イタリア海軍は来月中旬、空母カヴールを米国に派遣してF-35B運用資格の取得手続きを開始すると明らかにした。
参考:Italian Navy Aircraft Carrier Cavour To Start F-35B Qualification Next Month
イタリア海軍の空母カヴールがF-35B運用資格の取得に向け動き出す
垂直・短距離離着陸機「AV-8B+」を運用するイタリア海軍の空母カヴール(2万7,100トン)はF-35Bを運用するためフライトデッキの構造強化や耐熱処理、艦橋に搭載された各種機器・航空機運用システムのアップグレード、格納庫や武器・航空燃料貯蔵庫の改造など1年以上に及ぶ近代改修を終え地中海で海上試験や乗組員の再訓練を行なっていたが、来月中旬に実施されるF-35B運用資格の取得手続きに向けて空母カヴールをノーフォーク米海軍基地に向けて移動させると明らかにした。
ここで言う「F-35B運用資格の取得手続き」とは空母や強襲揚陸艦のフライトデッキで安全にF-35Bが運用できるのかを検証するフライトデッキ認証テストのことで、この業務はパタクセント・リバー海軍航空基地(メリーランド州)に所属する試験評価飛行部隊(VX-23)よって実施されるためF-35Bの運用資格を取得する艦艇は米東海岸まで出向く必要があり、例え同一設計の艦であっても1艦づつ認証テストを受け直さなければならない。
つまり空母化工事を受けている海上自衛隊のいずも型護衛艦も1番艦「いずも」と2番艦「かが」が別々にフライトデッキ認証テストを受ける必要があるという意味で、英海軍もクイーン・エリザベス級空母2番艦「プリンセス・オブ・ウェールズ」を米東海岸に派遣する予定(水漏れ事故から復旧作業のため派遣延期が濃厚)だ。
あと興味深いのはクイーン・エリザベス級空母が米東海岸派遣時にV-22オスプレイの運用資格も取得している点で、これはクイーン・エリザベス級空母を米海兵隊と共同使用するための措置(英国はV-22を導入していない)だと思われるが、恐らく空母化したいずも型護衛艦で陸自のV-22を運用するためには日本もオスプレイ運用資格も取得してくる必要があるのかもしれない。
補足:このフライトデッキ認証テストには各国の海軍が派遣してくる空母や強襲揚陸艦の乗組員に対してF-35Bの取り扱い方や運用方法を訓練することも含まれているらしい。
少し話が逸れたがイタリア海軍の空母カヴールがF-35B運用資格を取得するのに約6週間かかると説明しており、イタリア海軍のパイロットが操縦するF-35Bが空母カヴールに着艦するのは地中海に戻ってからになる(4月以降)と言っている。
余談だがイタリアはF-35B調達数を62機→30機に削減したため海軍所属機のF-35Bは22機→15機に減らされてしまい、空母カヴールが収容できるF-35Bの定数は10機~12機なので予備機や訓練機まで含めると15機という数字は正にギリギリで事故でF-35Bを失うようなことがあれば一気にやりくりが苦しくなるはずだ。
関連記事:空母に搭載するF-35Bは? イタリアが再びF-35調達削減に乗り出す
関連記事:修理に最低6ヶ月? 英空母プリンス・オブ・ウェールズは水漏れで出港不能
※アイキャッチ画像の出典:イタリア海軍
自動車買うようなもんで、まず免許とって車庫証明やら手順を踏まないと納車すらされないもんな
行き当たりばったりにお金さえ支払えばすぐに戦闘機が納入されて防衛は万全だの思ってる輩は熟読しといてね。
でもここにはそんなアホはいないかw
運用機数が限定的な小型空母でF-35Bを活用することを考えると、固定翼機にも空中給油ができるV-22の重要性は非常に大きいと思う
今のところイタリア向けにV-22を輸出する計画はないし、日本にも海自向けのV-22は存在しないが近い将来導入されることになるのではないだろうか
いずも級に大振りなV22を積むとF35の搭載機が減るから痛し痒し
もう少し大型に建造して欲しかったのは今さらだが、例えばコンテナ船改造の給油母艦を随伴させて、V22はそっちに搭載すればとか妄想します
帝国海軍に倣っていずも・かがを集中運用すればいいんじゃ?
支那の対艦弾道ミサイル集中砲火の的になりそうで怖い
虎の子をひとところに集めるのは考えものですよ
詳しくないんだけど、艦隊内の艦船間の距離って昔と違って30km~50kmぐらいだと思ってますが、それでも問題なんですかね?
大規模艦隊戦や艦隊への攻撃はWW2以降発生してないから分からない、というところでしょうか
現代でも同じ艦隊として動くなら、船間の距離は数十〜数百メートルくらいですよ
レーダーは昔より格段に進歩しましたが、水平線より先の水面は見えないという所は変わらないので、離れ過ぎると僚艦のエアカバーが出来なくなっちゃうんです
あなた、広報用の写真や動画を実際の艦隊行動と思っておいでか?
幸せだよ。
空母の集中運用はリスクが高いというのが、ミッドウェイの教訓ですよ
マリアナ沖海戦では米海軍も集中運用しているけどね
あれはすでに艦隊による対空砲火の集中で日本側航空隊を排除できる目処があったからですよ
レーダー、早期警戒、そしてVT信管という当時のハイテクに日本側は為す術もなかった
今の米空母にそのまま当てはまるなぁ…
空母の分散運用もリスクが高いのが珊瑚海海戦や第二次ソロモン海戦の戦訓でもあります。
んなこといってたらどこでも空母使えないやん
ケースバイケースってことだよ。
極論に走る前に考えましょう。
そのためのイージス艦なんだが
それは違うでしょ。
空母の集中運用が問題なのではなく、警戒監視・邀撃にあたる戦闘機がすくないのが原因。
陸海空問わず戦力の集中は重要よ。
いずも型とひゅうが型をセットで運用するのがベストだど思う。
いずも型がF-35B、ひゅうが型がヘリやV-22と対潜対空を担当すればいい。
これで、そこそこの戦力になる。
出来れば、ひゅうが型をFCS-3Aに更新して、艦尾にMr.48VLSをぶら下げて、ESSMを増やせば2隻で最低限の戦闘ができるのではないか。
V-22の水平飛行は羽が結構ぶれてて、後方乱流とか凄そうなんだけど
空中給油の母機としてはあまりいい印象はしないんですがね。
>「F-35B運用資格の取得手続き」とは空母や強襲揚陸艦のフライトデッキで安全にF-35Bが運用できるのかを検証するフライトデッキ認証テスト
この手続きの意味合いを知らないんですが、イタリア海軍がこれをやる理由は、
・これをやらないとF-35Bを売ってくれないから
・米軍と共同行動できないから
・イタリア海軍自身が自分の能力を確認したいからorノウハウ移転のため
の、どれなんでしょうか。
どこの海軍ももれなくF-35B運用艦を派遣するみたいだから、マストの要素があるようにも見えますが。
素人ですが全部だと思います。
その中でも一番は、、
>米軍と共同行動できないから
が一番の理由ではないかと勝手に想像しています。
購入量を減らしているのですからクロスデッキ化をする予定なのではないでしょうか。
今さらだけど…
F/A18 がインドへの売り込みのために スキージャンプ台式空母 からでも発艦可能というデモンストレーションをしていたが
F35A ではどうなのだろうか?
F35B の先行きが 調達数削減→製造終了? となにかキナ臭いような気がするのだが……
エンジンの推力がかなりあるから飛ばすだけならできるだろうけどC型ほど揚力が稼げないから着艦が困難かもしれない
着艦フックが要るから、A型でスキージャンプはあまり意味ないかも。
C型なら意味があるかも。
それより、E-2Dをスキージャンプで飛ばせないかな。
いずもとかがの空母化が楽しみです
俺の中ではカタパルト付の六万トン次期護衛艦が膨らみつつあるぞ
ドローンやミサイルの技術発展のスピードを考えると、潜水艦戦力の増強に資金と人材を重点的に配分した方が低リスクな気がする。10年かけて16+2隻から22+2隻まで増勢したわけだが、20年くらいかけてさらに倍ぐらいにできんだろうか。
あなた、広報用の写真や動画を実際の艦隊行動と思っておいでか?
幸せだよ。