米陸軍は「2025年までに155mm砲弾の生産量を月4万発に引き上げる」と明かしていたが、ニューヨーク・タイムズ紙は24日「155mm砲弾の生産量を6倍に増やして月産9万発に引き上げる」と報じている。
参考:Pentagon Will Increase Artillery Production Sixfold for Ukraine
2023年は戦い方を工夫する必要があるものの戦いが長引けばウクライナ軍が有利になる可能性も
欧米の砲弾製造企業は榴弾砲や自走砲で使用する155mm砲弾を毎月4万発ほど製造できるのだが、ロシア軍と戦うウクライナ軍は月9万発も消耗しているため欧米諸国は備蓄分を取り崩し続けており、供給量と消費量のギャップを早急に解決しないと備蓄分が空っぽになるか、ウクライナ軍に引き渡す砲弾を現在の半分まで減らす必要がある。
米国の155mm砲弾は政府所有の施設を民間企業が運営する形で生産を行い、砲弾本体はジェネラル・ダイナミクスが運営するペンシルバニア州の工場で、砲弾の中に詰める火薬はBAEが運営するテネシー州の工場で、砲弾に火薬を詰める作業はアメリカン・オーディナンスが運営するアイオワ州の工場で、155mm砲弾を発射するための装薬はBAEが運営するバージニア州の工場で作られ、毎月1.5万発を陸軍や海兵隊などに供給しているのだが、米陸軍は生産量を引き上げるために大規模な投資を行う予定だ。
政府所有が所有する施設のインフラ設備は「平均80年以上前」というレガシーなもので構成されており、シンプルに言えば「第二次大戦時代の建物と設備で155mm砲弾を生産している」という意味で、これを近代化するため米陸軍は数十億ドルを投資を行い「2025年までに月4万発(2023年春までに月2万発)に生産する」と主張していたが、ニューヨーク・タイムズ紙は「陸軍は増産計画を大幅に引き上げて2年以内に500%増=朝鮮戦争時代の水準まで引き上げる」と報じている。
つまり2025年までに月9万発の155mm砲弾を生産するという意味で、まだ砲弾の増産が軌道にのっていないため2023年は戦い方を工夫する必要があるものの「ロシア軍との戦いが長引けば長引くほど砲兵の火力投射量でウクライナ軍が有利になる」と期待したい。
関連記事:米メディア、ウクライナへの砲弾提供はイスラエルと韓国のものでカバー
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by Staff Sgt. Robert Barney
アメリカの物量ー!早くきてくれー!
ウクライナにとって、これが一番の朗報かもしれない。
数に勝るには弾薬量につきますよ。
兵站が強い方が勝つ。
しかしこれは逆にいえば、2025年までは砲弾の生産量は増えることはなく、2023年、あるいはさらに2024年まで続いても、砲弾の補給は増えない、あるいは半分になるかもしれないという話です。
これが今現在、最前線でロシア軍と戦っているウクライナ兵にとってはたして朗報と言えるでしょうか?
2023年は、今までの半分の砲弾で工夫して戦え、ロシア軍を阻止しろと言っても、それで戦えるならそもそも砲弾の増産など必要ないはずです。またロシア軍の砲弾の生産量も2年後に今のままとは限りません。
そもそもロシア軍と比べて圧倒的に砲弾不足のウクライナ軍が、2年も抵抗を続けられるという保証もなく、ウクライナ軍の負けで終わる可能性もあるのです。
チャレンジャー2、レオパルト2、エイブラムス、ルクレールのような戦車が少しづつ投入されるにしても、砲弾の補給が半減すれば、これらの戦車は砲兵を援護射撃を十分に受けることができず、ロシア軍の圧倒的な量の砲弾の弾幕の中を突撃しないといけないかもしれません。
> ロシア軍と比べて圧倒的に砲弾不足
こう断定できる根拠がわからん。
ロシアは伝統的に工業力が低くはないけどナチスドイツに勝てたのはアメリカの物量であることはスターリンもフルシチョフも認めている。
常識的に考えて制裁下のロシアで物量で西側に勝っていると言うのは信じられん。
過去の備蓄分は去年のハイマース攻勢で既に勢いが無くなったので期待薄だと思うし。
バフムト方面での前進の理由が、捨てることが出来る大量の兵と戦場で賢く動けるプロの兵がヘルソンや海外傭兵でバフムト方面に集中させているからとも理解できるから、圧倒的な砲弾がバフムト方面での前進の理由とも断定できない。
無誘導の砲弾ならミサイルと違って西側の半導体は必要ないですからね、
制裁関係なくロシア国内で原料は調達可能
後は生産ラインがどれだけ稼働するかによる
お金持ちと戦争をしてはいけない(戒め
ただ、増産は2年以内〜言うてるから 当面は各国が協力の上で弾薬の補給をしないとね
日本くんも早く弾薬の供与と増産をしてくり〜
日本は直接紛争当事国への兵器移転は難しいだろうから、アメリカ等に不足分の輸出をして、かわりに在庫をウクライナに放出して欲しいかな。
同盟国のピンチを救う支援なら大義名分も立つし、何ならアメリカに要請してもらえれば外圧として飲み込み易い。
あーあ…まーた米帝スイッチ入っちゃったぞこれ…
人民解放軍の参謀なんかは天を仰いでるだろうなー…
有能な敵よりも無能な味方(ロシア)が一番厄介だった例だな
ことごとく共産勢の計画を狂わしている
人民解放軍としては総大将が一番厄介な相手。
備蓄分の補充、と言うより継続的な消費を見込んでの増産体制の強化なんでしょうか。
ゼレンスキー大統領は新年早々演説で、2023年中にはウクライナの勝利で終わるだろうと語り、巷のメディア記事も同じ様な主張で楽観論が出回っています。
が、その割にはクレムリンは戦前回帰の消耗戦に切り替え、NATO諸国は漸進的支援を引き上げたりと、寧ろ不穏さが増しており、個人的には到底終わらない様な気がしますね。
米国防衛産業「還ってくる…俺たちの”黄金時代”が(ry」(なお完全には還ってこない模様)
米国の弾薬製造ラインがWW2の頃からの物だったのはちょっと驚いた
てっきり古くても1970~80年代くらいかなーと思ってたわ
振りかってみると、アメリカにとって、砲兵が活躍する大規模な会戦形式の戦争はWW2のヨーロッパ戦線以来ですね。ベトナムはゲリラ戦、イラクでは会戦形式だけど地上目標に対して航空戦力が存分に活用できた。砲兵の出番はあまりなかった。
これは、空母のみで絶対的な航空優勢が確保できそうもない対 中国戦を見越した補給能力強化ですかね?
ちうごくと榴弾砲で撃ち合う事あるかな。。。?
台湾や南西諸島では海を挟むから砲撃戦は重視されなそう
純粋にウクライナ向けじゃーなかろうか?
中国に一番近い台湾領である金門島では1958年8月23日から10月5日にかけて人民解放軍が同島に侵攻すべく熾烈な砲撃を行った「金門砲戦(台湾側の呼称は八二三砲戦)」の歴史があります。
この時に人民解放軍は火砲459門を金門に向けて砲撃を実施し、戦闘開始2時間で4万発、1日で5万7千発もの砲撃を行いました。現在のウクライナ軍の1日の砲弾消費量が約6万発と言われていますのでいかに熾烈な砲撃だったかが分かります。攻撃目標は指揮所や砲兵陣地、観測所などですが台湾側には440余名の死者が出ています。その後にアメリカが第七艦隊の空母7隻を台湾海峡に派遣して台湾への支援を行ったことやM115榴弾砲の供与により人民解放軍の砲兵陣地に大きなダメージを与えたこともあり戦闘は終息へと繋がっていきます。
この時に金門島に撃ち込まれた砲弾は現在も島内に残り、名物の「金門包丁(鋼材に砲弾の弾殻を使用)」を生むことに繋がりました(砲弾1発から40から60本の包丁を作れる)。金門島は台湾本島と同じ閩南(びんなん)語が話されますが日本語教育が行われなかったことや対岸が中国人観光客の来訪が多くて過去に親中的な首長が中国の「一国二制度」を支持するなど台湾政府としては統治に苦労している様です。
金門くらいの距離(中国本土から最小2.1㎞しか離れていない)であれば現代でも榴弾砲や多連装ロケットによる面制圧は有効なので中国による台湾侵攻が発生すれば金門は再び最前線になるでしょう。
足りないのは、砲弾だけではなく、ミサイルや誘導ロケットもそうでしょう。
L/M社やレイセオン社の生産能力増強にも注力してほしいものです。
よければ、NATO諸国や日本にもライセンス権を認めてほしい物です。
特にL/M社はどこにでも(?)顔を出してきますから。
この費用、誰が負担するんだろう・・・
ロシアは絶対にびた一文も払わないことを歴史が証明しているし
凍結したロシア海外資産45兆円から使ってるのでは?
仰る通り賠償金の支払いなんて一切応じないでしょうしね。
払わせる必要は無い
ロシアから領土と財産を奪えば良いだけだから
それなら、地球滅亡ボタンを押したほうがマシだな。
ロシアの既存の膨大な核兵器を買い取る形でウクライナへの賠償金とし、核兵器製造停止・IAEA査察と引き換えに欧米から投資という形にできれば、米露の無駄に膨れ上がった核兵器を削減でき、みんな得するんですが…
まあロシア国家全体が頭プーチンらしいということが判明してきたので無理くさいですね
アメリカの国防予算は8500億ドル、一日あたり23億ドルほど。
砲弾工場程度、1日分もあれば十分拡張できるでしょう…………え、この数字正しい?
今問題になってるのも現物がないってだけで、国防費数週間分程度の出費でロシア軍を叩き潰してくれるなら喜んで出すでしょう?
アメリカの国防予算は退役軍人の年金や遺族年金なども含んだ額なので、正面装備や設備投資に費やせる額は思ったよりも少ないものになりますよ…と
普通の国の国防予算には人件費を始めとする様々な固定費を含み、自由に使える金額は多くないのは一般常識でしょう?
日本の政治用語では前者を経常的経費、後者を政策的経費とか呼んでますね。
この程度、ここを読む人には基本では?
国防費っていう安全保障目的の出費から見れば1年分にも満たない金額で、仮想敵国の軍が10年単位で機能不全になる打撃を与える機会だって話に、そんな解説を書かなきゃならないんですか?
アメリカの物量の凄さは、
ロシア(ソ連)は身を持って知っているでしょうに。
アメリカは来年に大統領選が有ります。
今年はリセッション(景気後退)入りも言われているので、
雇用も支持率も上げる機会として捉えている、かも知れません。
「強いアメリカ」に越したことは無いでしょうし。
今回の増産計画はウクライナ戦争の長期化を視野に入れているのは当然として
その先にある台湾有事の可能性も考慮したものではないかと思います。
中国は資源量ではロシアに劣るものの、工業力は遥かに勝っており、全面戦争となった場合
今回の戦争以上にアメリカの弾薬事情は厳しくなると思われます。
なので、今から増産計画を立てておくのは、日本の安全保障にも大きく寄与するものかと思います。
米軍が中国の台湾武力制圧に介入するなら海空軍の作戦が主ではないかと。着上陸・増援・海上封鎖阻止が中心でしょう。
特殊部隊の潜入はあるかもですが、台湾本土防衛での戦いに米海兵隊や米陸軍の出番は無いと思いますよ。いわんや戦車や野戦重砲をやです。
自衛隊は米軍の活動をバックアップするため、主に南西諸島地域の防衛及び本土防空を担当することになるはずです。
武力侵攻が発動されないよう国際連携で抑止する努力が最善ですが。
これ2025年以降も戦争が続く可能性が高いから増産するってことだよな
そんなに長く不毛な戦争を続けさせるより航空機供与してさっさと終わらせるようにしたほうがいいと思うけど(諸々供与してもそのくらいかかると判断したのかもしれんけど)
80年以上使えるとか物持ちいいな
今後100年間を思うと増設してても困るまい
ウクライナ支援って去年から今に至るまで散々支援疲れとか寒さで欧州が折れるとか言われてましたけど、
異常暖冬と奪還の成功も相まってどんどん加速しましたね…
実に素晴らしい
遂にLeopard2の供与が始まったな。
この砲弾生産が軌道に乗る前にウクライナの戦争が終わっててくれるといいんですけどね(仮に今年中に戦争が終わったとしても、払底した米軍在庫の補充には年単位の時間が必要なのでやはりこの手の措置は必要になるだろう)。
他方、自衛隊が特科の一部をスタンドオフミサイル部隊に改変しているように中国を見据えた島嶼戦では榴弾砲はそれほど出番がないんですよね。それでも日本が在庫量の拡充に動いているのは元々の在庫が本当に少なかったからですが、米軍がこの時期に陸軍種に投資しなきゃいけないのは頭の痛い問題ではあるでしょうね…。
状況考えると増産するのはアメリカだけじゃなくて多分西側全部だよな
装備新旧入れ替え+ドローンやら何やらで装備見直ししないとだろうし
ロシアは日用品配給にして武器作らないと…
戦車大量配備で戦場でボコられ、さらに追加で動員もしたらさすがに反乱起こるか?
ホンの30年前まで配給制で生きてきた国民性ですし、それ程堪えない様にも思いますが…
招集される恐れもない高齢者達なら「この程度で弱音吐くとは!最近の若いもんは不甲斐ないわ!😡💢」と怒りに震えていても不思議ではありませんわ
しかも、戦争で若者が居なくなればそれだけロシアのシルバー民主主義が進むので、
例えロシアがソ連時代に逆戻りしても反乱は起こらないかもですね。
若者は砲弾の餌になって居ないんだし。
>第二次大戦時代の建物と設備で155mm砲弾を生産している
といっても40年代の米帝はすでに部品の規格化とライン生産方式が確率済みなので、他国で言う60年代レベルの設備は最低でも揃ってそうなのが怖い。
砲弾じゃないけど、B-29なんかもパートの主婦達が生産ライン回してたし。(なお、通勤は自家用車という贅沢)
あと平時でも1.5万発の製造技術を維持してるのはさすが米帝というか。
日本の弾薬製造能力はどんなもんなんでしょうね
ダイキン工業がエアコンの片手間に砲弾を作っていたような・・・
力こそパワー!!
長期的に生産過剰にはならないっという確証が出たんやろか?