アフガニスタン軍特殊部隊を支援のため派遣されていた英陸軍の特殊空挺部隊(SAS)はタリバン支配地域のど真ん中に取り残されていたが、電撃的な救出作戦で無事全員がドバイに脱出することが出来たと英国メディアが伝えている。
真夜中に実施された救出作戦、タリバンの戦闘員に取り囲まれた特殊空挺部隊をC-130Jで救出
英陸軍特殊空挺部隊(SAS)の精鋭20人はアフガニスタン南部の州都カンダハール(首都カーブルに次ぐ規模の都市)でタリバンと交戦するアフガニスタン軍特殊部隊を支援するため派遣されていたのだが、今月13日に州都が陥落してしまい直ぐに救出を要請するもカンダハール空港もタリバンに押さえられたため敵地の中に取り残されてしまう。
さらに数日後にはガニー政権が崩壊してアフガニスタン全土がタリバンの支配下に置かれたため彼らの救出はさらに困難になり、直ぐに迎えが来ないことを知ったSASの隊員は敵に取り囲まれることを防ぐため州都カンダハールから脱出、追手と交戦しながら砂漠地帯に移動して脱出のチャンスを待つことになった。

出典:public domain 米空軍のC-130が未舗装の野外で着陸訓練を行っている様子
幸い彼らの位置は暗号通信で常に特殊空挺部隊の本隊が把握していたが設備の整った空港が利用できないため追撃を交わしながらSASの隊員はC-130Jが降りられる場所を自ら確保、統合特殊部隊航空団(英陸軍と英空軍の統合部隊で特殊部隊を空から支援する目的の部隊)はADS–B(自機の位置を送信する機器)を切ったC-130Jをパキスタン方向から夜間に侵入させ指定された荒れ地に着陸、20人の隊員と装備を詰め込みカタールのアル・ウデイド空軍基地に無事帰還することに成功したと報じられている。
英国メディアは「カンダハール州でタリバンの大軍に囲まれていたSASの隊員を劇的な方法で救出することに成功した」と報じており状況が一段落すれば映画化の話もでてくるかもしれないが、英国は軍の再編計画の一貫としてC-130Jの退役を予定しているため間もなく英空軍から姿を消す予定だ。
因みに極秘の救出作戦が実施されたのは18日らしいのでSASの隊員は環境の厳しい砂漠地帯で追撃を交わしながら5日間も耐えた計算だが、英国メディアが「タリバンの大軍」と表現する規模がどの程度なのかは明かされていない。
※アイキャッチ画像の出典:public domain
こんな美談が出来たら退任が難しくなるよね
むしろ有終の美を飾った、この上ない退役になるかも
むしろ退役が決まっていたからこそ後先考えず無茶な運用をできたとも言える
退役後は、他国に売るハズだから、機数を減らしたくないし状態は良いに越したことはない。
もちろん、兵士の命は最重要だけど、機体についても今後を考えて計画したと思う。
まともな不整地運用能力が無い、実践を想定していない「お嬢様輸送機」C-2には出来ない芸当だな
小松基地で不整地離着陸向上の実験中だけど
正確には「不整地離着陸」ではなく「未舗装滑走路離着陸」の試験です。
一応小松基地で実験していて離着陸に成功してる動画がありましたよ。
観たけど…荒野を想定した土埃の量じゃないのが問題じゃないかな?
因みに、A400Mは実際の海岸で離着陸を試験してたので、C-2もそれくらいのレベルを実証出来れば、アンチを黙るんじゃない?
となるとやはりアメリカの砂漠地帯での試験を行うのが一番ですかね?
不整地と一言で言っても砂漠だとエンジン吸気問題やタイヤが砂にとられるし、荒野だと石や岩でサスに負担だかかるし、湿地帯だと抵抗が増えるしと一概には言えないからなぁ
輸送機と言うくくりと言うだけで比較してるのがなぁ、これがC-17やA400だったなら叩かれてもいたしかないっておもうけど。これはC-130だからできた話ってのは思わないのかな。
そうだね。長距離高速輸送能力が無い、「鈍足C-130」だからできた芸当だ。
C-2とC-130は運用シーンが違うのだから、求められる機能は違うだろう。同じ尺度で測るモンじゃない。
C-17は同じ芸当が出来るけど…
70トンのc130と260トンのc17の離着陸性能が「同じ」なら、c17とc2も「同じ」性能になる。
つまり三段論法でc130とc2も「同じ」ことが出来るわけだな。
倍の性能差を「同じ」と言うのであればだが。
一般通行人の私は、c130とc17の離着陸性能の差を「同じ」とは言わないが、KYTNとかのように「給油」「受油」や「未舗装」「不整地」の区別をしない日本語に精通したお方達にとっては「同じ」ことになるのだろうな。
そのC-17でもこんな事になる訳ですが・・・ SPRO (Semi-prepared Runway operations)半準備滑走路運用=地上員による整地なり転圧の準備がされた滑走路
後車輪一個あたりに掛かる重量とか比較してみたらあんまりそんな風には思えないが。
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それ「ヘリはビルの屋上に降りられるから飛行機より優れてる!」とかいうレベルの意味不明さだぞ
同クラスのA400Mだってそんな運用は無理です
その代わりC-130じゃ本邦で使ってる野外手術システムやら何やら主要な支援用装備の半分以上がどうやってもスペース的に積めないけどな
そもそもkytnの言い分を真に受けてたらマジで笑われるぞ
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流石SASだ。凄いな。それに真夜中に不整地着陸なんてよくやってのける。
YMC-130Hみたいな話だな
あっちは失敗したけど
凄いぞ!流石は世界初の特殊部隊SASだなぁ!
もしタリバンがスティンガーミサイルを発射したら、輸送機もろとも撃墜されてしまったでしょう。
今回は幸いにも成功したようてすが、次も成功するとは限らないでしょう。
だからこそ、成功させたのは凄いことなのでは?
今回の成功は次回の成功を保証しないってのは全ての事にいえることなのだし。
勿論、こんな状況に陥らないのが一番だけど、そうもいってられない状態だったでしょう。
まずタリバンが対空兵器をどの程度持ってるかどうか、という話だけど。
少なくともタリバンが航空戦力を持っていない以上、米軍も政府軍に精密誘導対空兵器を供与していないか、あるいは極少数の供与に留めているはずで、政府軍を通じて鹵獲されている可能性は低い。あとはソ連侵攻時に供与されたスティンガー、これはメンテナンスができていなくて当時ですら後半はまともに稼働していなかったのに、現在稼働しているとは考えにくい。
夜間に有効打を与えられる対空兵器はタリバンにはほぼ存在しないと考えてもいいのでは?
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>めしろ @HaishHaafor
>続
>マスード氏本人によると、パンジシール渓谷には数百のコマンド部隊員、特殊部隊員、パイロットが逃れて来ているとのこと。
>現在の人口は20万で軍事基地の数は20。ハンヴィーや装甲車は数百台あり、ヘリを5機保有。それをカーブルまで飛ばして兵士をピストン輸送したとのこと。
マスードJr率いる新北部同盟は5機のヘリを有しており、カブールまで飛ばして兵士をピストン輸送したとのこと
こんな作戦を実行されてしまうくらいなのだから、マトモな対空火器は保有していないのだろうな
故に、パイロットへの暗殺作戦などの搦手で空軍力を無力化しようとしていたと
ただ足手纏いとなる救助対象を連れた救出部隊でもなく、武装解除されたわけでもないSAS精鋭の自力脱出でさえこれほど困難なんだよな
現地に取り残された各国の非戦闘員や現地協力者を救出できる可能性ってどれだけあるのだろうか……
毎日のように映画や小説のネタになりそうな話題が出てきてるな
まさに我々がイメージする特殊部隊って感じだね。
やはり周りの手厚いサポートあってこそ活きる軍種なんだなと再認識。
>ADS–B(自機の位置を送信する機器)を切ったC-130Jをパキスタン方向から夜間に侵入させ指定された荒れ地に着陸
パキスタンと事前協議した上での事なのかな
流石にパキスタン側からはレーダーで丸見えだとは思うけど
この状況で余計な事をしたら、西側各国から非難轟々になるよ。
特殊部隊強い!
練度と士気があればここまで戦い続けられるものなのか。
まぁ士気を維持できるのもちゃんと助けに行くぜっていう姿勢があるからだと思うけどね
お疲れさまっした!!!
夜間の荒地着陸ですから救出機のパイロットもすごいんですよ。
救出されたSAS部隊も救援機の到着を確認して着陸地に灯火誘導したと思いますが。
日頃から想定訓練を行っていないと機体が何であれ無理ぽいような。
イギリスにもナイトストーカーズみたいな部隊あるんだなあ