欧州関連

ウクライナにブラッドレーとAMX-10RCが到着、パトリオットも引き渡し済み

米国防総省はウクライナ軍のデジタルカモフラージュに塗装されたブラッドレー登場を受けて「一部のブラッドレーがウクライナに到着した」と認め、ドイツ政府も「約束したパトリオットシステムをウクライナに引き渡した」と発表した。

参考:Bradley Fighting Vehicles Have Arrived In Ukraine
参考:Liste der militärischen Unterstützungsleistungen
参考:Без вести пропавшими считают 7 тысяч украинских военных – уполномоченный

西側諸国は反攻作戦に向けてウクライナに約束した装備の大半が到着している

ウクライナ国防省は17日「デジタルカモフラージュに塗装されたブラッドレー」を公開、これを受けて米国防総省も「提供を約束したブラッドレー(109輌)の一部がウクライナに到着した」と認めており、レズニコフ国防相はフランスから受け取ったAMX-10RCも公開して「反攻作戦に向けた装備がウクライナに到着している」とアピールしている。

さらにドイツ政府も公開しているウクライナ支援リストを18日に更新、約束したパトリオットシステムの引き渡しが「先週に実行された=ウクライナ人の手に渡ったという意味」と明かしたが、このパトリオットシステムがウクライナ国内に到着しているのかは不明だ。

西側諸国が4月頃までに納品を約束した装備+年内納品の可能性がある装備
戦車 ドイツ レオパルト2A6 18輌 到着
ポルトガル レオパルト2A6 3輌 到着
スウェーデン レオパルト2A5 10輌
ポーランド レオパルト2A4 14輌 到着
ノルウェー レオパルト2A4 8輌 到着
スペイン レオパルト2A4 10輌 6輌が4月末
カナダ レオパルト2A4 8輌 到着
英国 チャレンジャー2 14輌 到着
ポーランド PT-91 60輌 到着

145輌 131輌到着済み
戦車 米国 M1A1 31輌 年内到着
  独蘭丁 レオパルト1 100輌 25輌を年内到着
 
軽戦車 フランス AMX-10RC 推定30輌 到着
 
歩兵戦闘車 米国 ブラッドレー 109輌 一部が到着
ドイツ マルダー 40輌 到着
スウェーデン CV90 50輌  
ギリシャ BMP-1 20輌 到着

219輌 60輌以上が到着
 
装甲車輌・MRAPなど 米国 ストライカー 90輌 恐らく到着
  クーガー装甲車 271輌 恐らく到着
  HMMWV 350輌 恐らく到着
英国 MK.3ブルドッグ 推定20輌 恐らく到着 
  MRAP
推定60輌 恐らく到着 
ドイツ フクス 5輌 到着
イタリア 何かしらの装甲車 数量不明  
カナダ Senator APC 200輌 夏前までに到着

996輌  
 
榴弾砲・自走砲 米国 M109A6 18輌 恐らく到着
  英国 AS90 30輌 納品中
  イタリア M109L 最大60輌 到着の可能性
    FH70 推定10門 到着の可能性
スウェーデン アーチャー 8輌  
デンマーク Caesar 19輌 到着
エストニア FH70 推定8門 到着
  D-30
推定24門 到着

102輌  

西側諸国は反攻作戦に向けてウクライナに約束した装備の大半が到着しているが国外での訓練は現在も続いており、流出した機密資料によれば訓練の完了は4月末の予定だが、ウクライナのシュミハリ首相は反攻作戦の開始が「夏頃(6月~)になる可能性がある」と言及している。

因みにウクライナ政府で特殊事情による行方不明者(ロシア軍との戦争で安否が不明な兵士のこと)問題を担当するオレグ・コテンコ氏は18日「2023年4月時点で約7,000人の兵士が行方不明になっている」と明かし、内60%~65%がロシア軍の捕虜になって生きている可能性があると言及して注目を集めている。

関連記事:ウクライナ軍の反攻時期、シュミハリ首相が春ではなく夏になると発言
関連記事:伊メディア、イタリアは60輌のM109Lをウクライナに提供済みか提供予定
関連記事:反攻作戦に必要な装備が続々とウクライナに到着、ほぼ約束された数が揃う

 

※アイキャッチ画像の出典:Defense of Ukraine

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コメント

    • AH-X
    • 2023年 4月 19日

    デジタル迷彩のブラッドレー、かっこいいですね。
    ところでこのデジタル迷彩って人民解放軍以外あんまり採用してないみたいですが何か理由あるんでしょうか?詳しい方いませんか?

    6
      • 伊怜
      • 2023年 4月 19日

      デジタルというかピクセルパターンですかね。
      遠目に見ると角が取れて溶け込むんですが、ピクセルが大きい場合はかなり離れないと効果が薄いですね。
      近距離で見ると返って目立つのが写真で見てもわかると思います。

      6
    • gepard
    • 2023年 4月 19日

    S300の迎撃弾枯渇がリークしたとする文書で明らかになり、既に供与が表明されたパトリオットの配備数では全土を守ることはできない。ロシアが導入を始めた滑空爆弾が戦果を上げ続けている状態での攻勢は厳しいものがあるだろう。
    SAMの追加援助があるまで攻勢が延期される可能性もあると予測している。

    9
      • ミリオタの猫
      • 2023年 4月 19日

      SAMの追加援助に関してですが、既に仏伊がSAMP/T、Aspide、Skyguardの供与を決めており、特にSAMP/Tについてはパトリオットよりも早く供給出来ると言う報道が2月の段階で有ったので、もしかすると伊のM109L自走砲の様にもう既に配備されている可能性も有り得ます
      後、ロシア軍の誘導爆弾の効果も現状バフムートでの正面攻撃で多少効果が有る程度でそれ以外の戦局には殆ど寄与していない時点で、その効果は御察しですね
      【参照:当ブログ・2023.2.22「伊首相がキーウを訪問、SAMP/Tを含むウクライナ支援パッケージを発表」】
      リンク

      23
    • 774rr
    • 2023年 4月 19日

    > 装備の大半が到着しているが国外での訓練は現在も続いており
    やっぱコレがネックだよね
    人はそうそう作れるもんじゃないもんね

    16
    • 58式素人
    • 2023年 4月 19日

    レズニコフ国防相さんは、嬉しそうに運転をしていますね。
    嬉しいのだろうけども、楽しそうでもありますね。
    そういう姿を見ると、素人も運転してみたくなります(笑)。
    クロスドライブ以上の運転が楽なものを、何処かで体験できないでしょうか(笑)。
    それはそうと、74式戦車などを運転してもらって(笑)、
    コメントを聞いてみたい気もします。

    4
      • 2023年 4月 19日

      保守パーツも殆ど無い産廃をウクライナ人に押し付ける発想、そろそろやめたら?

      30
      • メルク
      • 2023年 4月 19日

      74式なんて博物館級の遺物よりも、高機動車を送った方が何倍も助けになるぞい。

      18
      • TA
      • 2023年 4月 19日

      少し前のウクライナではお金出したら戦車運転できたらしい
      戦後はまた戦車運転できるようにならんかなw

      1
        • 台湾大好き
        • 2023年 4月 19日

        お金さえ積めば結構色んなところで経験できますよ。(最新情報ではないですが)過去ロシア、中国、モンゴルあたりはそんな話がありました。
        個人的な経験からカンボジア、ミャンマーあたりもできるんだろうと思ったり。金さえ積めば何でもありな国ですから。

        4
      • zeema4
      • 2023年 4月 19日

      送るなら最低でも90式では?74式はさすがに…。

      2
    • おわふ
    • 2023年 4月 19日

    さて、T-55と戦ったら戦車相手でも、ブラッドレーが有利なのか見もの。

    3
      •  
      • 2023年 4月 20日

      T-55なんて戦場に出てきてないのに会敵機会ないだろ

    • あああ
    • 2023年 4月 20日

    反応装甲もりもりかと思ったら違うんか。車両にセットで西側メーカー品の大量供与かと思いきや全く見かけないの謎。
    そういや英軍APCも英軍運用なら外装もりもりなのにウ軍のはまるで80年代仕様みたいだったな。

    1
    • うぃるびぃ
    • 2023年 4月 20日

    スロベニアのM-55Sも到着しているようです。

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