防空網への侵入を容易にするよう設計されたステルス無人戦闘機の支援を受けられる」と発表。

出典:Dassault Aviation
当時のルコルニュ国防相もステルス無人戦闘機について「ダッソーが中心となって開発した技術検証機=nEUROnの結果に基づいて開発される」「このステルス無人戦闘機の任務はラファールよりも先行して敵地侵入のための道を切り開くことだ」と、ダッソーの最高経営責任者を務めるトラピエ氏も「ステルス無人戦闘機は2033年までに仏空軍の技術的・作戦的優位性に貢献するようになる」と述べ、フランスは開発費用を捻出するためラファール F4を80機発注したアラブ首長国連邦(UAE)にF5開発プログラムへの参加を提案した。
UAEはF5開発プログラムへの参加に前向きな姿勢を示し、総開発費用50億ユーロ(約9,100億円)のうち35億ユーロ(約6,400億円)の負担を申し出たが、フランスが提案した光電子工学技術分野の技術共有についてUAE側は「投資に対して十分なリターンが得られない」「機密保持を優先したフランス側の傲慢さだ」と判断し、十分な技術的リターンなしでの開発費用負担を拒否する事態に発展。

出典:Armée de l’Air et de l’Espace
マクロン大統領も軍備総局と参謀本部に対して強い不満を表明したものの事態は好転せず、UAEのF5開発プログラム参加協議は2025年12月末に決裂し、フランスは今月8日に閣議決定される軍事計画法(2024年~2030年)の修正バージョン内でF5開発費用を全額負担しなければならなくなり、La Tribuneは2日「F5開発はジャムをトーストに薄く伸ばすような対応になる」「これは予算不足を補うため長年行われてきた手法だ」「つまりラファール F5の引き渡し時期を大幅に先送りすることを意味する」「UAEからの資金があれば予算に対して計画が多すぎる状態を軽減できていただろう」と報じている。
ただし、フランスはUAEを含む中東諸国と防衛協定を締結しており、米国の対イラン作戦=エピック・フューリー作戦の報復攻撃に晒されるUAEを軍事面で支援して両国関係が改善しているため、複数の関係筋は「2027年以降、再びUAEがラファール F5開発への資金提供交渉に戻ってくるかもしれない」と期待している。
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※アイキャッチ画像の出典:Dassault Aviation



















今からラファールに1兆円突っ込むのはどうなのでしょうね、他に選択肢がないのでしょうが…
UAEは、ミラージュ・ラファールを大量調達した歴史もありますからね。
開発費7割負担して、見返りがしょぼいなら、怒るのも仕方ないのかなあと。
イラン非難の安保理決議135ヶ国共同提案・ホルムズ海峡封鎖のオンライン会議40ヶ国以上・G7ホルムズ海峡封鎖非難声明など、(日本も参加してますが)フランスもUAE寄りを続けているんですよね。
米国との兼ね合いで、欧州各国が欧州製重視して需要高まってる今の状況だと、フランス的にはあんまり受注焦らなくても良さそう