WSJ紙は「バイデン大統領が早ければ今週中にもエイブラムスのウクライナ提供を決断するかもしれない」と報じており、この決定を受けてドイツはポーランドなどが要求する「レオパルト2のウクライナ移転」を承認する見込みらしい。
参考:U.S. Leans Toward Providing Abrams Tanks to Ukraine
参考:Germany to Give Poland Approval This Week to Send Tanks to Ukraine
参考:Ukraine expects to get 100 Leopard 2 tanks from 12 countries, once Germany approves: Senior Ukrainian official
この報道が事実なら米国はドイツが要求してきた「ウクライナに西側製戦車を提供する政治的責任を共同で受け入れる」という意味
レオパルト2の提供で批判の矢面に立たされている独政府関係者は「ショルツ首相の武器支援に関する立場はバイデン大統領の決断に大きく依存している」と明かし、ショルツ首相も「武器提供は同盟国間で調整する必要性を確信している」と述べ、南ドイツ新聞は18日「ショルツ首相がバイデン大統領にエイブラムスを提供するならレオパルト2を提供すると伝えた」と報じていたが、米国側は「エイブラムス提供を条件にするのではなくドイツ自身が主体的に決定すべきだ」と回答。
ドイツのピストリウス国防相も19日「レオパルト2のウクライナ提供はエイブラムの提供に紐づいておらず、この問題を独米の首脳が議論しているので数日以内に決定が下されるだろう」と明かしていたが、WSJ紙は「バイデン大統領はのエイブラムス提供に傾いており、早ければ今週中にもこれに関連した決定が出てくるかもしれない」と報じており、これはドイツとの外交交渉で引き出された取り決めの一部で「この決定を受けてドイツは少数のレオパルト2提供に同意、ポーランドなどが要求するレオパルト2のウクライナ移転も承認する」と書いている。
Bloombergも匿名の情報提供筋からの話として「ポーランドが要請したレオパルト2のウクライナ移転を25日にもドイツが承認する予定だ」と、ABCもウクライナ政府高官の話を引用して「ドイツがウクライナへの移転を承認すれば12ヶ国(ポーランド、フィンランド、スペイン、オランダ、デンマーク)がレオパルト2を約100輌提供することで合意している」と報じており、相当数のエイブラムス提供とはドイツ+12ヶ国分に対応した数のことを指しているのかもしれない。
まだ確定して話ではないので正式な発表を待つ必要があるが、この報道が事実なら「レオパルト2の提供はエイブラムの提供に紐づいている」ことになり、米国はドイツが要求してきた「ウクライナに西側製戦車を提供する政治的責任を共同で受け入れる」という意味で、結局のところウクライナへの戦車提供を阻害していたのは「技術的な問題」ではなく「戦いがエスカーレションした際の政治的責任を誰が取るのかという問題」だったということが浮き彫りになった格好だ。
関連記事:独国防相が未承認移転を否定、レオパルト2提供は連邦首相府が決める
関連記事:ウクライナへの戦車提供問題が最終局面、米国が出せばドイツも出す
関連記事:独外相はレオパルト2の未承認移転を容認、仏大統領はルクレール提供を検討
※アイキャッチ画像の出典:Photo by Spc. Joshua Bolding
ドイツが早く決めないからリークされまくっとるやん
現地メディアの一部では供与容認決定の報が出ているようですね。当座の供与数はドイツ・ポーランドから各14、ノルウェイから8の計36になるのではとも。紆余曲折ありましたが明るい見通しで固まったのは何よりです。まずはウクライナの戦車兵への機種転換訓練が迅速に行えるようになってほしいですね。
エイブラムスの供与の可否および数も全然決まっていない中で既にまとまった数(1個戦車大隊相当)の引き渡しが決まっているので、スペインの在庫やラインメタルの保管ぶんもスムーズに引き渡せるといいですね。戦略レベルで効果を出そうと思ったら200両でも1個機械化師団を充足させる程度にしかならないですし、300や400は必要なのでしょう。その数をウクライナで運用しきれるかは別の問題ですが、とにかく決まって良かった。
これが実現するとドイツの逃げ場がなくなるな
そして、ドイツのレオパルド関連の実態すら表沙汰になりそう
M1A1とLeopard2A4を供与かな。
Leopard1A6も供与出来ないかな?