トルコは昨年末に主力戦車「アルタイ」のパワーパック問題を解決するため韓国企業と協議を重ねていると報じられていたが、どうやら交渉は不発に終わり国産パワーパックの搭載を決断したようだ。
参考:Turkey’s defense industry set to fill new orders in 2021
参考:Туреччина оголосила про cтарт самостійної розробки двигуна для танка Altay
二転三転した主力戦車「アルタイ」のパワーパック問題は結局、国内開発されたものを搭載することで決着か
韓国から技術移転を受けて開発されたトルコの国産主力戦車「アルタイ」はドイツ製のパワーパック(エンジンと変速機が一体化されたもの)を採用する予定だったのだが、ドイツ政府はトルコのシリア内戦関与を理由にパワーパックのトルコ輸出を禁止したためアルタイの量産プログラムは28ヶ月以上遅れが生じている。
この問題を解決するためトルコは韓国企業(S&T重工と斗山)とパワーパック供給に関する協議を重ねていると報じられていたがトルコのDaily Sabah(デイリーサバ)紙は3日、トルコ国防省調達部門のイスマイル・デミール氏の発言を引用して「トルコ企業が開発した国産パワーパックのプロトタイプを搭載したアルタイのテストを開始する」と報じており、複数の海外メディアは韓国からパワーパックを入手するトルコの試みが失敗したので国産開発に切り替えたと予想している。
バトゥ(BATU)と名付けられた戦車エンジンはトルコ企業のBMCが開発している国産ディーゼルエンジンでトルコ国防省は性能や信頼性の問題から搭載には否定的な態度を見せていたが、海外製パワーパックの入手が絶望的になったため「Bプラン」として進めていた国産エンジンの搭載を前提にした能力検証テストに踏み切ったのだろう。
果たしてトルコ企業が開発した国産パワーパックでトルコ陸軍の要求を満たせるのかは不明だが、トルコと軍事協定を締結したウクライナのメディアは「トルコが何度もウクライナが製造する1,500馬力のディーゼルエンジンをアルタイに搭載できないか問い合わせてきた」と報じており、同国が開発した1,500馬力を発揮するディーゼルエンジン「6TD-3」と変速機の組み合わせはトルコの問題を解決することができると主張しているのが興味深い。
昨年10月にトルコとウクライナは国防分野で幅広い協力を行うことを定めた軍事協定を締結しており、ウクライナにはソ連時代にT-64やT-80などの戦車を製造してきた実績とソ連崩壊にT-84(T-80UDベースの改良型)を開発した経験と技術力をもつ V・O・マールィシェウ記念工場(旧ハリコフ戦車工場)が存在する=要するにウクライナを頼れば信頼性の高いディーゼルエンジンと変速機が手に入るのに、なぜ性能や信頼性に不安のある国産パワーパック搭載を選択したのか謎だ。
関連記事:トルコ、主力戦車アルタイのパワーパック供給について韓国企業と協議中
関連記事:トルコとウクライナが軍事協定を締結、バイラクタルTB2とエンジン技術を交換か
※アイキャッチ画像の出典:トルコ国防省
数年前なら、悪名高い韓国性パワーパック以下か…アルタイ終わったな、となるところだが、前の紛争でトルコ製ドローン大活躍だったからな。
技術面は意外とイケるのでは
スマホが売れてるから技術大国とかいうかの国でもパワーパックは失敗続きなので
技術の系統が違えば一概にどうこう言えないのだ
例え、今回は性能を満たせなくても国産化する事で色々と出来る事は有るし、整備補給面でのメリットもあるからトルコのチャレンジは評価したいね
因みにウクライナメディアが自国製のパワーパックを推奨している件だが、トルコの戦闘車両はどっちかと言うと欧米よりの装備体系なので、ロシア系の技術を使っているウクライナの製品ではアルタイ戦車には合わないとトルコは判断したのかも知れないから、今後の情報に注目かな
記事にある通りシリアの内戦関与でドイツか導入予定のパワーパックを禁輸食らってるし
堅実に行くなら内製にした方が間違いなく正解だと思いますよ。突拍子もない事やってるように見えて堅実ですね。
あとウクライナがまたロシアの干渉や侵略を受ける可能性も十分あるからな・・
ハリコフなんてロシア国境のすぐ近くだし、ウクライナの工場が止まるとパワーパックの供給も止まるなんて事態はトルコだって避けたいだろう
たしか10式のパワーパックにも興味を示していましたよね。
でも、あのときは断ったんだっけか。
もったいないことしたかも
技術を寄こせ、国内生産させろ、第三国への輸出も認めろじゃ話になりませんよ
小金を稼ぐ為に技術流出とか洒落にもならん
なるほど、そんなこと言われてたんですね。
まぁ、多少技術を渡さないと買ってくれないってのも現実ですが、そんなこと言われたら、撤退しないほうがおかしいですね。
トルコの出した条件ってのが輸出するのに縛られないように日本の権利を手放すことって聞いた。
そりゃどこの国だろうがそんな条件では頷かないよね。
初耳です。
でも、たしかにTFXとかでもトルコって結構、傲慢だったなぁ。
開発したエンジンの権利全部よこせだったか。そりゃ協議も進まないわけだ。
技術移転に積極的な韓国でも纏まらなかった案件だと理解したほうが良い。
めちゃくちゃわかりやすいです。
たしかにあの韓国が手を引くってことは、トルコの傲慢さも余程のものですね・・・
韓国は輸出できるほどの技術を持っていなかったんだよ、K2戦車のPPのグダグダを見ればわかるはず。
韓国とトルコのやり取りは、なんとなくコンビニの前で座り込んでるDQNたちを連想させる
正確には移転したくてもできる技術がなかったんじゃないですかね?
K-2のパワーパック開発失敗をトルコは知らなかったのかが気になります。
てっきりウクライナから技術提供があるのだと思ってた。だから国産なのだと
国産採用は単純に供給の問題はありそう。トルコは対露関係を考えれば、ウクライナの線は厳しくなるし。
10式のパワーパックとの話があるけど、トルコを武器輸出先に据えるのは、業界初心者の日本には荷が重いと思う。
まして地域紛争への介入、というか自ら動く国の戦車のパワーパックなんて作れるけど
売り先として非常にややっこしい事態を招きかねない。
たしかにあの国は、色々と問題を抱えていましたね。
すっかり忘れていた
トルコ当局内でも意見は分かれているようだ。望んで自主開発、ではないようだが…
随分前にトルコがサウジとアルタイ戦車を輸出契約という話があったけど、あれはご破算?
そんなトルコにウクライナからT-80のガスタービンエンジンGTD-1250
韓国もビックリ間違いナシ
リンク
アホな質問なんだけどT-72やT-80のエンジンと変速機はパワーパック方式ではないの?
パワーパックかどうかならパワーパックではないな。
ただ、吸気口、エンジン、変速機は車体後方にまとまってるので、イタリアの会社がPP化を請け負ってるみたい。
戦車で重要なのは、人より大事な吸気口、エンジン、変速機を車体後方に配置して、重量バランスが崩れないことらしい。
PPはクレーンで動力部がごそっと入れ替えることがいい。
なるほどやっぱりパワーパックじゃないのか
気になってた謎が解けました、ありがとう
>戦車で重要なのは、人より大事な吸気口、エンジン、変速機を車体後方に配置して、重量バランスが崩れないことらしい。
ちょっと違うと思う。
エンジンが前にあったら砲塔を後方に配置してバランスをとることができる。
パワーパック搭載位置には、その交換のために大きな穴と蓋が必要。
それを前につけるのは防御の面で不利、そのため後方に積んでいる、のだと思う。
他に、パワーパック部分は背が高くならざるを得ず、後方に積むと砲塔背面の砲塔リングがむき出しにならず、防御面で有利という副次的な利点も。
メルカバは前方にエンジンがあるので、ここの防御のため、チェーンカーテンが必要。
そこでイスラエルですよ
今標準的な戦車用の1500馬力のディーゼルエンジンを作れる国は日本・ロシア・ドイツ・フランス(少し落ちる)あたりしかない。
戦車のエンジンは車のエンジンとは違う困難さがある、トラクターの親戚ではない。
1500馬力を出すにはエンジン効率を考えると4000馬力分の燃料を消費するが、その時には2000Kwの熱を発生するからとんでもない発熱があり、冷却ファンは100馬力以上くう。
レオ2も最大出力を10分も維持できない。
三菱が開発中のアレはエンジンが10式用の流用だが、海上では海水で冷却するため2000馬力くらい出せる。
水陸両用車用のアレは2000馬力どころじゃなくて、3000馬力目標でしょう
地上だと1100馬力だったかな
中国と韓国も1500馬力のディーゼルエンジンを作れるぞ
どちらもユーロパワーパックの血を引いたものだが
韓国の場合はトランスミッションの問題が抜け出せなくて、中国の場合は出てくる情報が少なくてあまり多くの事はわからないが
どんどん国産化に舵を切っていくのな。
トルコ経済あまり良くなさそうだけど。トルコもロシアみたいな感じかな。
ある意味韓国と手が切れて良かったのかなと。
元々、
ドイツの砲(ラインメタル)にドイツのエンジン(MTU)+韓国の車体(K2)
という構成だったんだから、エンジンがイタリア(管理人さんの情報ではアリエテの発展型)になっただけで脱韓は出来てないよ
こいうときは逆に考えるのです。イタリアに韓国(フランス)の技術が流出する、トルコ恐るべし。という感じにね。
対艦弾道ミサイルを作って空母キラーだって言っておきながら空母増産の中国。
UAVで戦車ボコしておいて戦車作るトルコ。
どうなってるんだろうね。
普通に多兵科連携の一環だと思うよ。
UAVにビビって敵国が主力戦車を廃止…までは行かずとも前線から撤退させれば自国の戦車が無双できるじゃん?
「じゃあこっちもUAVで戦車狩りだー」となったらトルコはしれっと戦車風ハリボテULVでも出してくるんだろう。
知らんけど。
ウクライナとの関係強化はロシアに睨まれると判断したのかな?
技術的に可能ならウクライナからの提供もありかと思うけど、コーカサス地方でロシアと提携する場合、ウクライナと距離をおく必要もありえる。
戦車なんぞ、射的の的であると証明した国が戦車に力を入れているのを見ると、まだまだ戦車っているんでしょうね。それとも外貨稼ぎ用?
UAVって戦車キラーにはなれても戦車を代替する装備じゃないからね、各国で戦車の開発が中止されるどころか継続、あるいは興味を持つ反応示してるし代わりになる兵器の登場までは現役なんでしょう。
UAVは航空優勢が無ければ単なる竹トンボ、何の役にも立たない。
アア戦争で戦車狩りまくって自分で戦車いらなくしたのにまた作ろうとするなんて、トルコは重車両がまだ必要だって思ってるんだね。
そりゃ対艦弾道ミサイルで米空母を無力化するはずの中国だって空母建造にいそしんでるし
地対空ミサイルを発達させた国も戦闘機は否定していない。
それより、戦場で豊富な教訓を得ているトルコがこの戦車にどういう工夫を凝らしているのか、割りと楽しみなんだよね
苦労しながらも努力して純国産の方向を目指してる国をあざけってはいけないでしょ
我が国が兵器の国産化を進めてた時期に、海外からの取材者はどこかに輸入部品が使われていないかだけを探しては、見つけて鬼の首とったみたいに報道してたって記録もある
トルコを見下すよりも、自分たちの歩んできた苦労の道を忘れないことが大切だよ
韓国産買えなかったって、相当めちゃくちゃな要求したんだろうな
このブログでも前k-2パワーパック選定試験のめちゃくちゃさが記事になってたけど韓国製パワーパックは高性能なのに自国の試験がアホ臭い仕様でk-2に載らなそうなのは正直可哀想だし
ドイツ製のパワーパックが輸入出来ないならドイツの基幹部品使ってる韓国製も輸入出来ないのでは?
トルコの場合は過去に輸入兵器でボコボコにされた事が有るので国産化が第一になっており、無理な主張を普通にして来るのですが、イタリアが目をつぶってトルコに協力するのはヨーロッパでのK-2対策も必要と考えてクローンのアルタイ計画に協力して技術情報アクセス権を得て対策を行う為だとみて間違いナシです、韓国よりもイタリアの方が格上なのとトルコの条件呑んだというのでこの結果に・・あと韓国別に可哀想くなくね、フランスが可哀想くない?勝手に色んな国に技術供与した戦車乱売されてドイツに設計依頼したパワーパックで止めようとしてるのに他国が介入して来る、そして次の戦車では強力なライバルとなって韓国の前にたちはだかる事だろう。
トルコ側の会社って、「Tumosan」って大型耕運機メーカー(建設機械はやってない模様)でしたっけ?
変速機は無理かもね。
あの韓国でさえwww、K-9迫撃砲では9,600㎞のOH周期のはるか手前で壊れてて、現在はその場転回(左右の無限軌道を逆回転させる)は禁止になってる。 なお、K-9/K1A1のパワーパックのKD生産メーカーはK2の会社(斗山:船舶用ディーゼルの会社、S&T重工業)とは違う会社です
MTU MB-871 Ka-501水冷ディーゼルエンジン(STXエンジン ※ でライセンス生産)
ZF LSG-3000前進4段後進2段(現代デイモス ※でライセンス生産)
※ 現在の会社名
K1 戦車 韓国語wiki
リンク
戦車のエンジンって二系統あるからどっちのグループのエンジンが欲しいかでも選択肢は変わる。
独みたいな瞬発力重視、日本みたいな持続力重視、ウクライナは露源流だから日本組、仏は独組だったかな。
土は瞬発力のあるエンジンが欲しかったのかもしれない、そうなると韓経由の独か独自開発しか道がないわなぁ。