オランダのオンノ・アイヘルスハイム国防長官は「我が国が置かれた現状を考えると現在の国防予算(214億ユーロ)では全くたりない」と、陸軍司令官のヤン・スウィレンス中将も「装備の調達リスト上位に戦車、砲兵装備、防空システムが入っている」と明かした。
参考:Air defense, tanks top Dutch military’s wish list
パトリオットシステム以外の防空システムに目を向ける可能性は十分ありえる
オランダの国防予算はGDP比1.0%前半台で推移してきたが、2022年に129億ユーロ、2023年に154億ユーロ、2024年に214億ユーロ(GDP比1.95%)に引き上げられたものの、オンノ・アイヘルスハイム国防長官は「我が国が置かれた現状を考えると現在の予算では全くたりない」「例え国防支出が2.0%に達しても我々は選択を迫られる」「ロシアは侵攻初期の損失から迅速に回復して戦力を増強しているが、我々はそこに至っておらず、手持ちの軍事資産の殆どが十分ではない」と述べた。
オランダ陸軍は445輌のレオパルト2A4を保有し、A5やA6へのアップグレードを行いながら戦車部隊を維持したものの、予算削減を受けて最後の戦車部隊を2011年に解散させてしまい、現在はドイツ陸軍との混成部隊(第414戦車大隊)でドイツからリースされたレオパルト2A6を18輌運用するだけで、何度も戦車部隊の再建が浮上しているが未だに政治的な結論は出ていない。
陸軍司令官のヤン・スウィレンス中将も「まだ政治的な決定は下されていないが戦車は調達リストの上位に入っている」「もう必要ないと考えられていた砲兵装備や防空システムも調達リストの上位に入っている」と述べ、戦車部隊を再建するかどうかは次期政権に持ち越される見込みだが、国防長官は「隊列を組んで装備と人員を陸路で移動させるための憲兵(移動業務の管理)も足りない」「やることは山程あるのに人材がいない」とも述べているため、陸軍が見せかけではない本物の遠征力を取り戻すに相当時間がかかるのだろう。
因みにオランダはウクライナにパトリオットシステムを構成するランチャーのみを2基提供したが、国防長官は「オランダの防空システムは港や空港を保護する最小構成で追加のパトリオットをウクライナに供給する余裕はない。ウクライナを支援する同盟国はパトリオット不足の解決策を見つけなければならず、ロシアからの攻撃に直面したとき防空が如何に重要であるかをよく示している」と指摘し、これがパトリオットの増産を意味しているのか、別のエコシステムをもつ防空システムを意味しているのかは不明だ。
ただオランダは需要が集中するHIMARSではなく、別のエコシステムをもつPULSを選択しているため、パトリオットシステム以外の防空システムに目を向ける可能性は十分ありえる。
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※アイキャッチ画像の出典:Gerben van Es
そしておつきあいがある関係からEU外やNATO外からの調達も難しいと
本邦も金庫番から減らせ減らせ言われて削減してきた重装備がここに来て重要になったわけですが、相変わらず削減方向なのでしょうか?
本土に着上陸を許すような状況では機甲戦力があっても仕方ない、揚陸艦を海上で叩き、有力な重装備を寄せ付けないが基本方針なのだと想像しますが、軽装甲の上陸車両とは言え、普通科だけで対処させるのは…
ウクライナのような大規模な陸戦でも機甲対機甲の戦闘はかなり珍しいからそこはまあいいんじゃないか
機甲といっても戦車でなければミサイルや機動戦闘車の105mm砲で十分相手どれますからね
味方に戦車がいれば、敵は上陸の際に対戦車兵器を持ってくる必要があります故。
上陸の難易度が上がります。
ですので、やはり戦車は必要なのですよ。
いまだに本気でそんなこと信じてるんですか?
戦車1両の値段でFPVドローンが1万機買えるんですよ。
戦車1両輸送する重量でFPVドローンを3万機輸送出来るんですよ。
このご時世で戦車に投資するってのは、ほとんど敗退行為だと言えますね。
歩兵はFPVドローンでより簡単に無力化てきるし、もっとやすい機関銃で容易に無力化される件について。
戦車はネットや各種装甲、妨害装着 etc,,,を積み込めば完全に封殺は無理でもある程度は対抗はできるだろうけれども、人間がそれらを担いで走り回るのは無理。
でも色んな国がドローンと並行して戦車開発や配備を進めている訳で。中国ですら最近でも15式軽戦車なんて物を作って配備している訳で。
良かったみんな負け組だあ
ドローン先進国のトルコはアルタイを何十年もかけて開発して、1000両以上配備予定な件について
それはオランダ国防長官に言ってあげたらどうでしょうか?
今まで不要だと思ってた戦車はやっぱり必要だった。と、オランダの国防長官が言ってるという記事なんですよ?
戦車に投資するのは馬鹿げていると主張していた国々で、戦車の価値が再評価されて、復活するのが最近のトレンドですので‥という記事なのですが‥FPVドローンは対戦車ミサイルと戦車の不足を補う為の物で、エクスカリバー砲弾の代わりだと認識して頂いた方が良いですよ。なので、要らないのは機動防御力の無い、据え置き型の榴弾砲の方で戦車ではありませんよ。
こう言う全振り理論は軍事分野ではコケることが多いですね。
オールタンクドクトリンの反対なのだ。
自コメだけど自分としては戦車否定したいわけじゃないからね
防御戦闘において相手が戦車を出してきたからこちらも戦車を出さなければならないっていうところを否定したいだけで
ウクライナで明確になったのは攻撃に戦車の防護力は必要不可欠で、防御だけではジリ貧っていうことだと思ってる
ウクライナが自前兵器でロシア領内の拠点を叩けていればずっと違った戦況になってておかしくないですからね。
ロシア領内まで攻め入って占領するというわけではなく、ウクライナ領内に展開するロシア軍への兵站を支えるロシア領内拠点を叩ければウクライナ領内での戦いも優勢に進められた可能性はあります。
もちろん別の見方ではロシア領内へ打撃加えるほどの力があると支援への躊躇いがより大きくなった可能性もあるでしょうが。
しかし自国内で直接の領域防衛に使う兵器は他国から提供を受けやすく、敵国内へ打撃を与える兵器はハードルがより高くなると思うと、日本の場合は戦車や防空兵器は提供されやすいと見込んで敵地攻撃兵器である戦闘機や巡航ミサイルをより手厚くするべきなのか?とか色々考えます。
ある程度持ちこたえないと兵器提供や援軍が間に合わないですし、かと言ってあまり長引くと支援は細るとなると支援を受けてからは早いうちに決着させないといけないとかもありそう。
考えるべき要素が多過ぎで限られた予算で何をするべきかは難しいところです。
今般のウクライナ-ロシア戦争の教訓として、互いを守り合うという建前は脆く、その脆さでも得られるのはどんな支援でどんな期間を想定して戦うか考えるべきとも示唆しています。
戦車だとか戦闘機だとかドローンだとか戦術的な教訓も多いですが、国際的な安全保障の脆さを前提として自前では何を用意するべきかというより大きな視点での教訓も感じています。
削減すれば良いんですよ。少なくとも定期的なアップデートなり装甲強化やまともなRWSや誘導砲弾の使用とか継戦能力や殺傷効率の質を高める方が先でしょう?
やたら立派な正面装備増やしても人材の確保や後方が伴わないのであれば画餅ですよ。ウクライナにならえと言うなら、国産兵器は辞めて外国の支援を効率良く受けられる体制構築が必要でしょう。
抑止力、防衛投資は平和のために重要ですからね。
戦争になれば、単純な安い兵器の被害ででも、国富が莫大な金額失われる事になります。
低地ゲルマニアの民たちよ。。。汝平和を欲さば、戦への備えをせよ。。。
他所の記事によると。
ドイツはウクライナに対する”防空連合” の議長国になったのだとか。
そして、現在、パトリオット(システム/ミサイル共)を探しているのだとか。
ちょうど、チェコが砲弾を探し出したように。
その記事では、各国のパトリオットの保有数が出ていましたが、各国の中で、
日本とサウジアラビアが飛び抜けて保有数が多かったです。
これは目をつけられるかな。多分、米国を通じて。日本政府はどうするかな。
今、米国が自国の国内事情でどうにもならないけれど、対外有償軍事援助みたい
な形式で何か言って来るかな、などと勝手に思います。
つまり、米国を経由して、パトリオットの玉突き売却みたいな形で。
素人個人は米国相手ならば良いように思えるけれど。
保有数が多いのは需要が多いことの裏返しであって、提供できる在庫が多いわけではないはずです。
日本は既に在庫が足りないと言いながら米国への売却をやっていますし、これ以上を求められてもなかなか出せないのでは。
>米国を経由して、パトリオットの玉突き売却
令和5年12月22日改正「防衛装備移転三原則の運用指針」でラ国生産防衛装備品に関し以下のように定められました。
米政府等ライセンス元国からの要請で、ラ国生産防衛装備(武器・弾薬含む)を提供するのは原則OK。
ライセンス元国からの要請による「日本と安全保障上の協力関係にある戦闘中でない第三国」への輸出も、厳格審査を条件として可になりました。
ウクライナは戦闘中ですから、特例(例外規定)が必要でしょうか。
それとも、戦闘をしていない第三国をさらに挟むのでしょうか。
ちょっと考えどころでしょうか。
正直ウクライナでなくイスラエルに行きそうな気もするんですよね。
戦闘中であるか否かは防衛装備品海外移転に係る動かし難い判断基準なので、武器・弾薬のウクライナへの直接提供特例措置は検討外と思います。
例えばウクライナへパトリオットの追加提供を決めたドイツへの速やかな補充分として、米政府の要請があればですが、輸出が可能になったと言えます。
日本がアメリカから買うときはプレミア付きの高価買い取りで、アメリカに戻すときは、中古価格の二束三文で、ということになりそうな予感がする。
戦車不要論者の言を信じるから。という事でもなく本当に要らないと思ってたんだろうな。
まあ軍事を知らない人にはCV90を戦車と言い張れば大丈夫大丈夫。
ここ720年くらいの欧州の兵力削減見てる極端だなあと思ってましたが、案の定裏に出ましたね。
でもロシアがウクライナで相当疲弊しているところを見るとここ10年20年は呑気に構えても大丈夫かなと。
随分と長く欧州を観察されてるんですね。
1000年生きたエルフの方かな…
???「お前よりもずっと年上のお姉さんだよ」
勇者ロンメルの死から80年。
4号戦車がウクライナで‥4号の派生型でチェコ製の[Tー4075n]という戦車で1955年以降にシリアに送られた45両の内の1両で、1967年にイスラエルで鹵獲され、それがアメリカの博物館に渡った物でしたが博物館が破産して売られた先が‥ウクライナらしいです、マンガが描けそうですね。
リンク
まさかサン・ジェルマン=サン⁉
執事「お忘れですか?私はまだ貴方様にお仕えして500年しか経っておりません」
ちょっとクリコヴォの戦いでタタール人に勝ったからといって油断しすぎでしたね。
ヤン中将か
銀河の歴史がまた1ページ
正直欧州はもう大人しくロシアを受け入れた方が幸せになれると思うけどね
無論日本含むアジアなら中国の覇権を
アメリカは移民に蝕まれながら北米大陸で朽ちていく未来しか無いし
ロシアはロシアでウクライナ戦争で疲弊しきっているのですでに「幸せ」ではありませんな
F-16からレオパルド2まであの国土面積に対して過剰に思える凄い装備量を所有して,又それを盛大に売却しまくっていた時期について当時のKF誌を見て驚いた記憶がありましたが、
兵器を調達できても兵員育成も近代戦ならではな高度な教育が必要とドイツと並んで時間との勝負が急ですね。
ここのサイトを見てドイツの兵器調達について平時のシビリアンコントロールがもろに官僚化していて酷い有様を知りましたが、オランダについては大丈夫そうですが今後の展開には注視したいですね。
日本で早期用途廃止になったホークやVADS、93式近SAMをウクライナへ早期に送るべきだ