米海軍は13日、F-35B運用資格の取得手続きを行うためイタリア海軍の空母カヴールがノーフォーク米海軍基地に到着したと発表した。
参考:U.S. 2nd Fleet Welcomes Italian Aircraft Carrier ITS Cavour to Norfolk, Va.
F-35B運用資格の取得手続きを行うためノーフォーク米海軍基地に無事到着したイタリア海軍の空母カヴール
垂直・短距離離着陸機「AV-8B+」を運用するイタリア海軍の空母カヴール(2万7,100トン)はF-35Bを運用するためフライトデッキの構造強化や耐熱処理、艦橋に搭載された各種機器・航空機運用システムのアップグレード、格納庫や武器・航空燃料貯蔵庫の改造など1年以上に及ぶ近代改修を終え地中海で海上試験や乗組員の再訓練を実施、全ての準備が整った空母カヴールはF-35B運用資格の取得手続きを行うため1月29日に米国に向けて出港、約2週間(※)の2月13日にノーフォーク米海軍基地に到着した。
補足:空母カヴールは大西洋横断中に米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦スタウト、哨戒機P-8A、F/A-18E/Fなどと演習を行ったためノーフォーク到着までに2週間も掛かっている。
空母カヴールは今後、F-35ジョイント・プログラム・オフィスのテストチーム(パタクセント・リバー海軍航空基地に所属する試験評価飛行部隊)を収容して米東海岸沖で空母カヴールの飛行甲板や航空機運用に関する支援装備がF-35Bの短距離離陸や垂直着陸に適合しているかテストが行われる予定で4月末に帰国予定だ。
イタリアのロレンツォ・ゲリーニ国防相は「イタリアは米海軍との相互運用能力強化と統合を目指しており今回のミッションは空母カヴールのF-35B運用能力を検証する上で非常に重要な機会だ、イタリアは米国・英国・日本とともに第5世代戦闘機を搭載する空母を運用可能な数少ない国の一つになるだろう」と語り、米海軍も「空母カヴールのF-35B運用資格取得をサポートすることで盟友イタリアとの信頼や協力関係を築くことが如何に重要なのかを十分に理解している」と話している。
因みにF-35B運用資格の取得手続きに費用が幾らかかるのかは不明だが、空母カヴールがノーフォーク米海軍基地に寄港中に必要とする全てのサービス(給油、装備の搬入、セキュリティ、緊急時の医療サービスなど)を提供するためホストシップとして空母ステニス(CVN-74)を指名、200人規模で専門のエンジニアやテストパイロットで構成されテストに必要な機材やテスト専用機を保有する試験評価飛行部隊(VX-23)が動員されるため恐らく安くはないだろう。
日本も空母に改造される海自のいずも型護衛艦がF-35B運用資格を取得するため米国に派遣されるはずなので、イタリア海軍の空母カヴールがどのような手続きを踏んでテストを実施するのか非常に興味深い。
関連記事:イタリア海軍、F-35B運用資格を取得するため空母カヴールを米国に派遣
アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Capt. Cassidy Norman ノーフォーク米海軍基地に到着した空母カヴール
仮にカヴールに不具合が見つかれば、わざわざ帰国改修して後日再試験という手続きを踏むのか、それともこのテストは両国軍の関係を確認するための形式的な作法に過ぎないのか、けっこう気になる
日本のいづもやかががF35Bを搭載する時もノーフォークへ行くんだろうか?
パナマ運河を通過出来ないだろうから、めちゃくちゃ遠回りになるはず。
太平洋側にも試験出来る基地はあるのかな?
パナマ運河この前の拡張で通航可能サイズ長さ366m、幅49m、喫水15.2mまで拡がってるよ。
イタリアもF35Bを削減するとか言っていたような…
たしか五つ星運動だったか。
今年の三月で丸一年の改修が終わるから、春にはそっこーノーフォークに行ってほしい。
早く認定を終えて、強襲揚陸艦アメリカやクイーンエリザベスとクロスデッキの訓練を望む。
いずもは2段階の改修だったと記憶しているんですが、この3月明けで運用資格取得なんですか?(2回目の後じゃなくて)
コメ主てす。
まず、最低限改修して、実際にF35Bを運用してその知見(動線など)をかがの改修に活かす計画だったはず。
運用資格ないとF35Bを使用できないから、知見が得られない。(でも、米海兵隊の機体だけど。日本のは2024年から。)
まぁ、艦首形状の改修もふえたし、計画変わる可能性はあるかも。
早めにF-35Bの運用能力を付与したいけど時間がね…