欧州関連

新型攻撃ヘリがまもなく登場、LeonardoがAW249をEurosatoryで披露

ウクライナとロシアの戦争で無人機やドローンの有用性にスポットライトが集まっているものの、低空域を主戦場とする攻撃ヘリの需要も依然として衰えておらず、Leonardoは18日に開催されるEurosatoryでAW249を公開すると報じられている。

参考:Leonardo presenta en una semana su AW249, el helicóptero de combate italiano que competirá con el Tigre y el Apache

攻撃ヘリに求められる役割も有人戦闘機と同様に拡大傾向

ウクライナとロシアの戦争で低空域を主戦場とする無人機やドローンの有用性にスポットライトが集まっているものの、多くの国は無人機と攻撃ヘリについて「競合関係」ではなく「補完関係」と認識しているため、求められる役割も有人戦闘機と同様に拡大傾向で需要も衰える気配がない。

出典:U.S. Army photo by Spc. Joshua Zayas

2022年以降、オーストラリア(29機)とポーランド(96機)は無人機とのチーミング能力を強化したAH-64E V6を発注、米国とオランダは保有するAH-64EをV6バージョンにアップグレードする予定で、英国もAH-64D相当のAH Mk.1を退役させてAH-64E V6バージョンとして再生産(50機分)しており、スロバキアもMiG-29をウクライナに提供した見返りを活用してAH-1Zを12機調達する予定だ。

さらに攻撃ヘリの新規開発も盛んで、イタリアではA129 Mangustaの後継機としてAW249、トルコはT129 ATAKを補完する攻撃ヘリとしてATAK2(AH-64相当)、インドはAH-64Eを補完する攻撃ヘリとしてLCH(A129相当)の量産が進めてられており、Leonardoは18日に開催されるEurosatoryでAW249を公開すると報じられている。

イタリア陸軍の要求を受けて開発が始まったAW249はA129の後継機で、動力はAH-64が採用するT700の商用バージョン(CT7-8E6)×2基構成、最大離陸重量は7t~8t、ペイロードは約2t、A129よりも攻撃能力、飛行能力、生存性、自律性、機動性、ステルス性が強化され、20mm機関砲、Spike-ER、 Hydra70、Stingerといった伝統的な兵器の運用能力に加え、無人機とのチーミング能力にも対応してくるため、AH-64E V6と同じ様に戦場のネットーワーク化におけるハブ機能の役割を果たすのだろう。

既にハンガリーはMi-24の後継機としてAW249に関心を示しているものの、流石にイタリア(48機発注済み)とハンガリー(10機前後?)の需要だけで商業的成功を収めるのは無理なので、Leonardoは新たな潜在的顧客を見つけてこなければならない。

出典:Leonardo AW249

因みに米国の研究機関(MITRE)は「攻撃ヘリの無人化に要求される自律性の獲得レベルは2030年~2040年まで大きな変化はなく、戦場で発生する『複雑で高度な問題』に対処するにはパイロットを攻撃ヘリに乗せる必要がある」という技術分析を発表したことがある。

関連記事:米国務省がポーランドへのAH-64E売却を承認、120億ドルで96機
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関連記事:イスラエルと韓国が徘徊型UAVシステムを共同開発、韓国軍に有人無人チーミングを提供

 

※アイキャッチ画像の出典:Leonardo

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コメント

    • 765
    • 2024年 6月 11日

    露系の攻撃ヘリを除くとどいつもこいつも似たような見た目であんまり好きになれない
    インビクタスはスマートなイケメンだったのに天に召されてしまったね……

    17
    • マルイ
    • 2024年 6月 11日

    アメリカって確か新規の攻撃ヘリ開発を中止して無人機に注力するとか言ってなかったっけ?
    陸自は攻撃ヘリを廃止するけどこういう記事を見る度に結局のところ攻撃ヘリはまだまだ必要なのか不要なのかどっちなんだろう?

    11
      • Minerva
      • 2024年 6月 11日

      内陸国と沿岸国、外征型と防衛型、敵が先進国か民兵かで攻撃ヘリの価値は大きく変わります。
      特にイタリアはNATOの関係で外征型、敵がテロリストや民兵で武装が弱い場合が多いので攻撃ヘリの重要度がそこまで低下していません。

      16
      • hogehoge
      • 2024年 6月 11日

      不要でしょうね。
      結局、敵SAMがある場所ではまともに使えず、敵SAMが居ない場所でしかまともに使えないので。
      更に西側の場合は、F35という強力な対地能力のあるステルス機もあるので、AH何機か買うよりF35を1機増やした方が良いというのもあります。

      13
        • 名無し
        • 2024年 6月 12日

        リアルタイムで戦争やってんのにいまだにAHと戦闘機の役割の違いすら分からないとかびっくりだわ

        16
      • 落ち着け
      • 2024年 6月 11日

      ウクライナのような戦場(前線がある程度膠着)に限定した場合。。。
      前線から100km以上離れた基地でさえ、補給中にミサイルの餌食になっている。
      たかだか時速300km/h程度で100km移動して、探知距離10〜20kmのレーダーで索敵して、射程僅か数km〜20kmの対戦車ミサイルを撃ち込む。
      それだったら無人機で索敵して、あちこちにいる車両や歩兵からミサイル撃ち込んだ方がよくね?ってなりそう。。。
      前線が大きく動いている時は有効だと思うけど、MANPADSが普及しているとどうなんだろう?
      あと、汎用ヘリでは対応出来ない任務ってどれだけあるんだろうか?

      18
      • NHG
      • 2024年 6月 11日

      ロシア軍はウクライナ軍に対して攻撃ヘリでアウトレンジから一方的に攻撃して撃退した例があるから、同じ場所にとどまって警戒や情報収集・ロケット攻撃できるヘリは有用ではあるはず
      でも日米の場合は相手がステルス戦闘機をバンバン飛ばす中国が相手だから優先度が下がったんじゃないかな
      敵大型SAMと小型SAMの間をヘリが飛べたから活躍できたけど、その隙間をステルス戦闘機がつぶしたら同じような戦い出来ないだろうし

      14
        •   
        • 2024年 6月 11日

         スティガーもジャベリンも射程が5キロから8キロだから、敵味方の領域が分かれている戦場の場合、ロングレンジのヒットアンドアウェイが有効だったようだ。なんやかんや言ってもドローンよりは早いし。問題は価格。西側は価格が高すぎる。mi24は微妙で中途半端だけど。あった方良いという気はする。 西側に対する多様性というカードになるかも。

        10
          • 落ち着け
          • 2024年 6月 11日

          撃ち下ろしのアドバンテージはあるが、TOW2で射程は4km弱、ヘルファイアで7〜9km。
          マーベリックって、今どれだけ使われてるの?

          4
        • bn8e4
        • 2024年 6月 11日

        その中国は新型攻撃ヘリの開発を続けていますね。
        中国はZ-20ベースの攻撃ヘリを開発しましたし、さらにZ-20を発展させた新型の攻撃ヘリも開発中です。
        開発理由は本記事に記載されている内容と同じです(複雑で高度な問題に対処するにはパイロットが必要、無人機とのチーミング能力を重視)。

        9
      • はらへり
      • 2024年 6月 11日

      開発中止は偵察ヘリのFARAです(JMR / FVLのJMR-Lightカテゴリ)
      退役したOH-58カイオワの後継用で、現在偵察ヘリの役目はAH-64Eが代役として勤めていますが
      後継機がRAH-66コマンチ・ARH-70、AAS計画と延々と開発中止を繰り返してるカテゴリで
      攻撃ヘリとしてのAH-64Eの後継は別で実施しています(JMR-Midiumのカテゴリ)

      3
        • 落ち着け
        • 2024年 6月 12日

        JMR-Mediumの片方、海軍UH-60の後継はV-280。
        陸軍はどうするのだろう?
        ティルトローターに追いつける速度じゃないとエスコート出来ないし。。。
        それこそこっちもぐだぐだして立ち消えになる(てか、計画すらないんじゃね?)、V-280の派生じゃないのかな?

        1
      • ネコ歩き
      • 2024年 6月 11日

      接敵に有利な遮蔽物の無い地形の戦場では、制圧兵器であるAHの生残性が将来的に下がる一方なのは意見が一致するところでしょう。逆に想定する戦場の地形によってはまだまだ生存率も高く、有効な局面があるということなのかと。
      その場合でも、可能な限り敵軍の射線や照準線に機体を晒さず比較的安全に運用するには、補完的に無人機との連携等が必然になってくるのかとも思います。
      しかしながら、妨害に強い遠隔無線通信システムを確立できるならば、AHの任務を無人機に移行するというのが将来戦への本流なのでは。

      本邦の場合ですが、現在は本土への本格侵攻の蓋然性が極めて低いという分析・判断を基に防衛戦略が構築されていますので、AHが活用され得る戦場は島嶼部の奪還作戦ということになります。遮蔽物の無い海上を低空接敵することになって高生残率は期待できません。
      平素から準備可能な人的資源が期待できず、継戦能力維持のために高生残性を配慮せざるを得ない本邦では、スタンドオフ兵器の装備化と同様にAHや観測ヘリを廃し無人機に移行する選択は納得いくものだと思います。

      19
      • nachteule
      • 2024年 6月 11日

       必要なのか不要なのかなんて、ユーザーが置かれている状況次第でしかない。想定する環境が攻撃ヘリに適しているのかどうかなんてそんなに判断に迷う事かな?

       メリット:有人機である、短距離〜長距離の多様な兵器搭載能力、高いセンサー能力、垂直離着陸出来て陸上で運用するのに十分な航続距離もある。

       デメリット:有人機である、想定される敵防空能力に対して生存性低下、攻撃するのに攻撃ヘリである必要性が低い、ランニングコストが高い、航続距離的に太平洋など距離がある戦場での使いづらさ。

       陸自とかなら人員不足、そもそも本土に敵が上陸するのか、離島にしたって海自のヘリ空母を拠点に展開するつもりがあるのか色々あるしね。対人相手ならドアガンとかでイケるやろとか思ってそう。

      2
      • Natto
      • 2024年 6月 11日

      戦車と対戦車ミサイルの関係みたいに、武装して防御された動き回る相手に生身の人間が戦う構図は変わらないんでは?
      どこの国もお金の問題があるから取捨選択だろうけど。

      日本の場合、潰したAH部隊のPをCHの増勢の要員に回すつもりで計画を作っちゃって後戻りが効かないとか?

      1
      • jimama
      • 2024年 6月 11日

      FPSドローンがウヨウヨしてるところだと短射程SAMとかまともに運用できないんで、そういうところなら居場所があるんでないかなと思います
      前線の制圧のために短射程のロケット弾を大量にばらまくとか、TOSみたいな射程が短い、だけど車載だと移動中にドローンにやられてしまう、重量ありすぎてミサイルで撃つにはちょっときつい、のようなものを400㎞ぐらい離れた基地から飛んできて、ぶっ放して、そのまま帰る、という空飛ぶ火力支援車みたいな使い方とか

      4
    • 無印
    • 2024年 6月 11日

    イタリアも50機に満たない自国の需要の為に新型攻撃ヘリ開発ってよくやるなぁ
    輸出出来なかったら大やけどですよ

    陸自は攻撃ヘリ廃止って思い切ったけど、後継になる無人機って何があるんですかね?
    バイラクタルシリーズなのか、リーパーの派生型なのか
    繋ぎの案とかも考えているのでしょうか、UH-2の簡易ガンシップ化とか

    8
      • はらへり
      • 2024年 6月 11日

      少なくとも現時点では攻撃用途は汎用ヘリの武装型ですね
      日本の場合、相手にするのが強力な正規軍であるPLAになるので低速な有人機を敵の勢力圏には出せず、
      かといって国内戦闘になった場合、汎用ヘリの護衛も疎かにはできないがその用途であれば武装型で充分という判断でしょう
      無人機はイスラエルの無人機を試験のために調達したら川崎があれこれ言われてるようにまだなんも決まってないです

      11
      • NNS
      • 2024年 6月 11日

      前任のA129も輸出には成功していないのですよね。(トルコへの技術支援はアリ)

      2
    • 123
    • 2024年 6月 11日

    ヘリは正直汎用ヘリでいいと思うけどな。必要ならオプションで追加できる感じでいいと思う。攻撃専門のヘリは高すぎる。

    21
      • Natto
      • 2024年 6月 11日

      汎用ヘリの武装型では現代の戦場ではカンオケかなと思います。回避能力や防護能力では専用型には敵わないかと。
      人命の事を考えるとKa52みたいに射出座席も装備する必要もあるかと。

      ただ、ACH47の現代型を作ってドローンや長距離ミサイルの運用母機とかありかも。操作要員やシステムを組み込むのは楽だし。

      7
        • 名無し
        • 2024年 6月 12日

        専用だろうと棺桶なのは変わらないでしょう
        ミサイルからしたらどっちも止まってるようなものだし実戦でKa-52の射出座席が機能してるの見たことない

        4
    • MK
    • 2024年 6月 11日

    ここまで毎日無人機攻撃を無人機で撮影な映像見てると、人は乗らない方が良いのかなと思ってしまいます

    8
    • アグスタ
    • 2024年 6月 11日

    「動力はAH-64が採用するT700の商用バージョン(CT7-8E6)×2基構成」
    エンジンが民間用という事はFMS絡みの手続きもなく輸出を狙っているのでしょうね。

    1
      • Natto
      • 2024年 6月 11日

      そんな燃費の悪そうな民間エンジンがあるとは…

      1
    • 2024年 6月 12日

    後方に戦闘機ヘリ100機いたら厄介どころじゃないだろうし
    前線はUAVと歩兵のドローンで、相手の対空兵器や各能力しだいで攻撃ヘリ部隊の集中攻撃ができるね。そうなったら前線近くに補給基地を転々とできる

      • kitty
      • 2024年 6月 14日

      AH100機もいる戦場なら、ドローンが1万機は飛んでいそう。
      ウクライナ戦争だともう万のオーダーで損耗していそうだけど。

    • もい
    • 2024年 6月 12日

    敵陣の直上からロケット砲を連射して塹壕などを破壊する設計になっているが、ロシウ戦争では低空遠距離からのトス打ちしかできていない。TOS-1や滑空爆弾と違って一発の威力は低いので車両に直撃しないとほぼ効果がない
    まったく精度は出ず、それならBM-21グラートのような旧式車載ロケットのほうがまだマシだろう

    現在の投下型ドローンは1~2発の手榴弾しか落とせないので、
    無人化、小型化して「大きいドローン」として運用するか

    あるいは逆に「大型化」して有人かつ遠距離から大型のミサイルを撃って前線を支援するしかない
    ただその役割は現状攻撃機と滑空爆弾がやっているので、基本的に有人ヘリは負傷者や物資の輸送がメインになるか

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