南コーカサス(もしくは東欧州)に位置するジョージア(旧グルジア)のガリバシュヴィリ国防大臣は8日、旧ソ連時代に開発された攻撃機「Su-25フロッグフット」を新たに製造して輸出するを検討中だと明らかにした。
参考:В Грузии задумались о производстве и экспорте штурмовиков Су-25
米国とロシアの兵器を搭載可能でNATO規格に準じた攻撃機Su-25KM
Su-25は旧ソ連時代に開発された近接航空支援に特化した攻撃機で同時期に米国が開発した攻撃機A-10に近く、同機の製造はジョージアのトビリシ工場(通称:航空機工場NO.31→現在は同工場を引き継いだ民間企業トビリシ航空機製造:ТАМ)で行われていたためSu-25の製造に必要な全ての要素(設計図や技術や同機を生産するための設備等)を旧ソ連から引き継いでいる。
ソ連崩壊後に独立したジョージアは一貫して反露親欧米政策を行った影響もあり、イスラエルのエルビットシステムと共同で新しく「Su-25KM」を開発した。
このSu-25KMはSu-25をアップグレードした機体だが改良範囲は広範囲に及び、グラスコックピット化、デジタルマップの採用、ヘッドマウントディスプレイへの対応、新しいエルビットシステム製のミッションコンピュターを採用、NATO規格に準じた敵味方識別装置(IFF)の搭載など先進的なアビオニクスを採用して能力を向上させており夜間を含む全天候下で運用することが可能になっている。
同機はロシア製搭載兵器(空対地ミサイルKh-29や空対空ミサイルR-73等)だけでなく、西側製搭載兵器の統合が行われたため米国製のレーザー誘導爆弾GBU-12やGBU-16などが使用可能で、これとは別にSu-25のロシア製コンポーネントを全て欧州製かイスラエル製に置き換えた全く新しいSu-25を開発したと言われており同機は「Ge-31ボラ」と呼ばれているが今のところ1機も売れていない。
しかしガリバシュヴィリ国防大臣は8日、あらためてТАМが開発したSu-25の輸出について「多くの国が興味を示している」と言及して商業的な武器ビジネスに繋げたい様子だが、果たして購入する国が現れるのか謎だ。
近接航空支援に特化したNATO規格を満たす純粋な攻撃機を新規に入手できるという点では非常に稀な存在だと思うのだが、地対空ミサイルの性能が発達した現代において低空を低速で飛行する近接航空支援が機能する戦場は限られており、このような用途に特化した攻撃機を需要がどれほどあるのか全く不明である。
さらにSu-25のユニットコストは約1,100万ドル(2004年)で、恐らくジョージアが開発したSu-25KMやGe-31のユニットコストはこれよりも高価(一説では2,000万ドル後半)であることが予想されるため、これをどのように判断するかだ。
管理人的には非常に面白い機体だと思うが実際に購入する国が現れるかと言えば、中々難しいだろう。
※アイキャッチ画像の出典:Dorogotovcev / stock.adobe.com
ジェネリック薬みたいだな。
>「多くの国が興味を示している」
本当かよ?
昔と違って携行式地対空ミサイルが進化しているから低空を飛んで地上を攻撃するSu-25みたいな攻撃機は結構墜とされそうだけど。
A10に比べてパーツの規格でしょうかねー
>ジョージア(旧グルジア)
今更だけど、ジョージアで連想するのは缶コーヒーで、そこから転じてアトランタなどのあるジョージア州。
旧グルジア関連でジョージアが出てくると、未だに違和感があります。
また、ロシアがユダヤ網も包囲される??
1100万ドルのままだったら複座機が練習機兼攻撃機として結構魅力的な価格だろうとは思うけど2000万ドル台後半だと厳しいねぇ。
そういえばジョージア自身がカフカスなんちゃら相手に内戦してた記憶があるんだが、あれはもう収まったのか?
面白い兵器イコール売れる訳じゃない(^_^;)
かっこいいけどゲリラ相手ならヘリとかもっと安い機体で十分な気がするのがな
今時、ゲリラ相手でも携行式地対空ミサイルへの警戒が必要な時代ですからね。少なくとも、裏に国家の支援が有る反政府組織相手だと、携行式地対空ミサイルどころか対艦ミサイルや弾道弾すら撃ってきた実績が有る
それどころか、安いヘリコプターじゃRPGや機銃ですら落される危険性が有る。実際イラクの米軍におけるOH-58の損害は著しく、それどころかより頑丈なAH-64ですら対空機銃陣地に突っ込んで落されているほど
なんで専用のジェット攻撃機を維持できる国家だと、本音を言えばA-10やSu-25クラスを近接航空支援に使いたい。あるいはUVAで人的被害を無くすかしたい。今や専門の攻撃ヘリコプターはどっちつかずの中途半端のオワコン状態だ
>今や専門の攻撃ヘリコプターはどっちつかずの中途半端のオワコン状態だ
この問題、AH-Xがなかなか進まない一因ですかね?
フィリピンあたりが対国内ゲリラ戦兼哨戒ボートからの通報対処用に使ったらいいんじゃないかな。OA-10みたな。
多くの国が興味を示していると言いながら、それはハッタリで結局どこにも売れないところが日本の兵器と同じだな
ここはつりのめいしょ▼
低空での近接航空支援がまともに機能するのは米軍くらいなものだと思っていました。
ハイレベルでの制空権の維持なんて他に誰ができるのか・・・そう考えると顧客はいなさそうですね。
アルゼンチンのA-4みたいな例もありますが、このSu-25で代わりができるかといえば謎。
エリア88で「東側の機体で中身は西側の部品」という機体が出てきましたが、旧ソ連崩壊から旧東側の機体のNATO対応が増えたのでこういう魔改造も珍しくなくなりましたね。
エリア88の連載当時では予想だにしませんでしたが
エリア88懐かしいですね
これだけ細かいネタで記事を量産できるの尊敬する。
ベネゼエラやシリアに固執するロシア政治も、そろそろ限界。
核心の工業は、ドイツ企業貴族らになすすべもないロシアの現実なんだろう。
戦後もおわりだね
この機体のエンジンをどこから仕入れているかでしょうね。
TAMって企業はエンジンまで製造しているのでしょうか。
好みは別として安価な機体ならば中華製や韓国製がありますし。
>好みは別として安価な機体ならば中華製や韓国製がありますし。
安価な機体、東側の系統に成りやすいですよね。
西側で適当なのはないのかな?
具体的にどのエンジンか・・・といわれるとはっきりとは分かっていないようです。
Ge-31は中身の大半はイスラエル、英国、フランス、イタリア製のものに置き換わっているようですから、エンジンの調達先はこれらのいずれかということになります。
空気取り入れ口の形状が変わっていないため、元々のツマンスキー R-95Shターボジェットとほぼ同等のサイズと出力のエンジンということになりますね。
攻撃ヘリよりも安いA-10よりも安いのかなSu-25は?
複座だったら性能陳腐化後も訓練機として使えたのにな。
どうせなら電子戦機に改装できないものかな?
時代遅れと酷評されてたA10がまだ延命使用されてるのに、なんでスホーイだといかんのか
条件が整っていれば売れますよ
問題は機体そのものでなくグルジアへの信用度かと
西側装備、怪獣と闘うわけでもあるまいし